公園の女性 くらしと仕事

公務員から個人事業主への転身。時間や場所にとらわれない自由な働き方で理想の未来を切り開く

景気低迷が続く日本社会において、国家公務員や地方公務員は、長い間、人気の職業のひとつです。2022年10月にHELP YOUにジョインした鈴木直子さんは、難関を突破し国家公務員として行政の仕事にやりがいを感じながら中央省庁で働いていましたが、ワークライフバランスに悩み、転職を決意。その後、市役所にみごと採用され地方公務員となりました。しかし、場所や時間にとらわれない働き方を求め、現在は個人事業主として新たなキャリアを歩み始めています。今回は、そんな鈴木さんに、決断までの経緯や、個人事業主になったばかりの今の思いを聞いてみました。

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ライター

齊藤由佳
山口県出身。大学進学で上京後、食品メーカーで営業職として勤務。その後結婚を機に、機械専門商社の営業事務に転職。娘を0歳から保育園に入れて働き続けていたが、70歳まで働く時代。娘の小さい時くらいそばにいてあげたいと思いHELP YOUにジョイン。いろいろな仕事に挑戦できるHELP YOUで、70歳まで働けるスキルを身に着けるため修行中。

「働く人を支援したい」という思いで難関試験を突破

在宅ワークの女性 くらしと仕事

鈴木直子さん 大学卒業後、国家公務員として厚生労働省で5年、地方公務員として市役所で3年勤務。市役所を退職した翌月の2022年10月からキャリアコンサルタントとして開業し、HELP YOUにもスタッフとしてジョイン。時間や場所にとらわれない自由な働き方をスタートさせた。

鈴木さんは、キャリアコンサルタントとして開業して個人事業主になるまでに、国家公務員、地方公務員を経験されていますが、国家公務員を目指したきっかけは何だったのですか?

学生時代、就職活動で自分自身が「働くこと」についてすごく悩んだ経験から、厚生労働省に入省し、働く人の支援がしたいと思うようになったのがきっかけです。当時は、民間企業に就職することはなぜか頭にはなく、厚生労働省に落ちたら、就職浪人してもう一度チャレンジしようと思っていたほどでした。

それほどの覚悟で挑戦し、みごと一発合格したのですね! 希望した省庁で働いていたのに、その後地方公務員に転職されたのはなぜですか?

仕事内容はとてもやりがいのあるものでしたが、精神的にも肉体的にもタフさを求められることが多い環境でした。帰宅が遅くなることも多く、このペースで働いていたら、自分の体力と精神力では、遅かれ早かれ限界が来ると感じました。一方で、行政の仕事はおもしろく、今後も続けていきたいと思っていたので、自分が暮らしている地域の市役所に転職しようと決意したのです。

市役所では、配属先によっては今までのように働く人の支援ができるとは限らないと思うのですが、その点に心配はありませんでしたか?

そこは確かに悩ましい点でした。しかし、自分の住んでいる街の行政に関わるという別のやりがいを感じましたし、もし今後「やっぱりキャリア支援をしたい」と思ったら、自分で勉強して、何らかの形で関わっていこうと考えていました。

やりたい仕事と理想の働き方とのギャップに悩んだ数年間

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仕事中に愛用しているハンドクリーム。完全在宅ワークなので、仕事とプライベートの切り替えが難しいときは、ハンドクリームの香りで気持ちを切り替えるそう。

最終的に市役所も辞め、個人事業主に転向した理由は何だったのでしょう?

前々からいずれは個人事業主として働きたい気持ちがあったのですが、最終的に転向を決断したのは、不妊治療とフルタイムの仕事を両立するのが難しいと感じるようになったからです。ありがたいことに、上司は治療にも理解があり、残業も少なく休みも取りやすい職場だったので、今考えても、前職は治療を続けやすい環境だったと思います。でも、突発的なお休みが何度も発生してしまうことに、私自身がとても心苦しさを感じていました。

そのような状況の中で、自由な働き方を求める気持ちがだんだんと大きくなっていきました。当時すでに取得していたキャリアコンサルタントの資格を活用しながら、個人事業主として、時間や場所にとらわれない働き方をしようと、意志を固めていったのです。

国家公務員も地方公務員も、倍率がとても高いですよね。難関の試験を突破したのに、個人事業主に転向するのはすごく勇気が必要だったと思うのですが、葛藤はありませんでしたか?

もちろん、ここに至るまでにはかなり葛藤がありましたし、すごく長い時間をかけて悩みました。行政の仕事に意義ややりがいを感じていましたし、収入や福利厚生を考えても公務員という立場を手放すことは恐怖でした。

でも、社会人になってわりと早い段階から、決まった日時に決まった場所で働かなければならない社会に疑問を感じている自分もいて。学生時代には、地元である北海道で暮らしたいと思いながらも、自分の関心がある仕事を選ぶなら東京にとどまるしかない、という葛藤もありました。そのような経験から、「時間や場所にとらわれることなく働くことができたらいいのに…」という思いはずっと何年も抱えていたのです。

それは、まさにHELP YOUのような働き方ですね!

