運動会で輝く我が子を撮る!2児を育てる副業カメラマンが、今日から試せるコツを解説 くらしと仕事

運動会で輝く我が子を撮る!2児を育てる副業カメラマンが、今日から試せるコツを解説

運動会の写真って難しい…そう感じるパパママも多いと思います。

せっかくの晴れ舞台だからこそ、子どもの笑顔や真剣な表情をきれいに残したいですよね。
この記事では、副業カメラマンの山口正太さんにインタビュー。2児の父として日常的に子どもを撮影し、七五三など行事撮影の経験も豊富な山口さんが、親視点とプロ視点を交えながら「運動会撮影のちょっとしたコツ」をご紹介します。

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インタビュイー

山口正太さん
長崎県佐世保市出身。現在は神奈川県横浜市にて妻、長女、長男の家族4人で暮らしている。小学4年生の頃、親の転勤で佐世保から西東京市へ引っ越し、以後社会人まで東京都で過ごす。就職後は、自身の転勤で愛知県名古屋市へ転居し過ごしていたが、HELP YOUと出会いビジョンに大きく共感し2021年にジョイン。本業の傍ら副業カメラマンとしても活動しており、七五三写真を中心に個人からの依頼を請け負っている。

ライター

岩下直人
北海道北部の小さな町に住む、フリーランスWEBライター。子どもと過ごす時間をもっと増やしたいとの想いから、在宅で働けるHELP YOUにジョイン。父の影響で、学生時代から一眼レフカメラでの撮影を続けており、現在は子どもの成長と北海道の大自然を写真に収めるため、日々カメラを持ち歩いている。愛用機はNikon D750。→執筆記事一覧

初めての運動会写真でも失敗しないアイテム選びとは

何を使い、どんな設定で、どこで撮影すれば満足いく写真が撮れるのか。一度きりの本番でも、悩みは尽きません。

スマホと一眼レフ、一度は必ず悩む機材の使い分け

──運動会のようなイベントだと「写真も動画も撮りたい」そんな風に悩む方も多いと思います。機材の使い分けはどのようにされていますか?

私が撮るのは「写真」だけで、妻がスマートフォン(以下スマホ)で動画を撮っています。
でも最初のうちは、写真と動画どちらで撮るか悩んだり、撮るだけじゃなくて自分の目でも見たいと考えたり、結構迷いました。
しかし、一度に複数のことを行うと、写真も動画も中途半端になってしまうことに気が付きました。

そのため「何か1つに集中する」というのはポイントかもしれません。
我が家の場合、それを役割分担という形で実現しています。

失敗写真を減らす、運動会おすすめのカメラ設定とは?

── 一眼レフカメラで「迷ったらこれだけ変える」おすすめの設定はありますか?

普段は大体「絞り優先オート」にしています。
もちろんマニュアルでも撮れますが、色々考えているとシャッターチャンスを逃してしまうため、なるべく考えずにパッと撮れるようオートにしています。

また運動会だと、自分の子ども1人を狙い打つ状況が多いので、「絞り開放」などでF値(※1)を低めに設定しています。

※1 F値:カメラのレンズが取り込む光の量を示す数値で、数字が小さいほど写真が明るく、また背景がぼけやすくなる。絞り値とも呼ばれる。

そうすれば、空が多少曇っていたとしてもシャッタースピードが極端に遅くなることはないため、ブレる心配も少なくなります。

あとはとにかく、ピントがきちんと合うように気を遣っています。
私の場合、運動会では被写体を中央に置いて撮るシーンが多いため、フォーカスポイントを中央付近のみで探す設定(※2)にしています。

※2 フォーカスポイント:写真撮影時にカメラがピントを合わせる、あるいは合わせたいと指定する特定の部分やエリア。中央付近のみで探す設定は「スポットAF」「中央1点AF」「単点AF」など、各社さまざまな呼び名がある。

どこまで必要?知っておきたいレンズ&グッズ選び

──撮影にあたって「これだけは持っていく!」という必須アイテムはありますか?

運動会では、物理的に「これ以上近づけない」という制約が出てくるため、さまざまな状況に対応できるようズームレンズを使っています。
なかでも「70〜200mmのズームレンズ」が一番撮りやすいと感じています。
でも私自身ズームレンズは持っておらず、運動会シーズンにのみレンタルしています。

──なるほど! 今はその時だけレンタルするサービスも充実していますよね。

私は「GOOPASS」というサービスを使って、レンズをレンタルしています。
イベント撮影や普段自分が撮らない状況での撮影を依頼をされたときなどに、重宝しています。

──あと最近、カメラのアクセサリーシュー(※3)にスマホを取り付けることで、スマホとカメラを同時に撮影できるグッズを知ったんですが、使ったことはありますか?

