海外転勤族妻&国際結婚組に聞いてみよう!世界のクリスマス事情

もうすぐクリスマス…ケーキやプレゼントなどの準備は出来ていますか?
世界33の国や地域に住みながらフルリモートで働くメンバーがいる株式会社ニット。今回は海外転勤族妻や国際結婚などさまざまな事情で海外に住むメンバー6人に「クリスマスの過ごし方や料理」についてお話を聞きました。

ライター

藤森愛唯望
長野県在住。新卒で銀行総合職に就職後、塾講師に転職。その後、自営開始を機にWワークを開始。HELP YOUにジョインする。色々な種類のお仕事に挑戦する中、ライターとしても身を立てるべく奮闘中。→執筆記事一覧

リモートワークだからこそ!世界中のメンバーが集まるニット

リモートワークになると「住んでいる場所が関係なくなる」とは言われていますが「本当かな…」と思いませんか?現在400人がフルリモートで働くニットですが、実は住んでいる場所ランキングトップ10をつくると4位にアメリカが入って来るほど。だからこそ、普段の業務では所在地を気にすることがありません。では、皆クリスマスはどのように過ごしているのでしょう。

キリスト教とも所縁が深いベツレヘムは?パレスチナの宇治川さん

まず初めに話を聞いたのは、夫の赴任によってパレスチナで生活している宇治川紗由里さん。イエス・キリスト生誕の地とされるベツレヘムのクリスマスについてお話を聞かせてくれました。

神聖な日として祝うクリスマス。キリストの生誕の地の様子

「ベツレヘムでは、神聖な日としてクリスマスをお祝いします。そのため、日本のようなお祭り感あふれるクリスマスケーキや派手なライトアップはないです。」と話す宇治川さん。

ベツレヘムのクリスマスツリー くらしと仕事

ツリーもシンプルに飾り付けられ、生誕劇等でよく見られる光景のオブジェが飾られています。

こちらはコロナ禍前の2019年に、ベツレヘム・キリスト生誕地で行われたクリスマスツリー点灯式の写真。

写っている教会は生誕教会だそうです。
静謐な空気感が写真を通してこちら側にも伝わってくるような気がします。

東南アジア・マレーシアに住む下福さんのクリスマス

夫の海外駐在に帯同されたという下福文野さんはマレーシアの首都クアラルンプールのクリスマス事情を教えてくれました。東南アジアではどんなクリスマスを過ごしているのでしょうか?

半袖にサンタ帽?夏のクリスマス

「マレーシアはムスリム国家なのでサンタを使った大々的な飾りつけや広告は一応禁止されています。」と話す下福さん。宗教が違うと禁止されることもあるのですね…!「ここ数年は若干緩まりましたし、外国人やクリスチャン(中国・インド系の方)も多いため、このシーズンは半袖にサンタ帽のような恰好をレストランやゴルフ場でよく見かけます。」とのこと。冬にクリスマスを迎える日本からすると、半袖短パン×サンタの帽子は不思議な感じがしませんか?

マレーシアでは半袖でクリスマス くらしと仕事

ゴルフ場に出現したサンタ?

ちなみに、この時期になるとゴルフ場には内緒で、ビールをケースごと積んでプレーする人たちが多発するのだとか。お祝いしたい、楽しみたいという空気感が写真から伝わってきますね!

ヨーロッパ・アメリカのクリスマスは?

サンタクロース発祥の地を調べると、実は現在のトルコにあたる小アジアだそう。現在はフィンランド在住なこともあり、クリスマスといえば欧米諸国というイメージはありませんか?フランス、チェコ、アメリカ、ベリーズに在住する4人にもお話を聞きました。

フランスで暮らすデュフロさんのクリスマス

フランス人と国際結婚し、フランスで暮らすデュフロ瞳さんには、ご主人の祖父母が滞在されているフランス北部「アミアン」に帰省されたときのクリスマスの過ごし方についてうかがいました。

クリスマスホリデーは日本のお正月?

日本の正月がフランスでいうクリスマスホリデーに当たるイメージで、期間中はほとんどの会社や学校はクリスマスホリデーとして大型休暇に入り、役所もお休みになるそう。「その代わり、正月という文化がないので、1/2、3あたりから学校・会社が始まります。また、クリスマス期間中は基本、祖父母の家に帰省するため、帰省ラッシュに入ります。」とデュフロさん。どの国も大型連休は移動が大変そうですね。

クリスマスイブ(12/24)~クリスマス(12/25)午前中の過ごし方は?

