自宅保育だと在宅ワークは無理?1歳6か月児の母が学んだ両立のコツ

1歳の息子がベビーサークルを突破したあの日から、私の在宅ワークライフは一変。ベビーサークルから晴れて開放された息子は自由奔放に暴れ回り、私は仕事どころではありませんでした。

「仕事の締め切りが迫っているのに……どうすればいいの!?」──この記事では、そんな当時の私と同じ状況に置かれたママパパに向けて、自宅保育と在宅ワーク両立のヒントをご紹介します。

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ライター

三代知香
飛騨在住のフリー編集者。会社員時代はIT企業でマーケティングやPM、自社ブログの立ち上げを経験。現在は「くらしと仕事」の編集長代理として企画立案を行うほか、ライターに伴走して記事の品質向上&効果最大化を図る。インタビューライターとしては働き方や地方創生をテーマに多数の記事を執筆。1児の母。→執筆記事一覧

自宅保育と仕事を両立できた2つの理由

結論からいうと、タイトルの「自宅保育だと在宅ワークは無理?」の答えは「無理ではない」です。自宅保育と在宅ワークの両立を可能にした要素は大きく3つあります。私が働く環境の説明も兼ねて、まずはそのうち2つをご紹介します。

両立できた理由①:柔軟に業務量を調整できるフルリモート環境

1つは、オンラインアウトソーシング(※1)「HELP YOU」を通じて実現できた、場所や時間に縛られない働き方です。

HELP YOUでは、600人全員がフルリモートワークを実践しており、その大多数はフリーランスです。会社として1,000社の業務コンサルティング・業務サポートを請け負うなかで、各人が担当する案件は基本的には挙手と適性で決まります。

単純化すれば、手を挙げれば仕事が増える。挙げなければ基本的には仕事をセーブできる。

ただし、中長期の継続案件を持っている場合はこの限りではなく、業務量の調整には案件ごとにチーム内での相談が必要です。クライアントやチームメンバーなど相手ありきの仕事なので思うままに調整できるわけではありませんが、それでも比較的柔軟に業務量をコントロールしやすい環境は、自宅保育との両立にも適しているといえます。

※1 オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス。

両立できた理由②:「ちょっと子どもを見てほしい」を叶える環境

もう1つは、外せない仕事が入ったときに頼れる夫と、地域の一時預かりサービスの存在です。

経理、秘書、営業事務など、HELP YOUにはさまざまな業務があるなかで、私は編集・ライティングの仕事をしています。基本的には一人で黙々とこなす作業が多く、決まった時間に稼働する必要はありませんが、取材のときだけは例外です。オンライン取材であっても、赤ちゃんの声が入らないように別室で誰かに見てもらう必要があります。

私は結婚をきっかけに岐阜県飛騨市に移住し、両親は遠方に住んでいるため実家を頼ることはできません。一方で、夫は妊娠を機に転職し、完全在宅勤務となりました。常に家にいたため、パートナーが出社して働いている家庭に比べると、頼りやすい環境だったといえます。実際に、夫とミーティングの時間をずらし、工夫しながらスケジュールのやりくりをしていました。

どうしても夫の都合がつかない場合は、地域の一時預かりサービスを利用することも選択肢の一つ。都市部では、なかなか利用できないという声も聞きますが、飛騨市では気軽に利用できる環境(※2)が整っており、仕事を続けるうえで大きな支えとなりました。

家庭環境や地域サービスなど、人によって条件は異なりますが、いざというときに頼れる先を見つけておくことは、自宅保育と在宅ワークを両立するうえで大切な準備といえます。

※2 2025年時点における個人の感想です。

自宅保育を始めた当初の私には、まだ3つ目の要素は見えていませんでした。そのありがたみに気付いたのは、自宅保育のターニングポイントともいえる1歳6か月頃です。

夫婦2人ならイケる!と自宅保育にしたものの……

お気に入りの公園にて。

 

