仕事中の様子 くらしと仕事

インナーブランディング葛藤記#01
-自分の役目って何だろう?-

皆さん、はじめまして!株式会社ニットの西出です。インナーブランディング葛藤記では、2021年7月より組織活性・インナーブランディングを担当することになった西出が、日々仕事を進めていく中での葛藤を連載コラム形式で書いていく企画。インナーブランディングを知らない・全く異なる業務をされている方でも、自分の仕事を内省できるきっかけ記事になればと思います。初回は「自分の役目ってなんだろう?」。大半の方が1度は考える問いかなと思います。2022年6月までは毎回テーマを変えながら執筆しようと思っているので、お付き合いくださいませ。

● HELP YOUとは?
HELP YOUは株式会社ニットが提供するオンラインアウトソーシングサービスです。2015年にサービスの提供を開始して以降、フルリモートでの運営を貫いています。現在、33の国や地域でくらす約400名のフリーランスが、HELP YOU事業を支えるメンバーとしてリモートで活躍中です。

ライター

西出裕貴
株式会社ニットにてインナーブランディングを担当。幸福度診断を活用した組織活性や企業理念・ビジョン・バリューの浸透と体現に取り組む。また月額定住サービスADDressを活用しながら多拠点生活中。パラレルキャリアでも活動し、各種フェスやイベントのコンサルや立ち上げ・運営の他、街づくり案件に従事。→執筆記事一覧

インナーブランディングの目的ってなんだろう??

きっかけは社長との1on1からだった

株式会社ニット 秋沢代表との打合せ くらしと仕事

株式会社ニットは毎年7月に新しい期を迎える。そして2021年6月、社長の秋沢との1on1にて突然「西出くんには、7月から広報ポジションでインナーブランディング・組織活性を担ってほしい」と告げられた。

話をしていくと、ニットは7月から企業理念・ビジョン・バリューを刷新することが決まっていた。秋沢自身、新しい企業理念・ビジョン・バリューを社内で浸透していく必要があると考えていて、そのミッションを担当してほしいとのことだった。

6月まで私はHS(ヒューマンサクセス)に所属しており、コミュニティマネージャーとして、社内の組織活性を目的としたコミュニティやイベントの企画設計と実行を担っていた。そのため、このミッションの重要性を充分認識していたので快諾した。これがインナーブランディングと私の葛藤の始まりだった。

インナーブランディングは誰のためにやるもの?

1on1終了後、インナーブランディングを検索してみると、こう書かれていた。

「インナーブランディング(Inner branding)」とは、社外(消費者や市場、取引先など)に対してではなく、社内(従業員や株主など)に対して行うブランディング。
「インナーブランディング」の目的は、自社製品・サービスの魅力にとどまらず、企業理念や企業としての価値を知ってもらうこと、共感してもらうこと。仕事に対する姿勢に一貫性が生まれ、意識改革、業務効率の向上、製品やサービスの品質アップといった効果も見込める。消費者や取引先に対し、自信を持って自社製品・サービスを薦めることもでき、その結果、会社としての目標達成、ブランド力の向上、企業としての成長も実現する。

https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=2429 より一部編集。

昨今、日本でも採用競争が激化しており、単に収入面や労働条件が良いだけでは優秀な人材を確保するのは難しく、結果として経営に影響している。そのため、企業が経営理念を掲げて社会的な貢献をアピールし、外部の共感や支持を得て利益につなげる「パーパス経営」などが注目されている。

反対に、内部の意識改革を行い、会社が一体化して良いサービスや製品を提供して利益を上げるのが「インナーブランディング」。しかし、私自身、このインナーブランディングを、ただ経営面における生き残り戦略として反映させるのには違和感があった。

もちろんインナーブランディングを進めていくことで、会社に一体感が生まれ、業務が円滑に進んだり、人間関係のトラブル解消につながるなど、働き手にも少なからずメリットを提供できる。ただし、企業としての利点だけを追求するのではなく「インナーブランディングは一体誰のためにやるのか?」という、最も大切な問いが心に浮かんだ。

そのためには、もっと大きな視座で見なければならない。

答えは「何のために仕事をするか?」にあった。

その時、ふと「仕事は誰かのためにやることであり、趣味は自分のためにするもの」という言葉を思い出した。仕事と趣味の違いでよく話されることだ。なぜこの言葉に引っかかったかと言うと、今回のインナーブランディングを仕事として捉えた際、株式会社ニットのためにやることは大事なことである一方で、会社だけの視点で見ると不十分だと感じたからだ。

「仕事は誰かのためにやる」こと。では「誰のためにインナーブランディングをするのか?」その答えは”「働く」を通じて、みんなを幸せに”というニットの企業理念を実現し、働き手・クライアント様・社会に貢献するという、ニットの企業理念の中にあった。

働き手・クライアント様・社会のためのインナーブランディング。

企業理念やビジョンを働き手自身が、自らの実体験で体現することができる。そしてニットが目指す世界観に共感し、クライアント様を含めニットに関わる全ての方のチャレンジを応援してサポートしている。この状態がニットの最大の価値につながるのでは?

ニットの難しさ:400人全員がフルリモートで働いていること

ニットビジョンブックのページ2 くらしと仕事

一方でニットの組織運営は、非常に難易度が高い。全員がフルリモートで働いており、対面で話したことがない方が大半を占めること。そして業務委託でフリーランスのメンバーが大多数であること。さらには世界33ヵ国に滞在しているメンバーはもちろん、すきま時間で働く方が多いため、働く時間・生活時間も異なること。

ニットが大切にしている「仕事もプライベートも大切にしてほしい」という考えから、様々な働き方が混在する組織であり、1箇所に集まって何かをする、または掲示物を掲げるなど、一般的な会社が実施できるインナーブランディング施策は効果を得にくい。

だからといって悲観しているわけではなく、むしろワクワクしている。ニットの組織活性に携わって2年。コロナを機にリモートで働くことが世の中で当たり前になりつつあり、副業推進の動きが加速してフリーランスで働く方も増えていることを考えると、ニットの組織はある意味、現代社会の縮図のように感じる。

遅かれ早かれ、この形態での組織活性や組織運営は絶対に求められるものであり、ニットは他の会社よりも数年早く対応しているのだと捉えている。

自分の役目を見失った時に考えること

ライター 近影 くらしと仕事

日々の仕事に追われて、自分の仕事や役割を見失ってしまう場面はあるもの。例え組織が特殊であろうとも本質は変わらないように思う。「なんのためにこの会社や仕事に就いたのか?」「目の前の仕事は誰を幸せにして感謝されるのか?」「自分はどんな時にやりがいを感じているのか?」を振り返ってみると自ずと答えが見えてくる。

私自身がインナーブランディングを担当することによって、働き手が幸せを感じられる。そしてこの幸せを、ニットでは「自己実現」と「人生の豊かさ」の実現と捉えている。1人ひとりにそれぞれ個性や特性があり、その能力を誰かに向けて働きかけて貢献する。

そして”働く”だけでなく普段の暮らしにおいても、誰かに依存するのではなく、自分のありたい姿に向かって自ら主体的に選択して自己実現していくこと。この経験をニットを含め、ニットに関わる全ての人に提供することがインナーブランディングとしての役目だと考えている。

まとめ

どんな仕事にも、必ずと言っていいほど”誰かに感謝される場面”がある。それは仕事が誰かに貢献する働きかけだからだ。この本質を追い求め続けることが、自分の役目を明確化していくきっかけになると思う。一方で普段の仕事や暮らしにおいても、日々の感謝を言葉にすることで自分の周りのメンバーの役目に気づきを与えるきっかけになるかもしれない。

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