やりたいことを軸に柔軟にキャリアチェンジ! HELP YOUの特性を最大限活かした働き方

働き方も価値観も多様化している今の時代、日々の仕事や趣味、副業など、マルチに取り組みたいと思う方は多いのではないでしょうか?

今回お話を伺った松本温子さんも、パートナーと立ち上げた犬猫の殺処分ゼロを目指す事業に携わるかたわら、フルリモートワークのHELP YOU(※1)で働く一人です。2019年にスタッフとしてジョインし、その後ディレクターに職種を変更、そして2022年の今年、再度スタッフのポジションに戻られました。同時並行で様々なことに取り組みながらも、その都度、どこに力点を置きたいかを見定め、上手にキャリアと向き合っています。

仕事量も関わり方も自由に選択できるHELP YOU、その特性を最大限活かしてきた松本さんに、キャリアの変遷についてお聞きしました。

※1 HELP YOUでは、世界各国・全国各地から集まった約400人のリモートワーカーが、オンラインアウトソーシング事業を支えるメンバーとして活躍中です。

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ライター

富田敏裕
神奈川県、藤沢市出身。新卒で化粧品会社に就職後、10年間勤務したのち退職。2021年4月からケニアに家族で移住し、主夫として生活を始める。「柔軟な生き方や働き方を世の中に広める」ことを目指し、「HELP YOU」でライターとして活動中。→執筆記事一覧

移住先で味わったスキルが活かせないもどかしさ

松本温子さん
鳥取県在住。10年ほど医療情報系の会社に勤めたのち、35歳で退職。結婚を経て鳥取の智頭町へ移住。2019年、HELP YOUにジョインし、途中スタッフからディレクターへと職種を変更。現在はスタッフに再度職種を戻し、パートナーとともに経営する会社の事業として犬猫の殺処分ゼロを目指す活動「森としっぽ。」に注力している。

35歳で会社を退職し、鳥取に移住されています。何が転機になったのでしょうか?

夫との出会いが転機となり、感化されたというのが大きな理由です。私は、元々福岡出身で、前職では医療情報系の会社に勤めていました。その後、ちょうど32歳の時に、本社がある大阪へ異動となり、夫とはその時に出会ったのです。夫は大阪出身なのですが、鳥取の大学を出ています。大学時代に鳥取の自然の豊かさを味わったことでIターンを決め、出会った当時から鳥取で事業を始めていました。

それまで私は移住について考えたこともなかったのですが、夫が考える森林を活用した人材育成の事業や、その先に描いていた犬猫の殺処分ゼロを目指したいという構想を聞いていくうちに、次第に感化されていきました。自分のやりたいと思うことに、どこまでも正直な姿勢を貫いていた夫の姿に刺激を受け、私の価値観が変わっていきましたね。それから私自身、新しい生活に挑戦してみたいなという気持ちが芽生え、35歳の時に約10年間勤めていた前職を退職、結婚を経て鳥取の智頭町に移住したのです。

実際に移住されてみていかがでしたか?

智頭町は人口6500人ほどの小さな町です。これまで縁もゆかりもなかった土地で、正直なところ移住前は自然豊かな場所ぐらいのイメージしか持っていませんでした。実際に、映画に出てくるようなかやぶき屋根のお店で美味しいご飯が食べられますし、とても癒される場所ではあります。

ただ、いざ仕事を探してみても、前職の会社員時代の経験を活かせる場がなかったのです。当時会社を退職した身としては、仕事はどうにかなるだろうと、甘く考え過ぎていました。

その後、HELP YOUにジョインされていますが、どのような経緯があったのですか?

