自己成長のヒント!3つの「ゾーン」から考える「キャリア」の築き方
高橋サチが送る「わたし」らしい働きかた講座。「仕事」で磨かれたスキルを「くらし」にも活かす。ライフワークシナジーを体現するためのヒントをご紹介いたします。
目次
ライター
世の中にあふれる「キャリア」という言葉 本来の意味とは?
キャリアアップ、キャリアデザイン、キャリアチェンジなど……、現代社会にあふれる「キャリア」を使った用語。「キャリア」という言葉は、もはや、今を生きるビジネスパーソンの日常に欠かせないワードになりつつあるのではないでしょうか。しかし、そもそも「キャリア」とはどういう意味なのでしょう?「キャリアを積んでいく」とはどういうことなのでしょうか?
最初に「キャリア」という言葉の意味を見てみましょう。厚生労働省発表の報告書によると、
「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」、さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。
引用:平成14年7月、厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書
キャリアというのは、「経歴」やその仕事を通して積み上げてきた「経験」、というのは皆さんもイメージがつくと思います。しかし、ここで着目してほしいのは、「発展」さらには「関連した職務の連鎖」という部分。「発展」とはいったいどうすることなのでしょうか?
仕事の経験を積むだけが「キャリア」ではない!「発展」について考えよう
「経済が発展する」「技術が発展する」「関係性が発展する」など、「発展」という言葉は、物事がより進んだ段階に移っていくことを意味します。類義語としてあげられるのは、「発達」や「進歩」「進展」です。キャリアというのは、仕事の経験を積むということだけではなく、仕事に取り組むことで自分をひとつ上の段階に移していくプロセスということになります。
「コンフォートゾーン」から抜け出そう!
では、次に、自分を「発展」させるうえで必要なことについて考えてみましょう。皆さんは「コンフォートゾーン」という言葉を耳にしたことがありますか?
人材育成の場でもよく使われるこの言葉は、「いつもと同じやり方で行える快適な仕事を継続しておこなう」というゾーンのことで、いわゆる、「ぬるま湯」につかっている状態のこと。慣れ親しんだ作業を簡単に心理的ストレスも少なく対応できるので、このゾーンにハマると人はなかなか脱出できなくなります。さらに、そのゾーンのすぐ外側には自分の能力を超えたレベルの作業を要求される「パニックゾーン」があるのではないかと考え、ステップアップへの道を断念するケースが多くなります。
しかし、実際には「コンフォートゾーン」と「パニックゾーン」の間には「ラーニングゾーン」というものが存在します。「ラーニングゾーン」は、ある程度の負荷はかかるが、達成可能なレベルの業務を行うゾーンで、最も自己成長を実感できる場所だといわれています。
「コンフォートゾーン」で立ち止まらず、「ラーニングゾーン」へ進出することは自分を「発展」させるうえで必要なことだと感じます。そして、キャリアを積んでいくために大切なのは、「コンフォートゾーン」から「ラーニングゾーン」への進出を繰り返すことです。「ラーニングゾーン」へ進出し、ワンランク上の新たなスキルや知識、経験を積んでいくと、「ラーニングゾーン」はやがて「コンフォートゾーン」に変化します。そうなったら、また一段階上の新たな「ラーニングゾーン」へ進出する。
この繰り返しによりキャリアは積まれていくのではないかと思います。
ワンランクアップを目指して 「成長痛」は人に必要なこと
「ラーニングゾーン」への進出、つまり、現状よりワンランク上の段階へチャレンジしていくこと、それは誰もが不安で怖いものです。実は私もつい先日、上司から「新たな業務の挑戦には成長痛はつきもの。それは人にとって必要なことですよ」と言われたばかりです。「ラーニングゾーン」で経験する「成長痛」は、何日も痛すぎて挫けそうになることもありますが……(苦笑)、その痛みが発展となり、自分の未来につながることは確か。それは、スキルや知識、経験を積むといったことだけではなく、仕事に対する心のエネルギーを高め、自分の働き方や生き方、人間性をも磨いていくことにつながるのではないかと思います。
まとめ
Link