勤続13年…会社に残る?それとも転職する? 選んだのは「フリーランス」の道でした
同じ会社で長く働いていると一度は、「このままで良いのか…」とキャリアに迷った経験がある方も多いのでは? 「今の環境のまま会社に残るのか」もしくは「思い切って転職するのか」と。
今回、インタビューした1児の母である芳賀つかささん(41)もそんな経験をした一人です。前職で順調にキャリアアップしていたものの、30代半ばで仕事へのモチベーションを失い、自分のしたいことがわからなくなったそう。しかしながら、このとき芳賀さんが選んだ道は、会社に残るでも、転職するでもなく「フリーランス」として働くことーー。
高卒でフリーターをしていた過去から、現在地であるHELP YOU(※)でフリーランスとして働くまでの歩みを伺いました。
※HELP YOUでは、世界各国・全国各地から集まった約500人のリモートワーカーが、オンラインアウトソーシング事業を支えるメンバーとして活躍中です。
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目次
ライター
自信のなさを原動力に、駆け抜けた会社員時代
これまでの経歴を教えてください。
高校卒業後に1年ほどフリーターをして、その後19歳の時に地元愛知県のクリーニング店でルートドライバーとして就職しました。しかし、ドライバーの仕事は重労働で、次第にオフィスワークに転職したいと考えるようになったのです。ただ、当時の私はパソコンが使えなかったので、たまたま近所にあったパソコン教室に通い始めました。働きながら少しずつ学び、ようやくExcelとWordの1級資格を取得。そして21歳の時、大手通信商社へ転職し、上京しました。
その後は、会社内で順調にステップアップされています。どのようなことを心がけていましたか?
上京後は、部署の新人として自分ができることは何でもやりました。いつも1番に出社して、フロアのゴミを集め、デスクを拭き、灰皿を空にして洗う。電話が鳴れば、ワンコール鳴り終わる前に出るなど…。
正直、当時はそれをするのが当たり前だと思っていました。でも、私と同じ時期に入ってきた人は誰もそれをやらなかったのです。よくやるよねーなんて嫌味っぽいことを言われたこともありました。それでもやり続けた結果、普段仕事では関わらない他の部署の方にも少しずつ名前と顔を覚えてもらい、仕事も任せてもらえるように。そして、配属された年の事業部内の業務ランキングで1位に選ばれ、入社から2年ほど経った23歳の時に、課長代理に昇格させてもらえたのです。
ゴミ集めも電話対応も特別なスキルは必要なく、言ってしまえば誰かがやってくれるだろうと思う仕事です。でも、今となっては、そういう仕事こそやっておくべきなんだろうと感じています。少なからずこれらの行動が私の人生を好転させるキッカケになったからです。
それからも、自分のちょっとした行動が何かにつながって、偶然思いもよらない展開になることを何度も経験しました。だから、与えられた環境で誰よりも頑張り、努力することを大切にしています。
誰も率先してやりたがらないことを当たり前のようにやるというのは、なかなか難しいことです。何が頑張る原動力になっていたのでしょうか?
ネガティブな言い方ですが、あまり自分に自信がないことが原動力です。元々は高校卒業後にフリーター、ルートドライバーをして、スキルも経験もありませんでした。それからパソコンの資格を取得したことで大手の会社に入社させてもらえたわけです。だから手厚く面倒を見てくれる会社に対して報いたいという気持ちがあったのだと思います。あとは、新卒組でもないなかで、学歴コンプレックスを埋めようと必死だったのかもしれません。
最初は本当にゼロからのスタートでしたが、できることを少しずつ増やすことで自分を信じることができるようになっていきました。
30代半ばで無欲に。進むべき道が開けた先輩の一言
その後、13年ほど会社員を続けてからフリーランスになられていますが、キッカケは?
前職では、様々な仕事を色々な視点や立場で経験させてもらい、本当に自分は恵まれていると思っていました。でも、30代後半に差し掛かったころから、仕事に対して漠然とつまらなさを感じるようになったのです。未経験の業務でも、何となく見通しがつけられ、進行し、完了する。また、チームメンバーや仲の良かった友人もそれぞれ成長し、昇格したり、結婚・退職したり、子育てを始めたり…。そんななか自分は、何の変化もなく、ただ日々を過ごしていると感じていました。
環境を変えたら何か変わるかもしれないと、知人から転職エージェントを紹介してもらったこともありました。でも、高い給与や、いわゆる大手企業を提示されても、心が動かない自分がいました。
そんなとき、信頼している会社の先輩に転職活動をしていることを打ち明けたところ、「組織にいるより、フリーランスで働く方が向いているんじゃないか?」と言われたのです。このまま現状維持か、転職かの選択しか考えていなかったので、初めその言葉を聞いたときはかなり衝撃的でしたが、驚くほどすっと気持ちの整理がつきました。
その後はあっという間で、半年間引継ぎなどで後任を育成し、退職。そして、東京から栃木に引っ越して、2017年、36歳でフリーランスとして仕事を始めました。
フリーランスになられてからは、どのように仕事を獲得し、増やしていかれたのでしょうか?
