フリーランスでも安心して始められる「ふるさと納税」 くらしと仕事

フリーランスでも安心して始められる「ふるさと納税」

フリーランスの間でも、この時期になると話題にあがるのが「ふるさと納税」です。

特に「ふるさと納税」の仕組みをどう理解するか、この点がフリーランスにとって悩ましいところ。というのは、会社員やパート社員といった給与所得者のケースと異なり、フリーランスの場合は所得の計算も、見通しの立て方も一手間必要だからです。その結果、「ふるさと納税」を始めるのに二の足を踏んでしまう人も多いようです。

でも、せっかくなら「ふるさと納税」を賢く使って楽しみたいと思いませんか? そこで今回は、フリーランスが多数在籍する「HELP YOU(※1)」の中でも、ふるさと納税歴3年以上のベテランにアンケートを行った上で、フリーランスでも安心して始められる「ふるさと納税」の基本について整理してみました!

※1 オンラインアウトソーシング「HELP YOU」とは、在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス

※当記事は、フリーランスの方がふるさと納税を理解しやすくするための参考情報です。控除額の正確な計算や申告方法については、税理士やお住まいの自治体にご確認ください。

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ライター

Kirin
ライター兼イラストレーター・絵本作家。サービス業界、保育業界で会社員を経験後、現在はいくつかの仕事を組み合わせながら「笑顔と収入」を大切にした働き方を実践中。→執筆記事一覧

まずは理解しよう:心理的ハードルを下げる

今回のアンケートで意外だったのは「ふるさと納税って、思っていたより難しくない」という声が多かったことです。回答者はそれぞれ、お米や地域の名産品、アクセサリーなど、思い思いの返礼品を楽しんでいて、「ふるさと納税」を行うことで特に困っているという感想はありませんでした。

では、私を含めてふるさと納税の未経験者が「難しそう」と感じてしまうのはなぜなのでしょうか。

それは制度そのものの複雑さというより、「よく分からない」という気持ちが心理的ハードルになっているからではないかと感じます。後で詳しく述べますが、フリーランス向けに使いやすく整理されている情報源が少ないことも一因ではないでしょうか。

アンケートに答えてくれたメンバーも、最初は不安があったそうです。でも一度仕組みを理解してしまえば、大きなトラブルもなく、ふるさと納税を楽しめるようになったというケースがほとんどでした。

ここで、実際のアンケート回答者の声を聞いてみましょう。

ルイスさん(仮名・男性)
初めは「お金がどこへ行くの?」「本当に得なの?」ととても不安でした。でも一度仕組みをきちんと調べると、思ったよりもずっとシンプル。自分のペースに合う金額だけ寄付すれば、特に心配なく続けられる制度だと分かりました。

夏希さん(仮名・女性)
「本当にお得なのかな?」と半信半疑でしたが、返礼品で美味しいものが届いたり、地域の応援ができたりと魅力がたくさんありました。多少の計算は必要でも、それ以上にメリットの多い制度だと感じています。

香織さん(仮名・女性)
ふるさと納税を始めたのは結婚・出産後でした。仕事が忙しく、それまではふるさと納税について考える余裕がありませんでした。今思えば、当時からふるさと納税について知っていれば、もっといろんな返礼品が選べたなぁと思っています。

こうした声からも分かるとおり、フリーランスでふるさと納税を始めたい人にとって、まず問題になるのが「心理的なハードル」なのです。でも一度理解さえしてしまえば、さまざまに楽しめるというのが実際の声でした。

では、「分からない」を「分かった」に変えるための知識とは何なのか──次の章で見ていきたいと思います。

フリーランスが知るべき「ふるさと納税」のキホン

アンケートの回答内容や、本メディア「くらしと仕事」編集部で挙がった疑問を元にして、「フリーランスにとって分かりづらい」とされるポイントを中心に「ふるさと納税」の基本を整理してみます。

そもそも「ふるさと納税」とは?

ふるさと納税の制度を理解するうえで、まずは次の3つを押さえておくと安心です。

①所得と家族構成に応じて「控除上限額」が決まる
②好きな自治体へ寄付する(制度上は寄付という扱い)
③控除上限額の範囲内で寄付すれば、当年の所得税の還付・翌年の住民税の控除が受けられる(ただし、2,000円は自己負担
具体例でいうと

控除上限額が30,000円の人が30,000円の寄付をした場合、 28,000円分が還付・控除され実質負担は2,000円
という仕組みです。2025年1月現在、3万円前後の寄付金で「お米10kg」や「和牛1kg」を返礼品としている自治体もあり、それらが実質2,000円で受け取れると考えるとかなりお得感があると思いませんか。

参考:総務省・ふるさと納税ポータルサイト「税金の控除について」(2025年1月閲覧)

フリーランスにとっての所得とは?

