2017年2月22日 更新

育休中にスキルアップも!? 自信を持って復職するための産休・育休のすごし方

NPOサービスグラント、NPO法人マドレボニータ、一般社団法人ドゥーラ協会主催のセミナー「積極的な育休活用のススメ」に参加してきました。出産による体と心のダメージをしっかり回復し、自信をもって職場復帰するためのヒントをお伝えします。

1,857 view
 (5841)

女性の第一子出産時の平均年齢は30.6歳で、年々上昇しています。40歳以上での第一子出産数も増加傾向にあります。つまり、仕事で脂が乗っている時期に出産する女性が増えているわけですが、内閣府の調査では、第一子出産で離職する女性が半数近くいます。

そんな状況ですから、出産後も辞めずに仕事を続けようにも同じ経験をしたロールモデルが少なく、復職について多くの女性が不安を感じているという調査結果も出ています。逆に企業の側は、女性社員の活躍・定着の課題に「女性社員の意識」を挙げています。これは、子育てしながら仕事をするという状況で、周囲に仕事を押し付けたり権利ばかりを主張するという「ぶら下がり」意識のある女性社員に対して懸念を感じている会社が増えているということのようです。

一方、産休・育休を経て、出産前より更に輝き、活躍している女性もたくさんいらっしゃいます。今回のセミナーでは、復職後に「ぶら下がり社員になってしまい離職につながるタイプ」と、「イキイキと活躍できるタイプ」を以下のように整理されていました。

「ぶら下がり・離職」とは

  • 産後の回復が不十分で体調を崩しやすくなっている
  • 慌ただしく余裕がない
  • 制度を最大限活用してなんとか続ける
  • 「このまま続けても」と思い退職する人も・・・

「イキイキ・活躍」とは

  • 体力、気力充分で復職
  • 意欲的に仕事に取組む
  • パートナーと協力し仕事と家事の両立
  • 管理職を意識した仕事への取組み
    ⇨若手女性社員のロールモデルに

せっかく職場復帰するなら、ぜひとも「イキイキ・活躍」型になりたいですよね。
今回のセミナーによれば、そのための鍵が産休・育休の過ごし方にあるのです。

産休・育休中に起きること、必要なことを知り、外部のサポートも得よう

セミナーでは、産休・育休の期間を「妊娠中〜産褥期」「産後リハビリ期」「復職準備期」の3つに分け、それぞれの期間を積極的に有意義に過ごすために必要なことを教えてくれました。

妊娠中〜産褥期:産後のリスクを回避する

妊娠・分娩によって生じた子宮や全身の変化が、妊娠前の状態に回復するまでの期間を産褥期(さんじょくき)といい、6~8週間を要するといわれています。

「産後の母体は、傷だらけ。私たちは全治1ヶ月相当と言っています」そう語るのは、NPO法人マドレボニータの太田さんです。

NPO法人マドレボニータ 太田智子さん

NPO法人マドレボニータ 太田智子さん

「この時期に、しかるべきケア・リハビリがないと、本当にボロボロのまま育休が終わってしまいます」

妊娠・出産で女性が体に受けるダメージを軽く見てはいけない。と太田さんは警鐘を鳴らします。

産後は身体だけでなく、心も不安定です。慣れない赤ちゃんのお世話で生活リズムの乱れが生じるうえ、妊娠前の状態に戻ろうとするためにホルモンバランスが変化し、精神や自律神経がとても不安定な状態になるのです。

赤ちゃんや職場復帰のことを心配しすぎたり、なんだかイライラしたり……、赤ちゃんと二人きりの引きこもり生活という孤独な環境で、「なぜ幸せなはずのこの時期に、こんな気持ちになってしまうのだろう」と自分を責めてしまうママも少なくないようです。

このように、"出産後の体と心の状態は不安定になって当たり前"なのですが、それを踏まえた準備ができていないために、産後の三大危機を迎えてしまうケースが少なくないそう。その三大危機とは……?

1)母体の危機 : 産後うつ
2)赤ちゃんの危機 : 乳児虐待
3)夫婦の危機:夫婦の不和(産後クライシス)

「重篤な状態には至らなくても、この3つの危機が全くないという人は、1割にも満たないんです。しかし、こういったことが産後に起こると知らない、またそれに対してどういった対策を取ればいいかということを教えてもらっていないことが、大きな社会問題だと考えています」と太田さん。

 (5756)

三大危機の状態にならないためには、どんな対策があるのでしょうか?

