専業主婦歴10年、4児の母がリモートワークで復職。仕事と育児を両立する方法とは
フリーランスとしてHELP YOUで活躍する谷口晃子さんは、2歳から小学5年生までの4人のお子さんを育てるお母さん。10年間専業主婦だった彼女が社会復帰の方法として選んだのが、リモートワークという働き方でした。意外にも、仕事を始めた現在も、家事育児の忙しさは以前と変わらないと語ります。4人もお子さんがいるなかで、どのように仕事と家庭の両立をしているのでしょうか。お話を伺ううちに見えてきたのは、家族の協力と戦略的な育児でした。
目次
ライター
専業主婦10年目、社会への一歩を踏み出した理由とは
谷口さんはこれまでどのようなお仕事をされてきたのですか?
営業事務、アパレル、不動産、求人関係、コールセンターなどさまざまな職種を経験しました。
25歳の時、出産のために退職しました。当時働いていた会社では、出産後も仕事を続けている人が誰もいなかったので……。その流れで私も辞めて、それから10年間、専業主婦をしていました。
今では4人のお子さんがいらっしゃると聞きました。お子さんはおいくつですか?
小学校5年生、3年生、年長、2歳です。下の2人は保育園に預けています。
HELP YOUにジョインしたのは2020年とのことなので、下のお子さんがまだ小さい時期ですよね。まだしばらく専業主婦でいるという選択もあったと思うのですが、専業主婦歴10年目にして働こうと思ったきっかけは何かあったのですか?
う~ん。そう言われると、なんでだろう……。
働いている夫を見ていて、やっぱりうらやましかったんですよね。10年前まで夫と同じ会社に勤めていた分、余計にそう思いました。「私も働いていたのになぁ……」という感情がふつふつと沸いてきて。
「チャンスがあったらまたバリバリ働けるはずだ!」と直感的に思い、踏み出してみようと思ったんです。
10年のブランクがあって自分の能力も衰えているでしょうから、周囲に迷惑をかける可能性を考えると踏み出すのには勇気がいりましたが、最終的には勢いで復職を決めました。
「仕事ができない」理由を子どものせいにしたくなかった
なぜリモートワークだったのですか?
母である自分が社会復帰する時、一番頭に引っ掛かっていたのが子どものことでした。「仕事をできない」理由を育児のせいにするのは、子どもに申し訳ないなと思ったんです。例えば、保育園に預けられるか、預けたとしても急な呼び出しがあるかもしれない……など「子どもがいるから」「子どものせいで」「子どものために」のような気持ちを持つことに抵抗がありました。だから働くのであれば、自分で時間をスケジューリングできたり、仕事を選んだりできるといいな、と思っていて。
その時にたまたま目にとまった「くらしと仕事」の記事を読んで、アパレル業界からでもバックオフィス業務に転身できることを知り「いいな!」と単純に思いました。それで試験・面接を受けてみたのがHELP YOUにジョインしたきっかけです。
現在、HELP YOUではどのような業務をしていますか?
営業事務をメインに行っています。あとはメルマガ作成やディレクション業務、カスタマーサポートなどですね。
営業事務やカスタマーサポートは経験があったのですが、メルマガ作成は未経験からのスタートでした。最初は何もわからず戸惑いましたが、慣れるとスムーズに進められるようになり今も楽しく継続中です。
仕事と家事育児を両立させる育児戦略とは
実際にリモートワーカーとして働き始めて大変なことはありましたか?
HELP YOUを通じて複数のクライアントから仕事を頂いており、その業務内容は多岐にわたります。そのため、それぞれの業務ごとに自分でスケジュールを組んで納期管理をするのが、初めは難しかったです。
異なる案件のシフトを誤って同じ時間に入れてしまい、ご迷惑をおかけしたこともありました。
複数の案件を全て自分で管理するのは難しいですね。
現在はどのように時間管理をされているのですか?
TODOリストアプリなどさまざまな方法を試してみたのですが、最終的にGoogleカレンダーで管理しています。私生活もすべてGoogleカレンダーで管理するようになりました。
お子さんが4人いると私生活もお忙しいと思いますが、仕事と両立させるコツは何ですか?
子どもには、できるだけ自分のことは自分でやってもらうようにしていることです。
といっても、我が家の場合は、意図的に自立を促したというより、気が付いたらそうなっていたんですよね。私、自分では「ポンコツ母ちゃん」だと思っていて(笑)。「お母さん、何もできないんだよね」と言っていたら、いつしか子どもたちは自分の身の回りのことや、家事をやってくれるようになっていました。
例えば、私が忙しくて家事に手が回らない時は、子どもたちが率先してお風呂洗いや食器洗いをしてくれます。
また、下2人をお風呂に入れるのも、もうずっと長女の担当です。初めはお風呂の入り方を教えて、しばらくは私も一緒に入って見守っていたのですが、今は子どもたちだけで入ってくれています。これは一番上の長男が年中の時からの習慣で、当時から2歳下の妹(長女)をお風呂に入れて髪の毛を乾かすところまでやってくれていました。
あと、これを言うと周囲の方に驚かれるのですが、2歳になったら子どもたちだけで寝るのが谷口家のルールです。
以前からずっとこういうスタイルだったので、仕事を始めてからも、実は私の忙しさってそんなに変わらないんですよね。子どもたちにも「ママ、変わらないよね」と言われています(笑)。
結果論ではありますが、こうした家庭のあり方が、仕事と両立できている理由なのかもしれませんね。
すごい! まさに戦略的育児ですね!
