ママ・バリキャリ・海外在住も!つまずいても大丈夫。みんなで創るHELP YOU流リモートワーク
2020年のコロナ禍で徐々に広まり、新たな働き方として定着しつつあるリモートワーク。時間や場所を問わずに働けるため、仕事とプライベートを両立できるイメージがありますが、なかなか最初は思うようにいかない人が多いようです。そこで、リモート環境に慣れてきたHELP YOU 2年生のメンバー数名で、リモートワークを始めた頃を振り返る交流会を行いました。初期の苦労と葛藤を乗り越え、海外生活や育児をしながら自分らしく働くためにたどり着いた方法、HELP YOUでのリモートワークのメリットなど、リモートワーカーならうなずきたくなるエピソードをご紹介します。
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● 参加メンバーについて
Aさん フリーランス。国際結婚&海外移住を機にHELP YOUに出会う。今までの経験を生かして仕事を継続できる点に魅力を感じ、2020年7月にジョイン。主にバックオフィス系の仕事を請け負う。フランス人のパートナーと大好きなペットと暮らす。
Bさん フリーランス。2020年7月、出産前にHELP YOUにジョイン。1歳児の育児との両立に奮闘しながらも、得意な営業経験を活かし今の自分にできるベストな仕事に取り組む。
Cさん フリーランス。2019年よりHELP YOUスタッフのコーディネーターとして、稼働支援・メンタルサポート・コミュニティ運営に取り組む。埼玉県在住。
Dさん フリーランス。アメリカと日本を往来する生活の中で、時間や場所を問わず自由に働けるリモートワークに魅力を感じ、2020年9月、HELP YOUにジョイン。15年超の日本・海外法人での勤務経験を生かし、主にバックオフィス系業務で活躍中。アメリカ人のパートナーと猫と共にアメリカで暮らす。
● HELP YOUとは?
HELP YOUは株式会社ニットが提供するオンラインアウトソーシングサービスです。2015年にサービスの提供を開始して以降、フルリモートでの運営を貫いています。現在、33の国や地域で暮らす約400名のフリーランスが、HELP YOU事業を支えるメンバーとしてリモートで活躍中です。
目次
ライター
リモートワーク=キラキラは幻?苦い思い出を乗り越えて
今回、交流会に参加したメンバーの多くがHELP YOUでリモートワークを始めたのは、日本国内でもコロナ禍が深刻になり始めた2020年。感染拡大防止の手段としてSNSやマスコミに取り上げられたリモートワークは、次第に仕事とプライベートのバランスがとれる働き方としても注目されるようになりました。
自宅でいきいきと働くというイメージが先行し、筆者も今回のメンバーも、漠然とキラキラした自分を思い描いていたのですが、現実はそう甘くありません。交流会の参加者全員が初めてのリモートワークだったこともあり、使い慣れないツールとテキストコミュニケーションに戸惑い、思ったように働けないことや時間管理にもそれぞれが悩みました。
スタッフのサポートなどを行うコーディネーターであるメンバーCによると、HELP YOUで活躍する他のメンバーからも、初めの1年間は思い描いたことと違う、ペースが保てない、といった悩みが多く寄せられるそうです。
クラウド?スプシ?初めて使うツールにドキドキ&ソワソワ
リモートデビューの第一関門は、初めて使用するツールたち。ツールのセットアップ、クラウド、ビデオ会議ツールの使い方など、これまでとは少し異なるスキルが求められます。もちろんリモートですから、すべてを自力で行うのが原則。会社勤めの頃は隣の同僚やシステム担当者に質問できたことも、自分で解決を試みる必要があります。ここが一つ目のヤマです。
幸いHELP YOUではChatwork(日常業務のやりとりを行うビジネスチャットツール)をつなぐことができれば、同じチームメンバーやコーディネーターにアドバイスを仰げるので、その不安は軽減できました。業務スタート後も、各チームの中で些細な不明点も気軽に確認できる温かい雰囲気があり、どのメンバーも改めてチーム制の良さを実感しています。
リモートワークは一人で働く印象がありますが、私たちは基本的にチームで動いています。メンバーのリモート歴はビギナーからベテランまでさまざま。時短になる方法や便利なツールの使い方を互いにシェアすることも多く、業務の中でリモートワーカーとしてのステップアップを実感できるのは、HELP YOUの大きなメリットといえるでしょう。
テキストコミュニケーションに苦戦
HELP YOUでのメンバー同士の連絡は、基本的にチャットツールで行います。そこで大切なのが、いかに時間をかけずに要点を伝えるか。出社が当たり前だった頃には、電話やデスク越しに気軽に聞いていた「ちょっとわからないこと」を尋ねる手段をテキストコミュニケーションのチャットに切り替える。頭では理解できても、誤解を招かないように文字だけで伝える難しさはどのメンバーも感じたそう。