移住先ではパソコンを使う仕事がほとんどなく、自分のやってきたことがなかなか活かせないもどかしさを感じていました。年齢層も高く、グーグルのスプレッドシートを紹介するだけで、「ものすごい最先端の人」と驚かれることもあるぐらいで…(笑)。そんな中、当時すでにメンバーの一人として働いていた友人にこんな仕事があるよ! と、紹介してもらったのがHELP YOUでした。

調べてみると、「未来を主体的に選択する」という会社の考え方を知り、とても惹かれました。また、HELP YOUが運営するオウンドメディア「くらしと仕事」で、実際に働いている人のインタビューもチェックしたところ、森林セラピストとしても活動されている、社員の林弘美さんの記事に出会ったのです。

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世界的ファッションブランドにほれ込み、駆け抜けた半生。大分へUターン後のセカンドキャリアでも輝き続ける | くらしと仕事 

私は、智頭町で森のガイドや研修も行っていたので、林さんの姿に共感し、「よし自分もやってみよう!」と背中を押してもらいました。

「犬や猫のしっぽが揺れている世界であってほしい」

愛犬モクとの一枚。アニマルレスキューによって保護され、今では大切な家族の一員に

HELP YOUのお仕事とは別に、松本さんが取り組まれる犬猫の保護活動について教えてください。

夫とともに経営する会社の事業の一つとして、犬猫の殺処分ゼロを目指す「森としっぽ。」という活動に取り組んでいます。事業の名前は、「すべての犬や猫のしっぽが常に揺れている世界であってほしい」という想いから名付けました。

様々な事情を抱えた犬や猫を引き取り、新しい飼い主に譲る活動を行うのですが、保護の過程ではどうしてもご飯代や医療費がかかります。自分たちの持ち出せる金額や時間にも限度があるため、目指しているのは会社の事業として収益を上げ、その収益のすべてを保護活動に充てられる、自走型の施設です。

活動を始めるに至った個人的なキッカケが何かあったのでしょうか?

実は、20年前の社会人になりたてのころ、心が疲れきってしまった時期がありました。ちょうどその時飼い主を募集されていた一般家庭の方から、犬を譲っていただいたんです。その犬が心にダメージを負った私を支えてくれたことがキッカケでした。「こんなに可愛くて生きる力をくれる動物のことをきちんと知りたい」と考え、そこから人間と動物の共生について情報を集めるようになったのです。

調べていくと、ペットショップの裏側で起きている目を背けたくなる現実や、ブリーダーが崩壊して行き場を無くし、理不尽に殺処分されてしまう犬や猫がいることを知りました。当初は微力ながら保護団体に寄付をしていたのですが、同じように関心を持っていた夫との出会いもあり、HELP YOUで働くかたわら、自分たちで事業として取り組んでみようと、少しずつ準備をしてきました。

HELP YOUで働くと同時に、自分自身で事業に取り組んでいらっしゃったわけですね。その後、HELP YOUでは、スタッフからディレクターへとポジションを変えられています。

スタッフとして1年ぐらい働いたタイミングで、運営の方からディレクター(※2)にチャレンジしてみたら? と声をかけていただいたのがキッカケでした。鳥取に移住して1年が経ち、新たな環境にも慣れてきて、今ならHELP YOUの業務にもう少しウェイトが置けると思ったのです。

また、当時一緒に働かせてもらっていたディレクターが、クライアント様のどんな要望に対しても先回り対応したり、スタッフが困る前に察知し、ケアしてくれたりと、とても尊敬できる方でした。私もあんな風になりたいと漠然とした憧れを感じていたのも理由の一つです。

それから、当時準備中だった犬猫の保護活動を将来始めるにあたって、プロジェクトを円滑に進行するスキルや、従業員を雇ったときにどのようなケアが必要かを学ぶことができる良い機会にもなると思ったのです。そのため、ディレクターになることは「これから始める事業のための修行!」という意識もありました。

※2 ディレクターは、クライアント様とコミュニケーションを行い、実際の業務を担うスタッフへ仕事を割り振ったり、スタッフの業務の進捗を管理する役割を担う。スタッフとしてHELP YOUにジョインしたのちに、審査を踏まえたうえでディレクターへとポジションチェンジを行うことも可能。

