オンラインコミュニティの創設がリモートワーカーに与えた効果とは
国内外で約400名のメンバーがフルリモートで働いている株式会社ニット(以下、「ニット」という)では、2020年に新たな制度として「オンラインコミュニティ」を設立しました。コミュケーション不足が大きな課題と言われているリモートワーカーですが、制度の導入によってどのような変化があったのでしょう。制度導入後に実施した【ニット/HELP YOU 社内アンケート】の結果をもとに「オンラインコミュニティ」の効果についてまとめました。
目次
ライター
80%以上のメンバーが参加するオンラインコミュニティ
ニットのオンラインコミュニティ(以下、「コミュニティ」という)は、2020年に新しくスタートした制度です。
以前より、特定の分野のスキルアップを目的とした集まりは存在していましたが、2020年3月に業務に関わらずより自由なコミュニケーションが可能な場として同期メンバー向けのコミュニティが開設されました。
その後も新たなコミュニティが次々と増え、現在では全部で41個(2021年10月現在)のニット公式コミュニティが存在しています。
具体的には業務に関連したものが14個、趣味など業務外のものが27個となっています。
さらに、既存のもの以外にも、メンバー自身が申請を行うことでコミュニティを新設することも可能です。
では、実際にメンバーのコミュニティへの参加状況はどうなっているのでしょうか? 社内で実施したアンケートでは以下のような結果となりました。
2020年に始まった新しい制度ながら、回答したメンバーのうち86.4%がコミュニティへ参加していることがわかりました。
中には10個以上のコミュニティに参加しているというメンバーもいました。
ちなみに全体のうち13.6%が「参加していない」と回答しましたが、あくまでコミュニティへの参加は自由なので、これもひとつの選択だと言えるでしょう。
では、コミュニティへ参加してるメンバーは一体どのような基準でコミュニティを選んでいるのでしょうか?
結果は【趣味趣向に合うコミュニティがあったから】が37.5%と一番多い結果でした。
やはり好きなことに関するコミュニティがあれば「おもしろそう!」とか「どんな話をしているんだろう?」と興味がわきますよね。
そして、次に多かったのが【他のメンバーとコミュニケーションをとりたいから】の25.5%です。
この結果から、多くのメンバーが趣味などを通じて他のメンバーと接点を増やしたいと考えていることが伺えます。
また、3位の【仕事のスキルをアップさせたいから】は、多くのメンバーがフリーランスを軸として働いていることもあり、会社員のように上司からの教育や指導などがない代わりに、自発的にコミュニティへ参加することでスキルを磨こうという考えが表れていますね。
コミュニティの導入で生まれた相乗効果の内容とは
続いて、実際にメンバーがコミュニティに参加したことでどのような変化を感じているのかを見ていきましょう。
コミュニティに参加した人の半数以上を占める67.6%のメンバーが変化を実感していることがわかりました。
具体的にどんな変化を感じたのか、その内容は以下の通りです。
回答が一番多かったのは【趣味や属性についての知識・理解が深まった】の36.1%でした。
多くのメンバーが、趣味や特殊スキルに関する情報交換や、他のメンバーとの交流を楽しんでいる結果ではないでしょうか。
そして、第2位は【「コミュニティが楽しい!」「コミュニティのおかげであまり孤独感を感じない」など心理的安全性の確保につながった】の28.7%でした。
コミュニティへの参加を通じて、日常的なコミュニケーションが増え、仕事以外でのメンバー同士の話題が広がったようですね。
新たな楽しみが生まれ、孤独感によるストレスの軽減など精神的な効果を実感していることがわかります。
また、第3位の「コミュニティがきっかけで知り合ったメンバーと業務で一緒になった際もスムーズに進めることができた」の回答数も20%に迫る結果となっています。
コミュニティでのやり取りは、結果として仕事に対してもとても良い影響を与えているようですね。
メンバーから評価が高かったコミュニティは?
最初にお伝えした通りニットには合計で41個ものコミュニティがります。
そこで、その中でもおもしろい活動をしている、有益な情報がたくさん得られるなど、より活発な動きを見せるコミュニティについて聞いてみました。
早速どんなコミュニティがランキングに入っているのか結果を見ていきましょう。
グラフではコミュニティ名称が略称となっているので正式名称でランキングを見てみましょう。
■このコミュニティが熱い!(第1位~第5位まで)
第1位:ライタースタータールーム!
