キングソフト社で女性が自然体で活躍できる理由 ~後編~

前編に引き続き、キングソフト社で性別に関わらず社員が活躍できる理由について、4名の女性社員にお話を伺います。

結婚・出産など、女性社員のライフステージが変わっても仕事を続けていける制度が整っているというキングソフト社。前編に引き続き、4名の女性社員の方々にお話を伺います。

 

ライター

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

女性であることの壁がない職場 仕事のやりがいもパーソナリティー次第

御社の場合は社長が女性ですけど、それ以外の管理職で女性の方もいらっしゃいますか?

 

栗原 :はい、いますね。尾崎さんはマネージャーです。

 

池田 :ディレクターにも女性はいますよ。

 

社長が変わられたのは、最近ですか?

 

尾崎 :今年の4月です。

 

何か変化はありましたか?

 

栗原 :採用のホームページに、女性にもっとフォーカスしたページ作ってみようといった動きが出てきました。あとは、社内イベントを女性の目線から盛り上げてくれていると感じます。例えば去年も、代表になる前ではあったんですけど、ハロウィンの時期にクォーターごとの発表会が重なるので、「みんなで仮装しましょう」と先頭に立って盛り上げてくれました。

 

藤沼さんが就活をしていた時は、女性がどう活躍しているかというのは気にしました?

 

藤沼 :産休や育休が気になりました。今の社会的に、取れない企業はあまりないとは思うんですけど、取得の実績がある企業かどうかは気にして見ていました。

 

入社前はどんな印象でしたか?

 

藤沼 :外資でフルフレックスというところで、すごくオープンでフラットなイメージ。会社も赤坂にあって、すごいIT企業っぽいなと(笑)

 

尾崎 :基本的に役職呼称がなく、社長であっても会長であっても、誰々さんという形で呼び合うというところから、フラットな雰囲気が出ているのかなと思います。

それは、初期の頃からの文化ですか?

 

池田 :社長と呼んだことはないですね(笑)

 

みなさん今後昇進したい、責任の重い立場になりたいという気持ちはありますか?

池田 :私は、自分に割り当てられた役割にもし役職がついてればやりますし、ついていないくても構わないです。昇進や肩書の有無よりも、自分がその仕事を納得してできるかどうかの方が重要。そういう意味でいうと、あまり意識していないのかも。私は長女気質の面があるので、人をまとめたり、みんなにアドバイスしたりするのが得意ですけど、それに役職がついていようがついていまいが、あまり関係ないですね。

 

尾崎さんも、頷いていらっしゃいましたけど。

 

尾崎 :そうですね。

 

今マネージャーですよね。

 

尾崎 :はい。ですが、そこにあまり固執したことはなくて。ただ、そういうまとめる立場を経験させていただけるというのはありがたいなっていう思いはあるんですけど。私の場合は、そもそも仕事を2軸で考えていて、「何をするか」と「誰と働くか」。このふたつが満たされていることの方が重要なので、あんまり考えたことがないんですよね。

 

池田 :役職呼称をしないというのもそうですけど、多分みんながあまりそれを意識してないんですね。

 

栗原 :係みたいな感じですね(笑)感覚的に。

 

最近よく言われているのが、役職がついても逆に辛いことばかりで、といった話。そういうこともない?

栗原 :いえ、やはりみんなの上に立たなきゃいけなかったりまとめなきゃいけなかったり、大変なこともあると思うんですけど。さっきお二人が話していた通りで、たとえ「係」になっても、その業務とメンバーに満足していれば、その辛さも乗り越えられたり、あるいは一緒になって頑張りましょうという気持ちになるのかなと思って。

 

じゃあ、必要であればやりますという感じの方が多いんですかね。

 

藤沼 :上に立つことは性格の向き不向きが大きくて、私は結構苦手なので、その場を目指されていたり、上に立ってやっている方はすごいなって尊敬します。

 

同期と話していて、そういう違いは感じますか?

藤沼 :バリバリ働きたい子もいるし、違う会社にいる友達で「やっぱり一般職にすればよかった」と言っている子もいます。
逆に一般職の子で「今すぐに結婚して辞めたい」と言っている子もいるので、性格が出るのかなって思いますね。

 

逆に、女性だからという壁を感じたことはありますか?

 

池田 :性別ではないです。結局、個人個人のパーソナリティーですね。

 

全員 :うんうん。

 

じゃあ、子育てで時間的には大変だけど、という感じですかね?

 

池田 :そういう意味では、他の会社で働いてる友達の話を聞いても、「うちの会社はすごく環境として恵まれてるな」と思います。だから、2人目を産もうと(笑)

 

やりがいという意味ではどうですか?先ほど、時間がない中で手放さなくてはいけないものもあるというお話でしたが(※前編参照)、それでモチベーションが下がることはありませんでしたか?

