フルリモートでもお客様の継続率97%を実現する、カスタマーサクセスのコツ【HELP YOU Tips:CS編】

安定した事業運営において、お客様に継続してサービスを利用してもらうことは重要です。サービスや製品を導入したものの、活用方法がわからず利用をやめてしまうケースは多々あります。そこで活躍するのがカスタマーサクセスです。サービス導入後にお客様の利用を促すことで、継続率を高めることをミッションとしています。フルリモートで事業運営を行うHELP YOUのカスタマーサクセスチームに、お客様の満足度を上げるためのコツを聞きました。

● メンバープロフィール

久保智
カスタマーサクセスチームのリーダー。HELP YOUを運営する株式会社ニットのミッション・ビジョンに共感し、2017年に社員としてジョイン。チーム全体の統括を担うほか、証券会社での営業やコンサル経験を生かし、顧客への業務提案に注力している。

髙橋隆司
顧客との窓口を担当するディレクターに伴走し、主に相談役として案件の成功をサポートしている。2019年、自身もフリーランスディレクターとしてニットへジョインし、2022年に社員へ。

林弘美
主にディレクターの採用面談および新人育成を担当。新人ディレクターが自立して案件を運用できるようになるまでのサポートを行う。20年間、ファッションブランド業界で働いた後、2018年にフリーランスとしてジョイン。2021年に社員へ。

石黒舞
カスタマーサクセスチーム全体のサポートを担う。他社で正社員として勤めた後、2016年にフリーランスとしてジョイン。チームメンバーがコア業務に集中できるようシステムの整備や数字管理などを行う。


● HELP YOUとは?

HELP YOUは株式会社ニットが提供するオンラインアウトソーシングサービスです。2015年にサービスの提供を開始して以降、フルリモートでの運営を貫いています。現在、33の国や地域でくらす約400名のフリーランスが、HELP YOU事業を支えるメンバーとしてリモートで活躍中です。

▶︎ HELP YOUでの働き方について詳しく見る
▶︎ オンラインアウトソーシングサービスの詳細を見る

ライター

三代知香
飛騨在住のフリーライター/編集。IT企業でセキュリティ製品のマーケティングや、ビジネスアプリのPMを経験し、2018年にライターの道へ。メディアの立ち上げ・運営担当としてサイト設計やアクセス解析を経験。企業や人の「思い」に焦点を当てたインタビュー記事や、IT系のハウツー記事を手がける。

物理的な距離がサービス利用継続の障壁に

HELP YOUでは基本的にリモートでお客様の業務をサポートしています。

特にオンラインでのコミュニケーションに慣れていないお客様の場合、サービスの価値を体感する前に利用を停止してしまうケースもありました。そこでHELP YOUでは、2021年1月に現在のカスタマーサクセスチームを組成。お客様へのヒアリングや、サービス活用法の提案、お客様との窓口を担うディレクター育成などの取り組みを通じてお客様継続率97%を実現しました。

では、どのようにお客様の課題を解決に導き、利用継続につなげたのでしょうか。以下でご紹介します。

大事なのは顧客の潜在的なニーズを引き出すこと

チームリーダーの久保。プライベートでは365日ホテル生活を行い、世界各国・全国各地を転々としている。

 

オンラインアウトソーシングのサービス提供において、お客様が課題として感じるポイントは2つあります。

1つ目に、お客様とHELP YOUとの間における業務の所要時間に対する認識のずれが挙げられます。お客様が想定していたより業務の遂行に時間がかかってしまい、解約につながったケースも過去にはありました。反対に、想定よりも早く業務が完了したために契約時間を下回るケースがあることも課題でした。

業務の工数に対する認識のずれを生まないために、カスタマーサクセスチームでは、ディレクターと連携して業務の切り分けを実施。一つひとつの業務に要する時間を見積もると同時に、HELP YOU内での体制をお客様に向けて開示することで認識のギャップを埋めました。

契約時間を下回る場合においては、お客様へのヒアリングを通じて追加でサポートできる業務を洗い出します。お客様の中で潜在的に「依頼したい」と思う業務があっても明確になっていないケースは多々あるでしょう。チームリーダーを務める久保智は「潜在的にサポートが必要な業務をディレクターと共に導き出すのもカスタマーサクセスの仕事です」と話しました。

またHELP YOUが運営するサイトに他社の事例を掲載し、どのようなケースにおいてサポートできるかを既存のお客様に向けて発信することで「何を依頼したら良いかわからない」という悩みに寄り添っています。