中でも、今すぐ回答が欲しい場合は工夫が必要です。通常なら携帯電話にかけるような緊急性をテキストでどう伝えたら?と悩んだ結果、Aさんは、①チーム内に「緊急」の旨でメッセージ②個人チャットにも同様の旨を送る2段階で、相手に伝える方法にトライ。チームにも連絡を入れておくことで、対応可能な別メンバーから回答が届くこともあり、スムーズに緊急対応ができているそうです。
また、チャットは対面と異なり「察してほしい」という気持ちは通じないと心得ることも必要です。そのうえでやわらかく的確な内容のメッセージを心がけていくことで、表現力や言葉選びの力が鍛えられたという声もありました。さらに通常ビジネスではNGとされる絵文字も、感情を伝えるために、多くのメンバーが適度に活用しています。
副産物として「チャットのやりとりでタイピングスピードが上がった!」「表現方法、言い回しの工夫で時短ができた」という声も。最初は苦戦したテキストコミュニケーションも、結果的には効率的に業務を進めるスキルを高めることにつながっています。
働きすぎに注意!生活と仕事のバランスを保つ自律性が必要
家で仕事をするということは、日常生活の場で働くということ。プライベートと仕事の両立を意識し、しっかりその切り分けをする自己管理が必要です。
なんと今回の参加者全員が、なんとなく休まず働き続けて、気持ちも身体も休まらない、家族から長時間労働を心配されたという経験がありました。「時間に縛られない自由な働き方」を選んだはずが、メリハリのない「ひとりブラック企業」になってしまった、という心当たりは、私たちだけでなく多くのリモートワーカーにもあるのではないでしょうか。
仕事がエンドレスになってしまう主な原因は、連絡に関するものです。具体的には、仕事用PCが手元にあることで、チャットを見てすぐに仕事に戻ってしまう、各人の労働時間が自由であるがゆえ、連絡のタイミングがわからず常に即レスしてしまう、深夜に入る海外からのメッセージへの戸惑いなどが挙がりました。
これらの悩みを解消するために参加者たちが試みている工夫は3つ。まず、自分の不在時はチームを信頼して任せること。2つ目に、連絡が取れる時間帯を共有すること。そして、一定時間を過ぎたら自身に届く通知をオフにする、といった工夫が、自分らしい働き方の実現につながっているようです。
また、海外在住のメンバーからは、現地企業で働く家族の働き方を見て、同じリモートワークでも国によってワークスタイルや勤務時間に対する考え方が異なり、驚いているという声もありました。
「やるべきことをしっかりとできれば、休憩時間の方が多くても問題ない」「ランチは絶対テーブルで食べる」といった考え方に出会ったことで、「お昼休みはPCから離れてゆっくりランチを食べよう」と、できることから業務時間の改善を始めた人もいました。会社員として勤務していると、その会社での働き方が自分の中での常識になりがちですが、海外や社外の多様な働き方に触れ、視野が広がるのもHELP YOUならではのメリットかもしれません。
リモートで「今の私」を活かせる仕事をするには?
リモートデビュー2~3年目になると、初心者の試練を乗り越えたことで気持ちにも少し余裕が生まれます。そこで気になるのは仕事の満足度。交流会の参加者に聞いたところ、バックオフィス、ライティング、イベントサポート、スタッフのサポートなど、さまざまな領域で活躍しており、全参加者がほぼ満足しているという喜ばしい回答でした。
とはいえ、HELP YOUの業務は多岐にわたるため、すぐに希望の仕事に出会える人もいれば、そうでない人もいます。仕事を軌道にのせるために「早く自分のスキルを活かしたい」と前のめりになる人が多い中、メンバーDはジョイン当初から、ゆっくりとあせらずに3年ほどかけて希望の仕事を見つけようと考えていました。
「自分の経験とクライアントがHELP YOUに求めることをじっくりと照らし合わせて、ニーズに合わせたスキルを提供していけば、HELP YOUと自分、両者の仕事の幅を広げられるのではないか」
どっしり構えた前向きな考えに、筆者はじめ参加メンバーも刺激を受け、今後の仕事選びについての新たな視点を持つことができました。
今働ける1時間にベストを尽くす!育児と仕事を両立させる私なりの働き方
出産後も働き続けたいという強い思いでリモートワークを始めた元営業職のメンバーB。1歳前までは睡眠時間の多かった長女が徐々に活動的になり、Bさんがメインで稼働していた昼寝の時間が減少しました。働きたい気持ちに反比例する仕事の成果に悩み、行き詰まりを感じるようになったそうです。そこで、昼寝のベストタイミングをはかるために、育児・家事も仕事同様にタスク化し、業務と共にGoogleカレンダーに記録して毎日振り返ることにしました。午前中に長女と外で遊んでから稼働するスケジュールにしたところ、担当する仕事において良いタイミングで長女は昼寝ができ、Bさんのストレスも減ったと言います。
