リモートワークでも次々にアイデアが生まれる企画チームのつくり方【HELP YOU Tips マーケ編】
コロナ禍でリモートワークが普及しつつありますが、職種によってはリモートワークに向いていないものもあります。その一つが「企画職」ではないでしょうか。一人で黙々とタスクをこなすのではなく、チームメンバー同士でディスカッションを行い、アイデアを煮詰める必要があります。しかし、リモートワークだと「アイデアが出にくい」「なかなか議論が活性化しない」と課題を感じている人もいるでしょう。そこで、約400名がフルリモートで働くHELP YOUのマーケティングを担うメンバーに、リモートワークでも成果を出せるチームのつくり方について聞きました。
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目次
ライター
アイデア創出の鍵はオンライン会議での「雑談タイム」
● メンバープロフィール
辻井:HELP YOUを運営する株式会社ニットの社員。大手消費財メーカーや海外の食品メーカーなどでマーケティングを経験し、2021年にニットへ入社。マーケティングチームをリードしている。
鈴木:複数社と契約を結ぶフリーランス。広告やSEOの知見を生かして各社で活躍中。2021年9月にジョイン。
森田:HELP YOUのディレクター。マーケティング・プロモーション会社で9年ほど販促企画営業を経験し、2019年にジョイン。マーケティングチーム内では、メルマガや資料ダウンロードの領域を担当。
伊藤:フリーランスライター兼Webディレクター。事務職を経験し、2017年にジョイン。HELP YOU認定プロフェッショナルライターとして活躍するほか、オウンドメディアのディレクションを担当。
● HELP YOUとは?
HELP YOUは株式会社ニットが提供するオンラインアウトソーシングサービスです。2015年にサービスの提供を開始して以降、フルリモートでの運営を貫いています。現在、33の国や地域でくらす約400名のフリーランスが、HELP YOU事業を支えるメンバーとしてリモートで活躍中です。
よく「何気ない会話からアイデアが生まれる」といいますが、リモートワークにおいては雑談をしづらいと感じる人もいるでしょう。オフィス勤務なら、会議の前後に立ち話をすることもできますが、リモートワークでは意識的に雑談の機会をつくる必要があります。
そこで、HELP YOUのマーケティングチーム(以下、マーケチーム)内で行っているのが「雑談タイム」です。
以前は、オンライン会議が始まってすぐに本題に入っていました。しかし、互いのパーソナルな部分を知らないまま仕事をすることに疑問を感じ、チームをリードする辻井の提案で始まりました。オンライン会議の冒頭の10〜15分を使って、業務とは全く関係のない近況を報告し合っているそうです。
辻井は「あえて『雑談しかしない』時間を設けることで、一人ひとりが意見を言いやすい関係をつくることを心がけています」と語りました。
辻井がジョインする以前より、マーケチームでフリーランスとして働いている森田・伊藤は、1年以上の付き合いがあるにもかかわらず互いの住む場所も知らなかったといいます。
伊藤は「以前は、会議中に意見交換をするシーンが少なかったように思います。誰かが話しているのを他のメンバーが黙って聞くイメージです。雑談タイムで会話のキャッチボールをすることにより、仕事の話をしている時にも双方向のコミュニケーションが生まれやすくなりました」と話しました。
2021年9月にフリーランスとしてジョインした鈴木も、元からいるメンバーのプライベートな一面を知る機会があることで、チームに溶け込みやすい雰囲気を感じたといいます。
オンライン会議で議論を活性化させる3つの方法
業務上のコミュニケーションの中でも確定事項などを共有する際には、チャットやメールを使ったテキストでのやりとりが有効です。一方で、ディスカッションが必要なシーンではオンライン会議が欠かせません。
しかし、画面越しだと発言をしにくいと感じる人も多く、なかなか議論が活性化しないのが課題です。HELP YOUのマーケチーム内でも、メンバーからの意見が出にくいことに、辻井は課題を感じていました。
では、自由闊達な議論を行うために、オンライン会議で意識すべきポイントは何でしょうか? HELP YOUのマーケチームでは、以下3つのことを大事にしています。
1つ目は、定期的に情報共有や意見交換の場を設けることです。マーケチームでは、週に1回オンラインで定例会を行っています。その際には、事前にアジェンダを作成し、各々が会議で話したい内容をまとめておくこともポイントです。
森田は「口頭なら1分で済む話でも、テキストだと時間がかかってしまうことってありますよね。かといって、都度オンライン会議を行うのは非効率です。定例会があると、細かな確認事項や相談事項を口頭でまとめて共有できるのでありがたいですね」と話しました。
2つ目は、オンライン会議中には、極力ミュート機能(※)を使わないことです。数十人が参加するような会議では、雑音を入れないためにミュート機能は有効ですが、少人数でディスカッションをするようなケースにおいては使わない方が良いでしょう。
その理由について、辻井はこう説明します。「ミュート機能を使うことで、結果として『話し手と聞き手』という構図になってしまいます。これでは双方向的なディスカッションはできません。また、話し手に孤立感を与えないためにも、私はいつでも相槌を入れられるようミュートをオフにしています」。
誰かの発言に対して、うなずいたり相槌を入れたりすることで、相手が話しやすい雰囲気をつくることもオンライン会議では重要です。