「イブは基本何もせず、この日までに家族全員分のクリスマスプレゼントを買い、クリスマスツリーの下に置きます。靴下にはあまり入れないみたいです。」と話すデュフロさん。日本ではクリスマスイブにご馳走を食べる家庭も多いので、大きな違いですね。
12/25、クリスマス当日の朝には、みんなでクリスマスツリーの前に集まり、各自プレゼントを探し、中身を確認するそう。

ここで暫し、皆で「こんなの貰った~!」「ありがとう~!」的な感じで喜びの共有をするのだとか。
その後、ランチでクリスマスの食べ物を食べるようです。せっかくなので、ランチの内容を聞いてみました。

  • シャンパンで乾杯(フランスではシャンパンはこういうお祝いなどの時に飲みます)
  • 前菜(ビスケットやカルパッチョのようなシャンパンのおつまみに合うようなさっぱりとしたものを用意します。)
  • メイン+ワイン(基本チキンなどをオーブンで焼いたり、大きな鍋で煮込んだものをみんなでシェアします。)
  • 食後にはチーズやフランスのスイーツと、コーヒーなどの飲み物とを一緒に食べます。

ディナーも盛大に!クリスマス夕方の過ごし方

「夕方はもう一方の祖父母の家に行き、ここでクリスマスディナーを食べます。」とデュフロさんは言います。シャンパン~メインまではランチと一緒で、デザートがケーキになるのがちがいだそう。
なんだかんだ皆ワイン飲んで、家族向けのゲームをしたりして、遅くまでワイワイするようです。
「その後、年末に入るまでには各自、元の住んでいるところに帰ります。クリスマス飾りは年始が過ぎても飾っているところが多いみたいですね。」と話してくれました。
お話を聞いているだけで、とてもアットホームで楽しく暖かな気持ちになるような時間の過ごし方だと感じます。

去年のデュフロさんのクリスマスホリデー くらしと仕事

2021年、アミアンで過ごしたクリスマス

こちらが去年のデュフロさんが夫の祖父母宅がある、フランス北部のアミアンでクリスマスホリデーの様子。家族皆で集まってクリスマスディナーをしたときのお写真をいただきました。当時まだフランス語がそこまで話せなかったそうですが、皆一生懸命英語でしゃべりかけてくれた…という、あったかエピソード付きでいただきました。素敵なご家族に囲まれて幸せそうです。食卓の飾りつけは全て叔母様のお手製だとか。立派なだけでなく、気持ちがこもっていることが伝わってくるような素敵な飾りつけです。

クリスマスディナーご紹介!「verrine betterave(ヴェリーヌ べトラーヴ)」と「gibier(ジビエ)」

デュフロさんには実際のお料理の写真もいただきました。

アミアンに伝わる料理 くらしと仕事

べトラーヴ(betterave)

写真の右にある小さなグラスに入った料理は、アミアンに伝わる料理のひとつだそう。
べトラーヴ(betterave)というフランス北部にある甘い野菜と他の野菜をスフレ状にした甘い食べ物です。

gibier(ジビエ) くらしと仕事

「gibier(ジビエ)」。

「gibier(ジビエ)」はイノシシやシカなどの野生動物の肉を赤ワインで煮込んだ料理。この写真のイノシシ肉は、おじい様が山で狩ったイノシシを赤ワインで煮込み、家族皆で切ってとりわけ、一緒に煮込んだ温野菜と一緒に食べたのだとか。

ほかにもたくさんのご馳走が!

またフランスでは、肉や魚などのメインメニューを切ったフランスパンと一緒に食べ、
メインメニュー完食後、フランスパンでお皿のソースを拭くようにつけるそうです。

食後のデザートのチーズ くらしと仕事

食後のチーズ

さらに、「食後にはチーズやフランスのスイーツと、コーヒーなどの飲み物とを一緒に食べます。」とデュフロさん。チーズといえば前菜やおつまみというイメージがあるので、ちょっと驚きました。
この日はデュフロさん含め皆さんワインも進んでいたので、クリスマスケーキは翌日の昼に食べる、ということでチーズを食べたとのこと。
どれも美味しそうで生唾を飲みながら記事を書いたのは内緒です。

仕事を見つけて在住を決意!チェコに住む久野さん

「友達に誘われてあまり深く考えず1年だけのつもりで語学留学してみたら、仕事が見つかって永住権が取れたのでそのままい続けています」と笑う久野明日香さん。チェコのクリスマスについてお話を聞きました。

チェコのクリスマス=鯉?!