はい、まさに。実は、国家公務員時代からHELP YOUのことは知っていました。オンラインで働けるような事務職はないだろうか、とインターネットで検索していたところ、HELP YOUのオウンドメディア「くらしと仕事」の記事に辿り着いて! そこから運営会社である株式会社ニットのビジョンも読んで「私の求めている働き方はまさにこれだ!」と思いましたね。くらしと仕事のぺージはブックマークして記事が更新されたら読んでいましたよ。

でも当時は、どちらかというと「憧れの働き方」というような気持ちが強く、特別なスキルもない自分にはここで働くのは無理だろうな、と考えていました。

資格を武器にパラレルキャリアに挑戦。理想の働き方を実現するまで

「主体的な選択」が理想の未来を切り開く

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野球観戦が趣味の鈴木さん。シーズン中は野球を見てストレス発散をしているそう。

国家資格キャリアコンサルタントはいつ取得されたんですか?

2020年の12月です。翌月の2021年1月に国家資格の指定登録機関にキャリアコンサルタントとして登録しました。

当時はまだ市役所に在職中ですよね?

はい。市役所は2022年の9月末まで勤めていたので、もちろん副業はできず、言うなればずっと「ペーパーキャリアコンサルタント」でした。

すぐに開業! という訳ではなかったのですね。

厚労省時代にキャリア支援に携わっていたとは言え、私には実績がないので、資格があるだけですぐに稼げるとは思っていませんでした。しかし、プライベートの範囲で経験を積んでいくのにも限界を感じ、この9月末に市役所を退職して10月に開業したのです。現在キャリアコンサルタントとしては2社と業務委託契約を結んでいます。

開業とほぼ同じタイミングでHELP YOUにもジョインしたのですね。

もともと、キャリアコンサルタント一本でやっていくつもりではなく、事務仕事も好きなので、オンラインで事務職ができるなら続けていきたいと思っていました。オンラインアウトソーシングの会社は他にもいろいろありますが、HELP YOUは以前から知っていてビジョンに共感していましたし、お仕事内容が幅広くいろいろな業務に挑戦できることにも魅力を感じジョインしました。

実際にHELP YOUにジョインしてどうですか?

一緒に働くメンバーがみなさん魅力的で、温かくて、本当に居心地が良いです! フルリモートの環境なのでもっとドライに仕事をしているのかと思ったのですが、メンバー同士がお互いを思いやる風土の中、チームで仕事をしているので、安心して働くことができています。

今は、人事・労務といった自身の興味がある分野や、行政関係のリサーチなど経験が生かせる分野での業務を中心に携わっていますが、今後は未経験の業務にもいろいろとチャレンジしてみたいです。

数年にわたり悩みぬいた上で決断した新たなスタートですが、今の率直な気持ちを教えてください。

不安や課題はたくさんあり、大変なことも多いですが、これまでで一番前向きに仕事に取り組めているのが今だと思います。個人事業主なので、すべてが自分の責任で、好きな仕事ばかりではなく、苦手なことも避けて通れない苦労やプレッシャーもあります。でも、経験すること全部がこれからの自分に必要なことだと思えば、頑張ろう! とやる気が湧いてきます。仕事に「やらされている感」がなくなって、今はすべてを「主体的に」取り組めるようになりました。「自分に必要だからやっている」と考えると、「働くこと」に苦痛がなくなって、そうなると人生がまるごと楽しく思えるんです。

とても前向きで、すばらしいですね! 最後に、今後の目標やビジョンを聞かせてください。

まず、中期的には、収入を安定させるという現実的な目標があります。長期的なビジョンは、働く人と会社をつなぐサポートを通じて、多様な働き方が認められる社会づくりに貢献していきたいと考えています。そのための一つとして、2022年は民間資格のEAPメンタルヘルスカウンセラーの資格認定試験に合格したところですが、働く側だけではなく、企業側の視点も必要だと思い、最近、社会保険労務士の勉強も始めました。

あとは、これまでの経験を生かして行政に関係する仕事がしたい、いつか地元の北海道に貢献できる仕事がしたい…など、まだまだ漠然としていますがやってみたいことはいろいろあります。それらをいつか実現するためにも、HELP YOUでさまざまな業務にチャレンジしながら経験を積んで、個人事業主として地道に一歩ずつ成長していきたいですね!

まとめ

「やりたい仕事」と「理想の働き方」のアンマッチに何年も悩んだ末に、鈴木さんが出した答えが個人事業主という働き方でした。鈴木さんは、時間をかけて決めたからこそ、今は良いことも悪いことも自分の責任で受け止める覚悟ができている、と語ります。インタビューでは、長い間理想としていた「時間と場所にとらわれない働き方」を手に入れた彼女が、いきいきと仕事に向き合っている様子が伝わってきました。国家公務員、地方公務員、資格取得など、目標に向けて努力を重ね、確実に達成してきた鈴木さんなら、今後個人事業主としてのさまざまな目標も必ず成し遂げられることでしょう。みなさんも、自分の理想の働き方があるのなら、それを実現するために、「主体的な」一歩を踏み出してみませんか。

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アイキャッチデザイン/今泉香織

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