在宅ワークで活躍するプロが大切にする「目に見えないスキル」とは
先日行われたHELP YOU(※1)の表彰式で、中田早苗さんは「GoodPoint獲得賞」を受賞しました。3年前に獲得した「新人賞」に続く2度目の受賞です。
そこで今回は、中田さんの仕事の流儀についてインタビューを行い、「在宅ワークで活躍する秘けつ」について探ります。
中田さんによると、在宅ワークで活躍するために必要なのは、経歴や資格のような「目に見えるスキル」だけではありません。むしろ、その人の人柄や価値観といった「目に見えにくい」部分こそが、本質的な力になるのです。
では、本質的な力とはどういうものなのか──これから読み解いてみたいと思います。
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目次
インタビュイー
ライター
家庭と仕事の両立を目指して、模索してきたキャリア
──中田さんは、これまでどんなお仕事をしてこられたんですか?
いろいろと経験しました。システムエンジニア(SE)やプログラマー、行政の一般事務を経て、その後は短大に入学。学び直したのち、幼稚園教諭や保育士として働きました。バラバラなキャリアに映るかもしれませんが、最優先事項は一貫しています。
──「自宅からの距離」を最優先事項にされた理由は何だったのでしょうか?
──その後もキャリアは続くんですよね。
──本当に多才といいますか、適応能力がもの凄く高いですよね。未経験の分野に挑戦することに不安はないんですか?
──HELP YOUに応募された時も、同じようなお気持ちでしたか?

猫に邪魔されながら仕事をする日々
アドミン(※2)の説明資料のことですよね。あれは、想定された作業時間の何倍もかけて作りました。
二度の受賞経験者が考える「本当に仕事がデキる人」とは
──そのエネルギーがすごいですよね。そうした中田さんの仕事の流儀に、在宅ワーカーとして活躍するための秘けつがあるのではないかという気がするのですが。
──それ、ぜひ教えてください!
在宅ワークって「経理」や「プログラミング」「デザイン」のように、目に見える具体的なスキルがないと活躍しにくいと思われがちですよね。確かにそうしたスキルが求められる案件もたくさんあるのですが、本質はそこではありません。
──「同じ目標を共有する」とは、どういうことですか?
仕事には必ずゴールがありますよね。まず、お客様の課題解決という目標があって、それを達成するために、誰が何をしなければならないかというチームとしての目標があります。いわば「全体の目標」です。
一方、チームのメンバーにはそれぞれの立場と、各々の「個人の目標」があります。例えば、拘束時間を抑えながら効率よく報酬を得たいといったもので、そうした目標があること自体は自然です。
問題なのは、「個人の目標」が優先され過ぎるあまり「全体の目標」に影響が出かねないような場合です。例えば、同じ時間をかけて1件の仕事を完ぺきに処理する人と、不完全な形で3件処理する人がいるとします。処理した件数に応じて報酬が決まる場合には、不完全でも3件処理した人の方が「個人的には得」ですよね。でも「全体の目標」からすると、当然マイナスです。仕事として完成していないし、不完全なものをやり直す時間が余計にかかってしまいます。
逆に「同じ目標を共有」している人と仕事をしていると、その仕事ぶりに感銘を受けてしまいます。その人は、自分の担当範囲を全体の一部として認識しています。だから、自分の仕上げた仕事が次の工程ですぐに使えるような状態になっているか、全体の目標に沿ったものになっているかをチェックしながら仕事を進めていきます。これは一言でいえば、「気配り」や「配慮」ができるということですが、もっと突き詰めると「同じ目標を共有できている」ということなんです。
──受賞後のコメントでも、「群れではなくチームを目指したい」とおっしゃっていました。
そうですね。メンバーが「個人の目標」ばかりを追っているのが群れです。チームは「全体の目標」をまず考えます。全体の中にはクライアントも入るし、一緒に仕事をするスタッフも入ります。そういうことが自然にできる人たちが多ければ、集団はいいチームになります。
逆に、誰かが「個人の目標」ばかりを追っていると、他のメンバーもそういう姿勢をとるようになることがあります。そうなると、集団がただの群れになってしまうんです。だから、「目標への認識にズレがあるな」と感じるメンバーがいたら、「全体の目標」を共有できるようなコミュニケーションをとることを心がけています。
そして、もう一つ大切だと思うのがプロ意識です。プロは報酬をもらいます。報酬をもらうということは、成果を約束することだと考えています。
仕事のプロが口にしない2つの言葉とは?