ニットのオンラインイベントにもたびたび登壇する久野さん。その際に大きな話題になっていたのが「鯉」のお話です。チェコではクリスマスに鯉をフライまたはグリルで食べる習慣があるそうですが、鯉は川魚。泥臭さがあるようで、川釣りの場合はクリスマス前日ぐらいまで家のバスタブを生け簀替わりに泥抜きをして鯉を飼い、当日朝に調理しするそう。

鯉売り屋台 くらしと仕事

こちらは街中のマーケットなどでの鯉売り屋台の様子。

屋台で販売されている鯉 くらしと仕事

屋台で販売されている鯉

私はお正月に鯉を食べる風習のある長野県在住。海外にも行事の時に鯉を食べるところがあると聞き、少し親近感を覚えました。

謎のセーター登場?アメリカ在住の河端さん

夫の海外転勤に帯同したという河端真希子さんからはアメリカのクリスマスについて聞きました。

いかにも!THE・クリスマス!

アメリカでは、11月のサンクスギビングまたは、早ければ10月のハロウィンが終わると家々の飾り付けが始まるそうです。「ライトアップはもちろん、空気をいれて膨らます大きなスノーマンやサンタが庭に並んで壮大な雰囲気が漂います。」と河端さん。
クリスマスは家族で過ごす家庭が大半で、家族が近くにいないなど事情のある人には、親切に声をかけてパーティーに招待してくれる人も多いそうです。
「外食が好きなアメリカ人ですが、この日ばかりは手作りで、田舎の方ではレストランは閉店しているところがほとんどです。ディナーのメインはターキー&グレイビーソース。アメリカのクリスマス料理の定番です。ローストターキー(丸ごと)に手作りのグレイビーソースを添えて、各家庭の味を出しています。」と教えてくれました。各ご家庭の味、気になりますね…!

謎のセーター「ugly sweater」とは?

部屋のクリスマスツリーとお子さんたち くらしと仕事

「ugly sweater」と呼ばれるクリスマスセーター

アメリカでは「ugly sweater」と呼ばれるクリスマスセーターを着るそうです。「uglyは醜いとか見苦しいという意味で、写真のようにとってもクリスマスクリスマスなセーター。
学校でもugly sweater dayなるものがあって、手作りのセーターなどを着る子もいます。」と河端さん。
誰しもが子供時代に祖父母からもらう派手なセーターをジョークにして始まったらしいこの風習。今では日本でもイベントとして増えているとか。買うのも着るのも大冒険ですね。

マヤ文明が残るベリーズのクリスマスは?

結婚を機に中央アメリカの東岸に位置するベリーズへ移住された大竹さんにもお話を聞きました。

ミサに聖歌にカウントダウン!これぞクリスマス

「キリスト教の方が多いため、クリスマスイブは家族で教会のミサへ行きます。」と大竹さん。
25日0時になると爆竹が町中で鳴り響くそうです。「コロナ禍前には、ダウンタウンでクリスマスソングが大音量で流れ、イベントでは聖歌隊の生歌を聞くことができました。また、トラックの荷台に乗った人が町中に飴をばらまくこともあります。」と話してくれました。
クリスマス料理は24日までに完成させておき、25日から食べ始めるそう。

クリスマスの教会のようす くらしと仕事

クリスマスの教会

大竹さんのお宅はパーティー大好き一家。クリスマスイブの夜からクリスマスの深夜まで、親戚一同が集まるパーティーがあるそうです。日本での年越しのようなカウントダウン「3.2.1.メリークリスマス!」が一番の盛り上がりポイントなのだとか。

ベリーズのクリスマスケーキであるブラックケーキの写真もいただきました。

ベリーズのクリスマスケーキ くらしと仕事

ブラックケーキ

このブラックケーキは、専用のブラックシロップ、ナッツやドライフルーツが入っているそう。「独特な味があるのでチャレンジする方は覚悟をしてからどうぞ。正直、私はあまり好みでは…」と言葉を濁す大竹さん。ブラックシロップはどんな味がするのでしょうか…?

まとめ

いかがでしたか。一口に「クリスマス」と言っても国や地域、宗教でかなりの差がありますよね。でもどのメンバーもとても楽しそうで素敵ですよね。私も今年は面倒臭がらずにクリスマスツリーを引っ張り出して飾り付けました。皆様も自分の家流クリスマスを楽しんでお過ごしください!

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