「自社の労務経験」は、他社でも通用する? フリーランス労務のリアル くらしと仕事

「自社の労務経験」は、他社でも通用する? フリーランス労務のリアル

労務の経験はある。でも、自社経験だけで、他社の労務支援ができるのだろうか……? 

そんな不安を抱えながらも新たな一歩を踏み出したのが、オンラインアウトソーシング(※1)「HELP YOU」で活躍中の岩本和貴さんです。現在は「経理ユニット」のメンバーとして、クライアント企業の労務・経理業務をサポートしています。業務委託として他社の労務を担うとは、実際どんな感じなのでしょうか? 働き方のリアルを聞いてみました。

(※1) オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス。


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インタビュイー

岩本和貴さん
愛知県在住。労務・経理を中心としたバックオフィス業務に携わること15年。これまでのスキルを活かせる副業を探す中でHELPYOUと出会い、昨年夏より「経理ユニット」のメンバーとして労務と経理の二刀流で活躍中。最近新たな職場へ転職し、新環境でも精力的に活動している。8歳と3歳のお子さんを育てる二児のパパ。

ライター

玉井だま
転勤妻で、二児の母。マーケティングを中心に6年間正社員として働いたのち、夫の転勤と第一子出産を機に退職しフリーランスへ。HELP YOUのビジョンに共感し、2023年10月にジョイン。働き方への関心から、社会保険労務士の勉強を始め、独学で合格。持続可能なキャリアを日々模索中。→執筆記事一覧

自社経験しかない不安……それでも副業に挑戦

自社で培った15年間の労務経験

── 岩本さんの経歴を教えてください。

これまで15年ほど、労務や経理といったバックオフィス業務を担ってきました。

入社してすぐに労務・経理担当者が辞めてしまい、私が後任として入ったため、突然すべてを一人でやらなければならない状況になりました。十分な引き継ぎもないまま任されて、最初は正直何が何だかわからない状態でしたが、やっていくうちに面白くなってきて、気づけば15年になります。

── 未経験分野を一人きりで担当するとは、大変でしたね。具体的にはどんな業務を担当していたのでしょうか?

簡易仕訳など経理業務も一部ありましたが、メインは労務業務でした。平均150〜160名、最大約250名規模の会社で、派遣業や製造業、運送業など複数の事業の給与計算に対応していました。

当時は労務の経験や知識もなかったので、とにかく調べながら進めました。わからないことは顧問社労士に都度確認しながら、必死で業務を覚えていきました。

HELP YOUジョインのきっかけ

── 会社員のかたわら、HELP YOUにジョインしたのはなぜですか?

昨年の夏ごろから、副業を探し始めたのがきっかけです。会社でもリモートワークが増えてきて、自分の勤務形態も変わったことで、余白時間が生まれてきました。せっかくならその時間で、自分が培ってきたスキルを活かしたいと思ったんです。

それまで「業務委託でバックオフィスを担う」という形態を知らなかったのですが、調べてみると、経理や労務は「少なくとも月1回は出社が必要」という条件が多い中、HELP YOUではフルリモート対応が可能だと知り、すぐに応募しました。

1社でしか実務経験がなく、自分のスキルが他社でも通用するのか不安はありました。ただ、エントリーしてみないとわからない、まずは挑戦してみようと思いました

他社の労務を担当してみて、実際どうだった?

業務効率化を追求する岩本さんのワークスペース

HELP YOUでの働き方

── 現在は「経理ユニット(※2)」のメンバーとして活躍中の岩本さんですが、チーム内ではどのように動いていますか?

クライアント1社に対し3人のチーム制で業務にあたっています。私が所属するチームでは、経理・労務どちらの経験も持つメンバーが揃っているため、担当を分けることなく3人全員が同じ業務をできる体制です。

私は夕方以降に稼働しているため(※3)、日中は他の2人がメインで担当し、残ったタスクを夕方から引き継いでいます。本業が16時頃に終わるので、そこから約2〜3時間、HELP YOUでの業務に対応しています。

チームの中では、私は後からジョインしたメンバーではありますが、わからないことも聞きやすく、業務の相談もしやすい雰囲気です。一人で抱え込まずに業務を進めることができるので、とても心強いですね。

(※2) 経理・労務業務に特化したHELP YOUの専門組織。クライアントの要望に応じて1名専属またはチーム制で対応します。経理・労務どちらか一方の経験のみでも応募可能です。
(※3) 2026年5月時点では、日中稼働可能な方を募集しています。

── 完全リモートワークのHELP YOUで仕事を始めて、ギャップを感じることはありましたか?

業務委託を請けることは初めてだったので、どういう感じか想像できない部分はありました。一方で、リモートワーク自体は会社で経験していたこともあり、実際に始めてみると抵抗なくスムーズに進められました。

── 大きなギャップはなかったのですね。リモートワークに苦手意識を持つ方もいらっしゃいますが、岩本さん自身は向いていると感じますか?

業務効率という点では、会社にいるときより多少落ちる感覚はあるかもしれません。ただ、帰宅後も仕事のことが気になりがちな性格なので、家にいながら不安な点をサッと確認できる環境は自分に合っていると感じます 。パソコンとネット環境さえあればどこでも仕事ができるのは、大きな魅力です。

自社の労務と他社案件の違い

── 会社員として自社の労務を担当しながら、副業で他社の労務を担っている岩本さんですが、両者に違いはありますか?

自社の社員であれば日ごろから状況を把握しやすいのですが、クライアント企業の社員だとそうはいきません。「この社員さんは休みがちだな」「有休が消化できていないから注意が必要だな」といった背景が見えづらいため、台帳を確認しながら進める必要があります。思い込みで処理してしまうと後から問題になることもあるので、確認は欠かせません。

── 複数のクライアントを掛け持ちする感覚はどうですか?