このほかにも、スタッフのスキルをまとめた「チーム紹介シート」の提示等を通して、お客様が「こんな業務も依頼できるんだ」「将来的に〇〇という業務もお願いしてみようかな」と気が付くきっかけを作ることも取り組みの一つです。

ナレッジ共有でコミュニケーションコストを削減

ディレクターの育成に注力する林は、森林セラピストや音楽プロデューサーとしての顔も持つ。

 

2つ目は、オンライン特有のコミュニケーションの難しさです。ディレクター経験のある髙橋隆司は「ご依頼内容によってはテキストでのやりとりが続いてしまうケースもあります。そのような場合においてはビデオ会議や電話などを積極的に活用し、お客様の負担を軽減することが重要です」と説明します。

サービスの利用停止につながるリスクを未然に防ぐために、カスタマーサクセスでは新人ディレクターを対象とした研修を行っています。ディレクター育成を担当する林弘美は「過去に起こったトラブルの例を資料にまとめて可視化するとともに、ワークショップ形式でナレッジを共有することで再発防止に取り組んでいます」と話しました。

例えば、前に髙橋が挙げた例においては、コミュニケーションコストが膨らむことでお客様が「自分で対応した方が早い」と感じ、サービスの利用継続が難しくなったケースもありました。そのような場合に、どのように対応すべきかをディレクターを含むチーム全体で共有するようにしています。

「お客様の頭の中にある情報をきちんと引き出すのは重要ですが、そのために都度やりとりを繰り返していてはお客様のご負担になってしまうでしょう。私たちHELP YOUはチームで対応にあたるからこそ、過去の事例を共有することでコミュニケーションコストを削減しています」。

「中長期的な目線」で顧客の事業成長を考える

ナレッジの蓄積によるコミュニケーションコストの削減に加え、サービス利用開始時における業務の切り分けも継続の鍵だと久保はいいます。

「実際のところ、お客様にてご対応いただいた方が効率的な業務も存在します。あくまでも私たちのミッションはお客様がコア業務に集中できる環境をつくり、事業成長をサポートすることです。そのためにHELP YOUで対応できる業務をきちんとお伝えすることを大切にしています」。

では、実際にどのような業務のサポートを通じて「お客様がコア業務に集中できる環境」をつくっているのでしょうか。

ある水資源関連の企業では、人員不足により経営者が自ら顧客対応を行っていたため、なかなか経営戦略の策定に時間を使えないことを課題として感じていたそうです。そこでHELP YOUにて顧客対応を包括的にサポートしたところ、お客様は本来向き合うべき「経営」に思考を割くことができ、結果として業績拡大につながりました

今でこそお客様にHELP YOUを積極的に活用してもらえていますが、当初は「使い方がよくわからない」「どのような業務を任せたら良いかわからない」という理由から、いま一歩導入に前向きではなかったといいます。カスタマーサクセスチームでは、サービス導入前から営業担当者に伴走し、ヒアリングを経てHELP YOUの活用方法を訴求することで利用開始につなげました。

さらに導入後、お客様から費用感が理由で「解約を検討している」という話が挙がった際には、ディレクターと共にお客様へヒアリングし、コストに対する認識のすり合わせを行ったと久保は話します。

「『コスト』の捉え方はさまざまです。サービスを解約することで一時的に費用は抑えられるかもしれません。しかし、中長期的な目線で考えると、他の人でもできる業務を経営者が行うことはコスト改善にはつながらないでしょう。時給で比較しても、同じ業務をHELP YOUが対応する場合と、経営者が自ら行う場合とでは、後者の方がよりコストがかかります。経営者が持つ時間の価値を考えれば、コア業務以外に時間を使い続けるのは得策とはいえません」。

プラスアルファの価値提供が継続につながる

主にディレクターのサポートを行う髙橋は福島県在住。もともと地元企業に勤めていたが、東京への出向をきっかけに自身の働き方を見つめ直し、HELP YOUにジョインしたそう。

 

単にお客様の業務を引き継ぐだけではなく、その過程で業務フローを整備したことにより生産性が向上した例もあります。

あるコンサルタント企業では、1か月後に退職を予定している担当者の業務引き継ぎにともない業務フローの整備を行いました。HELP YOU導入以前は、その担当者が一人で業務にあたっていたため属人化しており、仕事を進めるプロセスが可視化されていない点が課題として挙がっていたそうです。

