家族と過ごす「時間」の価値を実感 地方会社員からフルリモートのフリーランスに転身

福島県在住でHELP YOUのディレクターを務める髙橋隆司さん。東京へ出向した後、仕事のあり方や自分なりの価値観を考えるようになり、長く勤めていた会社を退職されたそうです。フルリモートのディレクターへと転職したきっかけとは、何だったのでしょう?

ライター

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

働き方への視野が広がった結果、自分の会社のあり方が「当たり前」ではなくなった

前職ではどんな仕事をされていたのですか?

前職は自動車部品製造会社の会社員でした。その会社に13年勤めたうちの10年間、採用を担当していました。34歳の時に2年間東京へ出向することになったのですが、その出向先というのが親会社のグループ全体の労働組合だったんです。組合へは持ち回りでグループ会社から誰かが出向するようになっていて、自分の勤めていた会社の番が回ってきたので「行ってみるか?」と私に声がかかったんですね。そこでいろいろな働き方を見たことが、自分にとって人生の分岐点になりました。

 

多様な働き方を見たことで、カルチャーショックを受けたということですか?

出向先はグループ1万人以上の労働条件や賃金など、生活水準向上のための要件に携わる仕事でしたし、自社に限らず、いろんな働き方を導入している会社を知りました。例えば、休日の取り方で「年間5連休を1回は取得すること」というルールの会社があり、土日を合わせれば9日間も休暇が取れるわけです。この2年間の出向で、本当に視野が広がったと思います。

 

福島の会社に戻られた後の変化は?

はい、36歳の時に帰ってきてそれから1年ぐらいは悩んでいました。「このまま、この会社で定年まで働くのか?」と疑問が湧いてきたからです。自分にとって何が一番良いんだろう?と考えるようになりました。

それまでは自分が勤めている会社のあり方しか知らなかったものが、視野が広くなって会社に戻ってみると、正直なところ働きづらさを感じたというか……。東京の出向先では、自分に裁量を持たせてくれた上で、「責任はこちらで取るから」と背中を押してくれていたんです。一方で、自社では自分の裁量はごく限られていて、何かするにもその都度申請が必要だったりと動きにくさを感じました。以前は当たり前に感じていたことでも、「うちの会社では当たり前のことだけど、別の会社ではそうじゃないんだな」と立ち止まって考えるようになったんです。

 

上司の方を見てご自分の将来像も見えていたのでしょうか?報酬面では納得していましたか?

そうですね、人事部だったこともあり、今後のキャリアパスはある程度想像できていました。給与に関しては特に不満は感じていませんでした。ただ、仕事量が多かったので時給に換算すると割に合っていなかったのでは、と思います。

 

会社を辞められる際に、パートナーからの反対はありませんでしたか?

むしろ応援してくれていました。転職した現在は、会社勤めで残業代ももらっていた頃に比べると収入減になってしまいましたが、その代わりに豊かな生活ができていると思います。あまりに忙しく働いていたので、前の会社で働き続けることを妻は良く思っていませんでした。

 

本格的に転職活動を始めたのはいつ頃でしたか?

すぐには行動に移さず、昨年の夏ぐらいから時々良さそうな求人はないかネットで情報をチェックしていました。

 

転職先を探す時はどんなことを軸にしていましたか?

自分のキャリアの中で人事に携わった期間が長いので、最初は人事を中心に求人を見ていましたが、それだと年齢の壁があってかなり絞られてしまったんです。そこでまた考えて、「時間」をポイントに置いてみました。例えば、直行直帰ができる仕事とか、週に数回、あるいはフルリモートでリモートワークができるとか

オンラインで求人情報を見ていると、それまでリモートワーク=技術系の仕事というイメージを抱いていましたが、実はエンジニア職だけじゃないんだということが分かりました。バックオフィス系の職種であってもリモートワークができるなら、そういう会社で働きたいなと。

 

HELP YOUでのリモートワークを開始 働くメンバーのカルチャーにも変化

HELP YOUにジョインしたのは?

