【weekly 働き方改革ニュース】テレワーク時代にもオフィスは必要?不要?

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。超大手企業の富士通が、全国のオフィス面積を3年間で半減させると発表したことが注目を集めています。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

富士通が打ち出した「オフィス面積半減」とは

富士通は7月6日、国内のグループ会社を含めたオフィス面積を2023年3月末までに半減させると発表しました。新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークが進み、オフィス面積を減らす企業があるという話はこれまでにもちらほらと報じられていましたが、約8万人の社員を擁する超大手企業による決断とあって、大きなインパクトを与えました。

日本経済新聞の記事によれば、同社は全国で約60カ所の事業所を保有するほか約380カ所を賃貸契約しており、その面積は計約120万平方メートルに及ぶとのこと。これを今後3年間で半減させるとしています。

単にオフィスを削減するだけでなく働き方そのものも大きく変革させるようです。NHK「富士通 働き方見直し原則テレワークに 単身赴任やめ出張で対応」によれば、約8万人の社員は原則としてテレワークでの勤務が基本となり、勤務時間を自由に選べるフレックス制に移行。単身赴任も廃止します。

テレワークを基本とすることで通勤の定期券代を廃止し、代わりに自宅で働くための環境整備や通信費などの補助として月額5000円を新たに支給するとも。さすが大手企業は充実した制度を打ち出してくるなあという印象です。

さて、たとえばテレワークの拡大に伴ってオフィスの面積を半減した場合、単純に従来のオフィスを半分に狭めれば良いのでしょうか。この点で興味深いインタビューがありました。7月1日に公開されたFNNプライムオンライン『コロナ禍で現実味を帯びる「オフィス不要論」…縮小を決断した企業が語る“二つの条件”』です。

この記事では、オフィス面積の約4割を削減したというベンチャー企業の会長にその方法や会社への影響などを尋ねています。「オフィスの縮小で工夫したことはある?」との質問に対し、この会長は「大きな執務室やデスクは減らして、8人ほどが集まれる来客用の会議室を増やすことにしました」と答えています。その理由は、「テレワークを続ける中で、オフィスには人と会うために来るのでは?と考えるようになりました。社外の人と会う機会は重要ですし、対面でなければできないこともあります」。オンラインミーティングを行うための一人用のブースも作るとしています。テレワーク時代には、オフィスに求められる機能が変化していくということなのでしょう。

早期退職・希望退職の募集が上半期だけでハイペースに

東京商工リサーチは7月3日、2020年上半期に早期退職や希望退職を募集した上場企業が41社に上ったと発表しました。上半期ですでに昨年1年間の件数(35社)を上回っており、同社は新型コロナの影響が色濃く出たと分析しています。

41社すべてが募集人数を明らかにしているわけではありませんが、人数が判明した33社だけでも合計で7192人に上るとのこと。早期・希望退職者を募集する上場企業が上半期だけで40社を超えたのは、リーマン・ショック後の2010年以来10年ぶりとのことで、コロナ禍の深刻さを物語る数字と言えそうです。

同社は「今後も新型コロナの影響が長引くとみられ、黒字リストラの企業に加え、業績不振の赤字や減収減益の企業が押し上げる形で早期・希望退職募集が増えるとみられる」と分析しており、厳しい時代が続くとの見通しを示しています。

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