そこで、タスクを洗い出してマニュアルを作成。これにともない、一人で業務を進めていた時には気付かなかった非効率も可視化され、改善につなげることができました。ディレクターと共にお客様を担当した髙橋は「お客様の業務をそのまま引き継ぐだけではなく、プラスアルファの価値を提供することが結果として利用継続につながると考えます」と話しました。実際に、導入から3か月後には「別の業務もお願いしたい」と契約時間を1.5倍に増やしてもらえたといいます。

「HELP YOUに対するご意見・ご要望を伺った際に、お客様から『今の担当ディレクターを替えないでほしい、それだけです。今後とも長くお付き合いをしていきいたい』というお言葉を頂けたのが何より嬉しかったですね」と髙橋は振り返りました。お客様の目線に立った改善提案が、そのような言葉をもらえた理由なのではないかと話します。

会社としてだけではなく、個人としてもHELP YOUを信頼してもらえたことから、お客様側の担当者が転職先の企業でもサービスを導入してくれた例も過去にはありました。

家族と過ごす「時間」の価値を実感 地方会社員からフルリモートのフリーランスに転身

チーム内での会話を増やし、信頼関係を構築

チームメンバーのサポートを行う石黒が意識しているのは「即レス」。自身の判断で回答できる内容に関しては1〜2時間以内の返信を心がけているそう。

 

HELP YOUチームとして「お客様目線」や「お客様に寄り添う」意識を高めていくために、カスタマーサクセスチームとディレクター合同で月に1回ディスカッションの機会を設けています。単に案件の情報を共有するだけではなく「このようなケースにおいて、どのようにお客様に向き合ったら良いのか?」という目線合わせを行うことでサービスの品質向上につなげるのが狙いです。

カスタマーサクセスのミッションを遂行するうえで、ディレクターとの連携は欠かせません。しかし、メンバー全員がフルリモートで働いており、普段顔を合わせる機会が少ない分「無理をしていないか」「一人で悩みを抱え込んでいるのではないか」と心配になる時もあると髙橋はいいます。

そこで、いつでも相談してもらえる関係性をつくるために1日1回個別に「雑相(雑談・相談)タイム」という時間を設けているそうです。仕事とは直接関係のない雑談や、個別の案件に関する相談を通じてディレクター一人ひとりに向き合っています。

「仕事以外の話を聞いてほしい、というケースもありますね。何気ない会話を通じて互いの人となりや状況を知ることが信頼関係の構築につながると考えます」。

また、ディレクターの目線に立って考えることも良い関係を築くうえで重要だと、カスタマーサクセスチーム全体のサポートを担当する石黒舞は説明します。例えば、ディレクターに依頼をする際には、どのような言葉をかけたら気持ちよく対応してもらえるかを重要視しているそうです。

「他メンバーからの指示で私が代わりに依頼文を書く場合があるのですが、その時に『〇〇さんに言われたから』では相手の信頼を得るのは難しいと思います。なぜディレクターに対応してもらう必要があるのか、その理由をきちんと自分の言葉で伝えるのを大切にしています」。

事業成長への貢献がサービス利用継続の鍵

ディレクターとの連携を通じて、お客様継続率97%という数字を実現し続けているカスタマーサクセスチーム。今後どのような価値の提供を目指しているのでしょうか。

その一つは、お客様の事業成長に貢献することだと久保はいいます。

「お客様から『〇〇さんが担当してくれて良かった』と個別に評価していただけるのは、もちろんありがたいことです。同時に、HELP YOUがどの程度お客様の事業成長に寄与できたかを常に意識しながらサービスの質を向上させていくことが、お客様との信頼関係をより強固にしていくうえでの鍵だと考えます」。

海外在住者、お母さん──多様性のあるオンラインチームで成果を出す鍵とは【HELP YOU Tips:広報編】

まとめ

カスタマーサクセスチームの業務領域は、ディレクターのサポートから育成、お客様への改善提案、社内におけるナレッジ共有など多岐にわたります。いずれの業務においても鍵となるのは「お客様の目線に立って考えること」。お客様に寄り添い、事業成長を念頭に置いたサポートや提案を行うことが、サービスの長期利用につながっています。HELP YOUのカスタマーサクセスチームは、今後ともディレクターと二人三脚でお客様への価値提供を目指します。
▶︎ HELP YOUでの働き方について詳しく見る
▶︎ オンラインアウトソーシングサービスの詳細を見る

Link

おすすめリンク