産後、夫は休みを取らず、私は出産から2か月で仕事に復帰。上述の通り、2人がかりでどうにかこうにか息子のお世話をしていました。

保育園に入れるかどうか、最初に判断するタイミングが訪れたのは、ハーフバースデーを過ぎた頃でした。周囲から「保育園はどうするの?」という声が聞こえてきます。

ハイハイやあんよができるようになったら、今より仕事と育児を両立するのは大変だろうな、と薄々感じてはいたものの、最終的には「ま、夫婦2人いるし大丈夫だろう」と楽観視。自宅保育ライフを続行することにしました。

少なくとも、1歳の誕生日までは順調だったように思います。しかし、1歳3か月頃から、雲行きが怪しくなっていきました。

当時の日記には、こう書かれています。

そろそろ、ベビーサークルが機能しなくなりそう

息子が、踏み台もなくベビーサークルを乗り越えるようになったのです。

保育園、何歳から預ける?3歳まで自宅保育をした私の完全在宅ワーク体験記

ベビーサークルの敗北で在宅ワークが困難に

最初のうちは乗り越えるのにひと苦労といった様子でしたが、1歳6か月頃には、息子はベビーサークルなど存在しないかのように軽々と突破するようになりました。そこで、高さのあるベビーサークルを新調したものの、その日のうちに攻略されてしまいます。

自由の身となった息子は、仕事をしている私の膝を伝ってデスクによじ登り、ノートパソコンのキーボードをバシバシ。「めっ」「おんり!(降りて)」などと叱ってみるも、息子は反省するどころか天使のようにニッコリ。

ならばとデスク周りにバリケードを張りましたが、なんなく突破。まるでイタチごっこでした。

もちろん、締め切りが迫っていて執筆に集中したいときには夫に息子を任せて別室で作業をすることもできましたが、その間は夫のパソコンが餌食に。夫婦2人体制とはいえ、だんだんと限界を感じるようになりました。

先輩ママ直伝、自宅保育に適応した仕事環境5選

困り果てた私は、HELP YOUの在宅フリーランス仲間に思いきって相談してみることにしました。

この仲間の存在こそが、自宅保育と在宅ワークを両立できた3つ目の理由です。

場所や時間に縛られず働けるHELP YOUには子育て中のメンバーが多く、なかには自宅保育をしながら完全在宅で働いている人も少なくありません。

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HELP YOUには趣味やスキルアップのコミュニティが数多くあり、その一つに「子育ての会」というものがあります。「子育ての会」のChatwork(※3)グループで事情を説明したところ、仕事環境の整え方についてたくさんのアドバイスをもらうことができました。その内容をご紹介します。

※3 HELP YOUでのやりとりは基本的にビジネスチャットツール「Chatwork」で行われます。

※ この記事は、以下で紹介する内容の安全性を保証するものではありません。参考にする場合は、お子さんの安全に十分注意し、自己責任において実施してください。

自宅保育×在宅ワーク環境整備のヒント①:昇降デスクを活用

昇降デスクなら、高い位置で使えば子どもの手は届きません。M.S.さんは10年ほど昇降デスクを利用しています。

昇降デスクには、電動式と手動式がありますが、M.S.さんはレバーで操作する手動式の製品を利用中。レバーが固く、子どもにイタズラされる危険性を感じることなく使えているそうです。

幅120cm程度の大きめサイズで、デスクの位置を下げてお子さんと一緒に遊ぶときにも利用しているとのこと。仕事に用途を絞りたくない人は、大きめデスクの購入を検討してみてはいかがでしょう。


M.T.さんも昇降デスクを利用しており、おすすめの製品を紹介してくれました。ノートパソコンを置いたら作業スペースの3分の2が埋まる程度のスリムなデスクで、キャスター(※4)が付いているため部屋間の移動に便利なのだそう。室内空間を圧迫されたくない方に適しているかもしれません。

※4 キャスターにロックが付いてる製品を選ぶ、非移動時にはキャスターカバーを付けるなど、お子さんの安全に十分注意してご使用ください。

自宅保育×在宅ワーク環境整備のヒント②:キッチン台で作業

H.T.さんはお子さんが過ごす部屋とキッチンの間にベビーガードを設置し、自身はキッチン台で作業。お子さんが保育園に入った現在でも、土日に仕事をするときはキッチン台を使っているそうです。

