マルチ・ポテンシャライトな私の天職──好奇心を仕事にする、複業クリエイター くらしと仕事

マルチ・ポテンシャライトな私の天職──好奇心を仕事にする、複業クリエイター

1年前、「マルチ・ポテンシャライト(※1)」という考え方に出会った岩畔美穂さん。当時の心境を自らつづった記事では「好きなことを次々と仕事にして、ほんまに食っていけるんか……?」と自問していました。

その後、正社員を辞めて「複業」という働き方へと舵を切り、はや1年──岩畔さんの働き方には、どのような変化があったのでしょうか。

※1 マルチ・ポテンシャライトとは、multi(複数の)、potential(潜在能力)、ite(人)を組み合わせた造語で、「さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに追求する人(※2)」を指します。この概念を紹介したエミリー・ワプニック氏のTEDトークは900万回以上再生され、世界中で共感を呼んでいます。

※2 引用:エミリー・ワプニック著(2018)『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』PHP研究所、P.29

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インタビュイー

岩畔美穂さん
注文住宅の設計事務所でインテリアコーディネーターとして勤務後、求人広告のライター、シェアオフィスの受付業務やデザイン業務を経験。「興味のあることが多すぎる」という悩みを抱えていた時期にマルチ・ポテンシャライトという考え方に出会い、複業フリーランスに転身。現在はインテリアコーディネーターをしながら、WebデザインやSNS運用など、好きなことを掛け合わせた働き方を実践している。

ライター

玉井だま
転勤妻で、2人の男の子ママ。正社員として6年間勤務していたが、夫の転勤と第一子出産を機に退職。フリーランスに転身し、2023年10月HELP YOUにジョイン。持続可能なキャリアを模索中。→執筆記事一覧

「好き」×「好き」の相乗効果で広がる、提案の幅

インテリアコーディネーターの顔を持つ岩畔さん。

パートと業務委託を行き来する働き方

──1年前はフルタイムの正社員でしたが、今はどんなふうに働いていますか?

フルタイムだった仕事を、週3日のパートタイムに変更しました。

学生時代から建築やインテリアが好きで、新卒入社した会社でインテリアコーディネーターとして勤務していました。ただ、土日メインで出社する必要があり、体力的にもたなくて、しんどくなってしまったんです。正社員からパートへと働き方を変えたことで、好きな仕事を続けながらも、土日はしっかり休めるようになりました

──週3日のパート以外の日は、どんなお仕事をしていますか?

HELP YOU(※3)の業務と、個人で請け負っている仕事をしています。

HELP YOUでは、デザインやSNS運用などがメインの仕事です。個人でもデザイン関係の仕事をしていて、ランディングページやリール動画の制作を担当しています。

パートの日は出社して、社員さんやお客様と対面で関わりつつ、在宅でひとり仕事に集中する時間もあり、ゆっくりと休憩する時間も確保できています。自分の体調やメンタルを守りながらも、新しいことに挑戦できる余白もあって、バランスは取れているのかなと思います。

※3 株式会社ニットが展開するアウトソーシングサービス。オンライン上のアシスタントがチームで連携し、クライアントの業務サポートを行う。

──インテリアやデザインなど、クリエイティブ系のお仕事が多いんですね。

やっぱりモノづくりが好きみたいで。最初に興味があった建築から「こっちもやってみたい」とどんどん派生していって、今に至っています。ブレながらも「創作したい」という気持ちが、根っこでつながっているのかもしれません。

「創作」を軸に、つながりあう業務

──複数のお仕事が、影響しあっているなと感じることはありますか?

デザインやライティング、マーケティングなど、通ずるものは多いなと感じます。

例えばバナーを一つ作るにしても、それぞれの経験を活かして俯瞰的に考えることができます。クリエイティブとしてのデザインの美しさを追及するのはもちろんのこと、ライターの視点から「こちらの言葉の方がターゲットに響くのでは?」と提案できたり、マーケティングの知見を生かして「この場合は、Xよりも潜在顧客が見込めそうなInstagramで訴求しませんか?」と打診できたり。

工務店のSNSリール動画を作成するときにも、インテリアコーディネーターの経験を通じて得られた「業界知識」を反映させられます。多分野にまたがる幅広い知識を、一つに束ねて考えられるところが、自分の強みなのかもしれないと感じています。

「好き」と「稼ぐ」を両立させる、私なりのペース

働き方を変えて生まれた余白の時間で、暮らしを整えるゆとりが生まれたという。

「ほんまに食っていけるんか?」の答え

──前回の記事で「好きなことを次々と仕事にして、ほんまに食っていけるんか……?」とありましたが、1年経って、その問いの答えは見えてきましたか?

なんとか食っていけてますかね。今のような働き方ができているのは、夫の理解のおかげもあってだと思っています。

パートの仕事をベースにしながら、複数業務を掛け持ちするスタイルで、楽しく仕事ができています。体調も体力も安定していますね。SNSで見かける「月収100万円」のようなレベルには及びませんが、なんとかやっていけるぐらいには、稼げている実感があります。

複業でもタスクに溺れない、ペース配分のコツ

──この1年間で、ご自身が納得できる働き方を見つけられたのですね! 複業で食べていけるほどの収入を得ようと思えば、つい仕事を引き受けすぎたり、ある期間に仕事が集中して身動きが取れなくなったりといった状況に陥ることも考えられますが……その辺りのペース配分はどうしていますか?

