【weekly 働き方改革ニュース】「日本の男女格差121位」から何を読み取るか

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムが世界153カ国を対象に男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」で日本が先進国最下位の121位となったことに対してネット上で議論が起こりました。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

「日本の男女格差過去最低」報道をどうとらえるか

スイスのシンクタンクが12月17日に公表した「ジェンダー・ギャップ指数(男女平等ランキング)」において、日本が過去最低の121位となったことが大きな話題となりました。

これは世界153カ国を対象に、政治、経済、健康、教育の4つの分野で各国の男女格差を調査し、ランキングとして示したもの。日本は昨年の110位から後退し、先進国中最下位に。中国(106位)や韓国(108位)などアジア主要国よりも低い順位となってしまいました。

これに対し、ネット上では「まったくその通りで、日本は終わっている」と怒りや悲観のこもった声が続々と上がる一方、統計の正確さに疑問点が見受けられることから「こんなランキングは信用できない」とする人も一定数おり、感情的な対立が生み出されているように見受けられます。

そんななか、「ランキングはともかく、政治家や経営者に女性が少ないとの指摘はその通り」「すでに男女平等だとの声もあるが、子どもを産む時点でキャリアを捨てる選択を強いられるのは女性だけ」「女性の社会進出は進んでいると思うが、社会を変える、権力を行使する側にはまだまだ少ないから、なかなか女性の地位が向上しないという構造なのでは」など、日本の現状を冷静に分析する声もありました。

こうした声を踏まえると、様々な立場の人がそれぞれの事情に合わせて柔軟に働く「多様な働き方」の定着こそが、日本の現状を改善するカギになるはず。ランキングの数字にとらわれて感情的になるよりも、現状を見つめ直すきっかけとしてとらえていくほうが有意義ではないでしょうか。

 

大阪府の「終業後PC強制終了」は是か非か

大阪府庁が11月末に発表した「終業後のPC強制終了」が話題を呼んでいます。これは、事前に残業の届けを出していない限り、府庁職員のパソコンの電源を午後6時半にシャットダウンするという取り組み。長時間労働を抑えるため、来年度中に導入するとしています。

自治体でも例が少なく、都道府県ではおそらく初とされるこの取り組みは、当然のことながらある意味“画期的”。物理的に仕事ができない状態にすることで強制的に帰宅させる、非常に単純明快な施策といえます。ある社労士は「いつまでもダラダラと会社に残る日本特有の文化を変えるには、パソコンの自動シャットダウンなどのシステム導入は悪いことではない」とコメントしています。「うちの会社も導入されればいいのに」と思う人も少なくないのではないでしょうか。

一方で、やみくもに残業禁止を打ち出すのは「時短ハラスメント(ジタハラ)」になりかねないのでは、と指摘する声もあります。仕事量の削減や業務効率化などを図らないまま強制的に残業を禁止しても結局仕事が残ってしまい、結果的に家に仕事を持ち帰るなどしてサービス残業が増える可能性があるからです。ジャーナリストの冷泉彰彦氏は、「夕方6時半にPCが落とせるというのは、改革が効果を挙げた場合の成果であり、それを手段としていきなり宣言するというのは、本末転倒です」と大阪府の施策を一刀両断。具体的な業務効率改善策として、「文書・書類の削減」と「文書の簡素化」の2点を提案しています。どちらの言い分もうなずける話であり、働き方改革は複合的な取り組みを同時進行していかなければ実現が難しいことを教えてくれます。