ありますが、私はあまりしっくりこなかったですね。
便利なのかもしれませんが、結局スマホとカメラの両方に気を遣うことは変わらず、どちらも中途半端になってしまうと感じました。

※3 アクセサリーシュー:カメラ上部にある、外付けフラッシュやファインダーを取り付けるための場所。接点のあるものはホットシュー、ないものはコールドシューと呼ばれる。

──使いこなす難易度は高そうですが、逆にいえば並行処理が得意な方は検討してみても良いかもしれませんね。

満足できる運動会写真を増やそう!即試せる撮影アイデア

少し斜めのアングルから、絞り開放オートの設定で被写体にしっかりピントを合わせる。この一枚だけでも、多くの技術が詰まっています。

前の列と重なって見えない…そんな失敗を減らす場所取りのコツ

──運動会での場所取りは、事前にしっかり準備をしていますか?

自分の子どもが出る種目の並びや次の種目については、予めプログラムで調べておき、それを元に最初の場所取りを決めています。

今は娘が小学校、息子が幼稚園なので良いのですが、2人とも幼稚園のときは大変でしたね。
「ギリギリまで娘を撮影していたら息子のベストな位置まで多分行けないから、この辺にしておこう」といったこともありました。

──そういう場合、実際にはどのような対応をするのでしょうか?

最低限、後ろから撮影することにならなければいいかなと。
こちらを向いている様子が撮れる位置なら、必ず真正面でなくてもOKと捉えています。

少なくとも「場所取りに命をかけている!」ということはないですね。

──ベストポジションを求めだしたら、キリがないですよね。私の住む町は一学年で20人ほどですが、それでも場所取りは難しいと感じます。例えば、前の列の子と重なって見えづらくなったりだとか。

そういう状況ってありますよね。私も、これまでの経験を踏まえて、同じ失敗を繰り返さないよう心がけています。

例えばダンスであれば「前の方に出てくる」「後ろの方でこちらを向いて踊る」など、大まかな位置関係のみをプログラムで確認しています。
また整列時は、正面に行き過ぎるとかえって前の列の子と重なってしまうため、あえて少し斜めから撮れる場所を探しておきます。

徒競走であれば、トラックのどこを走るのかを確認したうえで「ゴールから正面を撮るのか」「コーナリングを撮るのか」といったことを考えます。
王道ポジションであるゴール前は人も多いため、状況を見ながら臨機応変に場所を調整しています。

夢中でカメラを向け続けることで生まれた、奇跡の一枚

山口さんお気に入りの一枚。当時より撮影スキルが向上した現在でも、再現は難しいそうです。

──カメラを始めて間もない頃、経験値が少ないからこそ撮れたお気に入りショットはありますか?

長女が幼稚園児の頃、大勢の親御さんの合間を縫って撮影した一枚ですね。
この時は、場所取りが全然うまくいかなくて。両側に他の親御さんの腕が映りこんでしまったんですが、とにかくピントだけはしっかり娘に合わせました。

──それが逆に良いですね…! とても被写体が際立っています。

結果的には、好きな写真の一つになりました。
ダンスで顔を隠す場面なのですが、偶然、娘がこっそり周りを覗いてる様子が撮れました。

──狙わずに撮った写真が、実はとても良かったということはよくありますよね。

そうですね。この写真は「撮って」と今言われても、もう撮れないと思います。

撮り方は無限大!?大切なのは「子どもの日常を記録する」こと

撮影のタイミングは、目玉となる各競技だけじゃない。合間に友だちと楽しく話している時間こそ、子どもの自然な表情を収めるチャンスかもしれません。

──応援席からの“定番”構図以外に、意外と効果的だったアングルや画角などはありますか?

先ほどご紹介した写真にもつながりますが、あえて「引いて撮ってみる」ことでしょうか。
周りに人がいる隙間から撮った写真は、自ずと真ん中に視線が集まりやすくなると思います。

もちろん子どもに近づけば、それだけ撮りやすくはなります。
ただ、その分子どもも親の存在に気付きやすくなるため、カメラを意識した写真になってしまうことが多いです。

その点運動会は、周りに親御さんもたくさんいますし、子どもも親の位置を把握しづらいため、自然な雰囲気の写真が撮りやすいと感じています。

──確かに、撮られていることに気付くと、大人でも意識しますよね。

なので私は、運動会に限らず「子どもとの距離感」を意識して撮ることが多いです。
とはいえ、色々考えていたら大事な場面を見逃してしまうため、競技中は我が子にピントを合わせることを第一に考えています。

──そのほか、あえて「一味違うところ」で撮影したことはありますか?

