一家全員感染のリモートワーカーが直面した3つの想定外と“おせっかい”のススメ くらしと仕事

一家全員コロナ感染のリモートワーカーが直面した3つの想定外と“おせっかい”のススメ

HELP YOUのスタッフとしてフルリモートで働くわたしは、この夏、新型コロナに一家全員感染。「明日は我が身」と思いつつも、実際に家族全員が感染し自宅療養するということは想像絶する経験でした。

自分が急変したら仕事はどうする?夫もダウンしていたら…?

緊急事態宣言は解除されたものの、もし冬に向けてさらなる感染拡大があったら…?過去最大の感染者数を記録した第5波で感染したからこそ必要性を感じた、もう一歩踏み込んだコロナ対策について考えました。

ライター

生田目 史子
富山県出身、東京都在住。2児の母。夫の転勤に伴う退職そして出産を経て、柔軟な働き方を求めていたところ、2015年に立ち上げ間もないHELP YOUに出会う。以降ライティングはじめ様々な業務に携わる。フルリモートで"くらしも仕事も"を実践中。

まさかの一家全員感染


わたしは普段、オンラインによるアシスタントサービス「HELP YOU」のスタッフとして、フルリモートで働いています。

そのため、オフィスへの出社などは一切なく、仕事による新型コロナウィルス感染のリスクはありませんでしたが、この夏、一家全員感染という経験をしました。
自分自身が外に出ず仕事をしていたとしても、夫は外勤、息子たちは幼稚園と小学校に通っています。さらには、東京という感染者が多い地域に在住。そして買い物など仕事以外での感染リスクは当然あり、いつどこで感染してもおかしくはない状況だというのは肌で感じていました。

しかし、家族全員が感染し、自宅療養するというのは、想像していたより遥かに大変なことでした。

感染しても、リモートワークならどうにかなる?

働く場所を問わない働き方であり、お仕事によっては自分のペースで進められる「HELP YOU」のリモートワーク。たとえ陽性者になっても体調次第で仕事を続けることができると考えていました。リモートワークでありながらチームで動いているお仕事も多く、いざとなれば一時的にフォローし合える土壌があります。
コロナ禍に強い働き方だと安心していました。

さらに、デルタ株が話題になるまでは、「新型コロナウイルスは30代が感染してもそれほど大事には至らないケースが多い」「子どもの症状は軽いことがほとんど」という報道が多かったため、30代夫婦と子ども2人の我が家であれば大丈夫だろう、と思っていました。また、これまで動けなくなるほどの体調不良に見舞われたことがなかったこともあり、「感染したとしても自分はきっと軽く済むだろう、仕事もフルリモートだしどうにかなるだろう」という根拠のない自信もあったのです。
しかし、実際には、次のような経緯で耐え難い症状に見舞われました。

やってきた、想定外の夏休み

7月末頃、朝起きると軽いだるさを感じ、熱を測ってみたところ37.4度ありました。夏休みということもあり、近所の友人親子と公園で遊ぶ約束をしていましたが、大事をとってキャンセル。とはいえ週末の疲れが出ただけだろうと考えていました。

ところが、夕方になり急に強い寒気が。熱を測ると38.8度という高熱。明らかにいつもの風邪とは違う感覚に「もしたかしたら」と嫌な予感がしました。翌日の午前に発熱外来を受診し、お昼過ぎに陽性と判定され、翌々日には長男、さらにその次の日には夫と次男が陽性に…。夏休みに入ったのも束の間、あれよあれよと一家全員感染という事態に陥りました。

一家でコロナ感染 3つの“予想外”


実際に家族全員が感染すると、予想外なことの連続でした。

①急な発症と症状のキツさ

発症後、ちょっとだるいかな、から数時間後には急激に熱が上昇。酷い倦怠感のため、その日の夕方頃には常に横にならざるを得ない状態になってしまいました。急激に具合が悪化したため、家族間隔離の準備もほぼできないまま。陽性と判断された時点で外に出れないため、療養の準備すらほとんどできませんでした。その後10日程度はトイレに行くことすら大変な症状のキツさがありました。

②容易に医療機関にかかれない

熱がなかなか下がらず、解熱剤を飲んでも効果が切れるとすぐに38度以上、という状態が1週間以上続きました。発症から1週間ほど経つと酸素飽和度も90台前半まで下がり、身体をわずかな時間起こすことも困難に。酷い咳が続くため、食事どころか水を飲むのすら難しい状態でした。
しかし、陽性であるため、基本的には保健所の指示に従わねばなりません。当時は感染者が爆発的に増加していたため、症状がどんなにつらくてもまともに医療機関に行くことすらにできません。医療機関にかかれないというのは恐ろしいことで、自分や家族が気付かぬうちに急変したら…という恐怖は相当なものでした。

