インタビューは三代知香さん

Webライターは稼げない? 人気ライターに聞く仕事が途切れない秘訣

パソコンとインターネット環境さえあれば、誰もが挑戦できるWebライター。その響きに憧れて、未経験からライティングを始める(筆者のような)人も少なくはないでしょう。しかし誰もが挑戦できるからといって、みんなが思うように稼げるというわけではありません。参入のハードルが低いからこそ、選ばれるライターになるにはスキルを磨き、自己の価値を高めていく必要があります。今回はフリーランスライターとして活躍する三代知香さんに、仕事が途切れないライターになるために大切にしてきたことを伺いました。

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ライター

齊藤由佳
山口県出身。大学進学で上京後、食品メーカーで営業職として勤務。その後結婚を機に、機械専門商社の営業事務に転職。
娘を0歳から保育園に入れて働き続けていたが、70歳まで働く時代。娘の小さい時くらいそばにいてあげたいと思いHELP YOUにジョイン。
いろいろな仕事に挑戦できるHELP YOUでスキルアップを目指し修行中。→執筆記事一覧

言葉を扱う仕事って面白い!

三代知香さん くらしと仕事

三代知香さん
飛騨在住。IT企業でアプリ開発のプロジェクトマネージャーを経験後、同社で編集・ライター職に社内転職。2020年にフリーランスライターとして独立し、同年12月HELP YOUにジョイン。HELP YOUでは広報記事を執筆するほか、HELP YOUのオウンドメディア「くらしと仕事」を牽引するプロフェッショナルライターとして活躍中。

前職のIT企業ではアプリ開発のプロジェクトマネージャーからライターへ社内転職されたそうですが、きっかけは何ですか?

プロジェクトマネージャーをしていた時に、自社メディアの運営を担う、すご腕編集長とお仕事をする機会がありました。私は文学部出身でもともと文章を書くのが好きだったのですが、その方と一緒にお仕事をする中で、言葉を扱う仕事の奥深さ、面白さに改めて気付いたんです。
そこで、自分が開発に携わったアプリのプロモーション戦略として公式ブログを立ち上げ、そのブログの編集者・ライターとして社内転職することにしました。

すご腕編集長からはどのようなことを学んだのですか?

言葉を扱う仕事をするうえで知っておくべき多くのことを教わりました。私にライティングの基礎を叩き込んでくれたのは編集長です。その方から「あなたは文章を『書く』のは上手だけど、『読む』力が足りないかもね」と言われたのを今でも覚えています。それ以来、次の3つを中心に自分の記事を読み返すようになりました。

  • 読者にとってわかりやすいか
  • 読者にとって新しい発見はあるか
  • 読者にとって不快な表現はないか

現在の三代さんのライティングにも編集長の言葉が生きているのですね。前職でもライターをされていた三代さんが、フリーランスに転身されたのはなぜですか?

前職で書いていた記事は、アプリのプロモーションのためのブログということもあり、扱う内容が限定的だったので、もっと幅広いテーマで書いてみたいな、と思うようになりました。
結婚にともない飛騨に移住し、しばらくはリモートワークで前職を続けていたのですが、ちょうど夫が大学院を修了して就職したタイミングで、夫からの後押しもありフリーランスライターとして挑戦する道を選びました。

HELP YOUで得たフリーランスとしての自信

スタッフが住んでいる飛騨 くらしと仕事

三代さんの暮らす飛騨。映画『君の名は。』に登場したとされる風景(飛騨古川駅/古川町)。古川町は昔懐かしい町並みが魅力で、ドライブがてらふらっと立ち寄っては飛騨牛コロッケを食べたり散策したりするそう。

フリーランスに転身されてすぐにお仕事は軌道に乗りましたか?

いえ、最初の頃はフリーランスとしての立ち回り方が分からず苦労しました。数社から直接案件を頂く機会がありましたが、仕事選びの基準も単価交渉の方法も分からず、非常に安価な報酬で引き受けてしまうこともありましたね。

思ったように稼げなかったということですか?

