
実録!ChatGPTの献立提案は夏休みの救世主になるのか
夏休みは、子どもたちにとって楽しい季節。
一方で、ワーママ・ワーパパにとっては「ごはん作りの負担が増える」時期でもあります。
「毎日の献立を考えるだけで疲れる」「時短で栄養バランスも取りたい」という悩みを解決するため、OpenAI社が提供するチャット形式の生成AI「ChatGPT」に「簡単で栄養満点な献立作成」を依頼してみました。
本記事では、リアルなやりとりや実際に作った感想、上手に活用するコツを紹介します。
「夏休み中の食事作りを少しでもラクにしたい」と思っている方に、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
目次
ライター
これだけは最初に決めました:献立作りのルール
ChatGPTに献立作成を依頼するにあたって、あらかじめいくつかのルールを設定しました。
▼基本ルール
・4人分の分量で考える
・昼食は「時短重視(できれば10分以内)」
・夕食は「簡単め」でOK(昼ほど時短にこだわらない)
・昼も夜も、タンパク質と野菜をしっかり摂れる献立にする
▼レシピに関する希望
・調味料の分量は、大さじ・小さじ単位でできるだけ詳しく記載する
・子どもが食べるため、辛くない味付けにする
これらの条件をもとに、実際に献立を提案してもらいました。
まずは1食分だけ献立を依頼してみた

合い挽き肉と野菜の照り焼き丼 と 青梗菜のソテー
今回は、冷蔵庫・冷凍庫の写真をもとに献立を考えてもらう形でスタート。
提案されたメニューは、「合い挽き肉と野菜の照り焼き丼」と「青梗菜(チンゲンサイ)のソテー」の組み合わせでした。
食材の認識についても、ほぼ正確。
(※きゅうりとズッキーニを間違えるといった小さなミスはありましたが、全体的に問題ありませんでした。)
やりとりはわずか1分程度で完了。非常にスムーズにメニューが決まりました。
好みに合わせて味変OK!実際に作ってわかった使い方
合い挽き肉の照り焼き丼は、調理開始からおよそ15分で完成。
わが家は「野菜はしっかり火を通す派」なので炒め時間はやや長めでしたが、あらかじめレンジで下茹でしておけば、実質10分程度で作れそうです。
調理中に味見をしたところ、やや薄味に感じたため、その旨をChatGPTにフィードバック。
すぐに追加すべき調味料の種類と分量を具体的に提案してもらえました。
(※なお、提案レシピよりも野菜を多めに使用した影響も考えられます。)
青梗菜のソテーは、レンジ調理で約3分。短時間で手軽に一品完成しました。
3日分の昼・夜献立を依頼してみた
1食分の献立作成でうまくいった成功体験を踏まえて、次は本格的に3日分の昼食と夕食の献立をChatGPTに依頼してみました。ここでは、実際のやりとりと、料理を作ってみた感想をご紹介します。
3日分の献立相談で最初に感じたつまずきと発見
相談を始めて、最初に気になったのは、複雑な依頼になると返答に時間がかかること(約5分程度)。レシートの写真をもとに献立を依頼したところ、「この食材、使いすぎて足りなくなるのでは?」という食材がいくつかありました。
そこで、ChatGPTに「冷蔵庫の写真での依頼の方が得意なのか」を尋ねたところ、こんな興味深い回答が返ってきました。
冷蔵庫の中身の写真のほうが、レシートより得意! ただ、「正確な量(例えば小松菜何グラム、にんじん何本)」みたいな細かいところまでは完全には読み取れないことが多い。「ざっくりこれくらいあるな」「この種類が1個ずつなのか、まとめてたくさんあるのか」「すぐ使うべき傷みかけ食材がないか」みたいな「感覚的な在庫把握」なら、冷蔵庫の写真を見たほうがずっと自然にできる。
一方で、いくつか課題も見えてきました。
- 似たような味付けのレシピが続くことがある(塩和えが連続するなど)
- 同じ食材が昼も夜も登場する(昼も鶏肉、夜も鶏肉など)
- やりとりを重ねて修正していくと、指摘した修正箇所は直るものの、他との整合性が取れなくなることがある(修正したことによって足りなくなる食材がある等)
約10分のやりとりを経て、3日分の昼・夜の献立が完成しました。
献立を形にする:ChatGPTとの対話から実際の食卓まで
ChatGPTと一緒に考えた献立をもとに調理しましたが、レシピ通りにそのまま作るのではなく、調理前に少し手を加えました。例えば、直前に食材を追加したり、昼に作ったメニューをアレンジして夜ごはんに活用したり。柔軟に試した過程と、ChatGPTとのやりとりのなかで生じた行き違いや、その対策についてまとめてみました。

