安定志向を捨て、公務員からフリーランスへ。  大好きだったイラスト・デザインに再挑戦!

安定志向を捨て、公務員からフリーランスへ。大好きだったイラスト・デザインに再挑戦!

「君は親に敷かれたレールの上を真面目に走ってきたんだね」
かつて、私がある人から言われた言葉です。

私は昔から自分が何をやりたいかはあまり深く考えず、両親や周りの言うことに従って学校や就職先を決めていました。
そして就職後は「退職するまで朝の満員電車を乗り継ぎ、オフィスで仕事をして遅くに帰る生活が続くのだ」と思っていました。

しかし、私は今、最初のキャリアに選んだ公務員を辞め、数年のアルバイトを経た後に自宅でパソコンを使ってフルリモートでイラスト・デザインの仕事を始めました。どうやって安全なレールから外れ、自分の道を見つけたのか、その経緯を紹介します。

ライター

神原優子
新卒で公務員に入社したものの、自分の生き方に違和感を持って約1年半後に退職。その後、美容室の受付バイトを経験したのち、現在は主にデザイン関係のフリーランスとして活動中。→執筆記事一覧

言われるがまま「安定した公務員」へ

2020年、親のアドバイスを受け「安定」を目指した結果、なんとか試験に合格し、晴れて公務員としてのキャリアをスタートしました。

その当時は「自分が社会に出て本当にしたいことは何か」という疑問にあまりいい答えが出ておらず、ともかく就職できたことに喜んでいました。

また、この公務員の仕事に携われたことで、今でも十分役に立つ知識や情報を得られただけではなく、本当にたくさんの大切なことを先輩や上司の方から教えていただくことができたのは、今でも非常に感謝しています。

自営業者との対比から見えた、自分の未熟さ

就職してから約半年後。

私は仕事柄、自営業の方とお話しする機会が多く、書類作成のためにその方がどうしてその仕事を始めたのかという話を聞くことがよくありました。

大半の方が「自分でやってみたかったことを始めた」「自分の得意なことを仕事にした」と答えており、そのような方々と話す中で、私はふと自分を振り返ってみたのです。

そして、今まで自分は親や周りの存在に甘え、自分自身で考えて行動してこなかったことにようやく気が付いたのです。
その後、自分の今の生き方に大きな違和感を持つようになりました。公務員になってから約1年半後、ついに退職を決意することになったのです。

安定志向から離れられなかった2年間

公務員を退職後、特に就職先を決めていなかった私は、やったことのない仕事をしてみようと思い、たまたま募集があった美容室の受付のアルバイトを始めることに。

受付の仕事は楽しくはありましたが、この仕事をずっと続けていくビジョンが見えず、アルバイトを始めて2年目の冬にまた就職活動を開始しました。

本心に向き合わず、繰り返される失敗

素敵な就活サポーターさんに恵まれたこともあり、色々な仕事の提案をしていただきました。
しかし、この時にサポーターさんに伝えていた条件は、「自分のやりたいこと」ではなく無意識に「安定」を重視したものになっていたのです。

当時、私は無職。悠長に仕事を探すほど、肝はすわっていませんでした。

結局、またしても「自分が何をしたいのか?」ということを深く考えずに、「安定」を軸にしてたまたま運よく受かった場所を就職先として選んでしまったのです。

もちろん、将来のことも考えて選びはしましたが、それでも「本当に自分のしたいことだったか?」と言われると、残念ながらそうだと言い切れない部分がありました。

入社1週間前のハプニングでやむなく辞退

こうしてなんとか次の就職先を見つけ、あと1週間で初出勤という時に思いもよらないハプニングが!

なんと入社に際しての必要条件の一つを満たすことができず、泣く泣く入社を辞退することになってしまったのです。サポーターさんのおかげもあり、就活を始めてから1か月程度でテンポよく就職が決まっていた矢先のことだったため、非常に落ち込んだのを覚えています。

「辞退させていただきます」と伝えた時は、本当に緊張と悲しみ、何より相手への申し訳ない気持ちで心臓が止まるかと思いました。

「安定」から「挑戦」へ。デザインの道に再び挑戦!

こうして公務員退職後、アルバイトを経て転職活動に失敗してしまった私は、ようやく「もっとちゃんと自分の頭でしっかり考えて行動しよう」と腹をくくりました。

その後、「自分のやりたいこと」の一つの軸に定めたのが、昔から好きだったイラストとデザインです。実は母子手帳にも「絵を描くのが好き」と記録されているくらい、私は昔から描くことが好きでした。友達と遊ぶ時間よりも紙と向き合っている時間の方が長く、ときどき誰かに「○○描いて」と頼まれると喜んで描いていました。

一度描き始めると食べることも忘れて描き続け、インフルエンザにかかった時も「学校に行かないで絵が描ける!」と喜び、熱でもうろうとしたまま鉛筆を動かしていたことさえあります。