第2位:占い好きの館
第3位:ペットわんにゃんの会
第4位:韓国沼の住民集まれ~!
第5位:マンガアニメゲーム部屋
見事第1位を獲得したのは、スキルアップを目的とするコミュニティ「ライタースタータールーム!」でした。
「ライタースタータールーム!」はライティングに関する知識をメンバー同士が共有できるコミュニティで、ランチ会や勉強会など有益な情報を得られるイベントが定期的に開催されている点で人気が高いようです。
コミュニティ選びの基準では第3位だったスキルアップに関するコミュニティですが、盛り上がりとして第1位となるというのはおもしろい結果ですね。
ちなみに、残りの第2位~第5位までは趣味のコミュニティが占める結果となりました。
ランキングを見ただけでも多種多様なコミュニティがあることがわかります。30個もあったら、なにかひとつは興味のあるコミュニティが見つかりそうです。
コミュニティごとの実際の活動について、もう少し詳しく見てみたいという方は、一部ではありますが以下のサイトでニットのオンラインコミュニティが紹介されているのでチェックしてみてくださいね。
■knit Park■ 株式会社ニット内のメンバーやイベント・コミュニティを取り上げていくサイト
自由な交流がリモートワーカーにもたらした効果
最後のアンケートは、今後もコミュニティ活動を続けたいかという内容です。
果たして、メンバーはどのように感じているのでしょうか。
93.1%のメンバーが【これからも継続してコミュニティに入りたい】と回答しており、オンラインコミュニティに対して価値を感じていることがわかりました。
ちなみに、メンバーからはコミュニティに入って良かったことについて以下のようなコメントが届いています。
【メンバーの声】
・業務外での関わりがない方との繋がりができた
・勉強会の録画をアップしてくださるので自主学習に役立てられている
・家でひとりぼっちでお仕事していても励まされます
・コミュニティだからこそ、各メンバーのリラックスした雰囲気も感じられて良かった
・仕事以外での何気ない会話が楽しい
・初めて一緒にお仕事をするときに、すでにコミュニティで知っている方だったので、とてもスムーズに仕事ができた
本来であれはリモートワーカーにとって、仕事に関するやり取りがしっかりとれていれば困ることはないのかもしれません。
しかしながら、一緒に働く相手への理解を深めるとともに、親近感を高めることが、結果的として良い仕事につながっていくことは確かです。
ニットではコミュニティ制度の導入前から、業務でのチーム制を設けることや、メンバーの交流の場として参加型のイベントを開催することを通じて、メンバーが一体感を感じられるような環境づくりを進めてきました。
それでも、メンバー同士が日頃から業務外で頻繁に交流を持つということは、あまり多くなかったようです。
リモートワークではお互いの様子が見えないこともあり「邪魔になってしまうかも…」「仕事をサボっていると思われるのでは?」と感じてしまうことが理由として考えられます。
そんな中で、好きなタイミングで、好きなだけ、好きなことについて交流していいという、公式のオンラインコミュニティが設立されたことは、メンバーの声から見ても価値ある効果を生み出していることがわかりました。
また、活性化を期待するあまり参加を強制するようなこともなく、各々の主体性に委ねられている点も満足度につながる大きなポイントかもしれませんね。
以上、コミュニティに関するアンケート調査の結果に元に、オンラインコミュニティの実情と活用による効果についてまとめてみました。
【アンケート概要】
調査対象 :ニットで働く国内外のメンバー
調査期間 :2021年6月23日〜6月29日
調査方法 :Webアンケート
有効回答数:118名
まとめ
ニットでは「オンラインコミュニティ」という新たな制度を導入したことによって、メンバー間におけるコミュニケーションの活発化を促し、リモートワーカーが抱えがちな孤独感の軽減へつなげることができました。
さらには多くのメンバーが相互理解を深め、仕事においてもメリットを実感しています。
もし、社員同士のコミュニケーションの活発化やリモート環境での業務パフォーマンスの向上に悩まれている方は、より良い環境作りの一環として、ニットの「オンラインコミュニティ」を参考にしてみてはいかがでしょうか?
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