キラキラの履歴書は、もういらない。経験を掛け合わせて複業フリーランスへ くらしと仕事

キラキラの履歴書は、もういらない。経験を掛け合わせて複業フリーランスへ

「何をしても中途半端でキャリア形成ができないまま何年も働いてきてしまった」
「華やかな経歴や専門のスキルがある人がなんだか羨ましい……」
ずっと、自分のキャリアにコンプレックスを抱き続けてきた私は現在、複業フリーランスとしていくつかの仕事を組み合わせながら働いています。
特別なスキルや経験がなかった私が、フリーランスとなった最初の一歩の出来事や、これまでを振り返ります。

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ライター

umi
営業・事務の仕事を経て、現在はフリーランス。新たな学びと幅広い仕事に挑戦すべく2025年にHELP YOUにジョイン。
趣味は、散歩と食べること。→執筆記事一覧

挫折。自分は必要とされていないのかも

新卒で就いた仕事は、アパレルの販売職。
今となっては、自分の性質も考えず「正社員だから」と入社を決めた自分を恥じるばかりですが、自分でも情けなくなるほどいつまで経っても仕事に慣れることができませんでした。
今にして思えば、もっと自分に合った努力の仕方や仕事へのアプローチが、もう少しあったのかもしれない、と冷静に考えられるのですが、当時は気持ちに一切の余裕がない状態。
人見知りに加えて、考え過ぎてしまう性格も手伝って、あっという間に適応障害を発症した私は、就職から1年経たずして逃げるように会社を辞めることになります。

こうして、新卒で短期離職をした私。
その後の再就職活動は、想像通り。なかなか厳しいものとなりました。

「資格や語学、実績や成果などのアピールポイントもなく、専門技能を学んだことがあるわけでもない。こんな私は、社会で必要とされていないのかもしれない」

そう考えて落ち込む日々。この挫折は、その後も自分の胸の奥底で長く重く、コンプレックスとして残り続けることになります。

そんな折、たまたま眺めていたFacebookの投稿で見つけたのが、地元デザイン事務所の求人でした。新卒の就職活動しか知らず、仕事探しといえば就職用のウェブサイトで探すものと思い込んでいた私には、思いがけない求人募集です。

その会社については学生時代から存在を知っていたこともあり、その会社で手がけたパンフレットや書籍、パッケージデザインなどが好きであること、地域のクライアントさんに寄り添ったブランディングの提案をしているところに共感し、自分もそれらに携わりたいことを私は必死にPR。
全くの未経験分野でしたが、ありがたいことに営業職として採用されることになりました。

初めてのオフィスワークと営業の業務に奮闘する日々は、忙しいながらも初めて知ることばかりで、充実した毎日だったように思います。
小さな規模の事務所だったことも幸いし、ライター・フォトグラファーの手配から進捗のやりとり、編集業務の補助や印刷の手配等まで、幅広い内容の業務を経験させてもらい、それらは私をとてもワクワクさせてくれました。

過去を悔やむより、できることを一つでも増やしたい!

しかし、そんな楽しい日々の中でも、私のコンプレックスは消えません。後々に転職する職場でも、

「デザイナーやディレクターでもなく、中途半端に業務を経験しているだけの私は役に立たないのではないか」
「何をしても中途半端で、一貫したキャリア形成ができていないまま過ごしている」

という思いが、常に重く心にまとわり付き続けていました。
人生100年時代、仕事だけが全てではないけれど、これから一体何をして生きていけば良いのだろうか、と考えると毎日不安で不安でたまらない気持ちになるのです。

手札を増やそう。ライター講座へ

そんな気持ちに少しだけ変化が生まれたのは、再度転職して派遣社員として営業事務の業務に就いていた時。「ライター講座」の告知を見つけたことがきっかけでした。

「過去にさかのぼってキャリアのスタートを変えることはできないし、仕事にできるほどの専門性や技術も急には身につかない。ならば、せめて自分ができることの種類を一つでも増やそう」
との思いが強かったように思います。一瞬、尻込みしつつも、次の日には私は講座へ申し込みを済ませていました。

日記も書いたことがない全くの素人が飛び込んで良いものかと、びくびくしながら申し込んだ講座。
しかし、先輩ライターのお話を聞いたり、実際に課題のインタビューやライティングをしたりしてみると、自分が関わったものが形になっていく面白さにすっかり魅了されてしまいました。
特に、取材にあたって予備知識を得たり、インタビューで自分が知らない世界のお話や人生で大切にしている美学などを聞いたりできるのが楽しくてたまりません。

