
運動会で輝く我が子を撮る!2児を育てる副業カメラマンが、今日から試せるコツを解説
運動会の写真って難しい…そう感じるパパママも多いと思います。
せっかくの晴れ舞台だからこそ、子どもの笑顔や真剣な表情をきれいに残したいですよね。
この記事では、副業カメラマンの山口正太さんにインタビュー。2児の父として日常的に子どもを撮影し、七五三など行事撮影の経験も豊富な山口さんが、親視点とプロ視点を交えながら「運動会撮影のちょっとしたコツ」をご紹介します。
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目次
インタビュイー
ライター
サムネイル制作者:今泉香織 (制作アイキャッチ一覧)
初めての運動会写真でも失敗しないアイテム選びとは

何を使い、どんな設定で、どこで撮影すれば満足いく写真が撮れるのか。一度きりの本番でも、悩みは尽きません。
スマホと一眼レフ、一度は必ず悩む機材の使い分け
──運動会のようなイベントだと「写真も動画も撮りたい」そんな風に悩む方も多いと思います。機材の使い分けはどのようにされていますか?
私が撮るのは「写真」だけで、妻がスマートフォン(以下スマホ)で動画を撮っています。
でも最初のうちは、写真と動画どちらで撮るか悩んだり、撮るだけじゃなくて自分の目でも見たいと考えたり、結構迷いました。
しかし、一度に複数のことを行うと、写真も動画も中途半端になってしまうことに気が付きました。
そのため「何か1つに集中する」というのはポイントかもしれません。
我が家の場合、それを役割分担という形で実現しています。
失敗写真を減らす、運動会おすすめのカメラ設定とは?
── 一眼レフカメラで「迷ったらこれだけ変える」おすすめの設定はありますか?
普段は大体「絞り優先オート」にしています。
もちろんマニュアルでも撮れますが、色々考えているとシャッターチャンスを逃してしまうため、なるべく考えずにパッと撮れるようオートにしています。
また運動会だと、自分の子ども1人を狙い打つ状況が多いので、「絞り開放」などでF値(※1)を低めに設定しています。
そうすれば、空が多少曇っていたとしてもシャッタースピードが極端に遅くなることはないため、ブレる心配も少なくなります。
あとはとにかく、ピントがきちんと合うように気を遣っています。
私の場合、運動会では被写体を中央に置いて撮るシーンが多いため、フォーカスポイントを中央付近のみで探す設定(※2)にしています。
どこまで必要?知っておきたいレンズ&グッズ選び
──撮影にあたって「これだけは持っていく!」という必須アイテムはありますか?
なかでも「70〜200mmのズームレンズ」が一番撮りやすいと感じています。
でも私自身ズームレンズは持っておらず、運動会シーズンにのみレンタルしています。
──なるほど! 今はその時だけレンタルするサービスも充実していますよね。
イベント撮影や普段自分が撮らない状況での撮影を依頼をされたときなどに、重宝しています。
──あと最近、カメラのアクセサリーシュー(※3)にスマホを取り付けることで、スマホとカメラを同時に撮影できるグッズを知ったんですが、使ったことはありますか?
ありますが、私はあまりしっくりこなかったですね。
便利なのかもしれませんが、結局スマホとカメラの両方に気を遣うことは変わらず、どちらも中途半端になってしまうと感じました。
──使いこなす難易度は高そうですが、逆にいえば並行処理が得意な方は検討してみても良いかもしれませんね。
満足できる運動会写真を増やそう!即試せる撮影アイデア

少し斜めのアングルから、絞り開放オートの設定で被写体にしっかりピントを合わせる。この一枚だけでも、多くの技術が詰まっています。
前の列と重なって見えない…そんな失敗を減らす場所取りのコツ
──運動会での場所取りは、事前にしっかり準備をしていますか?
自分の子どもが出る種目の並びや次の種目については、予めプログラムで調べておき、それを元に最初の場所取りを決めています。
「ギリギリまで娘を撮影していたら息子のベストな位置まで多分行けないから、この辺にしておこう」といったこともありました。
──そういう場合、実際にはどのような対応をするのでしょうか?
最低限、後ろから撮影することにならなければいいかなと。
こちらを向いている様子が撮れる位置なら、必ず真正面でなくてもOKと捉えています。
──ベストポジションを求めだしたら、キリがないですよね。私の住む町は一学年で20人ほどですが、それでも場所取りは難しいと感じます。例えば、前の列の子と重なって見えづらくなったりだとか。
そういう状況ってありますよね。私も、これまでの経験を踏まえて、同じ失敗を繰り返さないよう心がけています。
例えばダンスであれば「前の方に出てくる」「後ろの方でこちらを向いて踊る」など、大まかな位置関係のみをプログラムで確認しています。
また整列時は、正面に行き過ぎるとかえって前の列の子と重なってしまうため、あえて少し斜めから撮れる場所を探しておきます。
徒競走であれば、トラックのどこを走るのかを確認したうえで「ゴールから正面を撮るのか」「コーナリングを撮るのか」といったことを考えます。
王道ポジションであるゴール前は人も多いため、状況を見ながら臨機応変に場所を調整しています。
夢中でカメラを向け続けることで生まれた、奇跡の一枚

山口さんお気に入りの一枚。当時より撮影スキルが向上した現在でも、再現は難しいそうです。
この時は、場所取りが全然うまくいかなくて。両側に他の親御さんの腕が映りこんでしまったんですが、とにかくピントだけはしっかり娘に合わせました。
──それが逆に良いですね…! とても被写体が際立っています。
ダンスで顔を隠す場面なのですが、偶然、娘がこっそり周りを覗いてる様子が撮れました。
──狙わずに撮った写真が、実はとても良かったということはよくありますよね。
そうですね。この写真は「撮って」と今言われても、もう撮れないと思います。
撮り方は無限大!?大切なのは「子どもの日常を記録する」こと