3つ目は、常にビデオ機能をオンにしておくこと。企業によっては、ビデオ機能をオフにして、互いの顔が見えないまま会議を行うこともあります。しかし、それでは互いの言葉に含まれる微妙なニュアンスを読みとりにくいでしょう。自分が言ったことに対して相手がどこまで理解してくれたのかを推し量るのも困難です。ビデオ機能をオンにすることで、よりリアルに近い感覚でコミュニケーションをとることができます。
鈴木は以前の職場でもリモートワークの経験がありましたが、オンライン会議では参加者の多くがビデオ機能をオフにしていたそうです。そのような職場を経験したからこそ、当たり前のように互いの顔を映し出すHELP YOUの文化に良い意味で驚いたといいます。
「オンラインでしか話したことがないうえに相手の顔も見えない状況では、コミュニケーションが成り立っているのか不安になってしまいますよね。その点、マーケチームの皆さんは画面越しに顔を見せてくれて、私が何か発言をしたら相槌を打って反応を示してくれるので、スムーズに会話を進められます」。
また、ビデオ機能をオンにすることで生まれるコミュニケーションもあると伊藤。「以前、画面越しに鈴木さんのお宅の犬を見せてもらったことがあるんです。そうした日常を垣間見ることで生まれる会話もありますよね。画面に映り込む情報から相手の人となりがわかるのもビデオ機能の利点だと思います」。
意見交換を通じて良いアウトプットを生むには
コロナ禍でリモートワークが普及して以降、オンラインで業務を外注する企業が増えています。
HELP YOUでは、約400人のフリーランスがリモートで働いており、クライアントから受託した業務ごとにチームで対応しています。クライアントワークだけではなく、HELP YOU事業の主幹業務においてもフリーランスが活躍しているのが特徴です。
マーケチームにも、社員とフリーランスメンバーの両方が在籍しています。雇用形態が違うと、意見交換しにくい雰囲気が生まれがちですが、どのように壁を乗り越えチームとしての一体感を生み出しているのでしょうか。
そのポイントは、事業全体の動きを共有するとともに、業務一つひとつの目的やゴールを明確に伝えることだと辻井はいいます。
「目的を伝えないまま業務を依頼をしても、質の高いアウトプットにはつながりにくいでしょう。『依頼する側』『依頼される側』という立場に縛られず、目指すべきゴールを共有し、それに基づいた意見交換をすることが良い結果を生むと信じています」。
実際に、目的を共有することを強く意識するようになって以降、マーケチームに良い変化が生まれているそうです。
例えば、マーケチームが運営を担うメディア「HELP YOU BLOG」では、フリーランスメンバーの提案により、サイトへのアクセス数が伸びたケースがありました。ディレクションを担当するフリーランスメンバーにも企画段階から入ってもらうことで、より目的に沿った記事作成を実現できたことが理由です。
フリーランスとして記事制作ディレクションを担当する伊藤は、企画段階から入ることにより読者目線に立った記事を作りやすくなったといいます。
その例として、マーケチームが普段制作しているBtoB向けのコンテンツではなく、BtoC向けのコンテンツを新しく作ることになった際には、伊藤が読者のイメージに近い友人から聞いた話をチームにシェアしたことで制作方針が決まったそうです。
「ちょっとしたアイデアを共有できるようになったのも、チーム内で良い関係が生まれている証拠なのではないかと思います」と伊藤は話しました。
チームメンバー同士をつなぐ共通の「思い」
さまざまな工夫を巡らせることで、リモートワークでもチーム力を高め、成果を追い続けてきたマーケチーム。その根底には、HELP YOU事業を通じて社会を変えたいという共通の「思い」があります。事業にかける思いについて、辻井はこのように語りました。
「日本では、労働人口の減少により、企業が良い人材を採用しにくい状況があります。そのため、一人あたりの仕事量が増え、それが結果として長時間労働につながっているのです。HELP YOUはそうした企業の強い味方になるサービスだと信じています。
一方で、パートナーの転勤や出産・育児などにより、能力が高くても思うように仕事を続けられない人が多くいます。そうした方々と企業をつなぐことで活躍の場を提供したい。そのためにも、マーケ活動を通じてより多くの人にHELP YOUの存在を知ってもらえたらと思っています」。
また、森田は”特別な理由”がなくても自由に働き方を選べる社会をつくりたいと、自らの状況を交えながら話しました。
「ライフステージの変化により、働く時間・場所の融通が効くワークスタイルを選ばざるを得ない人もいると思います。一方で、私のように『自分に合っているから』という理由でリモートワークをする人がもっと増えても良いのではないでしょうか」。
森田の言葉を受け、伊藤も「満員電車が嫌だ、とか。あくまでも数ある選択肢の一つとして、リモートワークという働き方を気軽に選べるような社会が理想ですね」と続けました。
新メンバーの鈴木は「未来を自分で選択できる社会をつくる」というビジョンに惹かれジョインを決めたといいます。
「コロナ禍で新しい働き方が注目されるようになったものの、まだまだ社会的に浸透しているとはいえません。そんななかで、HELP YOUの人々は自らフルリモートという働き方を実践し、ビジョンを体現していると感じました。私もその一員として、今後ビジョンの実現を目指したいと思います」。
まとめ
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