知ったのは昨年冬でしたが、実際にアクションを起こして応募したのは去年の12月です。ディレクター職の求人だったので、「こういう仕事なら自分の職務経験を活かせそうだな」と感じました。応募してすぐに担当の方からリアクションがあって面談、仮採用、本採用とトントン拍子に決まりました。同時期にアプローチしたのに手ごたえのない会社もありましたから、HELP YOUとは縁があったんだなと思います。

こうして仕事をしてみて、最初のうちは担当クライアントが少なく自分の時間が余ってしまい「空いた時間をどうしようか」と戸惑いましたが、徐々に担当も増え今はバランス良く仕事ができています。もともと収入よりも「時間」に価値を感じて踏み切った転職ですから、余裕をもって仕事に向き合えるのは本当に良かったと思います。会社の状況や自分の立ち位置を俯瞰して考えることができるようになりました。

 

在住の福島では、リモートワークをしている人は少ない?

そうだと思います。知人などからリモートワークをしているという話は聞いたことがないですね。周囲でまだ十分な理解が得られている感触はありません。「最先端のことをやっているんだね!」と知人から言われますが。
HELP YOUに所属していると、物理的な垣根がなく海外在住の人もたくさんいますよね。リモートワークが仕事の選択肢のひとつに定着したらいいと思います。HELP YOUの組織内でも男性スタッフは他にもいますけど、ディレクター職ではまだ自分ひとりなので、もっと仲間が増えたらいいですね。

 

研修期間のあいだは個人で研修課題に取り組んだと思いますが、辛さはありませんでしたか?

自分の取り組んだ課題に対して想像以上にフィードバックをしてもらえたので、孤独感はなかったです。研修中に他の人がやった課題も見れるようになっていて、刺激を受けました。同じころにHELP YOUにジョインした男性の方がいるのですが、同期のような存在です。すごく熱意を持って課題に取り組んでいる様子が見えたので、気になりました。働き出してから、お互いにそういう話をしたこともあります。

今までの職場は、どちらかというと、「やらされている感」が漂っていたんですよね。HELP YOUはリモートワークでありながら、働いている人たちに仕事への情熱や前向きさを感じます。

 

HELP YOUの仕事でおもしろみを感じていることは?

クライアントの声がダイレクトに聞けることでしょうか。「ありがとう」という感謝の言葉や「こうしたい」というご要望を聞ける立場にいるので、クライアントのことを考えつつ提案することができる。そこにやりがいを感じています。

 

リモートワークへの挑戦を応援してくれるパートナー。転職して夫婦の時間も増えた

HELP YOUへの転職を決めた時、パートナーには事前に相談しましたか、それとも事後報告?

妻には決まる前に話しました。転職に賛成していましたし、HELP YOUのことも「いいじゃない」と言って後押ししてくれました。ずっと共働きで妻は仕事を2つぐらい掛け持ちしているのですが、私の影響でリモートワークの仕事もやり始めたんです。そうすると、私が教えてあげられることも出てきて、夫婦の会話も増えました。

 

余裕ができた結果、時間の使い方に変化がありましたか?

そうですね。前職では働きづめでへとへとになって帰宅、寝て起きて会社へ行くだけで精いっぱいの生活でした。今は自分でコントロールができるので、いろいろなことを「やってみたい」という意欲が出てきました

最近リモートワークのペースがつかめてきたので、Wワークを始めたところなんです。日本語教師の仕事で、特に教員免許や英語の資格が必要ないというのでチャレンジしてみました。私たちは夫婦で海外が好きで、海外の人とコミュニケーションが取れる仕事はいいなと思って。日本語の文法を直してあげて、楽しい会話ができるようにするのがその教室の目的。教えていて、こちらも楽しいですよ。

 

より柔軟性の高い働き方へ。近い将来、夫婦で海外に行きリモートワークを体験したい

時間的なスケジュールを自己管理できる反面、忙し過ぎることはありませんか?

それは大丈夫です。時間の自由度が高くなったので、家庭のマネージメントでもやれることが増えました。料理は今私がほとんどやっていると思います、週の半分ぐらいかな?料理が好きなので、前職の時でも時々週末にやっていましたけど。

海外旅行に行くのも好きなので、これから英語の語学学習にも時間を多く取っていきたいですね。そして、海外でリモートワークをしてみたいね、と夫婦で話しているところです。

まとめ

以前は会社員として忙しく時間の余裕がない生活をしていたという髙橋さん。転職に踏み切ったことで、夫婦で過ごす時間が増えたり興味のある海外に関連する複業を始めたりと、自分の人生を味わいながら働く豊かな生活ができているそう。転職を考えた時に「リモートワークが可能な仕事」で探す選択が、今後より一般的になればと思います。