フリーランスこそ仲間が必要!4泊5日の「未来の自分を考える」合宿「ハチフリ2023冬」参加レポート③

働く場所も相手も自由に選べる、フリーランスという働き方。近年、リモートワークも一般的になったことで、よりその側面が強くなってきました。しかし、人との接触が限定されたり、少なくなったりすること、会社員のように頼る先がないことで孤独を感じる人も多いと思います。この記事では、5日間の「フリーランス生活を充実させる! 事業計画 & スキルをシェアする合宿『ハチフリ2023冬』」に参加したことで感じた仲間づくりの大切さについてお話しします。

ライター

伊藤 尚
函館市在住。夫と未就学児な娘の3人家族。学生時代にイベントの企画・広報にはまり、新卒で公共施設管理財団の広報課に就職。結婚を機にコワーキングスペースに転職するも、フリーランスにあこがれ退職。2015年から「HELP YOU」に所属し、現在はディレクターを務めるほか、ライター、函館新聞社スタッフ記者などとして活動中。→執筆記事一覧

フリーランス&リモートワークで感じる「孤独感」

フリーランスとしてひとりで働く。一見、余計な人付き合いのわずらわしさから解放されるように見えますが、自分の腕・実力一本で稼いでいく、というのはなかなかプレッシャーがあります。

そして、得意・不得意に関わらず「ひとりだから全部自分でやるしかない…」となりがちな部分も。適度に協力者や発注先を見つけることで解消できる問題もありますが、フリーランスになりたての頃は特にひとりで頑張ってしまいがち

スキルについても、学ぶための情報収集を怠っていると、フリーランスになった時点のスキルで取れる仕事しか取れません。技術の進化から取り残されてしまう心配が常に付きまといます。

自分のスキルと知識がどんどん古くなっているのでは…という不安は常にあります。

さらに、リモートワーク・テレワークが普及してきたことで、私もなりがちですが「ひたすら家にこもって仕事をする」人も多くなったのではないでしょうか。外に出るタイプの仕事や趣味、同居家族を持たない人は、誰とも会わず無言でひたすらパソコン画面に向かい続ける日々から孤独を感じることも多いようです。

私は、所属する「HELP YOU」でオンラインの付き合いは多いのですが、対面のコミュニケーション力がコロナ禍以降格段に落ちている自覚がありました。「そろそろ人間と(対面で)話さねばヤバい!」と考えていたところにSNSで見つけたのが「ハチフリ2023冬」。「4泊5日か~…月曜・火曜は娘の送り迎えに一旦帰宅(往復3時間)する…?」とちょっと迷いましたが、夫が午前半休を取ってくれさらに実家の母が夫の仕事が終わるまでの預かりを快諾してくれたのでフル参加することができました。

「ハチフリ」参加前から八雲町に興味があった

北海道人たちは、私が暮らす函館市を含む北海道の南側のことを「道南」と呼びます。その中でも比較的大きな町で、新幹線が2031年にやってくることから近年盛り上がりを見せている八雲町。実は、開催地が八雲町だったことも参加動機のひとつでした。

今回、メイン会場のひとつになっていたのが、廃校を利用し2021年秋にオープンしたコワーキングスペース×キャンプ場の「ぺコレラ学舎」。町から少し離れた山あいにあるこの施設ですが、オープン前にはクラウドファンディングでリノベーションのための資金集めをしていました。

その頃から「八雲、なんか面白いことをしてる若い人がいるな」「出来上がったら行ってみたいな」と感じており、支援はしたのですがリターン使用(グランピング宿泊)を失念。「ぺコレラ学舎、使えるんだ!」と思ったのと同時に、クラウドファンディング時のチームリーダーで今も八雲町でさまざまな企画をしている赤井義大さんが「ハチフリ」現地スタッフにいるのを発見したのが決め手になりました。

CAMPFIREでクラウドファンディングをしていた当時の様子

CAMPFIREでクラウドファンディングをしていた当時の様子

ワーケーション提案が得意な人たちの考えた、珠玉のアクティビティ

さて、今回のワーク部分は「前編」と「中編」でお伝えできたと思うのですが、伝えきれなかったのがアクティビティについて。運営メンバーを見ると、ワーケーションに最適化されている「ぺコレラ学舎」の人のほか、体験プログラムの提供から「古民家ゲストハウスSENTŌ」の運営まで行う「Yakumo Village」の人までそうそうたる顔ぶれ。いわば八雲ワーケーションのプロフェッショナル達が勢ぞろいで考えたアクティビティなので、間違いがあるはずがありません(笑)!夕方集合の初日を除き、毎日1つ以上のアクティビティがあったので抜粋してご紹介します。

