転勤族の妻にオススメの仕事。資格不要で経験を積める働き方とは

「転妻」(転勤族の夫を持つ妻)の悩みのひとつは夫の赴任先での再就職先探しですが、住む場所が変わっても、経験を積み重ねたり自分の好みに合った仕事を見つける方法もあるのです。ここでは、特別な資格がない転妻にもオススメの働き方を紹介します。

「転妻」という言葉を知っていますか? 夫が転勤族という女性が、自分たちのことをこう呼んでいるそうです。女性活躍が叫ばれ、働く女性が増える中、この転妻たちの悩みは、夫の転勤先での再就職先探し。ひとつの会社に勤め続けるのはなかなか難しく、面接でも「転勤族の方はちょっと……」と言われてしまうこともしばしば。それがネックとなり、夫の転勤先で新しい就職先を見つけるのは難しい、と働くことをあきらめている方も多いのではないでしょうか。そんな「転妻」の皆さんに、オススメの働き方をご紹介します。

ライター

Click&Clack
30代子持ちの名ばかりフリーライター。小さなものから大きなものまで。趣味はエッセイと短歌。

仕事をしたい転妻が直面する3つの課題

1:これまでの仕事を続けることが難しい

夫の赴任先についていく場合、必然的に帯同する妻が仕事を辞めることになります。全国に就業場所があるような大手企業やチェーン店の場合は、夫の仕事に合わせ就業場所を変更してくれる場合もありますが、それも一部の企業に限られています。

2:長く勤められないため、就職時に敬遠されやすい

夫が転勤族の場合、数年ごとに転勤を繰り返すことがほとんどです。そのため一つの職場に長く務めることが難しく、採用面接でも「転勤族の方はちょっと……」と敬遠されがちです。採用の時点ではじかれてしまうことが多いため、仕事をすること自体をあきらめてしまう人も多いです。

3:キャリアプランを描きにくい

転勤族の場合、「どこで暮らすのか」「どこでどのように働くのか」がわからないため、キャリアプランを描きにくいのが実情です。たとえ再就職をしたとしても、今までのキャリアが生かせなかったり、希望の仕事に就くことができなかったりと、仕事に対するフラストレーションを抱える人が多くいます。

地元のパート・アルバイト、短期派遣や契約社員なら雇ってもらえそうだけど……

転勤先で仕事をしようというときにまず考えるのは、自宅近くでのパートやアルバイトですよね。もちろん正社員を目指すという方もいると思いますが、小さな子どもがいたり、家族の世話をしたりしながら働く、という主婦には、圧倒的にパートやアルバイトなどの短時間勤務が人気です。

転勤族の妻にとってメリットも

自宅近くでのパートやアルバイトの場合、地域に顔見知りができ、地元の情報を得やすくなり、地元にもなじみやすくなります。また、良い再就職先が見つかれば、安定的な収入が得られます。定期的なシフト勤務であれば、生活にメリハリが付くでしょう。全国各地に展開しているチェーン店などは、次の転居先でも経験者として採用される場合があり、さらに看護師や保育士など、スキルを証明できる資格があれば採用されやすくなります。

こんなデメリットが気になる

デメリットとしては、最近はパートやアルバイトでも、長期勤務を期待される傾向があり、転勤の可能性ありだと採用されにくい場合も多いことがあげられます。また、短期雇用を前提とした採用の場合、スキルアップ、キャリアアップの機会が少なく、夫の転勤が決まると仕事を辞めなくてはならないため、なかなか次の就職先にキャリアを生かすことができません。大手チェーン店などでは、経験者を優遇する措置などもありますが、必ずしも都市部に転勤するとは限らない人には、あまりメリットを感じられないかもしれません。

さらに、女性に多いサービス業の場合、土日祝日の勤務を求められることが多く、子どもが熱を出した場合など、周囲に頼れる人がいない場合は自分が仕事を休まなくてはなりません。子どもや家族の世話などで休みがちになることで、職場でも居心地が悪くなったり、結局仕事を長く続けられなかったり、というデメリットに一歩踏み出せない人も多いです。

クラウドソーシングで在宅ワーク

自宅でパソコンを使って働く、クラウドソーシングという働き方なら、場所にとらわれないだけでなく、働く時間も自分しだいで調整可能です。子どもや夫に合わせて休みを取ることもできますし、一日1~2時間などの短時間だけ働くということもできます。クラウドソーシングは単価が安いと言われることが多いのですが、仕事の探し方やクライアントとのコミュニケーションの取り方などを工夫すれば、パートと同等やそれ以上の収入を得られることも。クラウドソーシングをきっかけに、自分で仕事を作れるフリーランサーに成長する人も増えてきています。

仕事内容

  • データ入力、記事作成などのライター系
  • 画像、音声、イラスト加工などのデザイン系
  • システム開発などのweb制作系
  • 翻訳など語学系

メリット

  • 場所、時間、仕事量など、自分の都合で調整できる
  • 様々なクラウドソーシングサービスがあり、登録すればすぐにでも仕事を始められる
  • 子育て中の場合、預け先が見つからなくてもスキマ時間で始めることができる
  • 自分の興味関心やスキルにマッチした仕事が見つかれば、実績を重ねてスキルアップや収入アップの可能性もある

