子育て最優先で生きると決めた30代男性の働き方改革

子育て最優先で生きると決めた30代男性の働き方改革

約2年前から「子育て最優先のライフスタイル」を選択してきた私。会社員を辞めて以降、働き方についても自分なりに「子どものため」になるスタイルを模索し、さまざまなチャレンジを重ねてきました。その結果、自分が抱えていた固定観念の見直しが進み、理想的な働き方に近づいてきたと感じています。理想のライフスタイルに合う働き方をどうやって構築してきたのか、私の経験を紹介します。

私が子育てを最優先しながら仕事ができているHELP YOUはこちら

ライター

古谷野謙太
妻氏婚した家族大好き長男。淡路島在住。大手金融機関での専門的な事務業務を10年以上経験。社内で前例がないほど長期の男性育休を経て仕事人間から一転、子育て最優先のライフスタイルにシフト。日中は子どもの成長を全力で見守り、子どもの就寝中にフリーランスとして働くスタイルに挑戦中。→執筆記事一覧

働き方改革1:目的のシフト

働き方の変遷について、典型的なエリート会社員であった私が、次の仕事は未定のまま退職し、子育て最優先のライフスタイルにシフトしたところまでは、過去の記事で紹介いたしました。

30代男性”エリート”会社員が退職、子育て最優先のライフスタイルへ

次の仕事について具体的に考え始めたのは、会社員退職後のことでした。

淡路島へ移住した私が働くアイデアとして、初めに思い浮かんだのは、やはり金融機関の仕事。私は大学院卒業後、大手金融機関で主に企業年金の専門家として働いてきました。そのため、経験を活かすとなると専門的でニッチな職種に絞られ、求人があるのは都市部のみ。残念ながら、淡路島には該当する求人が見当たりませんでした。

こだわり農業へのチャレンジ

一方で、移住のきっかけとなったフリースクールの存在を知った頃から、機会があればチャレンジしたいと考えていた仕事がありました。それは何かというと、農薬や化学肥料を使わない、自然栽培の農業。子育て最優先を意識する中で、安全な食を確保したいと考え始めたのが最初の動機です。

とはいえ、淡路島も農業も初心者の私が、いきなり農地を譲ったり貸したりしてもらえるわけもありません。そこで、まずは初心者でも始められることを調べました。すると、洲本市に新規就農希望者向けの研修制度があることを発見。すぐに窓口に問い合わせしてみました。その結果、意外とスムーズに話が進み、米や野菜を作っている自然栽培農家で研修生としてアルバイトできることになったのです。

息子を抱きながらの田植え体験

息子を抱きながらの田植え体験

 

こうして”エリート”会社員から新米農家へと転身した私は、明らかに働き方が変わりました。やることが違うのはもちろんのこと、目的意識が大きく変化したのです。転身前はお金のために働くという意識でしたが、転身後は理想のライフスタイル実現のため、自力で生きる術を身につけるために働くという意識になりました。今思えば、これが私にとっての本格的な働き方改革の第一歩でした。

新米農家としての仕事は、何よりとても楽しかったです。私の場合はあくまで子育て最優先であり、就業は週2回程度、あとは借りている農地で家庭菜園サイズの実践という就農スタイルなので、農業メインの方々に比べたら素人に毛が生えたレベルでしかありません。でも、日々の気候の変化と農作物の成長を観察しながら、優しくて温かい農家の方の教えの下で農作物の生育環境を整えるだけでも、ものすごく豊かな時間だと実感しています。

もちろん、大変なこともありました。例えば、冬の寒さで足から冷え切って体が動かなくなったこと、タマネギを一日中収穫したら指先にマメができたこと、私の作業スピードが遅くて申し訳ない気持ちになったことも。でも、会社員時代のストレスのような嫌な感覚はなく、自然と共に生きるために必要なことを学べた素敵な体験でした。

こだわり果樹栽培で気付いた目的意識の大切さ

研修は約1年で終了しました。次は果樹栽培も体験したいと考えていた私は、たまたま見つけたブログの求人を通して、カフェ併設ブルーベリー農家の短期アルバイトを発見。ブルーベリー収穫シーズンの3ヶ月ほど、農作業をお手伝いさせていただきました。