スノーフラッグに雪かき対決…冬の大運動会

「ぺコレラ学舎」のグラウンドを利用し全競技雪上で行われる「冬の大運動会」。100m以上ある雪道(坂道あり)コースを、うつ伏せ状態からスタートして全力ダッシュするスノーフラッグをはじめ、雪かきの要領で雪山をどれだけ突き崩せるかを競ったりそりに参加者を乗せてリレーをしたりなど個性的な競技ばかり。

スノーフラッグの様子

スノーフラッグ・男性の部。ビーチフラッグで鍛えた足(先頭)VS北海道民。北海道民、負けました…。

個人競技1+紅白に分かれて3競技でしたが、日ごろの運動不足がたたってゆる参加&翌日激しい筋肉痛に襲われました…。

テントサウナ×かまくら!ここでしかできない雪サウナ

近年、ものすごいブームが来ている(ように感じる)サウナ。「整う(ととのう)」体験を一度はしてみたいと思いながらも、子連れ温泉だとなかなかゆっくりできません…。

そんな中、今回のプログラムで楽しみにしていたのが雪サウナでした。

かまくらの中でどうやれば足とテントサウナ両方写せるか試行錯誤するライター

かまくらの中でどうやれば足とテントサウナ両方写せるか試行錯誤する私

水着+サウナハット着用で、4人で入ったテントサウナ。サウナベテランの運営さんたちがテキパキと薪&温度の管理やサウナストーンにアロマ水をかけるロウリュをしてくれました。ポカポカしてきたところで外に出て雪にダイブ!すぐ冷えるかと思ったのですが、意外に心地よい温度のままサウナに駆け込みのんびり…というのを繰り返しました。かまくら、本当に適温過ぎていつまででも居ることができそうでしたが、午後の作業のために適度に切り上げました。

なお、この後の作業ははかどった人と、整い過ぎてだらっとしてしまった人が二極化していたように感じました(笑)

スノーシューで雪原を歩く&のぼる!

体力を使い切った最終日にあったのが、スノーシュー体験。本当は秘湯に行く予定だったのですが、参加者の希望などもあり雪原歩き&そり遊びに変更になりました。

スノーシューで歩いた雪原

参加者でつけてきた足跡。
写真奥の傾斜を少しだけのぼって、そり遊び開始です。

急な坂を高速で滑ってくる参加者

ものすごい急な坂を参加者が高速で滑ってくる瞬間。私は歩く体力温存のためカメラマンをしていました。

そして林の中を少しのぼり、ゆったりお茶やお菓子を楽しんでから戻りました。

参加者と雪原での一枚

今回、参加者で唯一の大学生だったもじゅちゃん。海の見える雪原で見返り美人を撮らせてもらう。

スノーシュー初体験だったのですが、雪が深いとやっぱりスノーシューがあってもなくても大変…!ただ、斜面を登っていくときはスキーの要領で横向きになると結構サクサク登れたので、知恵と道具は大切だな、と感じました。

「木彫り熊」発祥の地、八雲町

ほかには、八雲町の名所を巡るアクティビティも。ちなみに、北海道のお土産=木彫り熊だった時代もあるかと思うのですが、実は発祥は八雲町。でも八雲町の木彫り熊たちはほとんど鮭をくわえていないのをご存じですか?

八雲町の木彫り熊は、尾張徳川家の19代当主の徳川義親が八雲町に農場を持ち、旧藩士たちやその子孫の農民をおもんばかって農閑期の副業や趣味としてスイスの木彫り熊を持ち込み、勧めたのがきっかけといわれています。そして、檻に入った熊をモデルとして制作していた時代があるため、優しい面立ちの木彫り熊が多いそうです。

八雲町木彫り熊資料館出の様子

八雲町木彫り熊資料館での様子

また、最終日には函館人にもお出かけスポットとしてなじみが深い、国産ハーブ鶏発祥の地で元ケンタッキーフライドチキンの実験農場の「ハーベスター八雲」でお昼ご飯を食べて帰路へ。北海道人にも初体験が多い、冬の北海道八雲町を満喫し、また八雲町で何か企画がある時はぜひ参加したい、と八雲町を好きになれた5日間でした。

一緒に頑張った仲間の話を聞いて「行きたい街」が増えた

今回の「ハチフリ2023冬」に参加したことで、自分の生涯の目標や今やるべきことがすっきりしたのはもちろんなのですが、もうひとつ得た大きいものがあります。それは一緒に成長したい、と思える仲間たちの存在です。4泊5日スタート時は「若い子ばっかりだけど馴染めるかな…」と不安でしたが、ワークショップや多彩なアクティビティ、課題についての意見交換と夜のカードゲームなどを通してすっかり打ち解けることができました。(と私は思っています。)