お子さんの居場所と仕事場を物理的に分ける以前は、仕事中にお子さんがデスクをよじ登ってパソコンの電源を消してしまうこともあったとか。自宅保育中の在宅ワーカーあるあるですね。


自宅保育×在宅ワーク環境整備のヒント③:テーブルの高さを底上げ

S.T.さんはダイニングテーブルの高さを底上げすることで、子どもがよじ登るのを防止していました。4脚の椅子の上にダイニングテーブルを設置し、椅子の背もたれとテーブルの脚をしっかり固定。台座となった椅子の代わりにカウンターチェアを使っていたそうです。

S.T.さんは3兄弟の母で、一番下のお子さんが上のお子さんの消しゴムを口に入れたり鉛筆を持ったりしてしまい危険だったため、上の対策を講じたとのこと。子どもの人数が増えると、それだけ考えるべきことも増えるのですね。


自宅保育×在宅ワーク環境整備のヒント④:シェルフをデスク化

M.Y.さんは大きめのシェルフ(棚)をデスク代わりにしていたそうです。天板がちょうど胸の高さにあり、立って作業をするのにぴったりだったのだとか。

これなら新しく何かを購入したり、DIYをしたりする必要がないので、最小限のコストで気軽に試したい方に適した方法なのではないでしょうか。


自宅保育×在宅ワーク環境整備のヒント⑤:子どもと一緒に作業

T.A.さんは子どもが仕事を妨げることを物理的に防ごうとしても、いずれはその環境に順応した子どもに突破されると考え、共存の道を選んだといいます。

仕事机にお子さん用のテーブルチェアを取り付け、塗り絵やシールブックなどを渡して一緒に作業するかたちをとりました。これならお子さんも寂しさや退屈を感じることなく過ごせそうですね。

お絵描きする息子。この後クレヨンを投げます。

 

当初、私は昇降デスクの購入を考えていましたが、結構なお値段なのでどうするか迷っていました。「自宅保育×在宅ワークのヒント④:シェルフをデスク化」のM.Y.さんのメッセージを見て「これだ!」と思い、早速準備。

我が家には天板の高さを変えられるメタルラックがあるのですが、すき間があるのでそのままデスクとして使うには不便です。メタルラックの上に置けるちょうどいい板状の物はないか探したところ、メタルラックのメーカーからカスタムパーツとして板状のシートが販売されていました。

早速Amazonで購入し、2日後には即席デスクが見事に完成。私の胸の位置まで天板を上げ、立って作業をしたところ、息子にイタズラされることなく仕事ができました。

M.Y.さんのアイデアを参考に作った仕事スペース。

環境が整っても、仕事に集中できない現実

前述の方法で物理的に仕事をストップさせられることは減りましたが、どうしても子どもがかまってほしがるときや甘えたがるときは、仕事の手を止めざるを得ません。

仕事の締め切りで頭がいっぱいの私と、かまってほしい息子。折衷案として実践していた「息子を抱っこしたり、添い寝したりしながら隙を見てスマートフォンで仕事をする」作戦は、今振り返ってもある程度有効だったように思います。

普段、私はライティングの仕事で文書作成ツール「Google ドキュメント」のWebブラウザ版を使っており、スマホアプリ版も当時から併用しています。息子にかまう時間だけでなく、料理の待ち時間といった隙間時間にも、わざわざパソコンを開かずに使える点が便利です。

思い浮かんだタイトルや構成をメモしたり、自分で書いた文章を読み返したりと、活用シーンはさまざま。特に文章の読み返しでは、スマートフォンで見たときの読みやすさを確認できるため、実際に読む人の感覚に近いかたちで仕上げられます。

これはライティングの例ですが、他の分野でもスマートフォンでできる仕事はあるはずです。大きく分けると「考える仕事」はスマートフォンで、「手を動かす仕事」はパソコンで、といったように棲み分けてみるのも一つの方法かもしれません。私の場合、スマートフォンでのフリック入力(※5)は、パソコンでのタイピングに比べて速度が緩やかな分、思考のスピードとちょうど噛み合い、かえって考えを整理しやすいと感じる場面もあります。

