「実質月1,000円で保育園に!?」知らなきゃ損する保活×助成金のリアルな話 くらしと仕事

「実質月1,000円で保育園に!?」知らなきゃ損する保活×助成金のリアルな話

「子育ても少し落ち着いてきたし、そろそろ働きたい……」
でも、いざ動こうとすると目の前に立ちはだかるのが「保育料」という大きな壁

特にパート勤務や、限られた時間で働くフリーランスを希望している場合、収入に対して保育料の負担が重く、「結局ほとんど保育園代で消える……」。まさに私がそうでした。

そんな中出会ったのが、あまり知られていない「助成金制度」の存在。
結果的に、第3子をなんと実質月1,000円で保育園に預けることができたんです。

この記事では、私の体験談を交えながら、保活そして保育料の壁を乗り越える「新しい選択肢」について、具体的にご紹介します。
「うちは無理かも……」と思っている方こそ、ぜひ一度読んでみてください。

※ この記事で紹介する子育て支援制度は、特定の地域や個人のケースに依拠するものです。また、2025年11月時点の情報を元に書かれています。具体的にどのような支援を受けられるかの最新情報については、お住まいの自治体の公式サイトをご参照ください。

ライター

生田目史子
富山県出身、東京都在住。3児の母。夫の転勤に伴う退職そして出産を経て、柔軟な働き方を求めていたところ、2015年に立ち上げ間もないHELP YOUに出会う。以降ライティングはじめ様々な業務に携わる。フルリモートで"くらしも仕事も"を実践中。→執筆記事一覧

実は自治体による少子化対策がどんどん進化中!

「保育園=高い、フルタイム勤務の家庭が利用するもの」──そんなイメージを持っていませんか?

でも実は今、保育に関する制度は大きく変化しています。
パート勤務の家庭だけでなく、短時間だけ働くフリーランスや、働き方を模索している人にとっても、保育園を利用しやすい環境が少しずつ広がっているのです。

特に筆者が暮らす東京都では、思い切った少子化対策が進んでいます。

国を先行する、東京都独自の保育料無償化制度

2019年、国の制度として「幼児教育・保育の無償化」がスタートしました。
これにより、幼稚園・保育所・認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもたちの利用料が無償化となりました。
ただし、0〜2歳児については、住民税非課税世帯のみが対象という制限や、認可外保育施設等を利用する場合は「保育の必要性の認定」を受ける必要があるなど、当時は「限定的な支援」という印象が強く残りました(※1)

そこで東京都は、国の制度を補う形で、2023年10月から0~2歳の第2子以降の保育料を無料にする制度をスタート。さらに、2025年9月からは所得や年齢に関係なく、すべての子どもの保育料無償化を実現させました(※2)

※1 参考:こども家庭庁公式サイト「幼児教育・保育の無償化概要」2025年11月閲覧
※2 参考:東京都福祉局公式サイト「保育料等の無償化について」2025年11月閲覧

地元にそんな制度が!? ママ友から聞いた思わぬ情報

それに加え、市区町村によっては、就労状況を問われずに入園が可能な認可外の保育施設に対しても、無償化相当の助成金が出るケースがあることも。

例えば、私が在住している東京都N市の「認可外保育施設入所児童保護者助成金」では、東京都の補助事業の対象となっている認可外保育施設に子どもを通わせている保護者に対して、月額3.8~8万の助成金が支払われます。(※3)

なんと、助成金の条件として保護者の就労状況は問われません

それなのに、こうした助成金の存在は当事者である子育て世代にはあまり知られていないのが現実です。
かつての私もそのひとりでした。でもある日、公民館で出会ったママの何気ない一言でその存在を知り、調べ始めたことが大きな転機になったんです——。

※3 参考:西東京市公式サイト「認可外保育施設入所児童保護者助成金」2025年11月閲覧

認可に入れない=働けない?立ちはだかる「保活の現実」

前述の通り、助成金の存在をまったく知らなかった当時の私には「認可保育園」という選択肢しかありませんでした。
けれど、保活ではどうしてもフルタイム勤務が有利になりやすく、産後に仕事量を抑えていたフリーランスの私は望み薄。
「幼稚園入園まで待つか……」と、最初から半ば諦めていたのです。