当初は、このブルーベリー農家においても無農薬のこだわりがあり、研修を受けた自然栽培農家に近い感覚かもしれないと想像していました。しかし、実は大きく違ったのが、生産業に加え観光業の視点も取り入れた運営スタイルだったこと。そのため、こだわるポイントが全然違いました。例えば、畑に虫がいると取り除くべきだとか、足元に落ちた果実はきれいに掃除するべきだとか、お客様目線での配慮にもこだわりが多かったのです。

ひと口に農業といっても、目的次第でスタイルが大きく異なるんだなと、改めて目的意識の大切さを実感しました。私自身は、当初から変わらず子育て目線での安全な食の確保という目的意識を重要視していたこともあり、この機会に少しでも自分で果樹を栽培するための学びを得ようと考えて、できる限り日々のブルーベリーの変化を観察したり、農家の方に栽培方法などを質問したりしながら仕事に励みました。

働き方改革2:働かないことも一つの選択肢

ブルーベリー収穫シーズンが終わりを迎え、また次の仕事について考え始めた矢先に、家庭内で事件が起こりました。名付けて「娘の誕生日パーティー事件」(笑)。一緒に誕生日ケーキを食べようと、娘がフリースクールの友達を誘ってパーティーを開催したわけです。

迎えたパーティー当日、普段のフリースクール活動で見守っている時の子どもたちと比べると、明らかに様子がおかしい。あまりにもハイテンションで、危険な行動を止めようとしてもなかなか歯止めが効かない。その反動か、翌日のフリースクール活動では、子どもたちのエネルギーが低調になってしまったのです。

「子どものため」という意識に立ち帰り固定観念を手放す

その違和感を最初にキャッチしたのは、フリースクールの代表でした。原因は何かを考察すると、私たち夫婦の「娘の誕生日を祝ってあげたい」という気持ちが強すぎて、娘を甘やかしすぎてしまったこと。それによって娘も調子に乗ってしまい、友達もつられて調子が乱れたようでした。

そもそも親自身が、自分の誕生日には特別に甘やかされることが当たり前という固定観念を持っていました。そのため、無意識のうちに娘を甘やかしすぎてしまう傾向があったのです。さすがに、甘やかしすぎは子育てにおいてもよくありません。

落ち着いて振り返ると、甘やかしすぎるのは誕生日パーティーに限った話ではありませんでした。したがって、子どものためを考えると、何らかの甘やかしすぎ防止対策を講じる必要があります。とはいえ、無意識の反応を自分で止めるのは難しい。だから、それを止めやすくするために、夫婦で常に近くにいて無意識の反応を指摘し合うのがベストという話になったのです。

正直なところ、私は「甘やかし」と適切な「愛情」との区別ができていませんでした。だからこそ、この取り組みの初期ほど、「常に」無意識の反応を意識することが重要だと、理屈では理解できました。

しかしそうすると、仕事をしている余裕はなさそうで、そこまでやるべきだろうかと、私は迷いました。実はそのとき、お金の不安が頭にチラついていたんですよね。「お金のため」に働くという目的意識は手放したつもりなのに、私の固定観念として根深く残っていたわけです。

それでも、冷静に現状を整理すると、すぐにお金がなくなる状況ではありません。それを踏まえつつ「子どものため」という意識に立ち帰り、早く自力で適切な愛情を注げるようになることを優先したいと考え、私たち夫婦は当面の間、仕事をせずに常に近くにいることを選択しました。

後で振り返ると、この選択は大正解でした。なぜなら、私たち夫婦は、実際に無意識の甘やかしすぎを克服するだけでなく、お互いの無意識の反応を指摘し合うことによって、他にも持っていたさまざまな固定観念に気付き、そして手放すことに集中できたからです。

働き方改革3:稼働時間のシフト

それから半年ほど経過した頃、今度はお金のやりくりがギリギリの財政難という課題に直面し始めました。実はわが家に第3子誕生の時が迫っていて、今後さらに支出が増えることも想定される状況でした。子育て最優先のライフスタイルを継続できなくなっては本末転倒。そこで、出産対策も考慮して、私が妻の近くにいる状況をなるべく変えずに新たな仕事ができないかと模索し始めました。