隙間時間をどれだけうまく活用できるかは、自宅保育と在宅ワークを両立するうえでの一つのカギになります。「この仕事、スマートフォンに置き換えられないかな?」と一度考えてみることも、有効な工夫の一つです。

※5 スマートフォンの画面を指で弾くようにして文字を入力する方法のこと。

1歳のそばで在宅ワークはできる?無理なく働くコツ9選

子どものかまって攻撃はリフレッシュの機会

帰省先で見つけた子どもの遊び場で撮影。(後述の子育て支援センターとは別の場所です。)

 

「それでも仕事にならない!」──万策尽きた日は、潔くパソコンを閉じ、子どもと一緒に遊びに出かけるのも一つの手です。仕事がたまっている場合は、夜中に集中して片付けるという最終手段もあります。

親も子もずっと家にこもっているとストレスがたまってしまうので、子どものかまって攻撃をきっかけにリフレッシュしてみてはいかがでしょう。

私はたまに地元の子育て支援センターを利用していました。職員さんが子ども一人ひとりの名前を呼んで話しかけてくれるようなアットホームな場所で、今でも私のお気に入りです。

おもちゃの車に乗ったり、滑り台付きボールプールに飛び込んだり、家ではできないダイナミックな遊びに息子も上機嫌。親子で一緒に歌ったり踊ったりする時間もあり、完全在宅ワークで運動不足の私にとっては凝り固まった体をほぐす良い機会でした。

結局、子どもを見ながら満足に稼げるのか?

そんな風に日中外出をしていて、隙間時間や夜間だけでどれほど稼げるのか? 大変なわりにはそれほどお金にならず、コストパフォーマンスが悪いのではないか? そんな疑問が浮かんでくるかもしれません。

実際のところ、朝から晩まで働いていた会社員時代と比べれば、当時の月収は半分以下でした。しかし、コストパフォーマンスが悪いかというと、私はそうは思いません。

セーブしながらでも途切れず仕事を続け、その期間に少しずつ実績を積み重ねていけば、それが本格的に仕事復帰したときの布石になります。実際に、私は自宅保育をしていた期間は扶養の範囲内で働いていましたが、息子が保育園に入園した翌月には会社員時代の月収を取り戻し、その約3か月後には扶養から抜ける見通しが立ちました

個人事業主のため社会保険料は全額負担で、ボーナスもないため、年収ベースだとやはり会社員ほど稼げていない現実はあります。一方で、会社員時代はフルタイム勤務だったのに対し、今は9時から15時までの6時間でほぼ同等の月収を稼げていることを思うと、コストパフォーマンスは当時より良くなったと感じます。

これは、自宅保育と在宅ワークを両立してきた期間が、その後のキャリアにとって確かな布石になっているからです。

夫の扶養から外れるまで──個人事業主・3歳児母の場合

最後に

記事の中で紹介したHELP YOUのコミュニティ「子育ての会」では、私はほとんど幽霊メンバーでした。先輩ママたちの会話を「へぇ〜」と尊敬の気持ちで眺め、自ら発信することはなかったのです。

そんな私が思いきって相談してみたところ、6人もの方が丁寧な長文で各々の対策を伝授してくれました。仕事で少しだけ接点のある方もいましたが、なかには初めましての方も。

印象的だったのは、メッセージの最後に「参考にならないかもしれませんが」「あなたに合った方法が見つかりますように」と添えられていたことです。子育てのかたちは、子どもの年齢・月齢や人数、特性、家庭環境などによっていかようにも変わります。先輩ママたちは誰よりもそれを知っているからこそ、押し付けがましくない書き方でアドバイスとエールを送ってくれたのだと温かい気持ちになりました。

この記事も同様に、正解を押し付けるものではありません。あくまでも、ママパパ自身やお子さんに合った方法を見つけるためのヒントとしてご活用いただけると幸いです。

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