はい、全然(笑)。正直な数字でいうと、文字単価1円台の仕事もありましたね。私のことをよく知る前職の先輩ライターからは、インタビュー記事1本につき3~4万円が妥当な単価設定なのではないかと言われ、理想と現実とのギャップに悩みました。

今思い返すと、当時は自分の売り込み方が悪いのか、スキルが足りていないのか、需要と供給があっていないのか、どうやったら納得できる価格で仕事ができるのか、何も分からず八方ふさがりの状態でした。

そのような状況から抜け出せたきっかけは何ですか?

きっかけとしては、HELP YOUにジョインしたことが大きいですね。HELP YOUにジョインしてからは、先輩フリーランスのやり方を参考に、自分なりの軸を持って仕事選びや単価交渉を行えるようになりました。

あるライティング案件を、先方からご提示いただいた単価で引き受けるかどうか迷っていたところ、HELP YOUでディレクター兼パーソナルライター(※1)として活躍されている伊藤尚さんが価格交渉の仕方を教えてくださったこともあります。プロのフリーランスとしての在り方を間近で見て「かっこいい!」と思いました。

※1:HELP YOUでは、卓越した専門性と担当分野における高水準の市場価値を有し、実績・経験が豊富であって業績に大きく貢献ができるハイレベルなスタッフは認定を受けてパーソナルに昇格します。

今はどのような基準でお仕事を選んでいるのですか?

これも伊藤さんから教わったことですが、「やりたいか」「実績になるか」「お金になるか」の3つの視点を大切にして仕事を引き受けています。これは、以前この「くらしと仕事」で伊藤さんのインタビュー記事を執筆した際に、フリーランスで稼ぐためのアドバイスとして教えていただきました。3つのバランスを意識して仕事をするようになって、フリーランスとして一歩前に進めたな、と感じています。

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HELP YOUで活躍されているフリーランスの先輩方には教わることが多いですね! そもそもHELP YOUにジョインされたきっかけは何だったのですか?

「くらしと仕事」で、あるライターさんが書かれたインタビュー記事を読んだのがきっかけです。そのライターさんの記事は、まるで物語のようで、読み終わった後に自然とインタビュー対象者への共感が生まれるんです。そんな素敵な文章を書ける方と同じ職場で働いてみたいな、と思いました。

また、「くらしと仕事」ではHELP YOUで働くメンバーを取り上げた記事が多く掲載されており、それらの記事からも、一人ひとりが消去法ではなくポジティブな理由でHELP YOUを選んで働いていることが伝わってきたのでジョインを決めました。

ライターとして働くにあたってHELP YOUならではのメリットはありますか?

校正時に、誤字脱字等のチェックだけではなく、記事の内容についてもご意見やアドバイスを頂けることがあるのでありがたいですね。私の担当している案件では、ディレクターさんやライターさんがいつも丁寧なフィードバックを下さいます。頂いたアドバイスをしっかり脳裏に刻み込み、次の記事に生かせるよう自分の中に落とし込んでいます。自分で言うのもなんですが、その積み重ねで、HELP YOUに入ってからも自身のライティングスキルは向上したかな、と。

あとは、一緒に働くメンバーから読者として感想を頂けるというのが嬉しいですよね。ライターは自分が執筆した記事に対する反響を数字で見ることはできますが、記事を読んだ人の感想を直接聞ける機会って実は多くないので、いろんな方からリアクションを頂けるとモチベーションにつながります。

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今後のキャリアを見据えてスキルを磨く

プレイジムで遊ぶお子さん くらしと仕事

個人のスキルや価値を高めるために実践していることや心掛けていることはありますか?

