コードから文字へ──元プログラマーが挑む、未経験からのライティング くらしと仕事

コードから文字へ──元プログラマーが挑む、未経験からのライティング

プログラミングのコードを書くことに慣れ親しんでいた私が、いつしか「文字」で誰かに何かを伝える仕事に挑戦するようになりました。エンジニアからライターへ。実際に飛び込んでみると意外な共通点や新たな発見がありました。

今回は、セルフインタビュー(自分で自分に質問をして答える形式)で、未経験からライティングの世界に足を踏み入れた経緯や感じたこと、そして今後の想いについてお話しします。

ライター

Mura
1児の母。システムエンジニア、事務職を経て専業主婦となる。
家族みんなが心身ともに健康でいられる働き方を求めて、HELP YOUにジョイン。
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「私にできるのか?」不安からの一歩

──なぜ、ライティングに挑戦しようと思いましたか?

実は、ライティングを始めた理由はとても現実的なものでした。
正直に言うと、他に仕事がなかったからです

フリーランスになったものの、自分にできそうな案件がなかったり、なかなか案件が取れない日々が続いていました。そんな時、オンラインアウトソーシング(※1)「HELP YOU」のオウンドメディア「くらしと仕事」で、未経験からライターを始められることを知りました(※ライティングの募集状況は時期によって異なります)。「文章を書く仕事なんて、私にできるのかな」と思いながらも、思い切って飛び込んでみることにしたのです。

(※1)オンラインアウトソーシングとは、在宅でインターネットを活用し業務サポートを行うサービス

──不安はなかったですか?

とても不安でした
「くらしと仕事」の記事は、どれも丁寧に作られていて読み応えがあり、「私にここまでのクオリティのものが書けるのか?」と。 実際に「やりたいです」と挙手するまでに、1週間くらい悩んだほどです。

そんな時、ふと心に浮かんだのは、ある歌手の挑戦する姿でした。30代になってから全く違う分野、それまでとは正反対とも言えるような厳しい世界に挑戦し、見事に結果を出した姿を見て、「新しい挑戦に、遅いってことはないんだ。何歳になっても挑戦して良いんだ」と感じたのです。

また、その方が書く歌詞は、いつも等身大で想いがこもっていて、まっすぐ心に届くものばかりで、「私も何かを誰かに届けられたら」という思いもずっと胸の奥にありました。

「もしかしたら、これが新しい挑戦のチャンスかもしれない」 そう思えたので、思い切って一歩を踏み出しました。

難しいけれど、面白い。初めての執筆体験

初めての校正(赤文字が校正箇所)

──実際にライティングを始めて、どう感じましたか?

初めての記事執筆は、思っていたより時間がかかりました。どういった構成が読み手に伝わりやすいのか、自分が本当に伝えたいことは何なのか。ただ文字を並べれば良いわけではないので、難しさを感じました。

でも、その難しさこそが面白さでもありました。ひとつひとつの言葉を選んで、読み手のことを考えながら組み立てていく作業は、プログラミングとはまた違った創造性を感じさせてくれたのです。

──初めて校正を受けたときはいかがでしたか?

校正された原稿を見る前は、とてもドキドキしました。楽しみが3割、不安が7割といった感じです。

実際に見てみると、想像していた以上に多くの修正点があり、「こんなに直すところがあったのか」と、正直驚きました。

──落ち込みませんでしたか?

最初はちょっとだけ。

でも、修正された文章を一つひとつ読んでいくうちに、気持ちが変わってきました。 「なるほど、こう表現すればもっと分かりやすくなるのか!」 「この順番で書けば、読み手にとって親切だ!」

修正の一つひとつが、新しい発見で、指摘された箇所の数だけ、新しいことを学ばせてもらえたのだと気づきました。

それに、修正点だけでなく、良かった部分もたくさん伝えていただいて。それがすごく嬉しかったし、励みになりました。

──初めて記事が公開されたときの気持ちは?

嬉しかったし、大きな達成感がありました。 「自分の記事が実際に掲載されている!」という驚きと喜びが入り混じった気持ちです。
そして何より「また書きたい」と強く思いました。

エンジニア経験が活きた意外な共通点

──プログラマー時代の経験で、ライティングに活かされたことはありますか?