こうしたケースは、実は決して珍しくありません。

認可保育園は点数で決まる。専業主婦やフリーランスには厳しい現実

多くの自治体では、認可保育園への入園を決める際、保護者の勤務状況や家族構成、通院の有無などを点数化し、その合計点(スコア)が高い家庭から順に内定が決まっていく仕組みをとっています。(※4)

就労状況だけみると、すでにフルタイムで働いている家庭が圧倒的に有利。
反対に、これから働きたい専業主婦や、実績の乏しいフリーランスは点数が低くなりがちで、「働くために保育園に預けたいのに、保育園に預けられない」という矛盾に直面します。

私も、まさにそのケースでした。

第1子が1歳を過ぎた2014年頃、「そろそろ働きたい」と保育園を検討しました。
でも、夫の転勤により退職を余儀なくされ、そのまま妊娠・出産となった当時は専業主婦だったため認可保育園の内定を取るには点数が足りないことは明白。かといって近隣の認可外保育園に預けるには月4〜6万円もの費用がかかるため、扶養内パートでは手取りの大半が保育料に消える計算に……。

「それならいっそ幼稚園まで待ったほうがいいか」
そうして、働きたい気持ちはいったん保留にすることに。

※4 参考:練馬区公式サイト「保育所入所基準指数表

フリーランスならではの葛藤も

その後、働くことを諦められなかった私は運よくオンラインアウトソーシング(※5)HELP YOU」と出会い、在宅ワークを前提としたフリーランスの働き方を始めることができました。
第2子までは、試行錯誤を重ねながら自宅保育・幼稚園との両立で仕事を続けてきました。

しかし2022年の第3子出産後、物価高や上の子の教育費の心配もあり、「そろそろ集中して働きたい」という思いが再燃。
市の子育て支援課に相談に行ったものの、産後に仕事量をセーブしていたこともあり、「認可は難しいかも……」という反応でした。

「やっぱりフリーランスって不利なんだな……」
またしても、働く気持ちに水を差されたようで、本当に悔しかったのを覚えています。

基本的には自宅保育、仕事が忙しいときは市の一時保育を利用しながらしのいでいました。

※5 オンラインアウトソーシングとは、在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス

ママ友の一言で気付いた「認可外+助成金」という選択肢

認可保育園に入れない。
一時保育は不安定。
幼稚園入園まではまだ数年かかる。
仕事はしたいけど、働く環境が整わない——。

そんなモヤモヤを抱えていたある日、地域の公民館のイベントで交わされた何気ない会話が、私の保活の流れを一変させました。

「今って、認可外でも助成金出るみたいですよ。しかも、まだ働いていなくても入園できたって!」

それは、育休中のママの何気ない一言。

「え?認可外でも助成金が出るの?」
「フルタイムの人じゃないと無理なんじゃ……?」

思わず聞き返すと、そのママは「専業主婦の友人が下の子を保育園に入れて『時間ができたから働かないと!』と言っていました」と教えてくれました。

半信半疑で検索 → 本当にあった!

すぐさま半信半疑で「N市 認可外 助成金」と検索。

すると……出てきたんです、認可外保育施設に子どもを通わせたい家庭向けの助成制度が。

しかもそこに書いてある対象者の条件は、
「対象施設と月極めで契約をしている」
「市内に居住している」
「保育料を納めている」
の3点だけ。

現在の就労状況を問う文言や「保育の必要性の認定」という文字はありません。
思っていたよりもずっとハードルの低い条件が書かれていました。

さらに、第3子の我が子を預けた場合、月額43,000円まで助成が受けられる模様です。(※令和7年9月以降は月額80,000円まで増額されています。)(※6)

こんな制度があったなんて……。正直、驚きでした。

※6 参考:西東京市公式サイト「認可外保育施設入所児童保護者助成金」2025年11月閲覧

認可外=高い・不安は、思い込みだった

それまではニュースなどの影響で「認可外=高い・質や安全性が不安」とどこかで思い込んでいた私。

確かに、認可園に比べると施設によって質に差があるのは事実。だからこそ、気になる園を実際に見学して話を聞いてみることにしました。
すると、保育の質が高く、カリキュラムも工夫されていて、家庭の事情に合わせて柔軟に対応してくれる園がたくさんあることに気付いたんです。

しかも、認可とは異なり、施設との直接契約となるため、在住の市以外の施設も選ぶことができます。

あの日、ママ友があの一言をくれなかったら、私は今も決して安くない一時保育料を払い続け、幼稚園入園をまだかまだかと待っていたでしょう。

空きが出た園と契約→保育料が月1,000円に!

