定額住み放題サービスADDressで多拠点生活!新しいくらしと仕事のカタチ

家族の闘病から転職を決意し、新たにパラレルキャリアで仕事をスタートしたカスタマーサクセス・コミュニティマネージャーの西出裕貴さん。本業の会社は完全リモートワークが可能だということですが、大阪と東京を行き来するため定額で全国住み放題のADDressを利用しているのだそう。ADDressに加入したきっかけと、実際どのように使っているのかをお聞きしました。※本記事は、4月7日の緊急事態宣言の前に取材したものです。

ライター

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

転職をきっかけに東京・大阪の二拠点生活をするように

 

西出さんはフルリモートの会社でコミュニティマネージャーの仕事をしているそうですが、地元の大阪から東京へはどのぐらいの頻度で来ているのですか?

ニットでの仕事を始めてから基本的に、月の半分は東京、残り半分は大阪で生活しています。

どうして東京と大阪の二拠点生活をするようになったのですか?

それは、なぜ私がニットで働くようになったかというところが起点になります。

私は出身の大阪で大学生まで過ごし、就職を機に東京へ出てきました。ニット以前に勤めた2社は、いずれも東京の企業です。新卒ではIT企業でコンサルタントの仕事をして、2社目のAI開発の会社では新規事業の立ち上げに携わっていました。ちょうど2社目の会社に入った年末、父が末期がんで余命1年と宣告されたことを知りました。

それまで私は仕事が忙しく、1年のうちにGWと年末年始の2回しか実家に帰っていませんでした。余命1年ということは、父に会えるのはあと2回だけ。確かに仕事は楽しくやりがいを感じていましたけど「果たして、そこまで優先するべきものなのだろうか」と思いました。

それで、東京に戻ってから上司にリモートワークができないか相談しました。しかし、AI開発の会社なのでクライアントは大手企業の本社がターゲットになるため、どうしても仕事の場を東京から動かせませんでした。

じゃあ週末だけ実家に帰ることはできないかとも考えたのですが、負担が大きくなってしまう。

それで転職を決意されたんですね。

はい、それから転職活動を始め、2019年4月からフルリモートで働ける株式会社ニットに入社しました。ただこの転職活動の際、「ひとつの仕事しか持たないことは、自分のキャリアにとって良いことだろうか?」「雇われる関係のままで良いのだろうか?」という疑問をもっていました。人生で最も大切にしたい時間の過ごし方を、仕事に左右される状態なのはどうなんだろうと思いました。私にいろんなところから声がかかるほど何かしらのスキルがあって、企業と対等な関係があれば、こうして働く場所や時間の過ごし方で悩むことはないんじゃないかと。

 

これまで私は、会社員の傍ら、プライベートでイベントやフェス、コミュニティの立ち上げをしていました。いつか仕事に出来たらとは思っていましたが、なかなか踏み切ることができませんでした。フリーランス1本でやっていけるほど甘いものではないと認識していたからです。ただ今回を機に単にフリーランス1本とするのではなく、ニットで正社員しつつ、少しでも理想の働き方に近づけれるようできることをやろう。パラレルで働いてみようと思いました。ちょうどそのタイミングでプライベートの経験を活かせそうな案件を見つけたんです。

それが、暮らし(住まい方・働き方)の新しい価値観を提案するYADOKARI株式会社の、人が繋がる場やコミュニティを創り出してまちづくり支援をしていくコミュニティビルダーというポジションでした。このポジションを業務委託ですることになり、パラレルキャリアで二拠点生活をする流れになりました。

西出さんは、なぜ地元の大阪と東京で2拠点生活をしているんですか? リモートワークが可能であれば、必ずしも東京にいる必然性はありませんよね。

二拠点にしている大きな理由は、プライベートで進めていた東京でのフェスの立ち上げなどイベント関連を継続してやりつづけたかった。また、社会人になってからできたつながりを残したかったからでした。ホントに僕は欲張りだなと思いました。笑

正直なところ、リモートでもコミュニケーションを取ることはできますし、YADOKARIの仕事も完全にオンラインでやろうと思えばできます。

ただ、東京には面白い人たちや刺激がたくさんあります。実際に目で見たこと。耳で聞いたこと。感じたことは自分の価値観や可能性を広げる大きな糧となります。それを考えると、自分のプライベートの予定と仕事を兼ね合わせて2週間は東京にいたいなと思っています。

そして大阪にずっといると、親との距離が近くなりすぎて自分に負荷がかかってくることも分かりました。年に2回ぐらいの帰省では、親もお客さん扱いしてくれていたのだと思います。最近は親と自分の考え方の違いをひしひしと感じて、月に2週間ぐらいがお互いにとってちょうど良い距離感なのかなと。

ADDressを選んだ理由

東京で部屋を借りずに、ADDressを利用しようと思ったきっかけは?