子どもたちが座っている応援席の後ろから、娘の後ろ姿やお友達と喋っている横顔を撮ることも多いですね。

とても自然な表情をしていたり、純粋に楽しそうな表情をしていたりすることが多いので、気付かれないようにあえて後ろから撮影しています。

進学のタイミングなどで子ども同士が離ればなれになることも多いため「この子仲良かったよね」「あの子元気かな」と後で見返せるようにしています。

在宅ワークで叶えた、副業カメラマンのワークライフバランス

700万インプレッション・24万いいねを記録した写真。ニュースサイトに掲載されたこともあり、大きな反響を呼びました。山口さんも、Xからの通知が止まらず加速していくことに怖さを覚えたそう。

子どもの誕生をきっかけにのめり込んだ、カメラの世界

──そもそも、カメラを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

長女の誕生がきっかけです。子どもの写真を撮りたいと考えてカメラを購入したら、一気にのめり込んでいきました。

そこから、オンラインサロン(※4)などのコミュニティに参加したり、個人で活動しているカメラマンさんのお手伝いをしたりして勉強していきましたね。

※4 オンラインサロン:特定のテーマに基づく月額制の会員制コミュニティで、メンバー同士が交流し、情報を共有し合う。

そこからしばらくは、プライベートの写真を撮り続けていました。
するとある時、友だち家族と遊んだ際の写真を送ったら、とても喜ばれて。
それがきっかけで「今度、七五三があるから撮ってよ」と声をかけてもらえるようになりました。
副業としてお金をもらい始めたのは、そこからですね。

その後、ありがたいことに少しずつ依頼も増えていきました。
その様子をSNSで発信しつつ、並行して写真の出張撮影を行うプラットフォーム「fotowa」に登録をしたところ、知り合い以外からの依頼も頂けるようになりました。

「fotowa」はピクスタ社が運営する家族・子ども向けの出張撮影プラットフォーム。ピクスタ社はHELP YOUの利用企業であり、山口さん自身もfotowaの登録フォトグラファーとしてピクスタ社のメディアへ登場したことがある。

──依頼が増えていく中、副業カメラマンだと本業との両立が難しいと思います。仕事が忙しければ家族との時間も減ってしまいますが、どのようにワークライフバランスを調整されているのでしょう?

以前は、全国転勤があり、拘束時間の長い業界で仕事をしていました。
そのため、家族との時間がなかなか取れず、カメラに割ける時間も少ないと感じていました。

そんな中、偶然出会ったHELP YOU(※5)にジョインし、フルリモートワークになったことで、家族との時間も、カメラマンとしての活動時間も増えていきました。

※5 HELP YOU:オンラインアウトソーシング「HELP YOU」とは、在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス。世界各国・全国各地の600人全員がフルリモートワークを実践中。

──ご家族と過ごす時間が増え、好きなカメラに割ける時間も増えたのは大きいですね。

そうですね。平日に自宅で仕事をしているとき、昼休みにリビングで過ごしている子どもたちの写真を何気なく撮る、ということもできるようになりました。
日常の一風景を撮る頻度が増えたことによって、子どもの成長をより身近に感じられるようになったと感じます。

これは、HELP YOUに入って良かった点の一つです。

息子さんとの何気ない一枚。こんな写真を気軽に撮影できるのも、普段から一緒に過ごす時間が多い在宅ワークならではかもしれません。

営業とカメラマン、意外な共通点とは?

──写真を通じて得られたノウハウや経験が、仕事に役立ったと感じることはありますか?

相手の感情や考えを、コミュニケーションを取りながら察知するということは、仕事でも写真でも共通しているように思います。

HELP YOUにジョインした当初は営業を担当していたため、「自分の提案や話した内容がきちんと相手に伝わっているか」を意識しながら会話をしていました。

一方写真でも、撮ったものをその場で見せて「これは刺さってるな」「あまりしっくりきていないな」という所感を会話で掘り下げるよう心がけています。

──写真撮影の場でも、密なコミュニケーションを意識されているのですね。

はい。そこが私の強みというか、少なくとも「写真撮るマシーン」にならないようにはしています。

カメラの性能は一定のラインまで成熟していると思うので、自分が撮る意味をどこに見出すかといったら、「コミュニケーションを取りながら、その人の感情を表現できるようにすること」ではないかと考えています。

いつも通りの表情を引き出せるように、自然な流れの中で場を演出することを心がけています。

まとめ

最後に、パパママが今日からでも実践できることはありますか?と山口さんへ聞きました。
すると、口から出た言葉は意外にも「子どもとのコミュニケーションを大切にすること」でした。

「子どもの写真は、普段からの会話やコミュニケーションの延長にある気がします。
直接話すに越したことはありませんが、同じ空間で同じ時間を過ごすだけでも、心の距離感が縮まると思います」
山口さんは、そう話しました。

日常のちょっとした積み重ねで、いざ写真を撮ろうと思ったときに自然な雰囲気で撮れたり、運動会などのイベントでも子どもの行動が予測できるようになったりするそうです。

そうした意味では、お子さんとの時間をめいっぱい楽しむことが、カメラ技術を上げる一番の近道かもしれません。

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