ライティングスキルを高めるために、次の3つを実践しています。

  • 手を動かすこと
  • 先生を見つけること
  • 先生の教えを踏まえ、自分の記事を読み返すこと

当たり前ですが、実際に文章を書かないとスキルは向上しませんよね。先生は、前職の編集長だったり、HELP YOUでいえば先輩のパーソナルライターだったり。上手なライターさんの構成や言い回しを参考にすることもあります。そして、先生方からこれまでに頂いたアドバイスを踏まえて、自分の記事を校正するつもりで読み返します。1つの記事を2~3時間で書き上げたら、読み返しには1時間くらい時間を使っていますね。

あと、ライティングとは別に+αのスキルを身につけることも重要視しています。例えば、現時点では、GoogleAnalyticsを使ったメディア分析のスキルや、ITのバックグラウンドが、私のライターとしての付加価値だと思っています。

また、ここ最近はカメラの勉強も独学で始めました。ライターは誰もが挑戦できる職業なので、ライティングスキルを磨くだけではなく、他のライターと差別化できるような別の強みをいくつか持っておくことは大切ですよね。

三代さんは「くらしと仕事」のアクセス解析レポートを月2回発信されていますよね。数値分析だけでなくライター目線での考察には説得力があり、私自身いつも参考にさせていただいています。

ありがとうございます。皆さんからそのようなお言葉を頂けるので励みになっています。

もともとメディア分析がすごく得意というわけではなかったのですが、「くらしと仕事」に愛着があるので、少しでも数字に貢献できたら嬉しいなという気持ちで勉強を重ねました。分析結果を元に一歩踏み込んだ提案までするように心がけています。

「くらしと仕事」では新人ライターへの親切で丁寧な校正も評判です。今後ライター育成にも関わっていきたいというようなビジョンはありますか?

そうですね。ゆくゆくは、ライティングの仕事も続けながら、メディア全体の運営やライターの育成にまた関わっていきたいと思っています。現在も、メディア分析レポートの作成やそれに基づく企画提案、校正を通じて部分的に携わることができているので、今後さらに活動の幅を広げていきたいですね。

実は最近、SNSに載せている私のプロフィールを見て、編集長のポジションで声をかけてくださった企業があって。まだ子どもが小さいので今すぐどうこうという話にはならなかったのですが、そのオファーがきっかけで、次のステップや今後のキャリアに対する意識がより強くなりました。

三代さんは、産後2か月でお仕事に復帰されて、今お子さんはまだ5か月くらいですよね? 育児との両立は大変ではないですか?

今引き受けているお仕事は、月に3~4本の記事執筆と、校正、メディアおよびコーポレートサイトの分析レポート作成のみなので、余裕を持って育児と両立できています。

妊娠・出産のタイミングで夫が完全在宅勤務の会社に転職し、今は授乳以外の育児と家事を全て分担してやっていることが大きいと思います。

パートナーと協力して育児ができるのは素晴らしいですね。今後、徐々にお仕事を増やしていく予定ですか?

仕事量や働き方は、子どもの入園や就学のタイミングで見直したいと考えています。フリーランスを続ける選択肢もある一方で、正社員に戻ることも視野に入れて検討するつもりです。

ただ、今の私にとっては家族と過ごす時間が何より大事なので、子どもの成長に合わせて、家族にとっての最適な働き方を模索していきたいですね。

まとめ

正社員ライターとしての経験がありながら、フリーランスとして独立した直後は仕事の選び方が分からず途方に暮れたという三代さん。HELP YOUで、先輩からフリーランスとしての在り方を学んだことで、今では人気ライターとして活躍されています。
執筆だけでなく、分析レポートや校正を通じて「くらしと仕事」というメディアを牽引されている三代さんに、その当事者意識の強さはどこから来るのか聞いてみたところ「昔から自分の関わる『もの』や『こと』に自然と愛着を持ってしまうんですよね」と答えてくれました。向き合った仕事に対する愛情が、三代さんの温かい文章からもあふれ出ています。
フリーランスライターという響きはかっこいいですが、自分のスキルを売り込んで価値を認めてもらうという第一のハードルは高そうです。その上、ライティングスキルだけでなく他に強みとなるスキルも身につけていかなければ、ライターの収入だけで安定して生活していくのは難しいかもしれません。現実は厳しいですが、自分の書いた文章が誰かの役に立ったり、誰かを共感させたり、誰かの何かのきっかけになるようなことがあれば嬉しいですよね。
何事も挑戦してみなければ始まりません。HELP YOUでは本業でも副業でもライターとして活躍されている方が多数在籍しています。チャレンジに迷っている方はぜひ一歩を踏み出してみませんか。

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アイキャッチデザイン/今泉香織

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