産褥期に大事なのは、ママに対する周囲のサポートです。そしてそのためには、出産前からの準備が必要です。

安定した産褥期を過ごすためには、しっかりとした「産後プランニング」を立てることが重要だというのは、一般社団法人ドゥーラ協会の有山さん。ドゥーラ協会では、出産や産後の生活について、ご家族と一緒に考え、「産後プランニング」のお手伝いもしてくれるのだそう。

一般社団法人ドゥーラ協会 事務局 有山美代子さん

一般社団法人ドゥーラ協会 事務局 有山美代子さん

「例えば、育休ひとつとっても、パパは実際いつからどのくらい取ったらいいのか分からず悩んでいたり、ママもこうして欲しいと言い難かったりします。こんな時、第三者が入って、希望や意見を聞いていくことで、二人だけでは解決できなかったことも、整理されていきます。」

また、夫が仕事で忙しいなど、身内のサポートを期待できない場合にも、”産後ドゥーラ”は力を貸してくれます。

産後ドゥーラは、母親サポート・家事サポート・育児サポートの3つで、ママを支えてくれます。育児サポートでは、新生児だけでなく上の子のお迎えやお世話も可能で、産後だけでなく妊娠中に体調が悪い時も、お手伝いに来てくれるそうです。

「その中でも、私たちはエモーショナルサポートを大切にしています。ママが優しくされることで、赤ちゃんに優しくできる。母親の力を十分に発揮するためには、他の存在が必要なのです」と有山さん。出産・育児で痛かったり、辛かったり、頑張り過ぎていたりするママの話を聞いてくれる。うまく説明できないことをわかってくれる。共感して寄り添ってくれる。それがドゥーラなのです。

 (5770)

産後リハビリ期に(産後2~6か月)で復職に向けての土台作りを

養生することがいちばんだった産褥期を過ぎ、産後2ヶ月目からは産後の心身のダメージと、復職に向けての土台づくりとなるリハビリ期に入ります。

NPO法人マドレボニータでは、リハビリ期を支える"産後ケア教室"を開催しています。教室では、バランスボールを使った有酸素運動で全身の持久力と筋力を高めるだけでなく、人生・仕事・パートナーシップの3つのテーマで、参加者同士が真摯に語り合います。また、毎週テーマに沿ったセルフケアのスキルを身につけていきます。

45 件

この記事を読んだ人におすすめ

育休中ママが社会貢献活動。「ママボノ」キックオフミーティングで垣間見た、その魅力

育休中ママが社会貢献活動。「ママボノ」キックオフミーティングで垣間見た、その魅力

「プロボノ」という言葉を聞いたことはありますか?プロボノとは「仕事で培った専門的なスキルや経験などを提供して、社会解決に成果をもたらすボランティア活動」のことです。このプロボノを、育休中に行っているママたちがいます。「ママボノ」というこのプロジェクトの2016年度のキックオフミーテイングが東京・港区の日本財団にて行われましたので、その様子をレポートします。
宮本ナガタ | 1,063 view
小1の壁を機に、大手企業からベンチャーに転職!育児と仕事で走りぬけた20代、そしてネクストステージへ

小1の壁を機に、大手企業からベンチャーに転職!育児と仕事で走りぬけた20代、そしてネクストステージへ

新卒入社して1年目で妊娠が分かり、出産後、職場復帰も果たした熊本 薫さん。しかし、お子さんの小学校入学を機に、転職を経験されました。このタイミングで転職をされたのには、どのような理由があったのでしょうか。
LAXIC | 391 view
育休中は共働きとして働くための準備期間 第2子育休中には地域コミュニティの活動も!

育休中は共働きとして働くための準備期間 第2子育休中には地域コミュニティの活動も!

第2子育休を「共働きの準備期間」と位置付け、さまざまな活動に尽力された大道あゆみさんの育休の過ごし方とは
LAXIC | 44 view
職場復帰してワーキングマザーになるあなたに、おすすめの本5選

職場復帰してワーキングマザーになるあなたに、おすすめの本5選

スムーズな職場復帰に向けて、職場・家庭で参考になる本のご紹介です! 
西谷 じゅり | 988 view

この記事のキーワード

この記事のライター

宮本ナガタ 宮本ナガタ