何カ所か見学や審査を進めていた中、ある園から「ちょうど空きが出ましたよ」と連絡が!
実はその時点で見学ができていなかったのですが、
「これを逃したら、次はいつチャンスが訪れるかわからない」──そんな思いで、早速翌日に見学へ。

これまでに複数の園を見学していたので、園の設備や保育士さんの雰囲気、給食の内容、保育方針への共感度など、確認すべきポイントは自分の中で整理できていました。
実際に見学してみると、その園も子どもが安心して過ごせそうな環境で、「ここなら」と感じ、そのまま契約へ。こうして、あっという間に保育生活がスタートしました。
助成金の話を聞いてからわずか2カ月足らずで、状況は一変してしまいました。

助成金は、市から保育施設に直接支払われるシステムで、助成額が差し引かれた見積もりを確認すると、そこには「2024年12月分 合計金額 1,000円」の文字が。

信じられませんでした。
あれだけ「保育料がネックで働けない」と悩んでいたのに、たった月1,000円で預けられるなんて。これまで度々利用していた、市の一時保育の半日以下の金額です。

ちなみに、この1,000円は「行事費」です。

保育時間もしっかり。仕事の幅が広がった

この保育園は【月〜土/7:30〜18:30】と、認可園と同等の開園時間。
在宅で続けていたHELP YOUの業務を拡大できたのはもちろん、時間に余裕ができたことで外でのパートにもチャレンジできるようになりました。

「保育料が高くて思うように働けない」と思っていたあの頃から一転、今は保育があるから働ける状態に。

助成金制度の活用によって、家計にも、気持ちにも、余裕が生まれました。

知らないと損!あなたの自治体にも助成制度があるかも

「月1,000円で保育園に!?」
この話を周囲のママ友たちにすると、ほとんどの人がまず驚きます。そして必ず返ってくるのが、「全然知らなかった」という反応。
制度の存在自体が、肝心の子育て世代には知れ渡っていなかったのです。

なかには「あと10年早ければもうひとり産みたかった」という声もあるほど……。

待つより探す!保活情報は「自分でつかむ」時代

私もそうでしたが、多くの人は市報や公式ホームページを毎月細かくチェックしているわけではありません。
しかも、保育に関する情報は「子どもが生まれた時」や「保活を始めた時」に一度チェックして終わってしまうケースがほとんどです。

でも、少子化対策や子育て支援に関する制度は、年単位ではなく月単位で変化していることも少なくありません。
市区町村単位で動いているものも多く、自治体によって内容もタイミングもばらばらです。

だからこそ「自分で情報を取りに行く姿勢」が大事なんです。

保育とお金のハードルは、知識で乗り越えられる

「保育料が高いから、働くのはまだ先でいいかな……」
そんなふうに思っていた時期が、私にもありました。

でも今は、制度や助成金を知ることで選択肢が広がる時代。
少子化という社会全体の課題に向き合うため、国も自治体も本気で支援策を打ち出しています。
その変化のスピードは思っている以上に速く、何年か前の常識が、今ではもう古くなっていることも。

「そんな制度、聞いたことなかった!」は、きっとあなただけじゃない。
自分で調べてみる・行動してみることで、情報は自然と入ってくるようになります。
そしてその情報が、未来の働き方や暮らし方を変えるきっかけになるかもしれません。

私自身、まさか保育園に実質月1,000円で預けられるなんて、少し前までは思ってもみませんでした。
けれど、動いたからこそたどり着けた結果です。

今の生活をほんの少し変えてみたいと思ったなら、その気持ちが大切な第一歩。
この体験談が「うちも一度調べてみようかな」と思うきっかけになれば、こんなに嬉しいことはありません。

ライフステージに合わせて「働き方」も選ぶ——現場と管理職を行き来する子育てママの選択

まとめ

制度や助成金を知ることで、思っていたよりもずっと多くの選択肢が広がります。
「どうせ無理」と諦める前に、まずは一歩調べてみることから。
小さな行動が、家計にも、働き方にも、暮らし全体にも大きな変化をもたらすかもしれません。
今のあなたにできる最初の一歩を、今日から始めてみませんか。

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