現在2社を担当していますが、会社によってルールや使用するソフトが異なるため、始めの数ヶ月は 「これはどちらの企業のルールだったか」と迷い、手が止まることも多くありました。その都度確認しながら業務を進めるため、どうしても時間がかかりがちでした。

しかし、慣れてくるとそこまで苦労は感じなくなりました。むしろ会社ごとの管理方法の違いに触れることで、「こういうやり方もあるんだ」という発見が増えていきました。 その度に自分の知識が積み重なっていく実感があり、面白さを感じます。今はとても楽しく働くことができています。

この経験が、フリーランス労務に活きる!

求められる実務スキルと経験年数

── HELP YOUの「労務サポートスタッフ」の募集要項には7つの実務経験(※4)が挙げられていますが、この中で岩本さんが一番重視するスキルはどれですか?

最も重要なのはExcelです。担当する企業にもよりますが、勤怠システムが整っていない場合は、Excelで勤務時間や給与単価などを管理することが多いです。よく使う関数も決まっているので、そういった知識があると非常に役立ちます。マクロは必須ではありませんが、組むことができると業務がさらにスムーズになりますね。

雇用保険や社会保険の手続きはオンラインでも対応できますが、ExcelやPDFといった従来の様式が残っている場面もまだ多いです。と言う私自身も、紙ベースでの申請の方が慣れています。

(※4) 労務サポートスタッフ応募にあたっての必須経験
①入社・退職手続き(社会保険資格)
②雇用保険資格取得/喪失
③年1回の扶養調査含む(年末調整の知識があれば可)
④社会保険料随時改定(月額変更)
⑤育児休業対応/介護休業の対応
⑥高年齢雇用保険に関する手続き
⑦Excel

── 岩本さんはすでに15年の経験がありますが、体感として何年くらいの実務経験があればフリーランス労務として活躍できそうですか?

これまでの経験業務にもよりますが、2〜3年程度の実務経験があれば、特段困ることはないように思います。他社の業務を担う以上、責任も大きく、知識が不十分なまま担当するとトラブルになる可能性もあります。一定の実務経験を積んでから挑戦するほうが、自信を持って業務に臨めるのではないでしょうか。

── 経験年数は、実務をこなせるかどうかだけでなく、自分自身が自信を持って臨むための目安でもあるんですね。とはいえ、大規模な会社では分業も多く、経験しない業務もあるのではないでしょうか?

そうですね。周囲の話を聞いていると、労務だけ、経理だけというように部署ではっきり分かれていて、担当領域以外には関わらないケースも多いようです。私の場合は中小企業だったからこそ、領域の隔てなく幅広く担当しなければならず、結果的にそれがスキルの幅につながったのかなと思います。

フリーランス労務として活躍するための3つのポイント

できないことを正直に伝える

── すべての領域をまんべんなく経験していないと、フリーランス労務は難しいでしょうか?

私自身も一部業務を顧問社労士に依頼していたため、知識はあっても実務経験がないケースは当然あります。だからこそ、自分が担当可能な領域を明確にしておくことが大切だと思います。できることと、できないことをきちんと整理し、自分の実力に見合った適切な案件を引き受けることが重要です。

応募時にはどうしても、アピールポイントを多く見せたいという心理が働きがちです。しかし、「本当は対応できない分野なのに案件を引き受けてしまった」など、後からミスマッチが生じるとお互いに損ですよね。できないことは恥ずかしいことだと思わずに正しく伝えることが、長く活躍するために大切だと思います。

わからないことを放置しない

── 労務分野は法改正も頻繁にありますが、どのように対応されていますか?

まずは、情報収集ですね。基本的にはインターネットで調べますが、読み解くのが難しく、理解に時間がかかることもあります。自分で嚙み砕けない部分は、労働局や労働基準監督署に直接問い合わせたり、顧問社労士に確認したりしています。

この分野は常に最新情報を把握しておく必要があります。会社員であれば上司や同僚に確認できる場面も、フリーランスは個人で責任を持って対応することが求められます。労務は業務の幅が広いため、未知の事例に直面することも多いです。わからないことをそのままにせず、自ら積極的に情報収集し、学び続ける姿勢が欠かせないと思います。

細かな確認を怠らない

── わからないことを調べる姿勢に加えて、他に意識していることはありますか?

この仕事は「知らなかった」では済まされない領域です。フリーランスとして他社の労務を担う場合、自社内だけで完結していた頃よりも「確認する姿勢」がより重要になります。

思い込みで作業を進めたり、曖昧なまま放置してしまうと、会社が罰則を受けるなど大きな問題に発展することもあり得ます。だからこそ、コツコツと確認作業を抵抗なく積み重ねられる人が向いていると思います。実務スキルに加え、常に学び続けることを怠らず、慎重に対応できる人は、フリーランス労務としても活躍できるはずです。

まとめ

スキマ時間を有効活用して、自分のスキルをもっと活かしたい。そんな動機からHELP YOUにジョインした岩本さんは、「経験を積んでおいて損はない。だから未来の自分のために、新しい世界に一歩踏み出すことが大切」だと話してくれました。

確認を怠らない姿勢や、できることとできないことを明確にする誠実さ。取材を通じて感じたのは、そういったコツコツとした積み重ねが、業務委託として働くうえでの信頼につながっていくということでした。

これまでの労務・経理の実務経験を活かして、さらにステップアップしたい。そんな方にとって、クライアント企業の労務・経理業務を専門的に支援するHELP YOUの「経理ユニット」は新しいキャリアの選択肢になるかもしれません。興味のある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

▶︎ 労務・経理経験を活かしてリモートワークをはじめる

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