見知らぬ地でどう生き抜く?転勤妻の私が実践する「孤独」の乗り越え方 くらしと仕事

見知らぬ地でどう生き抜く?転勤妻の私が実践する「孤独」の乗り越え方

「え〜ハワイに引っ越すの?!めっちゃうらやましい~!」「ハワイに住めるなんて最高じゃん!」

ハワイに引っ越すことが決まったと報告した時に、誰もが口をそろえてうらやましいと言いました。アメリカ人の夫と結婚して8年目。夫の仕事には数年ごとの海外転勤がついて回ります。

夫についていくと決めたはいいものの、知り合いが一人もいない土地で感じる孤独は想像以上でした。
今回は、転勤妻なら誰もが抱え得る悩みと、それに対する私なりのアプローチ方法を紹介します。

ライター

ホーリー麻
京都出身、横浜育ち。東京玉川大学パフォーミングアーツ学科を卒業後、神奈川県にある小学校で音楽専科として勤める。その後、英語のスキルを磨くためにフィリピンとオーストラリアに一年間留学。アメリカ人の夫と結婚後、渡米を決心し、今では転勤を繰り返す二児の母。
育児ノイローゼを乗り越えて、幸せをみつけるためにHELP YOUでライターとして活躍中。→執筆記事一覧

5年で築いた人間関係も転勤でリセット

私のような転勤妻の方が抱える大きな悩みの中に、

「仕事」「人間関係」「引っ越しの準備」

などがあるのではないでしょうか。結婚をして夫の転勤先についていくことによって、女性は仕事を辞め、人間関係も新たに築いていかざるを得ないパターンが多いと思います。

私は元々音楽の教員をしており、結婚を機に渡米した後はアメリカのモンテッソーリ学校で音楽とピアノを教えることになりました。しかし子どもを授かり、子育てに専念することに。

幸い、最初の引っ越し先であるバージニアでは気の合う友人ができ、近所の人とも良い人間関係を築くことができました。夫の長期出張で一人残されることが多かった私にとって、近所の人や友人との交流は不可欠だったのです。娘が生まれた時も息子が生まれた時も夫は6カ月出張で不在。ワンオペ育児に追われる日々は、周りの助けがなければ乗り越えられませんでした。

しかし、5年間のバージニア生活にもやがて終わりの時がきました。次の勤務先が東海岸のバージニア州から西海岸のカリフォルニア州に決まり、引っ越すことに。私にとって初めての転勤で、過去に経験したことがないほどの大きな不安や心配な気持ちに襲われました

転勤先で待っていた3カ月のホテル生活

転勤妻の何が大変かというと、それは引っ越しの準備。食べきれなかった物は近所の人にお裾分けか、処分をする羽目に。クローゼットの整理、いらない物の仕分け作業。物が多ければ多いほど整理に時間がかかります。子どもの面倒を見ながらだと、なおさら作業が進みません。また3年後には同じことをゼロから行わなければならないと考えるだけで気が遠くなります。

移動距離が長いほど荷物が届くのに時間がかかるのも悩ましいところです。最初の引っ越しでは、アメリカ本土内での移動にもかかわらず、車や家具の配送に2週間ほどかかりました。さらに、カリフォルニアからハワイに引っ越した時は、海をまたぐため配送期間はなんと3カ月! その間、生活がままならず日に日にストレスがたまっていったのを覚えています。

ハワイでは車がないと生活に不便がでてしまうので、車がない間はもちろんレンタカーを借りる必要があります。そのうえ、新天地での家がなかなか決まらずホテル住まいが3カ月も続きました。狭い部屋に子ども2人と大型犬が2匹…。キッチンのコンロは一つしかなく、なかなか思い通りに料理もできません。小さなキッチンで栄養満点のご飯を作ることができず、家族全員のストレス度はマックスに。

 ホテル生活中はビーチ三昧 くらしと仕事

ホテル生活中はビーチ三昧

転勤族だとマイホームも遠い夢

そんな辛い3カ月のホテル生活にも終わりを告げ、ついに入居先が決定しました。庭付きの一軒家に住めることになりましたが、この場所に永遠に住むわけではないのでもちろん賃貸。転勤妻の中にはマイホームの夢を持つ人も多いと思いますが、私もそのうちの一人です。

「ああ、賃貸じゃなくてマイホームに住みたいなあ」。何度そう思ったかわかりません。インスタなどでマイホームを持っている人の投稿を見るとついついうらやましくなってしまうことも。他人と自分を比べるわけではありませんが、どうしても「いいな」と思ってしまうのです。

しかし、そんな夢は胸にしまい、目の前にある現実に向き合わなければなりません。積み上がった大量の段ボールを一つひとつ、コツコツと荷解きしていきます。

ようやく入居できた賃貸 くらしと仕事

ようやく入居できた賃貸

見知らぬ土地で転勤族が直面する「孤独」

ようやく段ボールが片付いて、家らしい家で落ち着いた生活を始めることができるようになりました。子どもたちの学校や病院の手続きも行い、ペットの獣医も探し、新天地を楽しむ準備ができてきた。そう思い始めたころ夫は2カ月の出張に旅立って行きます。

