31歳でワーホリ挑戦!憧れのキャリアウーマンを辞めた理由
30歳といえば、何かと人生の転換期になるタイミング。
新卒でメーカーに入社し、ずっと憧れていたキャリアウーマンの道を突き進んでいた私ですが、30歳を機にすべてを白紙に戻して海外渡航を決意しました。
いつか会社を辞めるという考えすらなかった私を、海外へと突き動かしたきっかけとは何だったのか。決意に至った経緯をご紹介します。私の経験が、新しいことにチャレンジしたいものの動き出す勇気が出ない方の後押しになったら嬉しいです。
目次
ライター
楽しくも激動の会社員時代
私は四年制大学を卒業後、新卒で大手のOTC医薬品メーカーに営業として入社しました。おそらく皆さんも人生で一度は使ったことがある商品を扱う会社です。
メーカーでの営業の仕事
営業としての主な仕事は、得意先であるドラッグストアやGMS(総合スーパー)などの量販店に対する商談や、各量販店の店舗に対するフォローなど。一口に商談といっても、机に座ってバイヤーと面と向かって商談をするものから、店舗の片隅でさくっと行うものまでさまざまです。
営業といえば、厳しいノルマを突きつけられて汗水をたらして必死に働く! といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。これに関しては「そんな時もある」といった感覚でしょうか。
確かに、予算(ノルマ)を達成するためにお願いの商談をすることもあります。しかし、基本的には売上や市場状況などの数値データを元に分析した結果から、得意先の売上に貢献できる提案を行います。
営業活動の中で大切にしていた相手目線
そんな営業活動を行う中で私が大切にしていたことは、得意先に欲しいと思ってもらえる提案をするということです。会社員として働いていると、どうしても会社の方針に従った活動をせざるを得ないことがたくさんあります。
結果的に自己中心的な提案になってしまい、得意先から嫌な顔をされるという可能性も十分にあるのです。私はそんな時でも、何とか得意先のメリットになることを見つけ、何らかの付加価値がつけられるような提案を模索していました。
この姿勢を理解してもらえたのか、得意先との信頼関係をしっかりと築くことができ、「こういうことをしてみたいんだけど、何かいい案はないかな?」と得意先の方から相談を持ち掛けてもらえるようにまでなっていました。
こうなると仕事は楽しいですよね! 忙しい日々で時には日付が変わるまで仕事をすることもありましたが、帰れる日は定時でパッと帰ったり、長期休暇になると海外旅行に出かけたりと私なりにワークライフバランスを保っていました。
部署異動と感じ始めた違和感
入社から数年が経つと仕事にも慣れてきて、今後のキャリアについても考えるようになります。そこで考え出したのが、部署を異動するということでした。
キャリアについて考え始める社会人5年目
営業としてのやりがいを感じていたものの、違うキャリアにも挑戦してみたいという気持ちが芽生え出したのが5年目に差し掛かった頃でした。
前職の会社には、部署異動ややりたいことの希望があればその意志を上司や会社に示せる制度があります。現状の継続希望であればシステム上での申請のみで終了ですが、変更を希望する場合は上司と面談をする機会がもらえる制度です。
そこで、私は相談ベースで部署異動の意志があることを上司に伝えてみました。当時の上司は私の希望を前向きにとらえてくれて、希望を叶えるためにした方が良いことや調べておいた方がいいことなど、さまざまなアドバイスをしてくださいました。
さらに偶然の機会にめぐまれて、社内の複数部署の方が集まる会議に営業代表として出席させてもらえることにもなりました。その会議に参加できたことでそれぞれの部署での役割や働き方を再認識することができ、行ってみたい部署を絞り込むことができたのです。
当然のことですが部署希望はあくまでも希望のため、行きたいと手を挙げたからといって行かせてもらえるわけではありません。しかし意志を示すことが大切だと思い、私はこの年から異動希望を出し続けることにしました。
すれ違う会社と私の考え
結果をお伝えすると、部署異動自体は叶ったものの希望する部署とは全く違う部署への異動となってしまいました。理由としては、「将来営業に戻って役職者として昇進してほしいという考えがある」というものだったのです。
確かにこの頃から、今もそうかもしれませんが、女性の役職者をつくっていこうという流れが社会全体としてあったと思います。もちろん、会社員として昇進できることは非常に嬉しいことですが、それはあくまで実力を認められた上で行われるべきことです。会社からの説明に、私の実力を認めてくれたという文面がなかったわけではありませんが、どうしても「女性だから……?」という気持ちが強く残ってしまいました。
この会社で一生働くんだと思っていた私ですが、このことをきっかけに別の道も考えるようになっていったのです。
年齢制限があるワーホリに31歳ギリギリで挑戦