ご主人はリモートワークに関してどのような反応でしたか?
初めの頃は「パソコンの前に座っている時間とお給料が見合っていないんじゃないか?」と心配していました。
HELP YOUでは基本的に、業務にかかる工数に対して報酬が発生するのですが、最初は慣れなかったこともあり、事前に調べて勉強したりミスの後処理をするなど、自分のスキルや経験不足で発生する、報酬外の時間が結構ありました。リモートワークをしたことがない人にとっては、そのあたりは理解しにくいのだろうと思います。
確かにそうですね。ご主人に理解してもらうために実践したことはありますか?
引き受けられる仕事を増やし、なるべく効率的にテンポよく仕事をするよう心がけました。今では夫もとても理解してくれています。私の仕事が土日にずれこんでしまう時は、夫が朝昼夜のご飯、片付けなどを全部やってくれます。
うらやましいです!
夏休みや冬休みなどの長期休みは、お子さんがずっと家にいるので仕事に集中しづらいという声もよく聞きます。その辺りはどう乗り切っていますか? 何かコツがあれば教えてください。
う~ん。土日と同じ感じでしょうか。シフト業務が入るとご飯の準備ができないので、朝早く起きてお昼ご飯を用意し、チンするだけで食べられるようにしています。あとは、子どもたち同士で遊んでもらっています。
HELP YOUで見つけた家庭以外での「自分だけの居場所」
仕事を始めたことで、ご自身の心境や生活に変化はありましたか?
「自分だけの居場所」がやっと見つかったという感じがしています。これまでは家庭内で「母」としての役割はありましたが、それ以外の居場所はなかったように思います。それが今では「HELP YOUの谷口」という、家庭以外での自分の居場所ができたことが嬉しいです。
私、不器用な人間なので、一つのことに集中してしまうところがあって。仕事をしていなかった頃は、家庭が世界のすべてだったので、子どもの一挙手一投足にとらわれ、必要以上にイライラしていていることも多かったように思います。
それが仕事を始めて世界が広がり、以前ほど子どもの行動が気にならなくなりました。むしろ、仕事で煮詰まった時には、子どもと会話をすることが良いリフレッシュになっています。仕事に集中している時は、子どもも私の隣で宿題をするようになりました。仕事を始めたことで、子どもとの距離感がうまく保てて、逆に家庭がうまく回っている気がしています。
谷口さんにとって、HELP YOUの魅力って何ですか?
温かい人が多いことです! 例えばミスをしてしまった時は、ディレクターさんがフォローをしてくれると同時に、同じことを繰り返さないためのポイントを教えてくれます。テキストでのやりとりがベースではありますが、横のつながりがすごく密だなと感じます。
テキストだけのやりとりだと、相手の感情が読み取れず、最初のうちは不安なこともありました。それが慣れてくると徐々に相手の人となりがわかってきて、顔が見えなくても安心してコミュニケーションをとれるようになり、今では信頼で結ばれています。
リモートワークって孤独なイメージがありましたが、HELP YOUで働いていると、まったくそんなことは感じません。
お仕事をしていて、どんな時に楽しいと感じますか?
今は業務の合間にチームメンバーと雑談している時が本当に楽しいです。業務以外のコメントが入ると肩の力がふっと抜けて、その時間がすごく好きなんです。忙しい時や行き詰まった時には、お互いに励ましのコメントを送ることもあります。業務連絡だけではなく、仲間との「つながり」を感じられる会話があるからこそ、これまで仕事を続けてこられたのだと思います。そしてそれが、これからもずっとこの仕事を続けていきたいと思う大きな理由の一つです。
また、HELP YOUでは世界各国に住むメンバーとリモートでつながっています。オフラインの仕事では、自分の住む地域以外の人とつながりを持つことはなかなかありませんよね。専業主婦をしていた頃も、地域のママ友ぐらいしか知り合いがいませんでした。それがHELP YOUでのお仕事を通じて、今では世界中に知り合いができました。「この国、この都道府県に行けば、あの人に会えるんだな」と想像するとワクワクします。
リモートワークだからこそできる「丁寧な暮らし」が今後の目標
谷口さんの今後の目標を教えてください
丁寧に暮らすこと! これまでは、日々をこなすのに精一杯で、楽しむ余裕がありませんでした。楽しかった思い出もあるはずなのに、仕事や育児に忙殺されていたからか、ほとんど記憶に残っていないんですよね(笑)。家族や仕事仲間と過ごす時間を味わいながら、日々ゆとりを持って暮らしていきたいと思っています。
自分でスケジューリングできるリモートワークなら、きっとそれができるはずです。
まとめ
「子どもを仕事ができない理由にはしたくなかった」という谷口さんが選んだリモートワークという働き方。自分でスケジューリングできるこのスタイルを、これからも続けていきたいと語ってくれました。メンバーとの密なコミュニケーションを通して世界中に知り合いができ、家庭以外での「自分だけの居場所」を見つけたという彼女は、温かく明るいエネルギーにあふれていました。
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