さて、これからのハワイ生活を楽しむぞ!そう気合いを入れたはいいものの、ここには一緒に楽しむ友人はいません。転勤妻の中には、友人がいなくても一人の時間をエンジョイできる方もいるかもしれませんが、私にとって友人は欠かせない存在です。

転勤妻として生活するようになってから、友人の大切さを今まで以上に実感するようになりました。見知らぬ土地で新生活を始めた当初は、孤独にさいなまれ本当に辛かったです…。とてもブルーな気分を何カ月も経験して「このままではいけない」と、人がたくさん集まる場所に出かけたり、いろんなコミュニティに参加したりしました。

そんな時、4月に桜が咲くことで有名な公園を散歩していると、日本人のHちゃんにバッタリと遭遇。その場で連絡先を交換し、とんとん拍子で話が進んでいく。結果、Hちゃんとは夫に言えないような悩みも打ち明けられるほどの仲になったのです。

同性にしかわからないことってたくさんあると思います。いくら気が合って愛する夫でも、夫に相談するより同性の友人に話を聞いてもらいたい時ってありますよね。それに、同じように転勤妻の友人がいたら、抱えている悩みや辛いことを言い合えます

今自分が抱えている悩みを口に出して誰かに伝えることは、自分の心を健康に保つうえで欠かせません。自分一人でブルーな感情を抱え込むことは、うつ状態への入り口だと考えるからです。

引っ越しばかりで仕事も人間関係もマイホームも諦めなければならない…。こんな悩みは夫には正直わかってもらえません。私にとって友人は人生の中でかけがえのない存在。彼らががいたからこそ今の私が存在しているといっても過言ではありません。転勤妻となり孤独を経験したからこそ、友人が私の人生にどれほど大切な存在だったかを再認識しました。

友人のHちゃんと最後の晩餐 くらしと仕事

友人のHちゃんと最後の晩餐

リモート友達なら離れていても心はつながっている

ハワイに引っ越してきて間もなく半年が経ちますが、未だにバージニア時代の友人を思い出しては少し寂しい気分になります。

新たな友人をつくろうにも、良いご縁はなかなか転がっていないのが現実です。それに、友人が欲しいと思う反面「友達ができたとしても、どうせまた3年後には引っ越しか……」という諦めのような気持ちからいまいち積極的になれません。

HELP YOUで見つけた夢中になれる仕事と仲間

そこで、私が寂しさを埋める方法として選んだのがリモートワークです。数年ごとの引っ越しや育児との両立を考えると、以前のように音楽を教える仕事は難しいと考え、オンラインアウトソーシング(※)「HELP YOU」で働き始めました。

HELP YOUなら世界中のどこにいても働くことができ、さらにはリモートで仲間とつながることができます。業務を通して最新のツールの使い方を覚えたり、新たなスキルを身につけたりできるので一石二鳥です。

HELP YOUにジョインする以前は文章を書く仕事をしたことはなかったのですが、新しいスキルを身につけたいという思いでライターとして活動することを決意しました。

仕事に没頭している時間は、寂しい気持ちを少し忘れさせてくれて、育児や家事に対する息抜きにもなっています。自分だけの稼ぎにもつながるので、HELP YOUで得た報酬を次回日本へ帰国する際に使えることが今の楽しみです。このように夢中になれるものがあると精神的な安定に繋がるのは言うまでもないですよね。
※ オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス

▶︎ 転勤妻の私もリモートで仕事と人間関係を継続!HELP YOUについて詳しく見る

転勤族の孤独を忘れられるリフレッシュ方法

寂しい思いをしたときは自分一人でできることを楽しむのもおすすめです。例えば、今までやってみたかったことに取り組んでみたり、資格を取ったり、趣味の幅を広げてみたり。また、子どもと一緒に楽しめることを探してみたり、時間があればリモートワークを始めてスキルアップを目指して仕事をしてみたり。自分が熱中して取り組めることに出会えれば、ブルーな気持ちも少しは晴れてきます。また、夫の仕事が落ち着いて引っ越し生活が終わった後に将来どこに住もうか、どんなマイホームに住みたいかをリサーチし、話し合うことも私の楽しみの一つになっています。

もう一つハマっているのは、植物を買ってきてその成長を楽しむことです。家のポーチに大きな木や植物を飾ると、ただの賃貸でも素敵な家に見え始めます。それによって自分の家が好きになってくるし、自分の家が好きになれば気持ちも華やいできます。家の中を自分の好きな風にデコレーションすると、賃貸なりにもマイホームを味わうことができますよ。

また、せっかく新天地にきたのだから、また次の転勤が決まるまでは色々な場所を散策して、子ども達にたくさんの経験をさせてあげたいな、と思っています。

週末は家族でハイキング くらしと仕事

週末は家族でハイキング

まとめ

数年ごとに転勤がつきものの生活。この生活はあと何年続くんだろう、孤独な時間はあとどれくらいなんだろう、何度そう思ったことかわかりません。それでも、目の前の生活に感謝して一日一日を楽しんで過ごしていくしかありません。

大変なことはたくさんあります。でも、リモートワークをしたり趣味の幅を広げたりと、目の前にある小さなことを大事にしながら過ごす、それが今私にできることです。

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