【weekly 働き方改革ニュース】繰り返される巨大企業の違法残業に批判集まる

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。違法な長時間労働による社員の過労自殺事件で世間から大いに批判を浴び、再発防止を誓ったはずの巨大企業・電通がまたしても社員に違法な残業をさせていたことが明らかになりました。電通の違法残業はなぜなくならないのでしょうか。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

繰り返される電通の違法残業、改善策はあるのか

広告大手の電通が、社員に違法な残業をさせていたとして労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが12月に入って一斉に各メディアによって報じられました。

報道によれば、電通の東京本社は2018年の8月と12月に労使協定(36協定)で定めた上限時間を超える残業を社員にさせ、労働基準法と労働安全衛生法に違反していたとのこと。報道を受けて電通は「今年度については違法な残業は発生していない」とコメントしています。

とはいえ、電通の違法残業は今に始まったことではなく、これまでに何度も是正勧告を受けています。2015年には長時間労働で追い詰められた社員が自殺する事件が起き、電通は法人として有罪判決を受けました。この事件の後に、電通はあらためて長時間労働の是正を公言。

最近も、「2016年から労働環境の改善に取り組んでいる」と健全さをアピールする記事が出ていました。こうしたいきさつもあって、電通には「何度同じことを繰り返しても体質が変わらない」と批判が集まっています。

加藤厚生労働大臣もこのニュースを受けて、「企業文化を変えなければ働き方そのものは変わらない」とコメント。一方、ブラック企業アナリストの新田龍さんは「電通や業界構造にも問題があるが、高度経済成長期にたまたま上手くいった古いシステムから脱却できない日本全体の問題だと考えている」とし、現代の職場に適した法整備と、違反する企業への罰則の強化を提言しています。

 

働き方改革への関心度、仕事重視派のほうが高かった

組織・人事コンサルティングを手掛けるシンカは、「『結婚』『子どもが生まれる』などのライフイベントは働き方への意識にそれほど影響を与えていない」とする調査結果を発表しました。

同社は首都圏の中小企業で働く正社員1,000人以上を対象に、フレックスタイム、テレワーク、兼業・副業の解禁など11項目の働き方改革施策のうちどれを自分の働く会社に実現してほしいかを尋ねました。その結果、働き方改革施策への期待度は、ライフイベントよりも働き方に関する価値観で比較したほうが大きな差があったといいます。

勤労意欲も仕事に対するロイヤルティも高い「仕事重視」グループは、意外にも働き方改革施策に対する期待度が高い傾向にありました。勤労意欲は高いものの、育児や介護など家庭の事情を抱える「個人事情」グループも、労働環境が改善されればもっと働きたいとの思いが強いため、働き方改革施策を強く求める傾向が見られました。

一方、勤労意欲が高くない「安定重視」「私生活重視」グループは、意外にも働き方改革施策への期待度が低いことがわかりました。同社はこれについて「仕事は仕事と割り切っており、会社に対して多くを期待していないことの表れなのかもしれません」と分析しています。