【第四弾】読書の秋におすすめしたい、働き方改革を見つめなおす テーマ別おすすめ本10選
11月に入り、肌寒い季節になりました。この季節になると、暇な時間を見つけては読書をしている私ですが、みなさんはどんな時間の使い方をしているでしょうか。今回はそんな時間の使い方に関するものも含めて様々なテーマから、働き方改革を見つめなおすきっかけとなる本をベストセラーや2019年最新、女性向け、経営者向け、現場向けの5つのテーマ別で10冊ご紹介します。
目次
ライター
ベストセラーとなった働き方改革関連おすすめの本
モチベーション革命
出版社
幻冬舎
出版年
2017年
内容抜粋紹介
テクノロジーの進化がもたらす未来の形と、
それに伴う人間の生き方―。
『ザ・プラットフォーム』『ITビジネスの原理』
Amazon Kindle総合ランキング2作連続 第1位
著者 尾原和啓の最新作!
マッキンゼー、リクルート、Google、TEDxからドコモ、楽天まで
13職あらゆるチームで学んだ。輝く若者のモチベーションマネージメント。
Amazonレビュー抜粋
会社での仕事にいまいちモチベーションが得られず悩むなか、この本を知り、読みました。「どうすればモチベーションを得られるか」という観点です。
この本によると :
・モチベーションの源泉である欲望には「達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭」がある。
・「ないものがない」時代から生きるわれわれの世代は、上の世代に比べ、「達成」や「快楽」よりも「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」を重視する。
・この世代は、「自分が頑張る意味が持てるもの」に「自分が好きな人たち」と「とことんハマる」ことを重要視する。金銭や物理的な報酬とは関係なく「自分の好き」を追求する。
ということです。そのようなことを今の仕事に見い出すか、そのようなことを仕事に選ぶか…。私はそもそも「好き」が行方不明なのです。
でもこの本は、そんな人たちへのヒントも提供しています。それは偏愛マップをつくってみること。仕事になるか?、お金になるか?、ということは置いておいて、好きなこと、今まで好きでやっていたことを書き出してみる。そこから共通点を考えてみると、意外に気づきがあります。
モチベーションの得られない方は、読んでおくと参考になるでしょう。
ライターコメント
働き方改革の要素を分解したときに1番の要素といっても過言ではない「モチベーション」。どれだけ働き方改革に関するスキルや知識があってもモチベーションがなければ変えることはできません。それは個人1人1人でも同じことであるため、「自分のモチベーションの源泉は何か」といったことを把握しておく必要があります。そのモチベーションの源泉に関する気づきを得られるのが、この本がベストセラーである理由だと思われます。
この本にも共通するポイントですが、私は今まで好きでやっていたことの動機を書き出すことでモチベーションの源泉を見つけることができました。しかし、これはこの本に書かれているポイントの1つでしかなく、まだまだ自分を探る方法が紹介されています。どういったことが自分のモチベーションの源泉なのか、また、若者のモチベーションの源泉はどういったものが多いのかといったことをつかむのにおすすめの本です。
未来の働き方を考えよう 人生はニ回、生きられる
出版社
文藝春秋
出版年
2015年
内容抜粋紹介
人生を二回生きるためには?
先の見えない定年延長が囁かれる中、20代で選んだ仕事を70代まで続けるの?
