メンバー全員フルリモートな社長が見つめる「今」と「これから」 ニット代表・秋沢に年始インタビュー
「働く」を通じて、みんなを幸せに。2021年7月に刷新された株式会社ニットの企業理念は、「働き手」「お客様やパートナー企業様」「社会」という3者の「幸せ」を目指して策定されたものです。オンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」として6年、株式会社ニットとして4年の2021年には「総務省事業テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」受賞しました。この記事では、働き方の未来を考え走り続けている株式会社ニットの代表取締役社長 秋沢 崇夫に話を聞きました。
目次
ライター
働き方の変化が根付きつつあった2021年
まず、昨年の振り返りから。社会に対して新型コロナウイルスの影響が大きい1年だったかと思います。フルリモートで働いているニットに影響はありましたか。
コロナ禍によって、社会全体の働き方に対する価値観が大きく変わった1年だったと思います。コロナ禍以前は、ニットがフルリモートで働いているのが「ベンチャー企業の働き方の一例」という見られ方をしていました。特別なケースだと思われていたのです。営業先の企業とお話をしても「御社はフルリモートだからできるだろうけど自社では難しい」という感想を持つ担当者様も多かった。
それが、緊急事態宣言以降は国や経団連、大企業がテレワークを呼び掛け、一時的にでも取り組み、試行錯誤していました。
結果的に、課題も多いかもしれませんが「意外にできる」「毎日、会社に行く必要はないかも」「リモートワークの方が効率的にできることもあるよね」と考える人が増えたように感じます。
ニットの働き方を理解していただく追い風になりました。実績としては、お客様の定着率が97%、働いているメンバーの定着率が98%と高い水準を維持し、4期連続で企業としての最高売り上げを更新できました。
「未来を自分で選択できる社会をつくる」ために
社内での大きな変化として、企業理念の発表、バリューの改訂がありました。古参メンバーの筆者としては、方向性はそのままでわかりやすくなった印象があります。
より直接的な言葉にしたため、そう感じたのかもしれません。私の立場で言えることは、ニットは「みんなを幸せにすること」が目的だと思っています。「みんな」が誰か、というと、働いている人、クライアント様やパートナー企業様、そして社会。そして理念を達成するためのビジョン、バリューというのは、突き詰めると会社をやっている理由そのものともいえます。
働いている人についていうと、改訂前にミッションとしていた「あなたがいて良かったをすべての人へ」という概念は根本的には大きく変わりませんが、ニットの事業を通して創りたい「幸せ」はそれだけではないということをはっきりさせたかったのです。
リモートワークにより働く場所や時間、量を自身で選ぶことができれば、生活スタイルはもちろん生き方にも選択肢ができます。自分が「幸せ」になるためのさまざまのことを、自分で選べるようになる。さらに、自身のスキルにより「稼げる」というのも「幸せ」につながる要素ですよね。
また、一番大きい変更点は、ニットと、ニットの基幹事業「HELP YOU」に登録するメンバーの目指す方向を統一したことだと思っています。
▶︎ HELP YOUについて詳しく見る
前はニットと「HELP YOU」で違う部分がありましたね。
▶ 詳細「働く」を通じて未来をつくる!株式会社ニットのキックオフとは?【レポート】
現在は、フリーランス集団であるHELP YOUメンバーにも、ニットと共に一緒にサービスを創り上げるメンバーとして同じ方向を見てもらいたいという想いがあります。クラウドソーシングサービスのように「会員」として一方的にできあがったサービスを享受するわけではなく、何を貢献できるか、どうすれば自分たちがより活躍できるか、クライアント様により価値があるサービスを提供するにはどうしたら良いのか、400人みんなで一緒に創っていきたいと考えています。
ニットの働き方が認められたからこその受賞
2021年には念願の「総務省事業テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞しました。他にも受賞しているとのことですが。