──もう少し詳しく教えてください。
──それは、自分への厳しさから生まれる発想というより……
そうです。相手の立場に立つからこそ、生まれてくる発想です。困り事の解消を期待して、HELP YOUのお客様は私たちに依頼をしてくださいます。その視点に立つとき、まず思うのは「どうすれば相手の困り事を解決できるか」ということです。「できない」「わからない」とは真逆の思考ですよね。
──「同じ目標を共有すること」「目標や約束のためにベストを尽くすこと」。中田さんが大切にされている2つのマインドについてお聞きしました。それは、別々に存在しているというよりも、「共感して、それに反応する」という同じ一つの心遣いから生まれてくるように感じました。
いい表現ですね。私は過去に、保育士や幼稚園教諭、学会運営事務局での医師の接遇、それに建築設計事務所での管理職を経験してきました。確かに、いつも考えてきたのは「相手のために何をするか」ということだったと思います。

HELP YOUにジョイン後、初めてとった長期休暇。チーム制のありがたさを感じたという中田さん
「目に見えるスキル」以上に「目に見えないスキル」を大切に
──何だかつながってきました。中田さんが今回受賞された賞は、一緒に仕事をするメンバーからの信頼の証ともいえます。お話ししてくださったチーム意識やプロ意識って、すべて信頼を生み出す力ですよね。
HELP YOUで活躍されている方々を見ていると、例外なくそうしたマインドを持っていて、私自身もそうありたいと思っています。もちろん専門的なスキルはフリーランスにとって武器になりますが、それはあくまでも二次的なもの。仕事に向かう姿勢の方が本質で、それがベースにあるからこそ、専門スキルが生きてくるのではないでしょうか。
私たちがキャリアについて語る時、「どんな分野に精通しているか」「どんな技術を獲得してきたか」に焦点が当たることが多いのではないでしょうか。そういうことも大切です。しかし、それは仕事への姿勢がベースにあってこそ。だから、これまでの仕事の場面でも、他の場面でも、「どんな考え方で生きてきたか」「どんな人間関係を築こうとしてきたか」という点の方が重要です。こう考えると、キャリアや専門性がないことは必ずしもハンディキャップにならないと思うんです。
──なるほど。履歴書に書きやすい「目に見えるスキル」とは別に「目に見えないスキル」があるんですね。
──3年前に新人賞を受賞された時、当時のインタビューで「専門分野はない」とおっしゃっています。今回のインタビューでも、やはり「目に見えないスキル」を中心にお話しくださいました。
そうですね。あの時は「自分の専門分野をつくっていきたい!」と思っていました。そうして、専門的な知識やスキルを習得するための勉強は、ずっと続けてきました。
──専門分野を持たずに在宅ワークを始めて、二度の賞を受賞された。中田さんのお仕事ぶりは「専門分野がなくても活躍できる」ことの力強い証明になると思うのですが。
そうですね。「専門分野がなくても活躍できる」というと、少し語弊があるかもしれません。「専門分野でなくても、活かせる力がある」ということではないでしょうか。
──アドミンとして関わられた案件で、他のメンバーから評価コメントが寄せられていますよね。今日のお話から、とても納得できるコメントです!
「煩雑な業務も楽しんで仕事することを教わりました」
「今ひとつまとまりに欠けていた案件が連携できるようになった」
もし専門分野がないことを理由に応募をためらっている方がいらっしゃったら、「自分が活かせる力」について考えてみてはいかがでしょうか。職場でもその他の場面でも、誰かとの関わりの中で大切にしてきた価値観や考え方に自分の強みが隠されているかもしれません。
まとめ
中田さんが大切にする「スキル」とは、目標を共有する視点、成果に責任を持つプロ意識でした。これらは目に見えるスキルではありませんが、信頼を生み、継続的に仕事を依頼される基盤となります。子育てや人との関わりから自然と育まれるような「目に見えないスキル」こそが、在宅ワークを長く続けていくうえでの大きな武器になるのかもしれません。
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