1日5時間稼働の在宅ワークで叶えたキャリアチェンジ 〜最大の動機は子どもへの投資〜 くらしと仕事

1日5時間稼働の在宅ワークで叶えたキャリアチェンジ 〜最大の動機は子どもへの投資〜

「私の今の一番の生きがいは、子どもへの投資なんです(笑)」と、さらりと、けれども力強く断言する山下ひろみさん。オンラインアウトソーシング(※1)「HELP YOU」で実務を担うスタッフとして約2年間働いた後、2024年1月にディレクター職(※2)へのキャリアチェンジを実現。

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ディレクターとして働き始めてから約1年半、現在の山下さんのディレクションスタイル、今後目指す自身の理想の姿、そして「子どもへの投資」というモチベーションについて、お話を聞きました!

※1 オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス
※2 クライアントと実務担当スタッフをつなぎ、案件の最終責任者としてプロジェクト全体を管理する役割

▶︎思い描いたキャリアチェンジを実現した在宅ワーママが多数!HELP YOU

インタビュイー

山下ひろみさん
正看護師免許、保健師資格を持つ元公務員。妊娠・出産を機に前職を退職し、育児に専念することに。2021年8月にスタッフとしてHELP YOUにジョイン。未経験の分野を含めたさまざまな業務に挑戦し実績を重ね、2024年1月ディレクターに転向。育児をしながら新たなキャリアを更新し続ける。

ライター

Boo
エジプト在住、2人の未就学児ママ。編集プロダクション、大手出版会社、IT会社にて約10年間の編集・ライティング経験を経て、フリーランスに。2024年からはWEBデザイナー・コーダーとしても活動中。好きなことは食べること・飲むこと。家族や友人と食卓を囲むときに、最大の幸せを感じます。→執筆記事一覧

ディレクターになったからこそ見えた世界とは?

山下さんが普段、HELP YOUの業務に取り組んでいる自宅の仕事場。デスクトップの背景には、やる気の源となる娘さんの可愛らしい笑顔の写真。

──ずばり、ディレクターとしての1年半、どんな期間でしたか?

理想のライフスタイルを実現するために、とにかく走り続けた1年半だった気がします。「5歳の娘と過ごす親子タイムは絶対に確保!でもちゃんと仕事でも成果を出したい!」っていう、自分の中にある「理想のライフワークバランス」を試行錯誤しながら追い求めてきた感じです。

──育児と仕事が、文字通り両輪となって山下さんの生活に彩りを添えているんですね! ちなみに、ディレクターになってから気持ちの変化はありましたか?

スタッフ時代は、割と孤独を感じていました。スタッフ同士で楽しく交流しているメンバーももちろんいると思いますが、私の場合、個人的な話題にどこまで触れていいのか分からず、なかなか横のつながりを広げることができませんでした。自分のタスクを黙々とこなすことが多かったなと思います。

それがディレクターになると、ディレクター同士の情報交換や、カスタマーサクセス(※3)に相談する機会が結構あるんですよ。そういう「人とのつながり」を感じながら、よりダイナミックにクライアントワークを進めていきます。

常に内部の人間とアクティブにつながっていることが日々の刺激になっていますし、仕事をする上で大きなモチベーションの一つとなっています。

※3 既存のクライアントの満足度を最大化する役割を担うポジション

──なるほど、ディレクターになることで、新たな人間関係が開かれたんですね。その変化は、仕事にも影響していますか?

ディレクターになったことで、「HELP YOUが提案できるサービス」に対する理解が圧倒的に深まりました。例えば、ある業務の相談を受けた時に「この内容だったら、あの人に聞けばもっといい提案ができそう」とか、「あの部署に相談すれば、こんな連携ができるんじゃないか」という考えを持てるようになりました。

HELP YOUという組織を理解しているからこそ動ける、機動力がついてきたという感じでしょうか。

──連携しながら仕事をするって、とっても楽しそうです!

ありがたいことに、私は早い段階でBPOセンター(※4)と連携する機会に恵まれました。 以前は、HELP YOUのサービスで対応できないことは「できません」と言うしかなかったんですが、今では「BPOセンターと連携すれば対応可能じゃないか?」とカスタマーサクセスに相談することで解決できる案件も増えてきています。

ディレクターになったことで、一見難しそうな案件も「どうすればできるかな?」という思考で考えられるようになったんですよね。

スタッフ時代には経験できなかった他部署との「連携」を通して、巻き込み力や判断力、クライアントへの提案力も身についてきたと実感しています。 HELP YOUのチームサービスという枠を超えて、どんな業務が提供できるのかを考えられるようになったことで、視野がぐっと広がりました。

※4 アウトソーシングサービスの一形態で、HELP YOU内でオフライン作業を対応する部門

「期待値を適切に維持する力」を伸ばしてきたディレクションスタイル

──山下さんのディレクション方法を、ぜひ教えていただきたいです。まず、現時点で何案件担当されていますか?

