
保育園、何歳から預ける?3歳まで自宅保育をした私の完全在宅ワーク体験記
子どもを何歳で保育園に入れるか──そのタイミングに正解はありません。これは、乳幼児を育てる親御さんにとって永遠のテーマといっても過言ではないでしょう。
結婚や妊娠・出産を機に仕事を辞めた人であれば、いつから就職活動を始め、保活を行うかも悩みどころではないでしょうか。
私自身は、3歳の男の子を育てる在宅フリーランス。2025年の春、息子は保育園に入園しました。息子が生まれてからの3年間、ずっと自宅で育ててきましたが、その間「やっぱり保育園に入れた方がいいのでは?」と思う瞬間もゼロではありませんでした。
それでも今では、我が家にとって、3歳で入園が正解だったと実感しています。
ここでは、自宅保育と仕事を両立するなかで感じた大変さや、どのように働き続けてきたのか、そして、その過程で支えとなった環境──HELP YOU(※1)についてつづります。
▶︎ 働くママパパも多数在籍、在宅フリーランス集団HELP YOUとは
※1 オンラインアウトソーシング「HELP YOU」とは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス。
目次
ライター
産後2か月でゆるっと復帰。細く長く、働く選択

当時のカメラロールには息子の寝顔の写真ばかり。
私は、以前は東京都で会社員をしていましたが、当時、岐阜県の山奥にある研究所で働いていた夫との結婚を機に地方移住しました。退職後、600人全員がフルリモートワークを実践するHELP YOUに2020年12月よりジョインし、在宅フリーランスのキャリアをスタート。もともとIT企業のマーケティング畑出身で、自社サービスのユーザー向けメディアの立ち上げ・運営をしていた経験もあり、インタビュー記事を中心としたライティングや編集の領域(※2)で仕事を始めました。
それから1年と少しが経った冬には第1子を出産。完全在宅ワークという環境を生かして臨月まで働き、産後2か月ほどで仕事に復帰しました。
HELP YOUでは、一定期間稼働がない場合、一度退会するルールがあります(2025年7月時点)。人によっては一度退会し、子育てがひと段落してから再度登録するケースもあるようですが、私はライターという、自由度の高いHELP YOUの中でもさらに時間の融通が利きやすい職種だったこともあり、退会せずそのまま復帰することにしました。
とはいえ、復帰直後は「ガッツリ働いて稼ぐ」というより、息子のお昼寝中や夜寝た後の時間を使って細く長く稼働を続けていたのが実情です。
その背景には、転勤族の妻として転職を繰り返し、その間に就業ブランクも経験した母の存在がありました。母は常々「細々とでも、仕事は続けた方がいい」と言っており、だからというわけではないものの、その言葉がどこか心に残っていたのだと思います。
加えて、HELP YOUという環境に恵まれ、仕事の継続が可能な状況だったこともあり、私は早期の復帰という選択を取りました。
※2 800社以上の業務コンサルティング・サポートを担うHELP YOUでは、ライティングのほか、営業事務、秘書、経理、人事など、業務内容は多岐にわたります。詳しくはこちら。
乳児期は意外とイケる?自宅保育と仕事の両立
「自宅保育と完全在宅ワークの両立って、大変そう」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
私のケースに限っては、少なくとも乳児期に関していえばそこまで大変だと感じることはありませんでした。息子はお昼寝の時間が長く、まとまった作業時間を確保できていたからです。たとえ起きていたとしても、立ったり歩いたりできない時期には、常に目を光らせなければならないような強い緊張感は、まだそれほどありませんでした。