月間200万PVをほこる人気ブロガーが「人生を二回生きる」働き方を提案。
刊行時から話題騒然の、ちきりんによる人生論が文庫化! 解説は柳川範之東大教授による「明るい働き方を実現するための指南書」。
Amazonレビュー抜粋
一番心に残ったことは、人生の有限感というフレーズでした。常々、死ぬときに後悔したくないと考えてきましたが、有限感を感じてこなかったせいで人生について決断ができないでいました。しかし、この本を読んで改めて人生よ有限感とこれからの人生を考え始めたことで、新たな一歩が踏み出せそうです。
また、人生は二回、生きられるという主張に関しては非常に同意できます。この本では40代でという話ですが、タイミングはいつでも良いのではないかと個人的には思いました。大切なのは、寿命が伸びたことで2回またはそれ以上に変わるチャンスがあるということでしょうか。
何か現状に満足できないが、何から考えれば良いのか分からない。人生について考えるきっかけが欲しいという方にオススメします。
ライターコメント
個人の働き方を見つめなおすのに最適な本です。もうすでに終身雇用前提で会社に勤めている方はほとんどいないとは思いますが、なかなか次の一歩に踏み出せないといった方にはおすすめしたいです。この本には40代を人生の折り返し地点だと捉えて話が展開されているため、自分の好きなことで生きる方法の敷居が低く書かれています。そのため、あまり自分の働き方を見つめなおすのに抵抗があるといった方でも安心して、未来の働き方を想定しながら考えることができるのではないかと思われます。
まずは、この本をきっかけに個人の働き方について見つめなおしてみてはいかがでしょうか。
2019年最新の働き方改革関連おすすめの本
アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した
出版社
光文社
出版年
2019年
内容抜粋紹介
英国で“最底辺”の労働にジャーナリストが自ら就き、体験を赤裸々に報告。
働いたのはアマゾンの倉庫、訪問介護、コールセンター、ウーバーのタクシー。
私たちの何気ないワンクリックに翻弄される無力な労働者たちの現場から見えてきたのは、マルクスやオーウェルが予言した資本主義、管理社会の極地である。
グローバル企業による「ギグ・エコノミー」という名の搾取、移民労働者への現地人の不満、持つ者と持たざる者との一層の格差拡大は、我が国でもすでに始まっている現実だ。
Amazonレビュー抜粋
イギリスの最低限賃金の労働現場の体験取材レポート。
amazonやウーバーが「顧客に最高の体験を安価で提供する」を追求した結果、単純作業の労働者が、低賃金とアンフェアな就業規則で苦しむことになった状況をリアルに描写。イギリス国内でEU離脱に賛成する人が多い理由が分かった気がします。
不景気な地方都市に、安い労働力を求めて配送倉庫を建てたamazon。最初こそ地元は雇用が増えたと歓迎したが、非人道的な就業規則と低賃金で徐々に地元民は去り、今や東欧からの移民労働者しか働いていない。
ロンドンでタクシー事業を展開するウーバー。「好きな時に好きなだけ働ける」とし、ドライバーは個人事業者として登録する。しかし、顧客とウーバーだけがメリットを享受し、あまりにもドライバー側のメリットが少ない配車システム。既存のタクシー会社と違い、ドライバーによる団体労使交渉できない仕組み。
他には、ゼロ時間契約の訪問介護サービス会社や、コールセンターに潜入。
企業による利潤追求は悪ではありませんが、その過程でアンフェアに扱われる立場の弱い人々の存在に気づかされました。日本の状況も似てると思います。低賃金の仕事には人が集まらず、外国人労働者に頼りつつある。その外国人労働者達は、日本で希望を持てるようになるのか?
一貫して、辛く悲しく寂しいトーンの文章が続き、読んでて心が重くなっちゃうので、少し注意です。
ライターコメント
この本は、アマゾンやウーバーといったグローバル企業が大きな力をもったことで、下流階級の労働者が意図しない働き方を強いたぎられているといったことを中心に書いた潜入取材記録になっています。たとえば、アマゾンでは週当たりの労働時間が決まっておらず、理不尽な契約のもとで働かされます。こういった低所得者の働き方はイギリスだけでなく、日本でも同様であり、安い賃金での労働者が増加してしまう傾向の移民政策をとると、こういった働き方になってしまう労働者は今後ますます増えていくと思われます。
国全体の課題から働き方改革を見つめなおすのに最適な本であるといえます。
《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方
出版社
扶桑社
出版年
2019年
内容抜粋紹介
「働きやすさ」や「チームワークの価値」を伝え続けるメディアが
自分たちで実践している、「次世代型チーム作り」の秘訣を伝授。
時間と場所に縛られない「自由な働き方」を実現させる
「オンラインコミュニケーション」の活用方法とはーー?