2025年5月時点で、12案件です。 そのうち、アドミンさん(※5)をつけているのは最近始めた2案件。あとの10案件に関しては、スタッフさんがご自身で業務の依頼を受けたり完了報告を行ったりしているものもありますが、基本的には進行管理から品質チェックまで、私が目を通すようにしています。

※5 ディレクターに代わって、プロジェクトの進行管理を担うポジション

──10案件のディレクションをおひとりで…!?

そうですね。 実はアドミンさんを見つけるのってなかなか楽なことではなくって。 私がアドミンさんに求めていることって、例えば「連絡をこまめに見てくれる」とか、「クライアントとのやり取りで不安がない」といった内容なのですが、スタッフさんの場合、納品物に対して報酬が発生する仕組みのため、形に残りづらい「つなぎ」の役割をあえて担いたいと希望される方は、あまり多くない印象です。

これまでなかなか理想のパートナーに出会えなかったのですが、最近たまたま「この人にぜひお願いしてみたい」と思える方と出会えて! アドミンとしての仕事をお願いし始めたところです。

でも、やっぱりそういうスタッフさんって引く手あまたで、他のディレクターと取り合いになっている感じもありますね(笑)。

──アドミンとなるスタッフとの出会いも、きっとご縁ですよね。では、アドミンのいない残りの10案件、どうやって回しているんでしょうか?

ディレクションするうえで常に意識しているのは「クライアントの期待値を適切なレベルに維持する」ということです。これはOJTや先輩ディレクターたちからもよく言われていたことで、要は「クライアントが求めていない、独りよがりな”おもてなし”をしない」ということなんですよね。

私自身、ディレクターになりたての頃は「納品物は完璧以上に仕上げたい!」とか「クライアントの期待には全力で応えたい」という気持ちが強くて。期待値を超えた品質をキープするために、打刻外で納品前チェックをしたこともありました。その結果、自分の首を締めてしまっていたことも。

例えば、日報の転記作業の案件。最初の頃は、一つのミスも許さないつもりで完璧を目指し、納品前のチェックに1時間以上かけていました。ところが後のやり取りで、クライアントはそこまでの精度を求めていなかったことがわかったんです。例えば、1〜2箇所のミスがあったとしても許容範囲内であり、過剰なチェックは不要とのことでした。

その結果、2週目からは1時間以上かかっていた納品チェックの時間を大幅に削減することができたんです。品質管理のラインをクライアントと共有し、期待値とのバランスを取る。これが、複数案件を回していく上ですごく大事だと実感しました。

オン・オフを明確にした時間管理で公私共に充実!

家族で出かけた際の楽しいひとコマ。子どもと過ごす時間をとても大切にしているという山下さん。

──山下さん自身で進行管理をしている案件が多いとのことですが、稼働時間や1日のスケジュールって、どうなっているんでしょうか?(きっと過労働なのでは…!?)

1日のスケジュールは、だいぶ理想の形に近づいています。稼働時間は、娘が幼稚園に出かけた後、だいたい8時半からスタート。それからお昼ご飯を挟んで、午後2時くらいに娘が帰りのバスで戻ってくるので、そのタイミングで仕事を切り上げるようにしています。

なので、1日の基本的な稼働時間は5時間くらいですね。娘が帰ってきたあとは、完全に親子タイムです。

──え、1日の稼働って5時間だけなんですか!?

そうですね。ちなみに仕事の合間に洗濯物を干すのも日課です。幼稚園児の洗濯物の量、ものすごいんですよ…。ちなみにご飯の準備は夫がしてくれることが多いので、とても助かっています。掃除もだいたい夫がやってくれていますね。

──私も2歳と4歳の子どもがいるので、洗濯物の量には共感しかありません…それにしても、何だか夢のような生活ですね!

スタッフとして働いていた頃は、娘もまだ自宅保育中でしたし、夫もシフト制で夜勤があり、生活リズムが不規則になりがちでした。そのときは、隙間時間を見つけてはちょこちょこ働くというスタイルで、1日のスケジュールも日によってかなり変動していました。

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娘が幼稚園に通い出したタイミングでディレクターとして働き始めたんですが、その頃から、仕事は「朝8時半から2時まで」と固定できています。仕事時間にはしっかり集中して取り組み、プライベートタイムには仕事を持ち込まないという、時間割のオン・オフがしっかりできている感じです。

働く最大のモチベーションは、子どもへの投資!?

バレエ教室に通う娘さんの発表会の日。ステージで立派に踊る姿に胸が熱くなる瞬間も。

──まさにライフワークバランスが取れているイメージです。ところで冒頭で、「今の一番の生きがいは子どもへの投資」と断言されていたのですが…?

