自分のこころを守る防衛機制を客観視 「挫折」を「成長」に変換!

高橋サチが送る「わたし」らしい働きかた講座。「仕事」で磨かれたスキルを「くらし」にも活かす。ライフワークシナジーを体現するためのヒントをご紹介いたします。

ライター

高橋サチ
東京都在住。『わたし』らしい働き方カウンセラー。コーチングで誰もが持っている得意を発揮できる社会に貢献したい!に挑戦中。プライベートでは育ち盛り2男1女の母。

自分のこころを守る働き

人は挫折を感じた時、自分のこころを守るため無意識のうちに防衛機制をはります。うちの長女(5歳)は、去年の秋からバレエを習い始め、この夏生まれ初めての発表会に挑みました。踊ることに挫折を感じ、防衛機制をはっていた長女ですが、彼女が発表会で見せた姿はまさにアッパレ!長女の頑張りに感動と勇気をもらったお話しです。

 

オープニング~発表会参加にむけて

長女がバレエを習い始めたきっかけは、お友達の発表会をみて感動したからです。華やかな衣装にきらびやかなステージ、「私もあんなふうに踊れるようになりたい」という長女の言葉を信じ、バレエ教室の門を叩きました。

しかし、入会して数ヶ月経っても長女は一切レッスンに参加しようとしませんでした。基礎的なストレッチや曲に合わせ淡々とこなすステップ、彼女の想像していた理想と現実に大きなギャップがあったのだと思います。満足に練習しないまま半年が過ぎ、これはいよいよダメかと私も思い始めた頃、夏の発表会に向けての演目が発表されました。もちろん娘の配役も決められています。

こんな状態で発表会なんて……もっと早くに退会しとくべきだった……と私は内心後悔しましたが、ここはもう腹をくくるしかない、長女に発表会に挑んでもらおうと決意しました。

そのためにはとにかく練習に参加してもらう必要があります。どうしたら長女の気持ちを切り替えることができるのか、レッスン中の彼女の様子を詳しく観察してみることにしました。

 

1幕~現れた防衛機制

私たちは普段、不愉快な感情を予感すると無意識のうちに自分のこころを守ろうとします。傷つくのを避けて自分の心理状態を維持するために働くのが防衛機制といわれるもの。長女の行動にもいくつかの防衛機制が現れていました。

例えば、レッスン中、発表会に向けての新しい振付の練習が始まると別のことをし始めたり、自分が得意ではない練習内容になると急に踊ることをやめてしまったり……。これは不安や失敗のリスクを避けるための防衛機制で「回避」や「逃避」といわれるものです。

防衛機制は心の安定には必要不可欠で決して悪いものではありません。自分を守るためにこころが頑張ってくれているのだと客観視できれば挫折感から解放されて気持ちが楽になります。

私は長女の防衛機制が現れたら「不安なんだね」「頑張ってるんだね」と本人の気持ちを代弁して説明してあげるようにしました。すると娘は少しほっとしたように見えました。

 

2幕~挫折を成長のチャンスに

ところで、私は挫折というのは成長の過程だと考えるようにしています。挫折を感じた時こそ自分を成長させるチャンスです。我が子が挫折感を抱いているとわかった今、それを成長に変えられるようにサポートするのが私の役目。そして何より踊ることをもっと楽しんでほしい。私は長女の挫折感の理由を探りました。

踊ることが嫌いになってしまったのか、と尋ねると首を横に振る長女。

発表会にもでたい!と答えました。

ではなぜ練習をしたくないのかと尋ねると、「自分はバレエが下手だから……」と答えました。

バレエ教室の中で最年少の彼女は、確かに他の子に比べてできないことが多くありました。特に悩んでいたのは、発表会の演目にも入っている床の上での前転です。長女はレッスン中、前転に失敗するとそこから踊ることをやめてしまいます。私は長女に「最初からできる人なんていないよ。練習すればきっとできるようになるから諦めないでやってみよう」と話し、上の子たちにも手伝ってもらい長女の不安が自信に変わるまで家で前転の練習を繰り返しました。

 

フィナーレ~成長の舞

なんとか形になってきた前転、そしてむかえた発表会当日。大丈夫だろうか……と心配する私をよそに、「発表会楽しみ!」と明るく笑う長女。そしてついに長女の演目がスタートしました。前転は前半と後半に2回でてきます。

いよいよ、1回目の前転。息をのんで見守る私……。

 

ああ……、なんと!失敗した…!!痛そうに頭をおさえ涙をこらえています。

 

やってしまった……、これはもう踊るのをやめてしまうだろうと思いました。が、泣きべそをかきながらなんとか踊り続けています。よし!このままがんばれ!!次の前転はもうしなくてもいいから!このまま踊り続けるだけでいい!と私は心の中で叫びました。

 

そして2回目の前転。恐らく本人もするつもりはないだろうと私が思った瞬間……、

 

あああっ!!前転したー!!

 

なんとか回ったという感じでしたが、最初の失敗にも挫けず自分からチャレンジすることを選んだ長女。その頑張りに嬉しさで涙があふれました。そして、最後まで堂々と踊りきり最高の笑顔で終えることができました。挫折感を乗り越え、自分で自分を成長させた長女に感動と勇気をもらった一日でした。

挫折を乗り越えるにはまずは自分の防衛機制に気付いて認めてあげることが大切です。自分のこころを客観視することで気持ちが少し楽になれば、挫折は成長の過程にあるものだと考えられるようになります。こころが前を向けば、体も未来に向かって動き始めることができると信じています。

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