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元新聞記者の目線で、子育てと仕事の秘訣を『パリの朝食はいつもカフェオレとバゲット』

この本は朝日新聞の記者だった著者が、夫の仕事のため家族でフランス生活をした体験をもとに書かれています。フランスの生活を紹介した本は数多くありますが、サブタイトルにもある通り「なぜフランス人は仕事と子育ての両立が上手なのか?」という点にフォーカスしたもの。読んでいくと「なるほど、それは合理的だな」と感心することが多々あります。

中でも私が「うらやましい!」と感じたのは、「第3章 仕事も子育ても」にまとめられた7つのポイント。

・3歳からは、ほぼ全員幼稚園に通う。入園するときは、手作りの入園グッズを準備する必要がなく、手間がかからない。行事が少ないうえに、行事での親の負担が少ない。
・公立大学は授業料が無料。幼稚園から大学まで全部公立に通えば、教育費の負担が少ない。
・労働者を守る制度が浸透していて、男性も家事や育児に関わる時間が持てる。夫は妻が仕事を通じて社会に貢献することを誇りに思い、応援を惜しまない。
……

仕事をしながら子育てをしていると、「本当に少子化、心配してる?」と問いたくなるぐらい、日本の国はお母さんたちを助けてくれないですよね。結局、偉い人たちは自分ごとに考えていないんだろうな……とニュースを見てため息をつくことも。


私自身は、家事も育児も手を抜いてナンボ(胸を張って言って良いのか、分かりませんが。)だと思っているので、すべてを完璧にやろうとして苦しんでいるお母さんを見ると、「そんなに頑張らなくても良いんだよ!子どもって、意外なたくましさを持っているよ」と伝えたくなります。

異国のことをうらやんでばかりでも仕方ない。自分にできることがあれば、どんどん真似していきたいと思います。


パリの朝食はいつもカフェオレとバゲット

デンマークの平和な暮らし『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』

北欧のインテリアや暮らしやデザイン……様々なものがブームとなり、ここ最近では「ヒュッゲ」という概念まで耳にするようになりました。かく言う私も、「ヒュッゲって聞いたことはあるけど、それはなに?」という程度で、言葉にできるほどの理解をしていませんでした。 「くらしと仕事」のインタビューで下川町の立花さんにお話を伺った時に、「ヒュッゲ」がキーワードとして出てきて以来、すごく気になってしまって。


ヒュッゲは、デンマークの言葉。シンプルには「心地良さ」を表していると言えそうですが、『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』を読んでみると、もっともっと奥深い言葉なのだと分かります。

「人との温かいつながりをつくる方法」「心の安らぎ」「不安がないこと」もヒュッゲですし、「お気に入りのものに囲まれて過ごす幸せ」「心地よい一体感」もヒュッゲ、そして私のお気に入り、「キャンドルのあかりのそばでココアを飲む」こともヒュッゲ。
 どれもこれもヒュッゲなのです。

 ヒュッゲは、何か存在する「もの」ではなく、その場の空気や経験をあらわします。たとえば「大好きな人と一緒にいること」。そんなことがヒュッゲです。
「家に帰ってきたときのホッとする感じ」「外の世界から守られているという安心感」であり、安心だから、よろいを脱いで自分を解放できる。それもヒュッゲ。

深い。心と体の心地よさ、かけがえのない大切な時間、空間。どうやら、それらすべてをヒュッゲと表現するようです。あいまいな言葉ほど、広い概念を指し示す懐の広さを持っていますよね。それは日本語でも同じような気がします。

 毎日少しずつ幸せを感じるためにも、きっとヒュッゲがお役に立てるだろうということ。
(中略)
 現実を直視すると、私たちの生活はバラ色の天国というわけではありません。しかしヒュッゲとは、むずかしい状況の中でも、今持っているものを上手に活かすことであり、日々の生活にしっかりと根を下ろすことなのです。

寒い冬でも暖かな部屋の中で、家族や親しい人たちと安らかな時間を過ごす。そんなゆったりとしたシーンが目に浮かぶよう。そして、著者は「ヒュッゲはデンマークの人たちだけのものではない」と言っていますよ。一日の終わり、眠りにつく前のほんのわずかな時間でも、ヒュッゲな時間を過ごせたら良いですよね。


ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方

日本女性に会いに、アジアを駆け巡る!『ヤマザキマリのアジアで花咲け!なでしこたち』

ヤマザキマリさんをご存知ですか?……そう、「テルマエロマエ」で大ブレイクした漫画家さんですね。私はマンガよりもエッセイを読んで、ヤマザキさんのファンになりました。お母さまが音楽家で幼少期を北海道で過ごされ、ご自身は絵の勉強をするため若くしてイタリアに渡った、開拓心にあふれる魅力的な方。


ご紹介する「アジアで花咲け!……」は、NHK-BSのドキュメンタリー番組が本になったもののようです。なんと2週間でトルコ・カンボジア・香港・フィリピン、4つの国と地域を回るという、なかなかの弾丸旅。そこで働き暮らす日本人女性たちをヤマザキさんが訪れます。

 日本は島国で、外国のことを「海外」って言い方をしますよね。日本人にとっての外国は、簡単に地続きで行ける場所じゃなくて、大きな決断力を持たないと渡っていけない「海の向こう側」という意識が、いまだにあるんだと思います。その所為(ゆえん)なのか、他の国に比べて、日本のメディアでは海外の紹介をすることがやたらと 多いんです。日本人は、子どもの頃から海外の旅番組を見て、海外の児童文学を読んで育っているので、外の世界を見てみたいという衝動を持つ人が、他の国の人よりも遥かに多いんじゃないですかね。

海外に住む日本人の方が、どうしてその国で暮らすようになったのか。個人的にすごく興味があります。ご家族の赴任で、というような外的要因以外で海外生活をするというのは、よほどの勇気とエネルギーがないとできないことでは?と思うのですよね。

「くらしと仕事」でも、海外で生活されている素敵な女性をたくさんご紹介できたら、と思います。


ヤマザキマリのアジアで花咲け!なでしこたち

旅先の夜の孤独と充足感『幾千の夜、昨日の月』

 はじめて旅する異国に、夜、到着する。このくらい緊張を強いられることはない。
 飛行機を降りたときはまだうっすらと残っていた陽が、入国手続きを終えて空港の外に出ると、すっぽり夜にのみこまれている。はじめて降り立った場所の、気温や湿度、においというものは、淡い夜の闇のなかでいっそう強調される。ああ、知らないところにきてしまったな、と実感する。

住み慣れた場所にいても、夜は孤独を強く感じさせる時間。あえてその「夜」にクローズアップして旅のあれこれを描いた、小説家角田光代さんのエッセイです。


函館に移住して10年が過ぎ、どこへも旅に出ていないことに気づきました。未知の場所を訪れる不安とワクワクする気持ちを、そろそろ味わいたいと思います。できれば、角田さんと同じ、私もひとり旅の方が良いな。道に迷ったりして、きっと心細さを感じると思うのですが。


 じょじょに窓の外がにぎやかになってくる。ネオン看板や明かりの灯った商店があらわれ、道ゆく人々があらわれ、その場所の生活が、夜のなかに浮かび上がってくる。中心街に近づくにつれ、店も明かりも人も看板もどんどん増えてきて、そのころには心細さが興奮へと手品のように姿を変えている。知らないところにきた!と、窓に額を貼りつけて、思う。そうだ私、知らないところへ行きたかったんだ。ようやく旅の意味を思い出す。

幾千の夜、昨日の月


大人になっても、初めてのこと、知らないことはたくさんありますよね。そこにあえて飛び込んでいくのが、「旅」なのかなと思います。だから、旅に出ると必然的に成長して帰ってくることができる。考えているだけで、どこか遠くへ行きたくなってしまいます。


本を読んでワクワクする気持ちを充電して、次の春にはどこかへ出かけよう。仕事で出会った人を訪ねる旅も良いな。夢が広がります。
寒くて日も短い冬は、気持ちが沈みやすくなりますけれど、楽しい計画を心に巡らせて元気にお過ごしくださいね。

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