もちろん、夜間に何度も起きて授乳をする生活そのものは大変でした。産後には体力が落ちていて、通常の家事をするだけで疲れてしまう状態ではありました。ただ、我が家の場合は夫も在宅ワークだったことが負担軽減につながっており、もし私一人で家事育児を担うワンオペ状態だったら──私のキャパではとてもこなしきれず、同じような感想は抱けなかったと思います。
無理なく両立できるかは、仕事の選び方次第
当時の私は、HELP YOUが運営する本メディア「くらしと仕事」の記事執筆や、新人ライターが執筆した原稿の校正・編集に加え、メディアのアクセス解析や企画、HELP YOU運営会社の広報周辺業務を担当していました。
HELP YOUでは、多くのメンバーはクライアントワークを中心に活動しています。しかし私は、ジョインしたタイミングと、大好きなメディアのライター募集が偶然に重なり、比較的早い段階から自社メディアに関わり始め、クライアントワークは当時ほとんどしていませんでした。
仕事である以上、もちろん納期はありますが、クライアントワークと比べるとスケジュールの融通が利きやすく、その点も「両立がそこまで大変ではなかった」と感じた理由の一つかもしれません。ただ、他のメンバーの話を聞くと、クライアントワークでも納期に余裕のある案件は存在しており、大変さは案件の選び方次第(※3)ともいえそうです。
※3 HELP YOUでは、基本的には案件ごとに実務を担うスタッフが募集され、担当者は挙手と適性により決まります。
ベビーサークル脱走。1歳から上がった自宅保育の難易度

ベビーサークルを乗り越える息子。1歳の身体能力を甘く見ていました。
ところが、1歳になる頃には息子が活発に動き回るようになり、1歳半にはついにベビーサークルを突破──本格的に目が離せない時期に突入しました。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
その頃には「くらしと仕事」の執筆・編集業務に加え、HELP YOUのクライアントワーク1件、そして地元の広報誌での連載もスタートしており、合計3件の案件を抱えていました。
件数自体は多くはないものの、一つひとつのウェイトは決して軽くはなく、作業にはある程度まとまった時間が必要です。しかし当時、息子はすでに乳児期ほどお昼寝をしなくなっており、夜まで起きている日も珍しくありませんでした。
そうした状況下でも、インタビューライターという職業柄、取材の時間だけは死守しなければなりません。在宅ワーク中の夫とミーティングの時間をずらし、どうにか取材の時間は確保していたものの、執筆にまとまった時間を取るのは難しく、作業の多くは息子が寝静まった夜間に持ち越すことに。こうして、私の寝不足生活がスタートするのです。
乳児期に「意外とイケる!?」と調子に乗って仕事を増やした結果ではありますが、面白そうな仕事のチャンスを逃し続けるという選択肢もありませんでした。
寝不足で外出もままならない日々
保育園に通っていない分、息子に少しでも外との関わりを持たせようと、地元の子育て支援センターに細々と通っていました。ただ、その施設のメインの活動時間が午前中であることが多く、その時間に起きて支度を済ませるのが間に合わないことも一度や二度ではありません。
日がな一日、息子と遊び続けていたかというと、そういう日もありましたが、寝不足と疲れで十分に息子をかまえない日も……。
正直、こんな状態で家の中でぼんやり過ごすくらいなら、保育園に通った方が息子にとって楽しく、良い刺激になるのではないか──そんな思いがよぎりました。
保育園は本来、就労や家庭の事情により自宅での保育が難しい家庭を対象とした施設ですが、実際には、子どもが社会性を育む場としての役割も結果的に担っていると思います。
2歳から保育園に入れる?迫られる選択
息子が2歳になる手前には、保育園の説明会に参加し、申請書類の提出期限ギリギリまで悩みました。会社員ではない、自宅で働けるフリーランスという自由な環境下で、息子の成長を間近で見守れる条件がそろっているのに、本当にこの選択で後悔しないか? たとえ仕事をセーブする状態が続いても、その時間はプライスレスなのではないか?