そうなんです(笑)。今の私の生活において、一番の生きがいは子どもへの投資なんです。投資っていうのは、お金だけじゃなくて時間も含めて、という意味で。子どもへの投資を増やすために働いていると言っても過言じゃないくらいです。

娘は今幼稚園生で、週1でゆる~くバレエレッスンに通っているんですけど、もし娘が本気で「続けたい!」と言い出したら、レッスン代も衣装代もどんどんかかってくるんですよ。

先輩のママから聞いた話だと、コンクールとか発表会、3カ月に1回のペースで訪れるトゥシューズの購入とか…トゥシューズは1足1万円くらいするのに、コンクール前になると1カ月に1回買い替えることもあるらしくって。 中学生くらいになると、年間40万円くらいは軽くかかると聞いて、もうびっくりです。

──それは確かに、心してかかりたい金額ですね…!

でも、経済的な理由で「やめてね」って言いたくないんです。娘が「これやりたい!」って思ったことは、できるだけ応援してあげたい。バレエじゃなくても、将来何か他のことを見つけるかもしれないですしね。

そのときに、お金がないからという理由で子どもの可能性を止めたくない。なので「収入はあればあるだけいい」という気持ちで働いています。

さらに新しい世界へ!ディレクターとしてのキャリアパス

──「収入はあればあるだけ」という意味では、どこまで案件を担当できるかという自分への挑戦にもなるかと思うのですが、目下の山下さんの目標について教えてください。

今一番意識していることは「時間単価を上げる」ことです。1日に約5時間の稼働として、私の場合土日も関係なく働いているので、月でいうと140時間くらいの稼働になります。

そのうち実際に作業として打刻しているのが約100時間。 残りの40時間は、スタッフさんとのコミュニケーションだったり、クライアントとのちょっとした連絡だったり、いわゆる「名もなき稼働」と呼ばれているものです。

さらに、打刻している100時間のうち約半分の50時間は、ディレクターとしてのチェック業務というよりは、スタッフさんも対応可能な業務、いわゆるスタッフ稼働なんです。

このスタッフ稼働している50時間をうまく手放すことができれば、もっとディレクターとしての専門性を高めたり、新しい案件にチャレンジしたりといった時間を生めると思っているんですよね。1日5時間という稼働時間は変えず、稼働の質を変えることを意識して働いて、結果的に収入も上げていければと思っています。

──月の50時間を新たにディレクター業務に充てられると想像すると、何だかワクワクする未来が見えてきますね! それを実現するために、取り組んでいることはありますか?

具体的には、スタッフさんに業務を振り分けることや、私がいなくてもスタッフさんだけで業務を完遂できるような体制をつくっていくことに注力しています。

ただスタッフさんに業務を振り分けるだけじゃなくて、日頃からスタッフさんの話に耳を傾けることも意識しています。個別の話や相談をいただくことも多く、「このスタッフさんが得意とするお仕事にはどんなことがありそうか」、「このスタッフさんが好きな業務って何だっけ?」ということを考えながら、適材適所を常に考えています。

──今回の記事を読んで「ディレクターに挑戦してみたい!」と思うスタッフもいると思うのですが、スタッフとして活動している皆さんへ、ディレクターへのキャリアチェンジを実現するアドバイスをお願いします。

まず「自分はどんなふうにお仕事をして、どんな生活を送りたいのか」ということを、一度しっかり考えてみるのが大切だと思っています。「私はこんなふうに生きていきたい」とか「こんなふうにお仕事がしたい」とか、そういう自分の軸となる理想を固めて、それを大切にしていってほしいなと思います。

良くも悪くも、どんなディレクションをするか、どんなディレクターになるかっていうのは、本当に自由なんです。もちろん、最低限これをしてくださいねっていうのはありますが、個人の裁量に任されている部分がすごく大きい。

リモートワークで業務委託という働き方だからこそだと思うんですが、自分の中に「こんなふうに仕事をしたい」という芯がないと、人と関わる機会が多い分、いろんな人に振り回されてしまう可能性があるんです。それこそ、板挟みになることも。

いろんな人からの意見を参考にしつつも、「じゃあ自分はどう考えて、何が最適解だと思うのか」という判断ができることが、ディレクターとして働くにはすごく大事だと実感しています。

まとめ

キャリアチェンジのカギは、「理想の生活や働き方を描くこと」から始まると教えてくれた山下さん。限られた時間でも成果を出す工夫や、人をどんどん巻き込んでいく姿勢で、ご自身もディレクターとして成長し続けています。

その先にあるのは、子どもの可能性を広げる未来と、自分らしいワークライフバランスの実現。「こんな生活がしたい」「こんなふうに働きたい」という理想の姿が思い浮かんだときこそ、キャリアを見直す絶好のタイミング! 仕事と生活におけるマイルストーンを設けて、理想に近づく新たな一歩、今こそ踏み出してみませんか?

▶︎思い描いたキャリアチェンジを実現した在宅ワーママが多数!HELP YOU

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