 

池田 :それは、自分の中でのプライオリティが変わってきたというのもあるかもしれません。うちの会社は、みんなの仕事をみんなができるようになろうという動きのある一方、それだと誰がやっても同じになってしまうから、自分がやる意味、付加価値をつけられるようになりたいなと思っていて。自分は社歴が長い自負もありますから、この仕事を誰かがやるのと自分がやるのでは、ちょっと違うものにしたいと思います。そういうところで、手放したものを補う感じですかね。お客様との対応の質を上げるとか、製品の知識をもっとつけるとか。そういう意味で営業の人、お客様との信頼関係もあるし、部署間での信頼関係もある。同じ仕事をみんなができるとはいえ、それぞれ特化したものがあって、そういうところで自分の存在意義を各々が持てているんじゃないかと思います。

 

そういうふうに、役割や業務内容が変わっても頑張ろうと思えるのは、根本的に会社や製品が好きという気持ちがあるからですか?

 

池田 :会社というよりも、結局は一緒に働いているメンバーへの愛情だと思います。幸い今すごく相性のいいメンバーでやっているので、お互いに助け合いたいと思っています。会社や製品というのももちろんですが、仕事は人がやっているものなので。

 

働く人同士の関係という面では、コミュニケーションの仕掛けがいろいろあるようですが、尾崎さんは転職されてきて他社とは違うと感じましたか?

 

尾崎 :そうですね、社内イベントは多いですよね。力の入り方が他の会社とは違う(笑)ハロウィンもそうですし。お花見、秋のバーベキュー、年末の忘年会と、年に大きなイベントが3回あるんですね。

 

栗原 :毎回幹事団が数十名組まれて、一大イベントとして取り組んでいる感じですね。

 

上層に社員の声が届きやすい コミュニケーションや働きやすさに工夫

普段、社員側から制度的な面について、トップで判断して欲しいことを発案することはあるんですか?

 

栗原 :意見箱ですかね。それを通して、誰でも取締役会に声を届けることができるようにはなっています。以前、箱ありましたよね?

 

池田 :多分それをメールにしたんですね。

栗原 :メールに変えたのかな。そういうものが一応あるんですけど、それを使わなくても、部署内で出た話題を、ちゃんとその部のディレクターが取締役会で出してくれる流れがあるんですよね。なので、私も意見箱を使ったことがない(笑)

 

使わずに済んでいる。

 

尾崎 :私も中途でまだ2年経っていないので、入った時から産休育休制度もありましたし、そんなに会社に対して強く希望することがないです。

 

栗原 :業務時間外に「何かしたい」という声からだったと思うんですけど、朝ヨガ教室をやってみたり、会社が終わった後に、フラワーアレンジメントの資格を持っている社員が教室をやったり。最近はそれが、「K2K(ケーツーケー:KINGSOFTER TO KINGSOFTER)」、社員から社員へという取り組みになって、社員同士で持っている知識や経験を共有する場を設けていて。(参考記事:自慢の社内制度&新教育プログラムのご紹介 ? KINGSOFT採用)これはちょっとした会話や普段の社員の関係性を拾って、上の人たちが動いてくれた結果だと思うんですよね。また、総務・労務をやっている人たちが「制度化してみてはどうか?」と提案してくれた流れだったのかなと。

 

総務や労務の人たちが、社内のコミュニケーションや働きやすさを考えてくれているということでしょうか。すごく重要ですよね。

 

副業の許可によって オープンでエネルギッシュな社員が育つ

副業がOKというお話も伺ったのですが、以前からそうなんですか?

 

池田 :もともとやってる人がいて、だったら会社的にOKにしちゃおうよ、という感じだったんじゃないんですかね。

 

尾崎 :すごく体力を使うものとか、競合の会社に勤めるのはNGというのはありますけど、それ以外は本を書いてる人もいれば、コミケに出店している人もいますし(笑)FXをやっている方も。

 

栗原 :利益がでたら副業になるんですね(笑)

 

今実際にやってみようと思っていらっしゃるのは、尾崎さんですか?

尾崎 :はい、やっとNLPのマスタープラクティショナーという資格を先月取りました。神経言語プログラミングといって心理療法の一種なんですけど。

 

しばらくは副業としてやっていく?

 

尾崎 :そうですね、二足のわらじが履ければいいなと(笑) 今のこの仕事もすごくやりがいがあって好きですし。ただライフワークという部分で、働く女性が輝けるよう、一助になる活動をしていきたいと思っています。まだどんなふうに進めていこうか考えているところで、会社に申請書は出していませんが、資格をとったことは部署の人はみんな知っていて、応援してくれています。

 

他に事業をやられてる方はいるんですか?

 

栗原 :レコード会社をやっている人もいるとか。以前はバンドマンもいました。あとは、ラブレターの代筆屋をやっている人、アイドルをやってる子もいますね(笑) 休日にライブをしたり。結構ファンがいるみたいで、この前アーティスト写真も撮ってました(笑)。

自由で、いいですね。

 

栗原 :この会社にきて思ったのは、みんなすごく人生を自由にエンジョイしてる。それぞれの人から感じました。

取材後記

4名の女性社員の方からお話を伺い、キングソフトという会社が社員と共に柔軟性を持って成長を続けていること、そして何より男女の区別なく社員に期待をかけ、大切にしていることが伝わってきました。ひとりひとりが明るくやりがいを感じながら働くことができる環境に、女性が自然体で活躍できる理由を見た気がします。

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