「『ほぼ日』より、ずっと冒険的なんじゃないか。
チームプレイは、おもしろい。このおもしろさは、くせになる」
Amazonレビュー抜粋
「未来のチーム」と聞くとツールの話や
最新のテクニックがちりばめられたいるようなイメージを
持ってしまいましたが、この本には人と人が一緒にプロジェクトを進める上で
大切なことがたくさん書かれていました。
「ツールも大事だけど、やっぱりリアルのコミュニケーションも大事」
「弱みを共有してもいい、その弱みも会社にとっては資産になる」
「なんでもオープンにする。共有することがなぜ大事なのか」
未来は自動でなんでもかんでも簡単になり、私達はもっと合理的に行動しなければいけないと勘違いしがちです。
人と人のチームワークで、新しいイノベーションが生まれる、基本的なことをこの本は教えてくれました。
文章も堅苦しくなく2時間程度で読めるのでオススメです。
属人化されているチームのリーダー、チームリーダーになっちゃった方、これからチームリーダーを目指す方、必読です。
ライターコメント
チームの働き方のあり方を考えると、つい優れたチームリーダーのあり方を結びつけて考えてしまいますが、チーム内のメンバーが自由に働くことができる仕組みを作ることが重要であると書かれていたのが大きな気づきでした。特に、同じ思想で目標に向かって突き進むものではなく、個性を尊重した働き方を維持しながら目標に向かって突き進むといった考えには学びがあり、今後の社会の流れをみても必然的な考えであると考えさせられました。
情報が溢れかえっている現代では思想はもちろんのこと、個人の働き方も多様化しておりチームをまとめることはかなり大変です。そんな現代でもチームの価値を最大化する具体的な施策が書かれているため、組織の働き方改革を実践する方には気づきが得られる1冊となっています。
女性向けの働き方改革関連おすすめの本
すべての女は、自由である。
出版社
ダイヤモンド社
出版年
2016年
内容抜粋紹介
「泣きながら読みました」「この連載を読むために定期購読しています」と評判だった、雑誌『DRESS』 の連載「すべての女は、自由である。」を大幅加筆して、書籍化。
「オーダーメイドの自由な人生を創りたいなら、経済的自立心を持つことから始めよう。」
「やりたいことに素直になろう。未来を変えられるのは自分の行動だけ。」
「理想の会社も社会も自ら創る。評論家ではなく実行者になろう。」
など、心を揺さぶられるメッセージがいっぱい。
Amazonレビュー抜粋
女性のキャリアで悩むことは、
全て網羅して書いてある印象の本。
言い切り口調で、
淡々と必要なことが書かれており
前を向いて進もう、と背中を後押ししてくれます。
ライターコメント
女性のキャリアを考えるなかで悩むことについて取り上げていますが、ポイントとなることに関しては男性にも通じるものが多く書かれています。たとえば、管理職の女性によくある悩みとして、部下の支持を得ようとして個人の相談にのりすぎてしまうことがあげられます。このような悩みを解決するには、管理職として果たすべき役割を見直したうえで、軸をぶらさないことが重要であると書かれています。こういったポイントは女性だけでなく、男性でも通じることがあるのではないでしょうか。また、男性でも女性がキャリアを考える上での悩みを把握しておくことは重要です。
キャリアに悩む女性はもちろんのこと、男性にとっても一読するのをおすすめします。
働く女子と罪悪感 「こうあるべき」から離れたら、もっと仕事は楽しくなる
出版社
集英社
出版年
2018年
内容抜粋紹介
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」や、TBS「あさチャン!」などのコメンテーターを務める「AERA」元編集長・浜田敬子さんの初の本!
入社3日で音を上げ欠勤、自称ダメ記者だった朝日新聞支局時代、週刊朝日編集部、AERA編集部を経て朝日新聞社を退社しデジタルメディアへ移籍。
メディア業界の一線で挑戦と続ける均等法世代の一人が次世代へ贈るメッセージ。
「この30年で何が変わったのか。何が変わっていないのか。なぜ変わっていないのか。これから変えていけるのか。
それを考えるためにも、すでに“歴史になりつつある私たちの世代の物語が、何かのヒントになればと思う。
今働くことに悩んでいる後輩世代たちに少しでも参考になれば、その一つのケースとして、少しでも役に立てればと思っている。
Amazonレビュー抜粋
一気読みしました。
著者より一世代下、メーカー勤務、子持ちですが、公私ともにおいて中途半端な自分への苛立ちを家族にぶつけては落ち込んで…という日々です。この本を読んで、理想を追いすぎて肩に力が入りすぎていたのかもしれないと思いました。
会社や家族など周囲とよく話すこと、時には頼ること、自分なりの働き方を考えていくことを意識しようと思えたこともよかったです。
