【weekly 働き方改革ニュース】超少数派の「オンライン株主総会」は一過性で終わるか

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、複数の企業が株主総会をオンラインで開催したことが話題になっています。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

「オンライン株主総会」、法律的にどうなの?

3月は、12月期決算の企業が株主総会を行う月。このうち、ソフト開発会社の富士ソフト、ソフトウェア企業のサイボウズ、IT企業のGMOインターネット、ウェブマーケティング支援のガイアックスの4社が今年オンライン株主総会を実施した企業として報道されています。

オンライン株主総会に踏み切った理由は、当然のことながら「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話や発声をする密接場面」の3つの「密」を避けるため。報道によれば、このうちGMOインターネットの株主総会をインターネットで視聴した株主は1080人で、実際に来場した株主は18人だったとのこと。ガイアックスの総会は11人が視聴し、実際に来場したのは3人。各社とも事前に来場自粛とインターネットでの参加を呼び掛けたことにより、来場者よりもオンラインでの参加者が多くなったようです。

事態の深刻さをあらためて感じさせる話題ですが、そもそもオンライン株主総会について法律の裏付けはどうなっているのでしょうか。

会社法は、企業は「株主総会の日時及び場所」を定めなければならないと定めています。このため日本経済新聞は「法律の求めで株主をホテルなどに集めて開かざるを得(ない)」としており、Business Insider Japanも「会社法では株主総会の『開催場所』を定めなくてはならないという規定があり、株主を会場に呼ばない完全にオンラインでの株主総会は難しいのが実情だ」と解説しています。

一方で、経済産業省は2月26日にオンライン株主総会を開催する際のガイドラインを公表しました。これは、会社側は物理的な場所で株主総会を開催し、遠隔地の株主がインターネットなどの手段でそれに参加するための方法を示したものです。このガイドラインではオンライン株主総会を、株主が質問したり議決権を行使したりできる「出席型」と、それらができない(つまりただ視聴するだけ)の「参加型」の2つの形式に分けています。

ここまでの流れを見ると、オンライン株主総会のハードルは低いように見えます。インターネット中継だけなら、今どき子どもでもできます。ところが、どうやらそう簡単な話でもなさそう

東洋経済ONLINEはこの点について、「参加型」は質問や動議を出せないデメリットがあり、「出席型」は議決権行使を認識できる特殊なソフトを会社側が用意しなければならず、通信障害を回避するための備えも必要となることを指摘しています。つまり、参加型は株主に不満が生まれやすく、出席型は一定の設備投資が必要だというわけです。

とはいえ、各媒体が「株主が集結する株主総会が長らく続いてきた日本だが、新型コロナウイルスが変化のきっかけになりそうだ」(Business Insider Japan)、「新型コロナウイルスの感染リスクが高まる中、GMOインターネットが開催したような株主総会は今後、増えるかもしれない」(ITmediaビジネスオンライン)などと予想している通り、必要に迫られている以上、株主総会のオンライン化は今後増えていくのではないでしょうか。