豚こま塩丼ぶり/メバル煮付け、ズッキーニソテー、大根の煮物、じゃがいも塩昆布和え
1日目 昼:豚こま塩丼ぶり
◆ 実際にかかった調理時間:15分
◆ 調理前の変更点・アレンジ
・提案されていたレシピに「白菜を追加」
◆ 感想
ChatGPTに「白菜を追加したい」と相談すると、すぐにそれを反映したレシピに変更してくれました。さらに、「他の献立に影響が出ない範囲で使いたい」と伝えると、全体の使用予定量をふまえて、今回使える分量を教えてくれました。
レシピそのままの味付けで、美味しく簡単に完成しました。
1日目 夜:メバル煮付け、ズッキーニソテー、大根の煮物、じゃがいも塩昆布和え
◆ 実際にかかった調理時間:30分
◆ 調理前の変更点・アレンジ
・鯖の味噌煮からメバルの煮付けへとメインを変更
・別日に予定されていた「じゃがいも塩昆布和え」をこの日に前倒しで調理(じゃがいもが傷みかけだったので)
◆ ChatGPTとの会話でつまずいたポイント
ChatGPTに「変更を含めた最新版の3日間の献立を出して」と依頼すると、変更した箇所は正しく更新されていたものの、その他の箇所で、一度決定した3日間の献立とは異なる献立が出てきました。
この点についてChatGPTに尋ねたところ、以下のような回答がありました。
正直に言うと、やりとりが長くなって、修正や変更がたくさん入ると、前に話したレシピや案がちょっと混ざっちゃうことは、どうしても起こりやすい。「これを最新版として固定して」「それ以前の案は使わない」って指示してもらえたら、ちゃんとそれを最優先にすることはできる!
◆ 感想
調理はすべてレンジ。火を使わないので、暑い夏にはレンジ料理が強い味方だと実感しました。

味噌ラーメン/鶏モモとブロッコリーの甘辛、コールスロー、大根の煮物(残り物)
2日目昼:味噌ラーメン
◆ 実際にかかった調理時間:10分
◆ 調理前の変更点・アレンジ
・前日に余った「ジャガイモ塩昆布バター」をラーメンに合う副菜にリメイクするよう依頼。(ChatGPTのリメイク能力を試すため)
◆ 感想
「ChatGPTのリメイク力、その実力はどれほどのものか?」とワクワクしながら相談しました。結果、サラダとしてリメイクする提案をしてくれました。味噌ラーメンのさっぱりした副菜として最適だと感じ、このアイデアを採用。ラーメンもサラダも美味しかったです。
2日目夜:鶏モモとブロッコリーの甘辛、コールスロー、大根の煮物(残り物)
◆ 実際にかかった調理時間:20分
◆ ChatGPTとの会話でつまずいたポイント
「2日目夜のレシピ出して!」とお願いしたところ、「これが決定版」と伝えたにもかかわらず、またしても決定した献立と異なる献立を提案されました。
そこで、やりとりが長くなる場合は、別トークにした方が良いのかChatGPTに尋ねたところ、以下のような回答がありました。
別トークにするメリットは、新しい献立だけに集中できることと、過去のやりとりと混同せずスムーズに進むこと!
一方でデメリットもあり、初期ルール(何人分で作るか等)を最初からまた伝える必要があるため、少しだけ準備に手間がかかる。
とはいえ、今、やりとりしているトークで、「引き継ぎメモを作成して」と頼めば、今まで決めたルールをまとめたメモを作成することはできる!
◆ 感想
時短のポイントは、昼ご飯と夜ご飯に共通する食材を取り入れ、下準備をまとめて済ませること。2日目の場合、昼ご飯の味噌ラーメンと、夜ご飯のコールスローには共通の具材を使用しました。昼にまとめて下準備をしたため、夜ご飯の副菜は味をととのえるだけで完成。支度がぐっと楽になりました。
ChatGPTに「下準備が共通している献立にして欲しい」と依頼すると、いくつか献立案を出してくれたので、料理の時間や手間を短縮する力強い味方だと感じました。

ささみと野菜の卵とじうどん/豚バラと野菜の生姜焼き、ラタトゥイユ、小松菜のしらす和え
3日目昼:ささみと野菜の卵とじうどん
◆ 実際にかかった調理時間:10分
◆ 感想
すべてレンジ調理で完成。美味しく簡単にできて大満足でした。
3日目夜:豚バラと野菜の生姜焼き、ラタトゥイユ、小松菜のしらす和え
◆ 実際にかかった調理時間:40分
◆ 感想
ラタトゥイユは多めに調理しました。ChatGPTに、明日のお昼ご飯にラタトゥイユをリメイクできるか尋ねたところ、3案ほどリメイク案をだしてくれました(リゾットやパスタへのリメイク)。実際に調理はしていませんが、リメイクの提案は得意だと感じました。
実践を通してわかった!うまく献立を作成してもらうコツ
以下に、実際の使用経験から見えてきた効率的な献立作成のポイントをまとめました。
- 最初に基本ルールを決めておく
- 食材のチェックは、レシートの写真より冷蔵庫・冷凍庫の写真が効果的(感覚的な食材把握が得意)
- 1日分または1食分ずつの依頼がスピーディーかつスムーズ
- 複数日分の献立を作る際は、献立の決定時に「この献立を最新版として決定」と明確に伝える
- それでもうまくいかない場合は、新トークに移行し、ルール引き継ぎメモを活用
- 残り物リメイクや、冷凍食品アレンジ、子どもと一緒に作れるメニューなど、アイデア相談も有効
まとめ
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