もちろん、お小遣いは画材とイラストの勉強代へと消えました。

そして高校生になった時、美術大学やイラストスクールに通う夢を持ち、両親に相談しました。しかし、両親の返事は「行ってもいいけど、学費は自分で払いなさい。それにイラストやデザインの仕事は稼げないよ」というものだったため、怖気づいてしまい、最後は「安定志向」に基づいた大学へと進学を決めたのです。

その後も趣味としては描き続けていましたが、仕事にすることはできていませんでした。

このような経緯があったので、しばらくイラスト・デザインの勉強からは離れていましたが、キャリアを見直すと同時に勉強を再開。すると、運よくとあるコミュニティで電子書籍の表紙デザイン担当を務める機会に恵まれたことをきっかけに、もっと他に仕事はないかと探し始めたのです。

表紙を担当しました くらしと仕事 

電子書籍デザイン例。イラストも担当させていただきました。

今までは周りの言うことばかりを聞いて「安定」を求め、ほとんど決まった行動しかしてこなかったぶん、多くの挑戦をしなくては成長できないと思ったからです。

そして、さまざまなサイトや情報を探った結果、「未来を自分で選択できる社会をつくる」という非常に共感できるビジョンを持ったオンラインアウトソージング(※)「HELP YOU」にたどり着いたのです。

※オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス

思い切ってポートフォリオを提出!

とはいっても、大した経歴もなく、唯一武器にできるのは独学のイラストデザイン、そして興味があって数年学び続けていたSNS運用の知識のみ。その他のことは少しかじったことがある程度で、とても実務経験があるとはいえません。

HELP YOUのサイトを見ながら、正直、自分は門前払いされるかもなと思っていました。

しかし、ここで引き返しては前と同じになる。合否を決めるのは私ではなく、採用担当の方。何より「未来を自分で選択できる社会をつくる」というビジョンのもとに集まった方々と働きたい

そう思い、応募ボタンを押し、ポートフォリオを提出したのです。人生で一番緊張した「挑戦」の瞬間でした。

水彩系のイラスト くらしと仕事

ポートフォリオに載せたイラストの一部。水彩系のイラストも描きます。

ライターにも挑戦し、クリエイターとしての市場価値を上げる

その後、なんとか合格通知を頂き、HELP YOUにジョインすることが決まりました。

しかし、うかうかはしていられません。

HELP YOUでは、自動的に仕事が割り振られるわけではなく、案件ごとにメンバー自ら挙手をして仕事を獲得するのが基本の流れです。

理想の案件をつかむには、まずはHELP YOUでの信頼を積み重ねていく必要があると考えた私は、案件獲得の機会を増やすためにイラスト・デザイン以外の分野にも挑戦することを決めました。

▶︎ 分野をまたいでパラレルキャリアを積める、HELP YOUはこちら

その一つが、Webライティングです。私が担当を希望する案件の一つに、Web記事のアイキャッチ制作があります。Web記事の執筆経験があれば、記事の趣旨をより深く汲み取りアイキャッチに反映することができます。さらに「記事も書けるし、アイキャッチ作成もできる」クリエイターになれば、より多くの価値を提供できると考えました。

▼ Web記事のアイキャッチ制作をはじめとした多数案件を掛け持ちするデザイナーのインタビュー記事

完全在宅でデザイナーデビュー! 5年間で学んだ、フリーで食べていく秘けつとは


また、文章を書くことも昔から好きだったため、好き(書く)と好き(描く)の組み合わせで勉強にも熱が入りやすく、非常に楽しみながら学べています。

そうして学んだことをアウトプットし、成長し、また学ぶ。その中でより良いものを提供し、お客様や社会に貢献する。

自分の中で好循環が生まれていることを日々実感しています。これは、HELP YOUの挑戦しやすい環境のおかげであり、自分自身で選択した結果にほかなりません。自らの殻を破りつかみとった仕事だからこそ、これほどの熱量を持って向き合えているのだと思います。

また、このような素敵な環境に出会えるまで、両親には「ただ見守る」という非常に大きなサポートをしてもらいました。頭を悩ませ、右往左往しながら仕事を探す娘に対し、何も言わずに見守るというのは容易なことではなかったと思います。
それでも私を信じて見守ってくれた両親に心からの感謝を込めて、これからも自分の選択を大切にし、しっかりと今に向き合っていきます。

まとめ

「安心・安全・安定」の中で生きたいと思うのは自然なことです。
しかし、それだけを軸に生きていくと、自分を見失ってしまうこともあります。

私は小さい頃から親や周りの言うそれらを鵜呑みにして、あまり自分の頭で物事を考えたことがありませんでした。挑戦を怖がり、苦しくても安全な場所にいたのです。

しかし、今ならハッキリ「それはもったいない」と言えます。
自分の頭で考え、挑戦してこそ、人生は楽しいと実感したからです。

この記事が、私と同じような悩みを持つ方に少しでも元気を与えられたら幸いです。

▶︎ 自分の軸を大切にできる、HELP YOUについて詳しく見る

アイキャッチデザイン/神原優子

Link

おすすめリンク