最初のアイデアは、農業研修でお世話になった自然栽培農家の方の事務作業のお手伝いでした。ありがたいことに、農家の方からオファーを頂き、原則在宅でできる範囲の業務に限るという私の条件を受け入れてくださったのです。しかし、忙しいのは農作業で、事務作業のみだと業務量はごくわずか。これでは毎月の家賃さえ稼げないので、他にもできることはないかと情報収集しました。

次に浮かび上がったアイデアは、たまたま淡路島内で求人が出ていたパチンコ屋の夜間清掃アルバイト。閉店後に1時間15分ほどかけて、ひたすら店内をきれいに掃除する仕事でした。これなら妻も子どもも寝ている間に稼働できるし、ほぼ毎日稼働する条件のため安定的な収入も得られるので、条件面では問題ないと考えチャレンジ。こうして、稼働時間を夜間にシフトさせることによって、理想のライフスタイル実現のための改革がまた一歩進んだわけです。

ちなみに、私はパチンコ経験がなかったので、まさかパチンコ屋で働く日が来るとは(笑)という思いもありました。実は、警察庁の管轄下で営業しているために、厳格なルールの下で運営されているということが、意外に感じた点でした。元勤務先の大手金融機関で、もし営業店で働いていたら、似たような就労環境だったのかもしれないなと想像しながら、新たなチャレンジに取り組み始めました。

働き方改革4:稼働場所のシフト

実際に働いてみると、短時間集中の業務のために、じっくり学んでいる余裕はないうえ、ひたすら「やりながら覚える」というスタイルだったので、最初はとにかく必死でした。仕事で何度も叱られたのも久しぶり(笑)。それでも、できることを精一杯やろうと真摯に取り組み続けた結果、徐々に慣れることができました。

一方で、短時間とはいえほぼ毎日全力で掃除することに対して、体力的な限界を感じる瞬間も増えてきました。日中に子育て最優先で体を酷使している日もありますし、そもそも私が体力よりも知力を活かす働き方の方が得意なので、当然の結果でもありました。

理想的な働き方だと直感したHELP YOU

体力面の課題をクリアするには、やはり知力を活かすスタイルへの転換が必要と考え、改めて情報収集を進めました。しかし、そもそも淡路島で仕事探しをしても、夜間限定や在宅でできる仕事はほぼありません。その状況を見かねた妻が、私に合いそうなフルリモートワークの求人を調べて情報共有してくれるようになりました。

そして、妻からの情報の一つがキッカケで新たに登録した求人サイトにおいて、私はオンラインアウトソーシング「HELP YOU」の求人を発見。「未来を自分で選択できる社会をつくる」というビジョンに共感しつつ、私自身にとっても理想的な働き方に近いと直感したので、すぐにエントリー。その結果、今こうしてフルリモートの仕事ができているということです。

※オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス

私はこの仕事を始めてまだ3ヶ月ほどですが、ライティング・経理・ツールのユーザーテスト・ChatGPTの活用方法検討など、さまざまな業務にチャレンジすることができています。しかも、子育てを最優先にしながら取り組めており、これなら長期間続けることもできそうだと実感しています。

ちなみに、第3子は無事に誕生し、私の子育て最優先っぷりにはますます拍車がかかっています。そのうちまた新たな課題に直面するかもしれませんが、これからも変化を恐れずに、私なりの働き方改革を推進し続けてまいります。

夫婦ともに子育てを最優先!父親って何してるの?

まとめ

このように私は、2年超の時間をかけて「子育て最優先のライフスタイル」に合う働き方を模索し、ようやくしっくりくるスタイルを確立しつつあります。自分にとっての働き方改革は、楽な選択ばかりではありませんでした。それでも、理想のスタイルにこだわりながら、真摯に取り組み続けてきたからこその今だと思っています。

未来を自分で選択すると、やはり課題に直面することもあるでしょう。しかし、私の経験からいえば、その課題に真っ向から向き合うと、必ず突破口となる後押しがやってきます。だから、もし理想と現実との間にギャップがあったら、自分の理想に近づくための選択にぜひチャレンジしてみてくださいね!

子育て最優先のライフスタイルでも働けるHELP YOUにエントリーする

Link

おすすめリンク