著者はテレビに出ている方ですし、エリートで何でもこなしてしまうのかなと思っていましたが、仕事がうまくいかなかったことなども書いてあり、親近感を持って読めました。
働き方のヒントもあるし、元気も出る一冊です。
ライターコメント
男女機会均等法が施行された時期のキャリアウーマンである著者の体験談が多く書かれています。そのため、女性の立場で仕事と家庭をもつことの難しさが伝わってくる内容となっており、そこから得られる学びはたくさんあります。特に著者はメディア業界で働いていたこともあり、男女の壁は一般的な業界よりも厚かったのではないかと思います。
自分の理想を追いかけて突き進むことの大切さや、家庭を優先しなかったことによる罪悪感など著者の経験談を通して、今一度自分の働き方について見直すことができます。
経営者向けの働き方改革関連おすすめの本
アクセンチュア流 生産性を高める「働き方改革」
出版社
日本実業出版社
出版年
2017年
内容抜粋紹介
なぜ、アクセンチュアは変わることができたのでしょうか。
本書は、コンサルタント企業としてのプライドを取り戻すためにトップが主導して断行した働き方改革の軌跡です。
プロジェクトの全貌を通して、リーダーシップのあり方、チームマネジメント成功のノウハウを紹介します。
◎企業経営者、経営幹部、人事・マネジメント部門のビジネスパーソンなどにおすすめしたい1冊です。
Amazonレビュー抜粋
働き方改革を実行する為には、顧客との接点(フロントエンド)、カルチャー(ミドルライン)、社内システム(バックエンド)の3つが重要ですが、カルチャーに特化した内容です。昨今IT技術にForcusされた内容が多い中少し古めの書籍だけあってカルチャーが重要と謳っているのは好感が持てます。
内容も一流のコンサル会社らしく、様々なフレームワークが紹介されています。進め方の事例を学ぶ、フレームワークを学ぶ、という観点では有用だと思います。
ライターコメント
組織の働き方改革をすすめるのに、かなり実用的な本となっています。この本では、いくつかのフレームワークが紹介されており、その用途も具体的に示されています。アクセンチュアではカルチャーに着目した働き方改革を経営層から現場までの一貫したトップダウンのプロジェクトとして動かしており、その中でも誰に組織改革のために時間を使ってもらうかまで具体的な施策として書かれています。
特にアクセンチュアほどの大きな組織の働き方改革をするのがどれほど大変なことか一読する価値は十分にあります。
パーパス・マネジメント――社員の幸せを大切にする経営
出版社
クロスメディア・パブリッシング (インプレス)
出版年
2018年
内容抜粋紹介
ミッション、ビジョンはもう古い。一番大事なのはパーパス(目的)である。
働き方改革が叫ばれて久しいが、いったい何が問題なのか?をそろそろ考え直す時期だろう。
そもそも企業理念として設定されている概念――ミッション、ビジョンは、米国では「古い」とされている。
それに代わる概念としてパーパス(目的)が問われている。
いま一番ホットなテーマであるパーパスを日本ではじめて紹介したい。
本書では根幹であるパーパスと「幸せ」について新しいコンセプトを提示し、CHO(Chief Happiness Officer)という会社を変革していく存在についても述べたい。
Amazonレビュー抜粋
日本企業が、出世欲がありやめる気のない日本人男性ばかりだった頃は、こういった本は必要なかったでしょう。
しかし、今は転職活動も盛ん、少子化で若手もなかなかとれず、英語ができる人は外資系に流れ、女性は男性社員と同じ対応にしてては辞めてしまう、海外出店や外国人採用により社内も多様化、難しい時代です。
この本の様な方式を取り入れれば、一見コストはかかりそうですが、社員の幸福度も上がり、業績も上がるかもしれません。外部からの人間がコンサルをするくらいではないと、日本企業はなかなか変われないかもしれませんが、やるべきリストがついてるので、それなりに低コストでも実現できるかもしれません。
ライターコメント
パーパスと幸せが重要であると説いている本書は、他の組織に関する働き方改革の本に比べてかなり抽象的で人によって定義が異なってくるものを重要視しています。しかし、社員の幸福度が生産性と相関関係があるという科学的根拠があるうえで、パーパスと幸せが重要であると説いているのではまったく見方が変わってくるのではないでしょうか。
手段を目的化してしまうケースとしてよくみられる、労働時間の短縮を重視した働き方改革ではなく、社員の幸福度を重視した働き方改革を検討してみるのもよいかもしれません。
現場向けの働き方改革関連おすすめの本
5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人 ドイツに27年住んでわかった 定時に帰る仕事術
出版社
SBクリエイティブ
出版年
2017年
内容抜粋紹介
安倍政権が最重要施策のひとつに掲げている「働き方改革」。
その狙いは、日本のビジネスパーソンの長時間労働にメスを入れ、
