【weekly 働き方改革ニュース】働き方改革は誰のため?、オリンピック期間中の働き方
1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。今回も、多様な働き方に関連する3つの話題を、7月23日から29日までの間に公表された調査結果やニュースからご紹介します。
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ライター
日雇い派遣原則禁止は「歴史に残る悪法」?
2012年の労働者派遣法改正によって日雇い派遣(30日以内の短期・単発派遣)が原則禁止となってから、今年で7年目を迎えます。この法律改正が労働者にもたらした影響について働く主婦層に尋ねたアンケート調査の結果が7月24日に発表されました。
調査を実施したしゅふJOB総研によれば、日雇い派遣原則禁止について回答者の半数が「特に成果があったとは思わない」と回答(51.4%)。「雇用が安定するようになった」(4.3%)、「正社員の雇用が増えた」(2.6%)、「ワーキングプアが減った」(1.0%)などのメリットを挙げた人はごくわずかに留まりました。
回答者からは「単発派遣で働けなくなり、繋ぎの仕事が出来ず無収入の期間が増え、かなりダメージを受けた」「派遣社員で、契約期間満了後に次の仕事まで間が空く場合に、単発の派遣の仕事ができないのはつらい」「雇用が以前より不安定になり、ワーキングプアは増加したと痛感。現実を無視した歴史に残る悪法」といった批判の声が寄せられたといいます。「多様な働き方」を提唱する働き方改革が進められている今、実態に即した法整備が求められているといえそうです。
オリンピックの混雑対策、続々と
2020年の東京オリンピック開催まで1年を切りましたが、懸念されているのは期間中の道路や交通機関の混雑。期間中にテレワークや時差出勤を実施してこれを回避しようとする動きが広まりつつあることが、時事通信が24日に配信したニュースで明らかになりました。
それによると、アサヒビールは、工場への原材料搬入や製品配送の時間帯を夜間に変更し、混雑時間帯に首都圏を走行するトラックを1日当たり42台削減。ヤマト運輸は、駅などへの荷物受け取りロッカー設置を進めるほか、配達の事前通知や受け取り場所変更サービスなどの周知により、再配達の削減に取り組みます。明治やローソンはオリンピック期間中、首都圏で勤務する社員を対象に在宅勤務(テレワーク)を活用する計画とのこと。オリンピックをきっかけに、首都圏の通勤ラッシュ緩和と多様な働き方の実現が進んでいくのかもしれません。
テレワーク制度はあっても利用は「週0日」が7割
オリンピックをきっかけに認知度や注目が高まっているテレワークですが、現状ではなかなか活用されていない実態も明らかに。ワークスイッチコンサルティングが1都3県で勤務するビジネスパーソンを対象に実施し、25日に結果を公表したテレワークに関する調査によれば、テレワークを「導入も検討もされていない」企業に勤める人は回答者の半数以上。
一方、テレワークを導入している企業に勤めている人に利用日数を尋ねたところ、週に「0日」が7割以上。会社に制度があってもほとんど活用されていないことがわかりました。テレワークをするうえで会社に求めることについては「利用しやすい雰囲気」「利用するためのIT環境の整備」と答える人が多く、制度はあっても利用しにくい現状が浮き彫りに。比較的新しい働き方であるだけに、企業側も「制度をどう運用して良いかわからない」というのが実態なのかもしれません。テレワークの運用におけるモデルの確立と汎用化が求められているのではないでしょうか。
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