デメメリット

  • 横について教えてくれる人はいないので、仕事の探し方から仕事のやり方まで、基本的にはひとりで学び、切り拓いていく必要がある
  • 時間単価を計算すると、パート・アルバイトの方が稼げる……、というケースが多い
  • 病気やトラブルの際に助けてくれる人はいないので、自分で解決しなければいけない
  • 働く時間や量を誰も管理してくれないので、サボらない、働きすぎない、など自分でスケジュールの管理が必要

 

現在新しい働き方として普及し始めているクラウドソーシング。さまざまなクラウドソーシングサービスがあり、パソコンさえあれば、登録後すぐに仕事を始められるのがメリットです。ただ、基本的には一人で仕事を行うので、仕事を見つけたり、クライアントとの調整をしたりなど、すべて自分で行わなくてはなりません。こうした新しい働き方は、時間や場所にとらわれず自由に仕事ができる反面、慣れるまでに時間がかかる人も多いです。

主なクラウドソーシングサービス

クラウドワークス
クラウドソーシングサイト最大級のクラウドワークス。Webデザイン・ロゴ作成・サイト作成、記事作成など幅広い業務があり、資格やスキルを生かして仕事を選ぶことができます。

 

ランサーズ
日本で最初に登場したクラウドソーシングサービス。官公庁や大手企業も継続的に利用されています。専任スタッフによるサポートも手厚く、登録者数、案件数ともに日本最大級です。

 

ビズシーク
ワーカー登録には実名登録が必要で、クライアントの信頼性が高いことが特徴のクラウドソーシングサイト。大手サイトよりも一回り安い手数料で、登録者から人気を集めています。

 

シュフティ
2007年からサービスを開始した老舗クラウドソーシングサイト。事務作業系が多く、主婦やクラウドソーシングが未経験でもはじめやすい短時間でできる案件やサポートが充実しています。

 

サグーワークス
テキスト作成とアンケート回答が中心のクラウドソーシングサイト。特にテキスト作成は幅広い案件を取り扱っていて、ライティングスキルのある人に人気を集めています。

 

クラウディア
扱う案件は本格的なものから、スマホで簡単にできるものまでさまざま。レベルに応じて仕事の難易度を選ぶことができます。SNSアカウントで気軽に登録できることが特徴です。

 

Job-Hub
パソナグループのパソナテックが運営するクラウドソーシングサービスです。従来のクラウドソーシングのほか、Job-Hubの委託案件に参加できる新しい形のサービスも提供しています。

 

workshift
インターネット上で仕事の受発注並びに決済ができるクラウドソーシングサービスです。国内のみならず海外のフリーランスが多く在籍して、さまざまな言語に対応いることが特徴です。

 

ママワークス
主婦・ママ向けのクラウドソーシングサービスです。在宅ワーク・在宅勤務での仕事が中心ですが、内職の求人やアルバイトなどのお仕事情報も掲載しています。

在宅でするオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)

自宅でインターネットとパソコンがあればできるという点で、クラウドソーシングと似ていますが、チームで仕事にあたるのが、オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)という仕事です(オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)とも言います)。基本的に一人で行うクラウドソーシングの仕事とは違い、チームで協力し、お互いにカバーしながら仕事を行います。実際、夫の転勤で一時はキャリアを中断していたものの、現在は子育てとオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)業を両立している女性がいます。

仕事内容

  • 資料作成、スケジュール調整、メール返信代行など事務作業
  • 勤怠管理、面接代行、などの人事系
  • 給与計算、支払い代行などの経理系

メリット

  • 場所、時間、仕事量など、自分の都合で調整しやすい(チームリーダーと相談の上で、稼働時間や仕事量を決める)
  • チームで仕事に当たるため、仲間ができる
  • 病気やトラブルの際に、チームでカバーし合える
  • 担当するお客様と長期的にお仕事することが多いので、スキルや経験が蓄積される
  • チームメンバーからリーダーへ、などキャリアアップ、収入アップの可能性がある

デメリット

  • スキルチェックやオンライン面談を経て採用可否が決まるので、すぐに働き始められるとは限らない
  • ある程度長期的な仕事にチームで当たるため、責任感が必要(仕事がつまらないから急に抜ける、などはしにくい)
  • 常に仕事のことが気になってしまうこともあるので、オン・オフの切替えを意識する必要がある

 

クラウドソーシングとの最大の違いはチームで仕事をすることです。わからないところをお互いに教えあったり、トラブルがあったときにカバーしあったりと、仲間がいることによって協力しあいながら仕事を進めることができます。ただ、こうしたやりとりもすべてインターネット上を通じてのやり取りになるので、はじめは戸惑ってしまう人も。オフィスとは違う、コミュニケーション能力が求められる仕事でもあります。

ワーカー募集中のオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス

HELP YOU
事務作業からデザインまで、幅広い業務に対応しているオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービスです。品質の高さから信頼性が高く、これまで約150社への導入実績があります。