2022年1月現在で、ありがたいことに14の表彰や参画・宣言をさせていただきこちらでご紹介しています。特に「総務省事業テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」は、昨年百選には選出されたものの総務大臣賞には届かず……。今年の講評では、「コロナをきっかけにテレワークを実践する企業が増えた結果、昨年よりもさらに受賞ハードルが上がった。そのため、より先進的な事例が表彰された」というお話もあり、嬉しさもひとしおでした。
各賞の受賞は、6年間フルリモートで「HELP YOU」をビジネスとして続けてきた成果が認められたのだと思っています。今でこそ類似のサービスがたくさんありますが、当時はほとんど無かった。その頃から一緒に働いてきたメンバーが今でも活躍し、更に人数も拡大しながら、今では400人の仲間と働けているという事実を、とても嬉しく感じています。
取り組みの中で「これがニットらしさ」というところはありますか。
ニットはビジネス的に参入するのが早かったからこそかもしれませんが、ソフト面、つまり人にスポットを当て、一人ひとりの多様性を尊重しているのが特徴。リモートワークでも働く時間や業務内容が採用時点でしっかりと決まっている企業も多い中「こういう働き方をしたい」「自分はこのスキルが輝ける」という自発的な動機を大事にしています。
このくらしと仕事でも、「HELP YOU」やニットで活躍する人の働き方を紹介することで、記事を見て「HELP YOU」へ応募してくれた人や、背中をしてもらえたという声も届いています。
働き手それぞれが適した場所を見つけ、自身の価値を最大限発揮できる。そんなビジネスモデルであり続けたいと思います。
2022年にニットが実現していきたいこと
これから特に力を入れたいところは?
より自身の価値発揮をできる人を増やしていきたいと考えています。そのため昨年秋にリリースし、オープンカンパニーでご紹介した新サービス「HELP YOU Academy」「HELP YOU+ 海外進出サポート」の2つを推進していきたいです。
「HELP YOU Academy」は現在、「働きたいけどさまざまな理由で未就労」の人に向けた学習機会の提供を行っています。すでに1期生が学び始めていて、2月には初めての卒業生がでます。さらに今後は、このサービスを拡充し、既にHELP YOUで働いている人も新しい知識を得られる、より有用性・生産性が高いスキルを身につける場に育てて行きたいと考えています。現在はたくさん仕事を受注できていても、「同じスキルで5年後10年後も変わらず働けるか不安」という人や、ライフステージの変化により「今は働くよりも学びたい」と感じている人に対しても、ニットがサポートできるよう考えていきたいと思っています。
「HELP YOU+ 海外進出サポート」は海外在住者により価値を発揮してもらおうと考え生まれたサービス。現在だと、働く機会自体は作れていますが「海外在住」によるハンディキャップの方が多いのが実情です。例えばタイムゾーンの違い、回線やセキュリティの問題、支払い手段など……制約がたくさんあります。33の国や地域に住んでいるメンバーがいるのだから、それを強みに変えられないかと、現地でのビジネスを検討しているクライアント様向けに営業サポートやマーケティングリサーチなどを始めたのがきっかけです。今後は、海外在住者同士のネットワークもより拡充し、クライアント様が実際に現地に行った際のサポートも視野に入れています。コロナ禍で渡航のハードルも上がっているため、クライアント様が現地に社員を赴任させる必要がなくなるような手助けもできたら良いのではないかとも思っています。
秋沢崇夫が目指す「幸せのつくりかた」
今後の目標や抱負を教えてください。
今年も変化に柔軟に、チャレンジしていきたいと思います。
世の中はきっとオンラインでもっとさまざまなモノ、コトを発注するのが当たり前の世界になっていくのではないかと思っています。
会社というのは箱で、より多くの人と関わり、仲間を増やしていくための手段です。関わる人を増やすことで、幸せにする人を増やしていきたい。ニットや「HELP YOU」で具体的にいうと、現在約400人なのを桁が変わって1000人、2000人となるように育てていきたいと思っています。その上で、それぞれが考える幸せを各々が得ていくことで、社会全体が幸せな社会となって行くよう、仕事を通して貢献して行きたいです。
ありがとうございました。
まとめ
Link