実際に保育園に入園してからは、預けたからといって成長が見られないということはなく、むしろ集団生活のなかで著しく成長する息子の姿を見ることができています。先生方から日中の様子を教えていただいたり、帰宅後にはたっぷり一緒に遊んだり話したりする時間もあります。我が家は保育短時間を選んでいるため、15時には息子と再会できるという安心感もあり、親子の時間が極端に減ることはありません。
けれど、当時の私はそこまで冷静には捉えられていませんでした。
2歳、自宅保育続行。納期の合間に車でお出かけ
結局、2歳になってからも自宅保育を続けることにしました。ここは「子どものため」と言いたいところですが──実際には、可愛い盛りの息子と離れがたい一心による選択だったことを、正直に打ち明けておきます。
息子は、ちょうどイヤイヤ期に突入。といっても、激しくイヤイヤをするタイプではなく「やや」などと軽く口にする程度で、手に負えないような場面はほとんどありませんでした。
1歳の頃は、一緒に出かけても「楽しめているのかな?」と半信半疑でしたが、2歳になると、嬉しそうな表情や反応がぐんと増え、親としても連れ出し甲斐を感じられるようになりました。

激しいイヤイヤはなかったとはいえ、当時の息子の得意技、座り込み攻撃には何度も泣かされました。
納期と納期の合間に息子とさまざまな場所へ出かけた思い出が、今ではかけがえのない宝物になっています。田舎暮らしのため、移動は基本的に車。水遊びができる遠くの公園へ出かけたり、隣の県の動物園でキリンさんを見たり。
そんなお出かけの最中にも、仕事のメッセージが届くことはありましたが、そこはリモートワークの強み。車を駐めた駐車場で少しだけ仕事をこなして、また息子との時間に戻る──そんな風に、仕事と育児を行き来しながら過ごす日々でした。
息子入園、母は仕事を増やし月収倍に

初めての七五三。息子は早生まれということもあり、入園前は周囲とのできることの差に苦労しないか心配したものです。
そして迎えた、3歳の春。いよいよ息子の入園です。
保育園に入るまでの時間が惜しくて、前の月には、息子とのお出かけを毎日のように楽しみました。在宅フリーランスという働き方の強みを、これでもかというほど生かした1か月間でした。
子育て仲間の支えで乗り越えた、入園の壁
入園式当日には、ちょっとした事件もありました。息子が大人しく座っていることができず、式の最中にふらりと脱走してしまったのです。
動揺した私は、HELP YOU内のコミュニティ(※4)「子育ての会」で心境を吐露。すると、子育ての先輩方からたくさんの励ましやアドバイスの言葉をもらうことができました。まさか、ここまで温かく受け止めてもらえるとは思っておらず、かけられた言葉の数々は、今でも私の心のバイブルであり、大切な宝物です。
※4 HELP YOUには、業務の壁を越え、興味のあるテーマを通じてつながれるコミュニティがあります。
セーブしながら働いた3年間が糧に
そんな息子も、入園から2か月が経った頃には「せんせい、だいしゅき!」「おともだち、かわいい」と、保育園をすっかり楽しめるように。参観日には、クラスの一員として歌って踊る姿を見せてくれ、その時に私は、保育園の先生方の偉大さを実感しました。
一方の私はというと、HELP YOU内外の3つの案件それぞれで業務を拡大し、月収は自宅保育時代の倍に。夫と家計を折半しながら生活できるようになりました。
これは、細々とでも仕事を続けてきた3年間、そしてHELP YOUの柔軟な環境があってこそ実現できたことだと感じています。
▶︎ 子育てのフェーズに応じて柔軟に稼げる、HELP YOU
まとめ
「子どもを何歳で保育園に入れるか?」
我が家にとっての正解は「3歳」でした。でも、もし3歳未満で預けていたとしても「このタイミングで良かったよね」と、きっと同じように感じていたと思います。
一つ、3歳で入園したことによるメリットを強いて挙げるなら、子どもの口から園での出来事を直接聞けること。仮にトラブルや嫌なことがあっても把握しやすく、親として安心できるという点です。
ただ、それ以上に「自分で選んだ」という確かな実感が、これで正解だったと思わせてくれたのです。誰かに決められたのではなく、自らの意思で選択したからこそ、たとえ迷いがあっても後悔は残りません。
そして、その「選べた背景」には、HELP YOUの柔軟な働き方と、子育て経験の豊かな先輩方の存在がありました。
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