新しい部署に異動したことをきっかけに、一気に新たな可能性が見えてきます。
そこで、学生時代から挑戦してみたかった海外留学を考えるようになりました。
部署異動で気付いた将来の可能性
いろいろと考えたものの、基本的に正社員の部署異動は決定が覆ることはないので、会社から打診された部署へと移動することになりました。
結果として、非常にいい意味でこの異動がきっかけで新たな道が開かれることになります。
というのも、異動した先はマーケティング部で、そこでの仕事はとても刺激的なものばかりだったのです。私が担当していたのはブランドマネージャーで、主な業務は商品を市場でどのように成長させるかという成長計画や販売戦略を立てること。マーケティングを学んだことはなかったのですが、営業時代に培った「モノを売ること」に対する考え方を生かしつつ、先輩方からたくさんのことを指導していただいたおかげで新たなスキルを身につけることができました。
正直なところ初めの頃は、経験のない自分にこのような仕事が務まるのか不安でいっぱいでした。周りにいるのはマーケティングのプロと呼ばれるような先輩たちばかりなのです。それでも、配属されたからにはやるしかありません。チーム内の先輩に助けていただきながらひとつひとつ業務をこなすことで、自分なりにブランドマネージャーとしての仕事がどういうものか理解できるようになっていったのでした。
そのような日々の中で、「自分にはできないかもしれない」と思っていたことでも、やってみたら意外とできる可能性があるということに気が付きました。そうすると、今以上に何か新しいことにチャレンジしてみたいという気持ちがだんだんと湧き上がってきます。何かできることはないのか。何がやりたいのか。30歳を目前に自分の気持ちと向き合う日々でした。
「生きた英語」を身につけたい!
新しいことを学ぶという面白さを知ったある日、ふとあることを思い出します。それは、学生時代にやりきれなかった「英語を話せるようになりたい」という気持ちです。
小学生の頃から英語が好きで、得意科目はと聞かれるといつも英語と答えてきました。しかし残念なことに、試験対策としての英語はできたものの、実際の日常会話ではほとんど話すことができませんでした。海外旅行でもジェスチャー付きでなんとかコミュニケーションが取れる程度です。
ちょうどこのことを考えていたのが29歳の誕生日直前の頃。
海外で英語を勉強するにはいくつか方法があります。その中でも多くの人が使うのが、海外で学びたい31歳までの若者のためにつくられたワーキングホリデー制度。この制度を知っていた私は、「30歳までに海外に行かないと!」と突然思い立ったのでした。
そう思い立ってからの行動は早く、すぐに情報収集を始めてビザを申請し、ある程度の目処がたったタイミングで会社と両親に退職するという意志を伝えました。
そして、コロナ禍に巻き込まれて1年半待機というトラブルにも見舞われましたが、なんとか31歳の誕生日直前にカナダへと飛び立ったのです。
カナダ生活を経験して広がった私のキャリア
せっかくなので、少しだけカナダでの生活も紹介します。
カナダに渡航してから最初の1ヶ月はホームステイをし、その間に次の家を現地で見つけることにしていました。そして当時はコロナの影響で、ワーキングホリデービザで入国するためには仕事が事前に決まっていないといけませんでした。私はエージェントを経由して仕事を決めていたため、入国後すぐに学校と仕事に行くという生活がスタート。
まず驚いたのは、自分の英語レベルです。正直、もう少し話せると思っていました……。一番困ったのは、日本の試験には出てこないような日常会話の表現です。
私が就いたのは日本食レストランでのサーバーの仕事です。そのため、接客に必要な表現も一から学ぶ必要がありました。特にカナダはチップ文化がある国のため、接客ひとつでもらえるお給料も大きく変わります。なんとか早く慣れようと、毎日新しい表現を覚えるのに必死でした。
そんなカナダでの生活で気付いたことの一つに、「仕事に年齢は関係ない」というものがあります。カナダでは履歴書に年齢を書く欄がありません。年齢で仕事のスキルや経験値を図ろうとする考え方がないのです。裏を返して言うと、いくら年齢が上でもスキルがなければ評価されることはありません。「実力をしっかりと身につけないといけない」と改めて感じる機会となりました。
カナダでのサーバーの仕事でたくさんのことを学び、ここからまた次の働き方に挑戦したいと考えるようになりました。そこで出会ったのが、オンラインアウトソーシング(※)HELP YOUです。サーバーからフリーランスへ転身するきっかけとなった話は、またの機会とします。
まとめ
日々生活をしていると「このままでいいのか?」と考えることはよくあります。そんなときに自分がやってみたいことがあれば、思い切って挑戦することできっと新たな可能性が開けるはずです。私のこの経験が、背中を押すきっかけになったら嬉しいです。
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