きっかけは2つでした。1つはコスト面です。

実は、2拠点生活をするタイミングで、ADDressのサービスには興味を持っていて検討してました。ただその時は、応募が殺到していたのと年間契約だったので、サービスを受けられるか、そして続けられるか不安ということもあり、断念しました。

そのためニットにジョインしてからも、しばらくは東京に部屋を借りていました。ただ、賃料・水道光熱費を足すと月12万円ほどかかっていまして。月の半分しか滞在していないのと、ちょうど家賃の更新月もあり、コストを考えて東京の家はキープしなくてもいいかなと。それで、しばらく東京滞在時はホテル暮らしをしていました。

今年の2月、ADDressがちょうど3月末まで半額になるキャンペーンをやっていたので、「ホテルよりも安く済みそう」と思って契約しました。料金システムも月払いになっていますし、試しやすかったので。「嫌だったら、辞めてもよいしな」と思っていました。

2つめの理由は、助成金制度。2020年度からスタートする東京圏に住みながら地方で兼業や副業をする人に交通費を支援する制度です。1都3県に住所がある人が兼業や副業の目的で地方へ行く場合、1人当たり年間50万円を上限に3年間で最大で150万円まで助成されるようになります。そのためにも東京に住所を置いておきたいなと思いました。ADDressに登録すると、ドミトリー利用にはなりますが、ADDressが持つ拠点の中から任意に1つ自分の拠点にすることができて、そこに住民票を置くことができるんです。それも魅力でしたね。

キープできる拠点申請の費用も、月額料金に入っているのですか?

入っています。登録時に申請してOKが出ればそのベッドは自分専用として使えます。他の拠点に滞在する際には、予約できるのが1カ所につき連続で最長7日間、最大の予約泊数は14日間と制約がありますが、自分専用のベッドに関しては無制限です。

これまでに何カ所に滞在しましたか?

2月に登録してからもう5カ所行きました。習志野、二子玉川、逗子、茅ヶ崎。それから神奈川の鶴巻温泉にも行きました。

明日から仕事と旅行を兼ねて九州に行くのですが、福岡はいったんホテルを利用してその後の別府と日南、唐津はADDress拠点を予約しています。

温泉地など、拠点によっては旅行目的で利用する人が多いのでしょうか?

はい。ADDressの拠点はそれぞれ特徴的で、個性があります。ですから別荘のように使う人もいますし、東京エリアでは小田急沿線に拠点が多いので、ビジネスマンや就活に使う学生もいるようです。賃貸物件を借りる代わりにADDress拠点で生活している人、シンプルにコストパフォーマンスの良さから利用している人、いろいろいらっしゃいます。

利用者はどういう職業の人が多いようですか?

やはりフリーランス、リモートワークの人に多く会います。ライターやプログラマー、デザイナーとかですね。ただ、会社員や学生の方もいらっしゃいます。

そういう人たちはどこで仕事をするのでしょう?ADDress拠点にワークスペースは設けられているのですか?

ADDressの拠点でする場合と近くのカフェなどどこか好きなところへ行ってする場合があるようです。中には、ワークスペースを併設している拠点もあります。

「住む」だけではない、ADDress体験から得るもの

ADDressで多拠点生活をしながら自由度の高い働き方ができそうですね。ADDressのサービスはどういったことを目指しているのでしょう?

ADDressが目指しているのはコミュニティ形成だと思います。地方へ移住しなくても良い。各拠点に行ってみることで、人との繋がり、自然との暮らし、さまざまな地域の文化や、出会いが楽しめ、帰属できるコミュニティを持てるようにすること。どこかの場所へ行く理由のきっかけが「人」となることを目指していると思います。各拠点を管理する「家守」という人がいるのですが、地域との橋渡しをしてくれて、それぞれの拠点の色を作り出しています。20歳の会社員が家守をしている拠点もあれば、50代の個人事業主の家守がいる拠点も。

ADDressを利用する中で得られた意外なメリットはありましたか?

そうですね。今、僕はニットでリモートワークや生産性向上の講師をしていまして、逗子の拠点を利用した時に家守の人と話をして、いろいろ仕事の参考になることがありました。また別の拠点でも、利用者同士の会話の中で、いろいろな会社のリモートワークの状況を聞いたりなど。もしも情報を自分の交友関係だけで得ようとすると偏りが出てくると思うのですが、ADDressの利用者は年齢も職業もバラバラなので、ヒントになることがあります。

情報収集に役立っているわけですね。

根本的な目的は、生活する場所を求めているだけなんです。そこで交流があればいいな、ぐらいの温度感で。だから滞在した時点でもう目的は達成されているんですよね。だけど、このADDressというサービスはこの目的以外にも多くのメリットがあります。地域との交流の機会やユニークなローカル体験、その地に暮らしているからこそ分かる情報を提供してくれる家守がいること、そして多種多様なADDress会員と交流できるからこそ、各拠点で起こった体験が、自分にとって良い刺激となっていて、自然と自分の糧になっています。

私は今、ニットの他、YADOKARIなどいくつかの企業でコミュニティに関する仕事をしていることもあって、仕事とプライベートが溶け込んでいる状態なんだと思います。YADOKARIでの経験が本業に活きることもありますし、一方でニットで得た経験がYADOKARIやADDressの中で考える材料になるケースもある。それぞれがリンクしていると実感しています。

 

 

まとめ

多拠点生活ができるサブスクリプションサービスADDressを利用して、東京と大阪を中心に日本各地を訪れている西出さん。ADDressに登録した一番の目的は居住のためということですが、訪れた土地で人との交流があり、仕事へのヒントが得られることもあるそう。拠点のある土地は都心に限らず増えているそうで、旅をするように生活できそうです。