③自宅療養生活の忙しさ

こまめな検温、酸素飽和度のチェック、薬の内服、記録、保健所やフォローアップセンターへの報告。同じく発熱している子どもたちへのケア。最低限の家事に、心配する遠方の家族や友人への連絡、子どもの習い事など各方面へのキャンセルの連絡。各種宅配サービスへの発注や受取り、荷解き。やることは盛りだくさんです。いつものようにはいかない食事、風呂、トイレなど大変なことは多いのに、どんなに具合が悪くても自宅療養である以上すべてのことを自分たちでやらねばなりません

これまで風邪といっても、日常動作には支障がなくかつ数日寝たら回復する程度のものしか経験がなく、急な症状の悪化とそのつらさには驚きました。そして、自宅療養中の受診の難しさ、自分たちですべてをやらなければならない忙しさは、直面して初めてその大変さを痛感しました。新型コロナの症状はかなり個人差が大きいようですが、警戒するに越したことはないでしょう

ありがたいチームの力 仕事はこうして乗り切った

仕事に関しては当初、多少体調が悪くても軽めのルーティン業務は通常通り対応するつもりでした。しかし、前述の通り自宅療養はやることが盛りだくさん。症状的にも「大丈夫です!」とは言い難い状態になり、自分しかできない業務以外は交代していただくことになりました。チームで動いている業務が多かったこともあり、みなさん快く、しかも迅速に引き受けてくれました。そのおかげで納期に間に合わない、納品・対応ができない、といったクライアント様に迷惑が掛かる最悪の事態は避けることができました。

組織にとってもリスク!“おせっかい”のススメ


療養期間中は、先の見えなさと自身の衰弱ぶりに、まとまったお休みを取るための「休会」が頭をよぎるほどでした。もしも自分や家族が急変したり、突然入院したりということになったら、上手く報告できたでしょうか。普段はもしもの時に備え、緊急連絡役を夫に担ってもらっていますが、夫もダウンしていたら……?

会社や組織側にとっても、スタッフと急に連絡が取れなくなるというのは大変なリスクです。連絡が取れても状況によっては引き継ぎがうまくいかず、代わりのスタッフや社員がフォローしきれない可能性も考えられます。

日頃からの情報共有や、気軽に相談しやすい土壌の醸成、余裕をもったスタッフ配置、緊急時のシミュレーションを心がけたいところです。

フルリモートの場合は、普段コミュニケーションをとっているチャットツール上で、いつものメンバーが普段どおり動いているかを、お互いに常にゆるやかに気にかけておくと、異変にいち早く気づきやすくなります。

リモートではない場合、業務上重要な書類や物品を特定の社員1人だけしかわからないような場所に置くべきではないでしょう。

さらに、コロナ禍においては、医療機関にかかりにくいという社会的状況のなかで刻々と病状が変化するため、あえて組織側からコミュニケーションをはかるのも方策のひとつとなります。例えばコロナ陽性者に関しては、定期的に簡易な報告をお願いする体制など、一歩踏み込んだコミュニケーションをしても良いかもしれません。感染者本人は、動けるうちに緊急連絡役を、感染させるリスクの低い同居外の家族に頼む必要があるでしょう。

仕事においては「自助」が基本ではありますが、ことコロナ禍では、“おせっかい”くらいがちょうどよいのでは、と感じています。

「お互いさま」の精神で価値を発揮する

わたしが所属する「HELP YOU」は、時間・場所に縛られない「わたし」らしい働き方が実現できるプラットフォームです。ただ全て”選択”できる反面、選択した先には、自律と自由、そしてリスクと重い責任があります

大事なことは、どのような状態になっても頼まれた仕事を遂行することです。
しかしこれは、必ずしも1人で実現することを意味しているわけではありません。「お互いさま」と思って互いにフォローしあいながら仕事をして価値を発揮するということもできるはずです。

まとめ

感染経験後は、ニュースやSNSで目にする自宅療養者の窮状や、医療にアクセスできない現実がリアリティをもって迫ってきました。誰もが他人事ではないと思います。
今回の経験を通し、リモートワーカーとして、時にはチームの力を借りながらも、受けた仕事は必ずやり遂げるというプライドを持って仕事に向き合いたいとあらためて感じました。