本業にも活かされたコミュニティ活動。仲間の存在が励みに

「森としっぽ。」の活動に賛同してくれた協力者と、想いを少しずつ形にしている

その後、2年間ディレクターとして働いたのち、再びスタッフへとポジションを変えられました。経緯を教えてください。

準備を進めていた犬猫の殺処分ゼロのためのプロジェクトもようやくスタートを切り、その活動の比重が高まってきたと同時に、期間限定で岐阜にあるNPO法人で働かせてもらうことになった、というのが理由です。

今、飼い主さんの高齢化や、生活困窮による多頭飼育の問題など、人と動物が共生する中で起こり得る社会問題は多様化しています。そのため以前から、自分たちで活動をするにあたって、「人と動物の共生」について実際に実地で勉強する必要があると思っていたのです。

そんな折、岐阜にあるNPO法人「人と動物の共生センター」で、期間限定で働かせていただけることになりました。今は鳥取と岐阜の二拠点生活で、平日は岐阜で働かせてもらい、金曜日の夜に車で4時間かけて鳥取に移動する日々を送っています。なので、この生活ではさすがにディレクターは続けられないと考え、運営の方に相談させてもらいました。

HELP YOUでコミュニティ活動に参加されたことが、本業の犬猫のプロジェクトにも活かされたそうですね?

HELP YOUには仕事とは別に自由参加のコミュニティが複数あるのですが、私は「ペット好きが集まるグループ」に加えて、ライティングを中心とした知識や情報を交換し合う「ライタースタータールーム」にも参加しています。そこで発案された「#隔週note企画」というものが、とても役立ちましたね。

この企画は、参加メンバーが各自、2か月間隔週でnoteに記事を書き、コミュニティ内で紹介し合うというものです。自分の意志だけでは忙しさを理由に諦めていたかもしれない中、皆で励まし合うことで、どうにか取り組むことができました。その甲斐あって、実際に私が執筆したnoteの記事をもとに、「森としっぽ。」の事業紹介のパンフレットを作成することもできたのです。

フルリモート×フリーランスでも、コミュニティで仲間とつながる!~交流しながら続ける「#隔週note」企画紹介~

松本さんは、HELP YOUでの仕事量やポジションをその都度柔軟に変化させ、上手にキャリアと付き合ってこられたんですね。最後に、この先の展望があれば教えてください。

現在は、HELP YOUではディレクターからスタッフに職種を変え仕事量を抑え、自身の事業と勉強に注力しているところです。先々、カフェやドッグランを併設した犬猫の保護施設を建設しようと準備しているので、その施設が完成した際に、管理者としてお店番をしながらHELP YOUの仕事もしようと目論んでいます…(笑)。

HELP YOUは私にとって大切な居場所で、仲間がいることがいつも励みになっています。なので、これからも現在の活動とのバランスを見て、柔軟にキャリアと向き合いながら長く関わっていきたいですね。

 

まとめ

松本さんは、これまでご自身が取り組む犬猫の殺処分ゼロの事業を念頭に、HELP YOUで柔軟にポジションを変化させてきました。本業にも活かせるようなスキルを学ぶためにディレクターに挑戦したり、逆に仕事量を抑えたりと。まさに主体的に働き方を選択できるHELP YOUの特性を最大限活かしてきたと言えるでしょう。

キャリアやスキルの蓄積を会社に委ねるのではなく、自分のやりたいことを中心に据えて主体的にキャリアと関わる。副業やフリーランスという働き方が少しずつ浸透し、生き方の自由度が高まりつつある時代だからこそ、より一層大事な姿勢なのかもしれません。

今、あなたが自分の仕事への向き合い方に悩んでいるなら、自分の裁量次第で柔軟にキャリアを変化させてきた松本さんの歩みが、きっと良い刺激になるのではないでしょうか?

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アイキャッチデザイン/今泉香織

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