すると、これまで感じていた「相手との信頼関係を築ける営業のような仕事をしたい」というもやもやした気持ちに大きな変化が表れました。担当するイベントサポート業務の中で行う講演者や参加者とのやりとりを通して、得意分野であるコミュニケーション力が活きていることに気付いたのです。同時に、今可能な範囲で自分なりの仕事ができていることを実感でき、ぐんと気持ちが前向きに。
「『あせらずに少しずつ希望に近づく』というDさんの言葉が心に響きました。あせって仕事に欲張りになることはない。毎日1時間でも今の私のベストを尽くせば良いんだ!と背中を押してもらった気分です。」
感謝を伝えて信頼関係を築く。そのままの私を活かして好きな仕事に出会う方法
HELP YOUには海外在住のメンバーも多く在籍しており、時差を活用して日本の深夜帯に海外メンバーが業務を行うのも特徴のひとつ。日本の夕方に緊急対応が発生しても、チーム内に時差のあるメンバーがいれば、引き継いで対応してもらうことが可能です。フランス在住のメンバーAは、まさにその時差を活用するメンバーのひとりとして、日本時間の午後から早朝の時間帯に稼働しています。得意分野であるバックオフィス業務の領域で主に活躍するAさん。今は自分らしく働けていると話す笑顔が印象的ですが、テキストコミュニケーションがうまくいかず悩んだ時期もあったそうです。
そこから脱出するきっかけになったのが、Aさんを担当するスタッフコーディネーターの「この人と一緒に頑張りたい、働きたい、という気持ちを抱けるディレクターを見つけて、そのチームで頑張ってみましょう」というアドバイスでした。
その言葉を胸に仕事選びをしたところ、ある案件で出会ったチーム内でのチャットには、仕事内容や気持ちを伝えやすくする工夫があふれていました。業務でのやりとりを交わすうちにテキストコミュニケーションのコツを学び、実践して真似することにも挑戦。あれこれ考えず、シンプルに感謝の気持ちや自分らしさを伝えながら仕事をしてみたところ、ディレクターやメンバーとの絆が深まり、新たな仕事のチャンスも生まれたそうです。
チームで動いているからこそ、全員が気持ち良く仕事をするために自分に何ができるかを考える、仕事上の改善点はしっかり伝える、メンバーの良さを理解する……。Aさんは「今こうして私らしく働けているポイントはいくつかありますが、最終的には、お互いに感謝を伝え合い信頼関係を築くことが、自分の好きな仕事を手繰り寄せているのだと思います」と話しました。
みんなで働く、みんなで創る、HELP YOU流の働き方
今回の交流会では、コミュニケーション不足や孤立感などのリモートワークにありがちな不安の声はありませんでした。反対に、海外、母親、Wワーカーなど、さまざまな環境に身を置く人々との接点に刺激を受け、お互いに認め合って働くことで一体感を抱いています。この多種多様な属性の人々が一つになって働くことこそがHELP YOU流のリモートワークであり、あたたかい雰囲気と充実感が生まれる理由なのでしょう。
メンバーDは、アメリカに移住するまで、仕事を絶やすことなく会社員として働いてきました。退職後に専業主婦として過ごしてみたことで、家事のタスク量に驚き、仕事との両立には熱意と共に経験則が必要だと強く感じたそうです。
仕事の広がりに対してHELP YOUが持ち得る可能性を考えているDさんの思いはこうです。
仕事と家庭を両立して働く女性が多い組織だからこそ、そのノウハウの蓄積ができる点がHELP YOUの強みなのではないか。とくにママワーカーの場合、子どもによって稼働時間が左右されることが多く、仕事選びにはまさに経験値が必要になるでしょう。Bさんのように稼働が不安定になりがちな乳幼児期は「時間に縛りのない仕事」、少し時間が作れる小学生になったら「仕事量を増やすかステップアップ業務」、中学生以上なら「もっと挑戦できるような業務」といった形で、子どもの成長やライフステージに合わせて担当業務を変更するなど、選択の幅を広げられるのでは……。
先輩ワーカーの経験を活かし、各ステージの具体的な働き方や業務内容をモデルケースのように提示すれば、不安を抱きやすいママワーカーも「数年後はあの人のようになろう」という目標を持ち、安定して働き続ける自信につながるかもしれません。
また、新たな社内制度や、今後の取り組みなどについても意見が飛び交いました。チーム内にメンターのような存在がいたら、今よりもさらに安心して新業務に参加できるのではないかという案や、海外在住者を生かした24時間の勤務体制をもっとPRすれば、仕事の幅が広がるのではないか……。
いずれも、一人ではなく働く仲間がいるからこそ考えついたものばかり。自分たちの働く環境づくりを運営側に任せるのではなく、みんなで創り出そうというハートがあるところも、HELP YOU流と言えそうです。
リモートワークデビューからこれまでを振り返った今回の交流会は、それぞれが初期の葛藤を乗り越え、「自分らしい働き方」を目指して未来に向かうパワーにあふれていました。
まとめ
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