
子どもの不登校を機に海外へ教育移住、新天地で築いたキャリア
子どもが不登校になったとき、私は悩み続けました。日本の教育環境に疑問を抱き、たどり着いたのは「教育移住」という選択肢。同時に、それは私自身の働き方を見直すきっかけにもなりました。育児とキャリアの両立を模索する中で、フルリモートワークという新しい働き方と出会い、生き方が大きく変化しました。子どもの学びを守るために環境を変えた私が、新天地で見つけたものとは。
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目次
ライター
子どものケアで休職、葛藤の中で見つけた希望
小学3年生の春、それまで楽しく学校に通っていたはずの子どもが、急に学校に行き渋るようになりました。最初は「なんとなく気が乗らないのかな」と思っていましたが、日が経つにつれ、「頭が痛い」「今日は休みたい」と言う日が増え、そのうち行き渋りだけだった登校も完全にストップしてしまいました。
日本の小学校では、遅刻や早退の場合も学校へ親が付き添う必要があります。また、地域の子ども相談室に通ったり、病院で心理士のカウンセリングを受けたりと、親が常にサポートする環境が求められます。そのため、通勤で仕事をすることは到底叶いませんでした。
学校からは、クラスに入れなくても保健室で預かるという申し出がありました。どのような形であれ子どもが通学してくれれば働くことができる。しかし、学校に子どもを預け、自分の復職に専念して本当に良いのか。その葛藤は私の中で長く続きました。
学ぶ意欲は環境で変わる──臨床心理士の言葉が転機に
悩みの日々で出会った、ある臨床心理士からの「学ぶ意欲は環境次第で大きく変わる」という言葉は、私の視点を大きく変えました。それまでの私は、学校へ通わせることを目標にしていましたが、子どもの特性に合った環境を整えることこそが親にできる最大のサポートだと気付いたのです。
基本的に、日本の教育は画一的なシステムに基づいており、全員が同じペースで進むことを前提としているように感じます。しかしその教育スタイルは全体の教育水準を一定に保つ効果が期待できる一方で、すべての子どもにそれが合うわけではありません。「学校は好きじゃないけれど、みんなと勉強する場所が欲しい」と訴える私の子どもには、既存の枠組みにとらわれない学びの場が必要だと実感しました。
教育移住を決意し、新しい学びの場を探す
この気付きを得た私は、「教育移住」を決意しました。ただ場所を求めるだけではなく、根本から生活環境を変えようと思ったからです。
夫の協力も得ることができ移住先に選んだのは、多国籍文化が共存し、多様な価値観を受け入れる姿勢が根付いている東南アジアのマレーシアです。多様な文化や価値観の中で学ぶことで、子どもが自分らしさを取り戻せるのではないかと考えました。
苦手を克服?得意を伸ばす?迫られる選択
ただ、この決断に至るまでには多くの葛藤がありました。海外に居住する場合は修学義務が免除されるという規定がある一方で、地元の教育委員会からは「日本の義務教育を中断させるのはリスクが高い」と助言されました。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1422243.htm (2025年2月閲覧)
日本の教育は、苦手教科のサポートも充実しており、多くの子どもにとって安心できる学びの場です。しかし、発達に凸凹がある子どもにとっては、一律のカリキュラムの中で苦手を克服することが、想像以上に大きな負担となることもあります。苦手を克服することはもちろん大切ですが、それによって子どもが自分の不得意を強く意識し、自己肯定感が下がってしまうのではないかと悩みました。
一方で、得意なことを伸ばす学びのスタイルを選択することも、子どもの自信につながるのではないかとも考えました。ただ、その場合でも学びのバランスをどう取るかという課題もあり、どの道が本当に子どもにとって最善なのか、答えを見つけるのは簡単ではありませんでした。
しかし、遠い将来の可能性を心配し続けるより、まずは「今」の子どもの気持ちに寄り添うことが大切だと考えました。その思いから、子どもが自分らしく学べる環境を求め、教育移住を決意したのです。
環境次第で子どもの短所が長所に
実際に移住してみると、私の心配をよそに子どもは柔軟な教育環境の中で少しずつ笑顔を取り戻していきました。私の子どもが日本の学校で問題視されていた授業中の発言の多さも、生徒によるプレゼンテーションを中心とした授業に変わったことでマイナス評価からプラス評価へと大きく変わりました。
リモートワークでキャリアを再構築するという選択
生活にも馴染んできたある日、教育移住について最近日本でも関心が高まっているということである新聞社から取材の機会をもらいました。その記者の方と話す中で、「育児とキャリアの両立は難しいが、柔軟な働き方として日本でもリモートワークが普及している」と聞き、私は初めてその選択肢を真剣に考えるようになりました。
「HELP YOU」との出会い
そこで、500人全員がフルリモートワークを実践している「HELP YOU」の採用試験に応募。リモートワークについては、初めはコミュニケーションが十分取れるのか不安もありましたが、実際に働き始めると、十分なフォロー体制があり、その心配は程なくしてなくなりました。
むしろ、リモートワークのおかげで子どもたちのフォローも十分できるようになり、自分のキャリアを見つめ直す機会にもなりました。今まで「家族のために自分を犠牲にしている」と感じることもありましたが、この働き方ならその気持ちを払拭できるのではないかと思えるようになりました。
私が感じた柔軟な働き方の可能性
不登校や教育移住を経て、私が学んだのは「子どもに合った環境を整えること」と「親が自分らしく働くこと」の両立が重要だということです。どちらも簡単な選択ではありませんでしたが、それらを実現することで、家族全体の幸福感が高まったと感じています。
多様性という言葉をよく耳にしますが、多くを受け入れるようになるには、まずは自分自身が柔軟な思考を持ち、変化を楽しむことが大切だと感じています。リモートワークという働き方は、単に「場所を選ばずに働ける」だけではなく、人生の選択肢を広げ、より自由な生き方へと導いてくれるものでした。
まとめ
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