撮影のタイミングは、目玉となる各競技だけじゃない。合間に友だちと楽しく話している時間こそ、子どもの自然な表情を収めるチャンスかもしれません。
先ほどご紹介した写真にもつながりますが、あえて「引いて撮ってみる」ことでしょうか。
周りに人がいる隙間から撮った写真は、自ずと真ん中に視線が集まりやすくなると思います。
もちろん子どもに近づけば、それだけ撮りやすくはなります。
ただ、その分子どもも親の存在に気付きやすくなるため、カメラを意識した写真になってしまうことが多いです。
──確かに、撮られていることに気付くと、大人でも意識しますよね。
とはいえ、色々考えていたら大事な場面を見逃してしまうため、競技中は我が子にピントを合わせることを第一に考えています。
──そのほか、あえて「一味違うところ」で撮影したことはありますか?
子どもたちが座っている応援席の後ろから、娘の後ろ姿やお友達と喋っている横顔を撮ることも多いですね。
とても自然な表情をしていたり、純粋に楽しそうな表情をしていたりすることが多いので、気付かれないようにあえて後ろから撮影しています。
進学のタイミングなどで子ども同士が離ればなれになることも多いため「この子仲良かったよね」「あの子元気かな」と後で見返せるようにしています。
在宅ワークで叶えた、副業カメラマンのワークライフバランス

700万インプレッション・24万いいねを記録した写真。ニュースサイトに掲載されたこともあり、大きな反響を呼びました。山口さんも、Xからの通知が止まらず加速していくことに怖さを覚えたそう。
子どもの誕生をきっかけにのめり込んだ、カメラの世界
──そもそも、カメラを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
長女の誕生がきっかけです。子どもの写真を撮りたいと考えてカメラを購入したら、一気にのめり込んでいきました。
そこから、オンラインサロン(※4)などのコミュニティに参加したり、個人で活動しているカメラマンさんのお手伝いをしたりして勉強していきましたね。
そこからしばらくは、プライベートの写真を撮り続けていました。
するとある時、友だち家族と遊んだ際の写真を送ったら、とても喜ばれて。
それがきっかけで「今度、七五三があるから撮ってよ」と声をかけてもらえるようになりました。
副業としてお金をもらい始めたのは、そこからですね。
その後、ありがたいことに少しずつ依頼も増えていきました。
その様子をSNSで発信しつつ、並行して写真の出張撮影を行うプラットフォーム「fotowa」に登録をしたところ、知り合い以外からの依頼も頂けるようになりました。

「fotowa」はピクスタ社が運営する家族・子ども向けの出張撮影プラットフォーム。ピクスタ社はHELP YOUの利用企業であり、山口さん自身もfotowaの登録フォトグラファーとしてピクスタ社のメディアへ登場したことがある。
以前は、全国転勤があり、拘束時間の長い業界で仕事をしていました。
そのため、家族との時間がなかなか取れず、カメラに割ける時間も少ないと感じていました。
そんな中、偶然出会ったHELP YOU(※5)にジョインし、フルリモートワークになったことで、家族との時間も、カメラマンとしての活動時間も増えていきました。
──ご家族と過ごす時間が増え、好きなカメラに割ける時間も増えたのは大きいですね。
そうですね。平日に自宅で仕事をしているとき、昼休みにリビングで過ごしている子どもたちの写真を何気なく撮る、ということもできるようになりました。
日常の一風景を撮る頻度が増えたことによって、子どもの成長をより身近に感じられるようになったと感じます。
これは、HELP YOUに入って良かった点の一つです。

息子さんとの何気ない一枚。こんな写真を気軽に撮影できるのも、普段から一緒に過ごす時間が多い在宅ワークならではかもしれません。
営業とカメラマン、意外な共通点とは?
──写真を通じて得られたノウハウや経験が、仕事に役立ったと感じることはありますか?
相手の感情や考えを、コミュニケーションを取りながら察知するということは、仕事でも写真でも共通しているように思います。
HELP YOUにジョインした当初は営業を担当していたため、「自分の提案や話した内容がきちんと相手に伝わっているか」を意識しながら会話をしていました。
──写真撮影の場でも、密なコミュニケーションを意識されているのですね。
はい。そこが私の強みというか、少なくとも「写真撮るマシーン」にならないようにはしています。
カメラの性能は一定のラインまで成熟していると思うので、自分が撮る意味をどこに見出すかといったら、「コミュニケーションを取りながら、その人の感情を表現できるようにすること」ではないかと考えています。
いつも通りの表情を引き出せるように、自然な流れの中で場を演出することを心がけています。
まとめ
すると、口から出た言葉は意外にも「子どもとのコミュニケーションを大切にすること」でした。
「子どもの写真は、普段からの会話やコミュニケーションの延長にある気がします。
直接話すに越したことはありませんが、同じ空間で同じ時間を過ごすだけでも、心の距離感が縮まると思います」
山口さんは、そう話しました。
日常のちょっとした積み重ねで、いざ写真を撮ろうと思ったときに自然な雰囲気で撮れたり、運動会などのイベントでも子どもの行動が予測できるようになったりするそうです。
そうした意味では、お子さんとの時間をめいっぱい楽しむことが、カメラ技術を上げる一番の近道かもしれません。
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