コンスタントに仕事があるパート勤務をベースに、組み立てています。シフトが休みの日に、業務委託のお仕事をどれだけ進められるかがポイントですね。

HELP YOUでは、稼働できないときは事前にディレクター(※4)を介してクライアントに伝えるようにしています。こうした納期調整も、複業を無理なく続ける重要なポイントです。

複業をしていると仕事がいろいろな場所に散らばりがちなので、きちんとタスク化して漏れがないよう気を付けています。前もって「この日はこれをやる」と決めて、タスクを一つずつ順番に消化するのが基本の流れです。それを繰り返しながら、それぞれの最終納期に間に合うように、スケジューリングしています。飽き性な私にとっては、いろいろな業務を楽しめる今のスタイルが心地良いです。

※4 案件の責任者として、クライアントと実務担当スタッフの橋渡しを担うポジション。

無理せず働き続けるために、大切にしている判断軸

──複業はまさに、「マルチ・ポテンシャライト」の特性を活かした働き方かもしれませんね。一方で、現実問題として「稼ぐ」ことを考えたときに「好き」な仕事ばかりを選んでいられるのかは気になるところです。どうやって両者のバランスをとっていますか?

金額よりも、その仕事への納得感を私は大切にしています。そのため、引き受ける仕事は高単価な案件ばかりではありません。例えば「修正は○回まで」と事前に条件を決めておくことで、
頂く報酬と、提供するサービスのバランスを取るようにしています。

自分の好きなことを仕事にできているので、心地よく働けています。

──疲弊しない複業にたどり着くまでに、お仕事を獲得するハードルなどはありましたか?

HELP YOUにジョインする前に個人として活動してみたことがあったのですが、私はそもそも営業が苦手で……。営業という職種を今までずっと避けてきたのに、自分一人きりで売り込み続けるのは「絶対無理だ」と思ったんです。それで、アウトソーシングの会社を介して仕事を請け負うスタイルを選びました。

HELP YOUのスタッフになってみて「会社に守られている安心感」を感じます。案件ごとにチーム制で対応しているため、緊急時には仲間と支え合うことができて心強いです。クライアントとの交渉もディレクター仲介してくれるので、コミュニケーションがマイルドになり、業務を進めやすいなと感じます。

「自分」を捨てなくても、この社会で生きられる!

「ほんまに食っていけるんか?」への答え──私は自分を売り込むことが得意ではないので、フリーランス1本で生計を立てるよりも、複業という働き方が自分に合っているのだと思います。パートの仕事で、ある程度まとまった収入が得られることで、気持ちにも余裕が生まれ、好きなことを楽しみながら仕事ができています。

なにより大きかったのは「マルチ・ポテンシャライト」という考え方に出会えたこと「好奇心旺盛な私」を否定せずに、興味を掛け合わせるスタイルにたどり着けたことで、私にとって無理のないペースで働けています

やりたいことは、どんどん試して経験値に変えていく

旅先の韓国での1枚。仕事も趣味も、「好き」を大切にする岩畔さん。

──やりたいことがどんどんあふれ出てくるという岩畔さんですが、全部やるための優先順位のつけ方はありますか?

毎年「やりたいことリスト」を100個書いているのですが、その中でも「お金を払えばすぐ叶うこと」は先にやってしまいます。例えば旅行が決まったら、旅先で一緒にできそうなことを探して、複数の項目を同時に叶える方法を考えるんです。

「これやってみたいんよな」と人に話すことも結構していて、そうすると意外と声をかけてもらえます。最近は体験やサブスクも多いので、まずは小さく試してみることを心がけていますね。もちろん自分に合わないこともありますが、それは動いてみたからこそわかること。一度やってみれば経験として蓄積されるので、気になることはサクッと試してみるようにしています。

──では、今後やってみたいことはありますか?

たくさんあります! 農業、カフェ、秘書、note、本、家具、FP、ランニング、ピラティス、海、ホテル、猫、美容、SNSなど……。仕事かプライベートかはこだわらずに、興味があることは一つずつやってみたいです。自分が本当にやりたいことなのか、そうじゃないのかを確かめる意味でも、気軽に挑戦することを意識しています

将来的には、カフェのような自分のお店を開けたらな……と妄想しています。夫が料理好きなのでそちらは任せて(笑)、私はインテリアの内装やメニューのデザインなど、プロデュースをまるごとやってみたいです。インテリアコーディネーターとして培った接客スキルも活かせそうだなと思っています。

──今までのお仕事が全部つながっていて、岩畔さんにピッタリな気がします……! 最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私が、自分らしい働き方を見つけるきっかけとなった本、『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』を一度読んでみてほしいです!

実は、この本に出会う前に、自己分析をたくさんやっていたんです。その経験も今にとても活きていると感じるので、自分で自分のことがわからなくなったら、自己診断ツールを頼って自分を客観視するのも良いと思います。私は「さまざまなことに興味を持てることが強みだ」と捉えられるようになって、気持ちが楽になりました。

これからやってみたいことが、まだまだたくさんあります。新しいことに抵抗なく取り組めることも、私の強みだと今では思えています。2026年分のやりたいことリストを作って、一つずつ叶えていきたいです。

まとめ

岩畔さんが、正社員から複業へと働き方を変えて1年。インタビューを通して見えてきたのは、自分のペースに合った働き方を模索し、楽しみながら実践している姿でした。好きなことや得意なことを組み合わせながら、自分の働き方をデザインする岩畔さん。興味の幅の広さを自身の強みとして肯定できたからこそ、新たなキャリアが拓けたのではないでしょうか。

自分の心に素直に従い、気になることはまずはやってみる。そのうえで、自分に合う・合わないを取捨選択していく。その行動力と柔軟さも、岩畔さんの魅力だと感じました。

もし今の働き方に少しでも違和感を抱いているなら、まずは小さな一歩から試してみませんか。その一歩が、新しい可能性を引き寄せてくれるかもしれません。

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