夫婦でカンボジアへ移住。「今」を大切にして未来を切り開く
自分の仕事が評価され昇進するというときに、パートナーから「海外に移住したい」と言われたら、あなたはどうしますか? 住み慣れた日本での安定した暮らしより、どうなるか予想もつかない異国の地でのチャレンジを選択しますか? 20代前半でCafe&Barを経営し、紆余曲折を経て、スーパーの店長になろうとしていた高岡典子さんは、パートナーの強い思いに寄り添い、夫婦でのカンボジア移住を決断しました。現在はカンボジアでパートナーの事業を手伝いながら、HELP YOUでもお仕事をしています。「今しかできないこと」に全力で向き合い人生を楽しむ高岡さんのお話は、挑戦をすることに臆病になっているあなたの背中を押してくれるかもません。
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目次
ライター
その後結婚を機に、機械専門商社の営業事務に転職。娘を0歳から保育園に入れて働き続けていたが、70歳まで働く時代。娘の小さい時くらいそばにいてあげたいと思いHELP YOUにジョイン。いろいろな仕事に挑戦できるHELP YOUで、70歳まで働けるスキルを身に着けるため修行中。
やりたいことは何でもやってみよう!
2020年からご夫婦でカンボジアに移住されたそうですが、それまではどんなお仕事をされていましたか?
洋服が好きで、「いつか自分のお店を持ちたい」と思いながら、高校卒業後、地元のアパレルショップの店員として働いていました。働き始めて3年くらい経った頃です。店舗ごと経営を引き継いでくれる人を探しているCafe&Barがあると知り、同じショップで働いていた先輩と2人で「やっちゃおうか!」という感じで、お店を引き継ぐことにしました。
当時21歳くらいですよね? いきなり夢だったお店を経営するなんてすごいですね!
怖いものなしでしたね(笑)。「今やりたいことは何でもやってみよう! ダメだったら辞めればいいじゃん!」と思っていました。当初は、Cafe&Barをスタートして資金がたまったら、店舗の2階で古着屋をする計画でしたが、資金など到底たまるはずもなく…。そんなとき、今度は知人の古着屋さんから「閉店するから在庫ごと店を引き継いでくれないか」とお話があり、「ラッキー! やるやる!」と飛びつきました。
しばらくは、Cafe&Barと古着屋の2店舗を経営していましたが、最終的には構想通りCafe&Barの2階に古着屋を移転させて1店舗で経営を続けました。
経営はうまくいっていたんでしょうか?
5~6年やりましたが、全然儲からなかったです(笑)。最後の方は、先輩とお互いアルバイトを掛け持ちしながら、自分たちの生活費をどうにかまかなって、お店を維持させている状態でした。もう、仕事というより部活動をしているような感覚でしたね。
純粋に楽しまれていたんですね。
やりたいことを楽しんでやっていましたね。でもそのお店は老朽化が進んでいたため、土地のオーナーさんの意向もあって取り壊すことになってしまいました。ありがたいことに、お店を畳むのにかかる諸費用は全て不動産屋さんが負担してくれることになって。
当時の私は新婚で、夫はもともとCafe&Barのお客さんだったのですが、結婚後も夜間に仕事をすることを心配していたので、「このタイミングで閉店するのも運命なのかな」と思いました。
移住決断で思い出した変化することの楽しさ
お店を辞めてからお仕事はされていましたか?
はい。その後は、Cafe&Bar経営時代からアルバイトをしていたスーパーで、パートから正社員になり働いていました。実はカンボジアに移住する前には、店長になることも決まっていたんです。
店長になる予定だったのに、カンボジアに移住を決めたんですね! 移住の経緯は?
ある日、夫からカンボジアに移住したいと相談がありました。夫は以前、グリーンカードを取得しアメリカで暮らしていた経験があるのですが、家業の不動産業を継ぐため日本に戻り仕事をしていました。でも、海外で暮らしたいという思いをずっと捨てきれなかったようで、私に打ち明けてくれたのです。夫がリサーチした結果、不動産業のノウハウを生かし起業できるチャンスがある国として、移住先に最適だったのがカンボジアでした。
移住についてはすぐに決断できましたか?
かなり葛藤がありましたし、決断までには時間がかかりました。勤めているスーパーで店長になる予定だったことだけでなく、私自身は不動産業未経験で、英語もほとんど話せませんでしたから。
実はお店を辞めてから、燃え尽きたというわけではないですが、安定志向に心が傾いていました。それまで好き勝手に生きてきた反動かもしれません。「変化なんてもういらない。のんびり平穏に暮らしたい」と思うようになっていたんです。
でも、悩みに悩んで、改めて「夫」と「仕事」どちらが大切かを考えたとき、家族である夫以上に大切なものはないと気付き、夫についていこうと決意しました。そして、決断してからはお店を経営していた頃の気持ちがよみがえり、「ダメだったら帰ってきたらいいし、なんとかなるでしょう!」と、移住を前向きに考えられるようになりました。
一分一秒を大切に、楽しく生きる
カンボジアでの事業は順調ですか?