次に押さえておきたいのが、控除上限額の算出根拠である「所得」です。ここがフリーランスにとって最大の悩みどころです。

給与所得者の場合、自分の所得はあらかじめ予測しやすいですし、それに基づいて簡単にシミュレーションできるサイトも充実しています。

一方、フリーランスでは「経費」や「青色申告」などの要素が入ってくるため、少し事情が変わってきます。

フリーランスの所得は、収入から経費青色申告特別控除(該当者のみ)各種所得控除を差し引くことで計算されます。

そのうち収入経費は、仕事の量によって変動しやすく、正確に予測するのは難しいものです。自分の裁量で仕事量を加減できることは、フリーランスの大きな利点ですが、ふるさと納税に関していえばこの点がマイナスに働いてしまうのです。このような見積もりの難しさが、ふるさと納税を遠ざける一因になっています。

もう一つ、フリーランスにとって不利に働いていると思われるのが、シミュレーションの難しさです。

私が調べた限りでは、フリーランスにとって使いやすいシミュレーションサイトは多くありませんでした。従って、自分がどのくらいの寄付ができそうか、言葉を変えていえば、どんな返礼品なら手が届くのか、を検討する前段階として、寄付できる上限額のシミュレーションさえ、手軽にできない状況なのです。

参考:
国税庁「所得税のしくみ」(2025年1月閲覧)
国税庁「事業所得の課税のしくみ(事業所得)」(2025年1月閲覧)
国税庁「青色申告特別控除」(2025年1月閲覧)

小さく始めてみる:安心のための3ステップ

ここまでの流れをまとめると、フリーランスがふるさと納税を始める際には、主に2つの壁があるといえます。

①所得の計算が複雑で、見通しが立てづらい
②控除上限額のシミュレーションが給与所得者ほど簡単ではない
これらの負担をできるだけ軽くしながら、安心してふるさと納税を始めるためのステップをまとめましたので、見ていきたいと思います。

ステップ1. 確定申告書と住民税額決定通知書を用意する

まずは、直近の「確定申告書」を手元に用意しましょう。「住民税額決定通知書」もあるとより正確に判断できます。

ただしこの方法は「過去の傾向から今年を予測できる」という前提の上で初めて使える方法です。言い換えれば、直近の自分の業績を見て、安定的な所得が見込めるようになった時が、ふるさと納税の始め時だということです。

こうした方法であれば「①所得の計算が複雑で、見通しが立てづらい」という問題もクリアすることができます。

「安定収入」を叶えた在宅フリーランス体験談【記事まとめ】

ステップ2. 控除上限額をざっくり計算する

給与所得者は自分の年収と家族構成が分かればある程度の控除上限額が予測できます。給与所得者の「年収」にあたるようなバロメーターがどこかにないだろうかと思って見つけたのが、複数の自治体で公開されている概算式です。(※2)

計算式は次のとおりで、課税所得と住民税所得割額が分かれば概算が可能です。

控除上限額=住民税所得割額 ×課税所得に応じた係数+ 2,000円
課税所得に応じた係数は、例えば課税所得が195万円以下なら23.558%、195万円超~330万円以下なら25.065%というように、階層ごとに係数が決まっています。(※3)

住民税所得割額は、市町村民税・県民税税額納税決定通知書の「市町村民税の所得割額」と「県民税の所得割額」の合計額となります。(※3)

「年収」ほどシンプルではないですが、「課税所得」と「住民税所得割額」をバロメーターにすれば、概算が可能となります。

※2 例えば群馬県前橋市、埼玉県宮代町、奈良県広陵町などの自治体で公開されています。
※3 奈良県広陵町「“ふるさと納税”における寄附金控除について」(2025年1月閲覧)

ステップ3. 概算より少なめの金額で試してみる

フリーランスでは所得の正確な予測が難しいため、控除上限額の算出もあくまで概算的なものになってしまいます。だからこそ、寄付上限額を超えない「少なめの金額」から始めるのが安心です。

いくらから始めればいいのか、という疑問に満足な回答をするのは難しいですが、数千円や1万円の寄付でも、魅力的な返礼品がもらえるケースはたくさんあります。まずは少額から始めてみるというスタンスでいいのではないかと思います。実際にやってみたら、不安要素が消えていくということは、ふるさと納税経験者のメンバーが口をそろえて証言していることです。

まとめ

「ふるさと納税」を難しく感じさせているのは、制度そのものよりも「所得をどう見積もるか」という心理的ハードルです。経験者たちの声に共通していたのは「最初は不安だったけれど、始めてみると意外と大丈夫だった」ということ。制度の仕組みを少し理解し、まずは少額から試してみれば、フリーランスでも安心して続けられます。

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