 

イマクリエ
社員の9割がテレワーカーというユニークなオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。営業・企画、コールセンター、マーケティング・リサーチ、事務・アシスタントと募集業務は多岐に渡っています。

 

トーイングウーマン
女性のみが登録可能なオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。社会人歴10年以上の女性が対象です。業務は主に秘書や事務業務。働き方は8時間と4時間の2パターンあり、経理や会計業務経験者は優遇措置もあります。

 

在宅秘書サービス
秘書業務に特化したオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。登録者数は1000名を超え、6000社以上の起業家と取引実績があります。セミナーや人材採用代行サービスも充実しています。

 

Caster Biz
日本で初めてオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)業務を開始したサービス。秘書・人事・経理・Web運用などさまざまな業務があります。東京23区内であれば、オフィスに通うオフライン業務もあります。

 

CWオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)
日本最大級のクラウドソーシングサイトが手掛けるオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。短時間からでもできるのが特徴です。アシスタントは担当者を交えて行う三者面談を経てからの契約となります。

 

herstyle
女性に特化したオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。事務や秘書業務が中心ですが、オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービスには珍しく、レセプションの受付代行(レセプショニスト)があるのが特徴です。

 

POYNTER Remote Assistant
秘書業務経験者向けのオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。HPでは経歴や得意分野が公表され、クライアントがアシスタントを指名できたり、専属アシスタントに指名したりすることもできます。

 

Mamasan&Company
育児中のママ向けのオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。短時間でもできるママ向けの仕事が多いのが特徴です。経験を積みリーダー等に昇格すると、月額手当ての支給があります。

 

BizMow
コンサルタント・研修講師・ベンチャー企業など、少数精鋭メンバーでお仕事をしている人向けのオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。研修業の経験を活かし、効率的で高品質なサービスを提供しています。

 

スーパー秘書
2015年にサービスを開始したばかりのオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービスですが、既にメディアでも注目されています。マネジメント等を専門に行う「スーパー副社長」という新たなサービスも開始しています。

 

ホームオフィス
2017年にサービスを開始したオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス。在宅ワークだけでなく、「覆面調査」や「ミステリーショッパー」など、地方在住者向けの仕事紹介もしています。

その他 専門特化型の在宅ワークも

オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)は、自宅のインターネット、パソコンを使うことができれば、さまざまな業務に触れられる可能性があります。また、自分の過去の仕事経験などを活かした仕事をどんどん任せてもらえることもあります。

一方、ひとつの職種に特化した在宅ワークを提供する会社も出てきています。例えば、タクセルは「インサイドセールス」業務に特化し、全国各地で在宅ワーカーが働いているのです。1つの場所や時間に集まらなくても、できる仕事は意外とたくさんあるのです。

その他にも、専門スキルを持つ人に在宅の仕事を提供している会社やサービスを紹介します。

ワーカー募集中のサービス

一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)
法人の健康事業のサポートと管理栄養士・栄養士の人材育成を行っています。登録している管理栄養士と、健康や栄養の専門家に仕事を依頼したいと考えているクライアント企業のマッチングを図り、現時点では1000名以上が登録しています。

 

Kaizen Platform
Webマーケティング試験のA/B テストを専門に行っています。Kaizen Platform には900名を超えるグロースハッカーが参加し、集まったデザイン案の中から、最も効果の高いデザイン案をクライアントが選びます。

 

Viibar
動画制作に特化したプラットフォームです。実写、アニメなど多種多様な案件があり、編集のみや撮影のみなどのショット案件から大手企業のWeb/TV CM制作まで幅広い案件数が魅力です。

 

clouddesign
建築に特化したサイト。CAD、パース作成からコンペまで建築に関するさまざまな案件が紹介されています。建築業界の人材不足を解決するベンチャー企業として注目されています。

 

Voip!
声優・ナレーターなど声のお仕事を探している人と、音声発注をしたいクライアントのマッチングサイト。専門チームが音声編集を行うので、整音などの知識がなくても登録可能です。

 

アーティストクラウド
アーティストクラウドは、クライアントとクリエイターを繋ぐ「音楽のお仕事の場」。登録すると、クライアントが開催するコンペに参加でき、自分の楽曲を売り込むことができます。

 

ビザスク
さまざまな専門性をもった登録者により、クライアントへのアドバイスやセカンドオピニオンなどができます。過去に専門性のある仕事をしてきた人や、今までのキャリアを生かしたい人におすすめです。

 

まとめ

転勤族の妻だからやりがいのある仕事はできない、再就職はできないとあきらめている方も多いのではないでしょうか。しかし、クラウドソーシング、オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)などの新しい働き方が生まれ、再度社会に出ている人も増え始めています。ぜひ一度、自分に合った働き方はないかを考えてみてください。転勤族の妻だからといって、キャリアもあきらめず、自分の興味関心や過去の経験も活かせる仕事の仕方をぜひ見つけて欲しいと思います。

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