生産性を向上させること。
この点で日本の先を行くのがドイツです。
ヨーロッパの経済大国として、経済を引っ張るドイツ。
日本より労働時間が短く、生産性は高い。
なぜ、これが可能になったのか。
「この国のサラリーマンたちの労働時間の短さと、休暇の長さには驚嘆させられる」
という在独ジャーナリストの著者が、その秘密を解き明かします。
Amazonレビュー抜粋
ドイツと日本のGDPを比べれると、国レベルでは日本が優っているものの、一人あたりのGDPではドイツが約2割多く、労働者1人が1時間ごとに生み出すGDPでは約5割の差をつけられている。「働き方改革」が叫ばれている昨今、この差はどこから来るのか、どう捉え、どう改革していくべきなのか、ドイツに学ぶ余地は大いにあると考えるのが自然である。
日本でそのまま導入するか否かはともかくとして、1日の労働時間の上限を法律で定めていること、それに違反した場合の罰金は会社が払うのではなく管理職が支払わされることは強い抑止力になっている。それが社会の常識になっていることから、時間内に仕事を終わらせることに個人も組織も集中力を高め、それが生産性に繋がっているであろうことも想像に難くない。
倹約家が多く、無駄を嫌う国民性も、仕事に関して最も少ない時間で大きな成果を生み出す意識につながっており、同じ成果でも投入した時間が少ない方が評価されるというのも国民性の違いが作用している様である。
時間管理を重視し、メリハリをはっきりさせ、ToDoリストを作成し、仕事の優先順位を明確にすることも集中力と効率の向上に寄与する。
意外な点は、サービスに対する期待度が低いということ。日本のサービスの水準の高さは日本の強みであり美徳であるが、見方を変えれば過剰なサービスが日本のサービス業の生産性を低くしている可能性もある。
サービスを受け、生活する国として日本とドイツを比べた場合、どちらが良いかということはさておき、個々人の時間の使い方、労働に対する考え方、人生をエンジョイする、という視点から見た場合、ドイツ人の仕事の仕方に学んでも良いのではないかと感じる一冊である。
ライターコメント
「ドイツ人と日本人では1人あたりのGDPに大きな差がある」「日本は生産性が低く、残業時間が長い」この2つの課題が繋がり、可視化された本です。特に、労働時間に関する法的規制とドイツ人の特徴によって、1人あたりのGDPにも差が生じてしまっていることに多くの気づきがあります。人柄、国柄はなかなか変えることができませんが、労働時間の規制は国が施行せずとも組織、個人レベルで変えることはできます。手段が目的化してしまっては本末転倒ですが、ドイツの仕組みを学ぶだけでも個人レベルで取り入れられる施策はあります。
常識の視野を広げる意味でも学びが得られる本だと思います。
半年だけ働く。
出版社
朝日新聞出版
出版年
2017年
内容抜粋紹介
リタイアまで「2週間以上休めない人生」でいいんですか?
↓
年収を落とさずに若いうちから「圧倒的な自由」と
「組織に縛られない働き方」を手に入れる方法を教えます。
“半年仕事・半年旅人”を10年実践してきた筆者が、
誰もがうらやむ「半年仕事をして、残りの半年の自由を謳歌する」
まったく新しい独立指南本。
知識や資格で稼ぐホワイトカラーが
サラリーマンとして培ってきたスキルを活かして、
その延長線上でスペシャリストとして独立する手法を公開!
Amazonレビュー抜粋
自己啓発や仕事本の一種ですが、胡散臭い「楽して儲ける」ではなく、会社員向けに「いつまでも会社が守ってくれるわけではない」という昨今の時勢から書かれた本です。
もともと「会社で終身雇用」という制度自体、100年の歴史もない浅いものですので、本書で推奨しているフリーランス的な働き方の方が自然なのかもしれないとも思いました。
そのほか、フリーランスとして独立する具体的な方法の他、各種働き方との比較もされていて非常にわかりやすいです。
個人的にはエピローグの「こういった自己啓発本が売れていること自体が、決意はしたものの変わることができない人が多い」という主旨の一文が一番心に残りました。
そう、行動こそ大事なんですね。
ライターコメント
タイトルからして強烈な内容の自己啓発本ではないかと思いがちですが、会社員に向けて今後の時代を生き抜くための行動を促す本です。著者の働き方は現時点では参考にしづらいと感じる部分も多々ありますが、こういう働き方もあるよと様々な選択肢を与えてくれるのは人生の視野を広げる上で重要なものだと思います。主にフリーランスの働き方やメリット・デメリットなどが書かれていますが、それぞれ個人に合った働き方は異なるので、この本を通して「今の働き方でよいのか」見つめなおしてみてもいいかもしれません。
まとめ
みなさんの中で抱えていた悩みが解消され、今まで紹介してきた書籍をきっかけに新たな気づきがあればうれしい限りです。
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