実は、プログラマーの仕事はコードを書くことだけではありません。 システムの仕様書やマニュアル、提案書といった資料作成も重要な業務のひとつです。そういった資料を作る時に、見やすくて伝わりやすい文書を心がけていた経験が、今のライティングに活きているのかなと思います。

また、システムのエラーメッセージも、短い文章で状況を正確に伝える必要があります。 今振り返ると、全く違う業種のように見えて「分かりやすく、伝わりやすいものを作る」という本質的な部分は同じだった、と気づきました。

──他にもプログラマー時代の習慣や考え方が出た場面はありますか?

「実録!ChatGPTの献立提案は夏休みの救世主になるのか」という記事を執筆した時に、「エンジニア時代の思考パターンが役立ったな」と思ったことがありました。

タイトルの通り、ChatGPTに提案してもらった献立で実際に料理を作って検証したのですが、その進め方が完全にシステムテストのアプローチと同じだったのです。最初に条件を決めて、まずは1日分の献立で試し、成功したら3日分に広げてみる、というように。

システムのテストでも、条件を決めてから、まずは1件のデータで動作確認、そして徐々に件数を増やしてテストします。こういう場面で、元プログラマーとしての考え方が自然と出ていたんだなと感じました。

実録!ChatGPTの献立提案は夏休みの救世主になるのか

「伝える」から「届ける」へ──先輩ライターから学んだ視点

──「くらしと仕事」には多くのライターさんが在籍していますが、他のライターさんから学んだことはありますか?

たくさんありますが、ライティングの仕事を始めて一番驚いたのは、同じことを伝える場合でも、人によって表現が全然違うことでした。

一つの内容でも、切り口や言葉の選び方を変えるだけで全く違う印象になる。自分にはなかった視点や引き出しが、人の数だけあって、本当に勉強になりました。

どの表現が正解というわけではなく、それぞれに良さがある。だからこそ「自分らしい表現って何だろう?」ということも考えるようになりました。

──先輩ライターさんの姿勢で、特に「すごい」と感じたことはありますか?

私はこれまで、「分かりやすくて伝わりやすいものを作る」ことで満足していたと思います。

でも、記事というのは、誰かに読んでもらえなければ、どれだけ良いものを書いても意味がない。先輩ライターさんたちは、「この記事に出会ってくれる人を増やすためには何が必要か?」まで考えて執筆されていました。

具体的には、季節を意識した記事作りです。夏休み前に夏休み向けの記事を準備したり、台風シーズン前に防災関連の記事を出したり。読者が「まさに今、これを知りたかった!」というタイミングで記事を届ける戦略的な視点に驚きました。

それから、同じ内容を伝える場合でも言葉選びがとても丁寧です。例えば「フリーランス」と「個人事業主」、「リモートワーク」と「在宅勤務」など、同じ意味でもより検索されやすい言葉を選んで使い分けているなと感じました。

「良い文章を書く」だけでは足りない。「より多くの人に届ける」ことまで考えて初めて、記事が完成するんだ、と。

この視点は、私にとって大きな気づきでした。

想いを込めた文章を──これからのライティング

──これからもライティングを続けたいですか?

もちろんです!

はじめはすごく不安でしたが、今は本当に楽しく執筆できています。書くことは難しいけれど、その難しさこそが楽しいということに気づいたので。

──ライティングを通じて、どんな文章を届けたいと思っていますか?

書く技術ももちろん必要ですが、うまい文章を書きたいというより、想いが込もった文章を書ける人になりたいと思っています。読んでくださる方に何かを感じてもらえるような、心に残る文章を書いていきたいです。

また、これからはAIをどう上手く使うかという時代だと思うので、プログラマー時代の経験を活かして、AIツールの実践的な活用法についても書いてみたいと思っています。ChatGPTでの献立提案の記事のように、実際に試して検証するスタイルで、「本当に使える」AI活用術をお伝えできれば良いなと思っています。

まとめ

エンジニアからライターへ。最初は不安だらけでしたが、今では本当に挑戦して良かったと思っています。異業種での経験も思わぬ形で活かされることがあり、「遅すぎる」ということはないのだと実感しました。

もし今、新しい分野への挑戦を迷っている方がいるなら、ぜひ一歩を踏み出してみてください。きっと、想像もしなかった発見が待っています。

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