移住した直後は、コロナの影響もあり、すごく大変でしたね。不動産ライセンスもなかなかとれず、不動産業を始めるまでに数か月を要しました。いざ事業を始めてからも、カンボジアでは不動産は個人での直取引が中心なので、仲介を通すことになかなかメリットを感じてもらうことができません。売上が伸びず、貯金を切り崩して生活する日々が続く中、旅行系Webサイトを立ち上げたりと別の事業でなんとか生きる道を模索しました。
現在は、不動産会社経営と旅行系Webサイト運営の2つの事業をしていて、私はそのサイト運営を少し手伝っています。
HELP YOUにジョインした理由は何ですか?
住んでいる国に関係なく働ける仕事をインターネットで探していたところ、夫が「HELP YOU」を見つけてくれました。
私は日本語でできる仕事を求めて、すでにさまざまなクラウドソーシングのお仕事サイトに登録していました。でも、自分にマッチする仕事を見つけることができず…。「こんなものかな」と思っていましたが、HELP YOUは採用課題や面接があって、エントリーから採用までのフローがしっかりしていたので、採用されたら安定して仕事ができるのでは? と期待が高まりました。それに仕事内容が幅広いので、私にもできる業務がありそうだと感じました。
実際にHELP YOUにジョインして理想通りに働けていますか?
はい。私の理想は「人生の一分一秒でも無駄にせず楽しく過ごすこと」なので、自分のペースで働ける今の状況にとても満足しています。自分の暮らしを大切にしながら、自分の働きたいタイミングで働き、働いた分きちんと報酬を得ることができるのはありがたいですね。
リモートワークは初めてですよね? 慣れるまで苦労はありませんでしたか?
今まで対面でコミュニケーションを取る仕事ばかりだったので、テキストだけでのやりとりに、最初は少し戸惑いがありました。対面だと、「これでいいの?」とすぐに確認が取れますが、テキストだと、何度も確認するのはしつこいかな…とか。でも、ちょっとしたことを質問しても、みなさん本当に親切に教えてくださいますよね。だから、テキストコミュニケーションも、一緒に働くメンバーのやり方を参考にしながらすぐに慣れることができました。
HELP YOUではどんなお仕事をされていますか?
経理・財務、メール対応、メディア運用、SNS運用などです。あとは、黙々と作業することや、業務を整理することが好きなので、一般的に「ちょっと面倒くさいな…」と感じるような煩雑なお仕事も得意です。
HELP YOUは初めて経験する業務でも、不安に感じていることを伝えると、ディレクターさんがしっかりサポートしてくださるので、安心して挑戦できますよね。
自分を幸せにするのは自分自身
移住当初は、高岡さんもパートナーの事業にフルコミットする予定だったのですよね? HELP YOUでもお仕事をするようになって、何か変化はありましたか?
不動産業の知識はなく、英語も話せない私は、移住当初は何をするにも夫に教えてもらわないと仕事ができない状態でした。でも今はHELP YOUで得た知識やスキルをWebサイトの運営に生かすことができ、WordPressのちょっとしたバグも「これはこうしたら良いんじゃない?」と夫に教えることができています。もちろん、夫から吸収したことがHELP YOUの業務で役立つこともあります。お互いの仕事にそういった相乗効果が生まれたのは、すごく良い変化でしたね。
今後、ご夫婦でいろんな国に住んでみたいという思いがあるそうですが、高岡さんが海外で暮らす選択を続けたいと思う理由は何ですか?
移住を決断するまでには時間がかかりましたが、夫とカンボジアで暮らしてみて、「やっぱり変化って楽しい!」と感じています。いろいろと苦労はありますが、それでも今は「経験できることは全部やってみたたい!」という気持ちが強いです。
日本に戻ろうと思えばいつでも帰れるので、シンプルに「今しかできないことは今やろう! 歳を取ってからでもできることは後回し!」というマインドで、海外で生活することを選択しています。
私は先のことばかりを心配して、今の自分の気持ちを犠牲にしている気がします…。高岡さんは将来に不安を感じることはありませんか?
不安はもちろんありますよ。私も夫も両親とは離れて暮らしているので、お互いの両親に何かあったときにすぐに会いに行くことができません。お金に対する不安もあります。でも全てを手に入れることはできないので、「今」の自分の気持ちを優先して選択を続けています。自分の人生は自分しか組み立てることはできないし、自分を幸せにできるのは自分自身だけですから。
カンボジアで暮らしていると、交通事故死が多かったり、子どもが病院へ行くことができずに亡くなったり、日本で生活していたときより若年層の死を身近に感じます。自分もいつ死ぬか分からないので、いつ死んでも後悔しないように、生きている今を大切にしようという思いが、より強くなりました。
まとめ
英語で「現在」が”present”なのは、「今」という時間が誰にでも平等に与えられた「贈り物」だからだと言われています。「今」という与えられた時間をどう過ごすかによって、未来はどのようにも変わっていくでしょう。HELP YOUは、高岡さんのように自分の意志で未来を切り開くあなたを応援しています。
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アイキャッチデザイン/今泉香織
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