私は子どもの頃から文章を読むのは苦にならないタイプ。新しいことを知るのも調べ物も大好きで、学生時代のレポート作成はむしろ好きな作業だったと、すっかり忘れていたことをその時やっと思い出したのです。

数回にわたる講座の最後、取材をした方にかけられた言葉は忘れられません。

「自分の活動や思いをまとめてくれてありがとう。文章を読んで、改めて自分のやりたいことや人生が整理できた」

この先、ライターの仕事に少しでもいいから関わりたい、という気持ちが湧き上がってきたのを覚えています。

小さな転機とフリーランスの始まり

まずは「できることの数を増やそう」と、始めたライティングでしたが、
その後、幸運なことに講座の関係者の方や、課題の成果物を見た自治体の方からインタビューライティングやイベントレポート等の仕事に声を掛けていただけるようになりました。

しばらくすると、ライティングの仕事から派生して、イベントの運営サポート、写真撮影、バックオフィスサポートなど、少し種類の違う仕事の相談も頂くようにもなりました。
本業の傍ら、いくつか仕事を請けた後、企画会社のサポートとして業務委託で働いたことをきっかけにフリーランスになり、現在はそのままライターやバックオフィスのサポート等、複数の仕事を並行して行う「複業」のスタイルで働いています。

経験は掛け算。ゼロには戻らない

現在、この記事を書くにあたって改めて振り返ってみると、当時はフリーランスのお仕事がもらえたことに対して、とにかく「なんて運が良かったんだろう!」と喜んだ一方で「もっと優秀な人やその道のプロもたくさんいるだろうに、なぜ私に声を……?」と不思議に感じていたことを思い出します。

今でも、そのふたつの気持ちに変わりはありませんが、この機会にじっくり振り返ってみると、その頃一緒に働いた方からある言葉をもらった記憶がよみがえってきました。

「あなたは、前後にいる人の仕事を意識してくれるから一緒に働きたいと思った」

例えば、
「広報物を作るデザイナーさんが使いやすい写真はどんなカットだろう?入稿データの形式や制作物について事前に伝えておくとスムーズなことは?」
「イベント後、主催者が報告書を作成しやすい参加者名簿のデータ抽出や、応募フォーム作りはどうするのがいいだろう?」
「SNS告知がスムーズにできるように、各種サイズに合わせたバナーや投稿のテンプレートや文章を用意しておいた方がいいかな?」
等は意識していたことだったように思います。

「専門の技術や特定の分野に深い造詣があるわけでもないし……」と、できないことばかりにフォーカスしていた私でしたが、過去にデザイン事務所で紙媒体の制作に関わって知ったことや、営業事務として働いていた時のオフィスワークの経験、もしかすると最初は挫折にしか感じていなかった接客の経験も、イベント運営等で役に立ったことがあったのかもしれません。

華やかな経歴だけが正義ではなかった

ずっと、華やかな経歴や大きなスキルがあることが正義のように感じていて、そうでない自分に引け目を感じていました。しかし、それでは、過去に一生懸命仕事に取り組んだ自分が少しかわいそうかもしれません。
今、経験やスキルは、環境や職場でリセットされるものではなく、小さくとも掛け算されていくものだと、やっと気付くことができ始めたように感じます。

誰かに喜んでもらえる結果を生むためにも、過去の経験に組み合わせる小さなスキルたちを増やすべく、今後もたくさんの仕事や学習に挑戦をし続けていきたいと改めて思う振り返りでした。

まとめ

現在も、まだまだ働き方や生き方は模索中で、正直にいうと仕事もコンプレックスだらけ。フリーランスという働き方に不安がないといったら嘘になります。
ただ、ライティングや写真の仕事にしても、アシスタントやオフィスワークの仕事にしても、自分が今まで経験したことがない仕事や職種の方のお話を聞いたり、生き方に触れることは大切な人生の学びでもあり、どれも得難い経験だと心から感じています。

HELP YOUでは、フリーランスとしての新たなチャレンジや「やってみたい」という気持ちの背中を押してくれる働き方がきっと見つかるはず。一緒に一歩を踏み出してみませんか。

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