そして、「また会いたい」という、今の気持ちを大切にしたいと考えています。例えば、北海道士別町にある、ゲストハウス・カフェバー「エストアール」で働く荒又拓美さん。合宿参加当初は「お手伝い」ぐらいのレベルで自己紹介をしていたのが、課題の最終発表ではオーナーをどれだけ尊敬しているか熱い気持ちを語り、「戻ったら『ここで働かせてください!』と言う!」と宣言。後日、有言実行で就業プロポーズ成功をグループチャットで報告していました。それだけ素晴らしいオーナーさんがいると聞いたら、ぜひ泊まりに行きたくなりますよね。

また、青森出身の杏奈さんは、春から青森県下北郡東通村の地域おこし協力隊になり、同地域でゲストハウス作りに取り組むそう。クールなお姉さんな雰囲気ながら、最終発表でははちきれんばかりのやりたいこと・夢を披露してくれました。

東通村の場所

東通村がどこにあるのかわからなかったので調べたのですが、思いのほか近い…!ちなみに、士別までは車で6時間半ほどかかるそうです…。

元々、青森は行きたいと思いながらもなかなか(海を越えるので)行く機会がなかったのですが、杏奈さんのゲストハウスに行く!という目的ができれば海も越えられそう。写真映えする場所もあるそうで「フォトウォークもやりたい!」と話していたので、参加しに行くのを楽しみにしています。

濃密な合宿に参加したからこそ得られたもの

今回、自身の課題の最終発表に対するフィードバックで印象的だったのが「(周辺部のイベントに参加するために)函館を出たほうがいい」と講師に言われたこと。「まずは函館で足元を固めてからじゃないと外に出ない方が…」という、参加前の自分の考えが、守りを固める方に寄りすぎていたということに気が付かされました。

また、「ここ(ハチフリの最終発表)に来て、尚さんの面白さがわかった。Zoomだと良さが伝わらなかったと思う」と言われびっくり。ここ数年、チャットとZoomでのコミュニケーションが業務の大半で、自分では「会いに行く労力をかけるよりもサクッとZoomで手軽に」「むしろテキストの方がログが残るから有能」ぐらいに考えていたため、結構衝撃を受けました。Zoomでのアピール力が足りないのはもちろんなのですが、私は「会う」ことを軽視し過ぎていたのかもしれません。

リモートワークで「仲間」はできる?

HELP YOUで働き始めて、もう8年。メンバー全員がフルリモートで働く職場なので、なかなか仲間に会いに行くことはできていませんが、会いたいな、と感じる人はたくさんいます。また、HELP YOU内には趣味のコミュニティやスキル共有のコミュニティもあるので、ごく普通のフリーランスと比べれば孤独感は感じにくい環境です。

ただ、今回「ハチフリ2023冬」に参加して感じたのは、
①会って同じ釜の飯を食う(可能ならwithアルコール)
②困難だったり追い詰められたりする経験を共にする
③協力し合って課題解決に取り組む
のは、高速で仲を深めるためには重要なんだな、ということ。

ゲームをする参加者たち

ゲームに成功してめちゃくちゃ盛り上がる参加者たち

オンラインで①はなかなか難しい部分はありますが、ランチ会・飲み会ぐらいは可能ですし、みんな楽しそうに参加しているのを見ます。②③は一緒の業務に取り組むことで、たびたび発生しています。

また、講師の様子を見ていると、オンラインでのコミュニティ構築をしっかりとしていたり、横のつながりをしっかり作っていたり、孤独そうな人が少ないのが印象的でした。

合宿と同じ濃度の経験を同じスピードで、は無理ですが、オンラインはオンラインで改良しながら、可能なら会う企画も(運営会社である株式会社ニットにおねだりして)考えながら、今後も共に頑張れる仲間づくりをしていけるといいな、と感じました。

▶ 私のオンライン仲間がたくさんいるHELP YOUはこちら

自由だからこその不安と向き合う!フリーランス合宿「ハチフリ2023冬」参加レポート ①

収入への不安、どう解消する?事業計画の鍵は〇〇の分散!フリーランス合宿「ハチフリ2023冬」参加レポート

まとめ

自分の生き方を見つめなおし、今後についてもゆっくり考えることができただけではなく、一緒に成長していきたい仲間もできた「フリーランス生活を充実させる! 事業計画 & スキルをシェアする合宿『ハチフリ2023冬』」。参加したことで、自分の環境が恵まれていることも再認識できました。今回できた仲間たちや、HELP YOUで一緒に働く仲間たち、両方に「やっぱり尚さんすげー!」と思ってもらえるよう、今後も走り続けたいと思います。

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