【レポート】就活生の就職に関する意識変化について(ミレニアム世代~Z世代 トレンド予測)
04年卒から20年卒の中でも特徴が大きく異なる、04~08年卒(ミレニアム世代前期)、19~20年卒(Z世代)の就活生について意識変化を比較してみました。
目次
ライター
調査結果サマリー
売り手市場の加速化、就活の早期化、終身雇用の崩壊などにより、今まで通用していた考えで就活をすることが難しい時代になってきました。しかし、今の就活生だけが今までとは異なった考え方で就活をしなければいけないというのではなく、いつの時代も就活生の意識は時代に合わせて変化してきました。特に、仕事や働くことに関する価値観、就活の企業選定ポイントは時代とともに変容しています。
仕事で重視するものに関する価値観の変化
04~08年卒の就活生はどういった考え方をもっていたのか、統計データをもとに考察していきます。
ミレニアム世代はプライベートより仕事優先
参照)「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査 – 就活観の推移(01年卒~20年卒)」
参考)「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査 – 企業選択のポイント」
04~08年卒では、08年卒に近づくにつれて、就職観における「自分の夢のために働きたい」「プライドの持てる仕事をしたい」の割合が減りつつありますが、19~20年卒にくらべると割合が高いことから自己実現の欲求が高く、プライベートより仕事を優先する考えが根底にあった世代であるといえるでしょう。
また、04~08年卒は、19~20年卒と異なり、「社風が良い会社」「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」「一生続けられる会社」の割合が増加していたことから、終身雇用を前提とした企業選択をしていたと推察されます。終身雇用が崩壊したといわれる現在の社会とは大きく異なった考え方でもあります。
終身雇用を前提とした大手企業志向が増加傾向
参考)「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査 – 企業志向」
04~08年卒では、19~20年卒の「大手企業志向」が減少しているのに対して、男女文理問わず全カテゴリーで上昇したことから、大手企業志向が多いことが分かります。これには2004年の大手・中堅企業採用数倍増に対して、中小・零細企業では低迷不調により採用数が減少したことが大きく影響していると思われます。
Z世代はライフワークバランスを重視
つぎに、19~20年卒の就活生はどういった考え方をもっていたのか、統計データをもとに考察していきます。
参考)「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査 – 企業選択のポイント」再掲
19~20年卒は、就職観における「個人の生活と仕事を両立させたい」の割合平均が04~08年卒にくらべて高いことからライフワークバランスを重視した考えが浸透し結果として反映されていることがわかります。これには2017年の政府主導の「人生100年時代構想会議」がスタートしたことによってライフシフトに即した考えが浸透した結果が大きな影響を与えているのではないかとも推察することができます。
企業選択のポイントは「安定」+「給料」
参考)「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査 – 企業志向」(再掲)
19~20年卒は、企業選択のポイントにおける「安定している会社」「給料の良い会社」の割合が急激に伸びました。また、2015年から大卒求人数も増加しており、売り手市場ではありますが、19~20年卒では他の世代とは異なる安定志向の考えが強まっています。これは、2018年の2021年卒以降の「採用選考に関する指針」を策定しないことが将来への不確実性を表しているため、不安要素を少しでも取り除く動きとして安定志向が強まったとも考えられます。
さらに、19~20年卒は、売り手市場に後押しされて3年連続で増加していた大手企業志向が減少し、中小企業志向が増加しました。特に文理とも男子の大企業志向が減少していることから、男子の中小企業志向が強まりました。これには「人生100年時代構想会議」や2021年卒以降の「採用選考に関する指針」を策定しないことが決定したことなどが既存の就活における考え方を大きく変え、それに伴い就活生の動きにも影響してきたとも考えられます。
今後のトレンド予測
これまでの就活生のマインドチェンジに関する調査結果から、今後の就活生のトレンド予測をします。
「安定志向」から「やりがい志向」へ
働き方改革や終身雇用の崩壊における反動が、既存の就活における考え方を大きく変え、それに伴い就活生の動きにも影響してきているのかもしれません。また、「地方のミカタOBOGアンケート(2017~2019)」では、企業選択のポイントを「仕事の内容」「企業のビジョン・ミッション」としている人の割合が多いことから、次の世代は「安定」から「やりがい」へとシフトしていくのかもしれません。
まとめ
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