まずHELP YOUとは別のクラウドソーシングのサービスに登録しました。初めはスポットの仕事がメインで、1件何十円とか何百円とかの案件から始めましたね。それからフリーランスになったと聞いて連絡をくれた先輩、起業した知人などから連絡をもらい、少しずつ仕事を増やしていきました。
あとは、本当に何でもやりましたね。名刺の入力や管理、メールの代理対応、資料作成、消耗品の発注や会食の手配、領収書の入力、会議の議事録担当、家族旅行の手配まで多岐にわたる業務を経験しました。
会社員時代の給与と比較して葛藤を感じることはありませんでしたか?
それはなかったですね。これまでの給与は、あくまでも会社内での自分の評価ですし、会社を出たらそれは連動しないとどこかで納得していた部分があったので。少しずつ信頼と実績を重ねていきました。
「どうしても受かりたい!」と思った運命の出会い
その後、HELP YOUで働きたいと思ったのは、なぜですか?
もともとは副業専用の採用媒体を通してHELP YOUを知ったのですが、会社のホームページを見て、運命を感じたからです。
実は、私が以前にフリーランスでお仕事をするなかで、ママさん向けの在宅ワークに関する事業の企画を担当したことがあったのです。でもいろいろな事情で、その事業は始められませんでした。
HELP YOUはママさんだけでなく、さまざまな境遇の方が働いていますが、フルリモートワーク前提のアウトソーシング事業を現実にやっている会社があることが衝撃でした。この仕組みを整えた会社の方たちは絶対に優秀だ!! 一緒に働きたい!! と思って、すぐに応募したのです。正直こんなに受かりたかったのは21歳の転職のとき以来でした。
フリーランスとして働くなかで、HELP YOUはどんな特徴があると感じていますか?
何かに悩んでも必ず聞ける窓口があって、何においてもサポートが厚いことです。リモートで働いていると、不安になったり困ったりすることがあると思うのですが、私は相談相手がモニターの中にいるような感覚で仕事をしています。
あとは人が温かいことですね。これは私にとっては本当に大事で、会社にいると人間関係に悩むことってたくさんあると思うのです。でも、HELP YOUでは、運営の方から普段接することの多いディレクターやメンバーにいたるまで、みなさん直接会ったことがなくても、とても温かく接してくれます。
2歳の娘さんのママでもいらっしゃいますが、家事や育児と仕事とのバランスで工夫されていることはありますか?
正直、やりくりはできていません(笑)。スイッチを入れないとできないタイプなので、気分が乗らないときはあまり頑張りません。
基本的に娘の食事時間とその前後30分ずつは仕事をしないようにしています。コアタイムは娘が一人遊びしてくれるときとお昼寝の時間、就寝後です。料理は案外、ストレス解消になっているので、仕事で行き詰ったりした時に作り置きを何品かまとめて作ったりしてリセットするのに利用しています。
基本娘は家にいるため仕事中であっても遊んでほしいとせがまれることもあります。そんな時はどうしても構ってあげられないので、逆に私の仕事が落ち着いているときは、もう娘に飽きられるほどこちらから絡みにいくようにしていますね(笑)。
これからフリーランスで働きたいと思っている方に向けて、アドバイスいただけますか?
フリーランスは、受ける仕事も、働く時間も場所も休日も全て自分で決められて、自由に働くことができますが、会社員のような安定した収入は約束されていません。人それぞれ考え方が違うので、どちらが良いとは言えないです。
ただ、もしフリーランスとして仕事を始めてみたいと思うなら、自分に裁量権があるからこそ選択の幅は決めておいた方が良いかもしれません。
たとえば、私はフリーランスとして働くときに、3つのルールを決めました。「できることは全てやる」「やってみたいと思ったら挑戦する」「(相手に迷惑をかけるから)少しでも不安を感じたら絶対にやらない」です。今もこの3つをベースに仕事を受けるようにしています。
今私はとても幸せに働けていますし、フリーランスは制限なく視野を広げられ、いつまでも成長できる世界なので、やりがいは絶対にあると伝えたいですね。
まとめ
働き方がどんどん変化していく時代こそ、自分の価値観や可能性を信じ、たくましくあることが、一層求められます。何かに悩み立ち止まったとき、少し視野を広げて見てみると、全く思いもつかなかった選択肢が実は隠れているのかもしれない。芳賀さんの辿った道には、そんな学びがあるのではないでしょうか?
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アイキャッチデザイン/今泉香織
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