【2019年最新情報】働きたい日本女性の壁「M字カーブ」の最新情報~北欧の政策から解消法を考える~
自らの意思だけでは、働きたい場所で働けない・働き方を選べない。働き方改革や女性活躍推進と声高く言われるいま、実際に働く女性からはさまざまな声があがっています。①パートナーの仕事が激務で、自分が働くと家事との両立が大変になる・・・②もう一度働きたい気持ちはあるが、子どもが小さい間は一緒に過ごしたい・・・③満足のいく預け先が見つからないし、長時間働かなければ保育園に入れない・・・こういった声は統計にも表れています。「M字カーブ」と呼ばれる、日本の女性労働力率の推移は、韓国を除けば世界の他の国には当てはまらない特徴です。今回は、このM字カーブの最新情報と、今後の日本での働き方について解説します。
目次
ライター
日本女性が離職するタイミングを表す「M字カーブ」
出典:「男女共同参画白書 平成29年版 I-特-2図 女性の年齢階級別労働力率の推移」(内閣府男女共同参画局)
M字カーブの形を見ると、日本では20代後半から30代を中心に働く女性が減っています。つまり、日本の女性は、20代前半に新卒で就職するにも関わらず、キャリアアップの時期といえる30代前半から40代にかけて、結婚・出産で退職せざるを得ない状況となっているのです。なぜ、女性の結婚・出産による退職が起こってしまうのでしょうか。
「働きたいのに働けない・・・」には、さまざまなケースがあります。
- 結婚・出産後に元のポジションに戻れない。または、明らかに以前とは違う部署に異動となる。
- 家事・育児と両立するための時短勤務やフレックス勤務を選択できない。
- パートナーや親族が退職を希望している。
- パートナーが転勤族で、自身が定職につくことが難しい。
結果として、仕方なく退職や以前より給料の安い職場への転職、もしくはパートタイム勤務などを選択する方が少なくありません。リモートワークやパラレルキャリアなど働き方の選択肢が増えたことで解消された部分もありますが、それらもパートナーや親族の理解なしには成り立ちません。「結婚したら家事の時間もあるから、これまで通り働くのは難しい」「子どもが大きくなるまではパートで働こう」といった声だけでなく、「結婚しても仕事はこれまで通り続けたい!」「育児の分担は都度考えながら、キャリアアップも目指したい!」という声もある。そういった認識がまだ浸透しきっていないように感じます。
先進国で唯一、日本では賃金が低下している状況で、「ワーキングマザー」「女性の管理職登用」「ウーマノミクス」といった、働く女性を後押しする言葉が生まれています。また、人口減少・少子高齢化に伴い、M字カーブの改善(女性の労働力化)が必要とされており、政府は「女性の活躍推進」(男女共同参画を実現し、社会や企業において女性がいきいきと活躍する)を唱えています。前述したように、女性の労働力率がM字カーブを描くのは、世界では日本と韓国のわずか2カ国のみです。では、他国の女性たちはライフステージによってどのように働き方を変化させているのでしょうか。
世界の年齢別女性労働力率の推移
出典:「データブック2018 国際労働比較」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
出典:「Japan Portfolio Strategy ウーマノミクス5.0:20年目の検証と提言」(Goldman Sachs)
男性の年齢による労働力率の推移は、国ごとに大きな差異はないといわれています。それに対し、女性の労働力率を表すグラフの形はさまざまです。(データブック2018 国際労働比較)アメリカでは、各国に比べて低い弧を描いています。昨今、アメリカでは女性の専業主婦化が進んでいるといわれていますが、確かにそれがデータに表れているようです。日本女性の就業率だけでみれば、アメリカを抜き、近年非常に高くなっています。(Japan Portfolio Strategy ウーマノミクス5.0:20年目の検証と提言)
スウェーデンをはじめとする北欧の国々では、M字カーブのような谷は見られず、ドーム型となっています。結婚・出産でキャリアが分断されないという点で、安定して働くことのできる理想的な形です。
フランスでは20代後半までの労働力率が比較的低いのが目立ちます。チェコやハンガリーといった他のヨーロッパの国でも見られる特徴で、20代では教育に力をいれる傾向にあることが起因しているようです。
フランス・イギリス・ドイツ・スウェーデンでは、20代後半に比べて、40代後半以降にかけて労働力率が上昇する傾向があります。20代後半から急激に労働力率が低下している日本と比べると、明らかな差があり、この違いが女性のキャリア形成の差を生むといっても過言ではありません。
ただし、それぞれの国で、パートタイマーや失業者の割合といった詳細な内訳は異なります。これらは家事・育児を下支えする強制力がある国の政策や、男女平等に対する考え方といった社会風土や宗教観による影響が大きくあるとみられます。
日本でM字カーブが生まれた理由と最新の動向
ここからは、日本のM字カーブの動向について、これまでの経緯と最新の情報について詳しく解説しています。
日本は昔から「女性が極めて働きにくい国」ではなかった
出典:「平成26年11月 成長戦略としての女性活躍の推進」(経済産業省経済産業政策局 経済社会制作室)
実は、日本のもともとの社会風土が女性の雇用を妨げていたわけではありません。
日本とオランダを比較した例によれば、1970年代の女性就業率は、オランダの方が非常に低水準でした。(平成26年11月 成長戦略としての女性活躍の推進)しかし、オランダではパートタイマーの待遇を改善することで、女性の労働力率が上昇しました。いまでは、「オランダ・モデル」と呼ばれるまでになっています。つまり、日本という国のカラーはあるものの、特別「女性が働かない・働けない」社会というわけではありません。変わろうと思えば、これから変わる方法はある。そういった希望を抱けるデータだと感じました。
なぜ、M字カーブが形成されるのか?|M字カーブの谷の原因
日本のM字カーブが形成される要因は、結婚・出産に伴い、女性が働き続けるのが困難となることです。退職によって労働力率が低下し、その後の育児の負担軽減により再び上昇する傾向があります。また、最初のピーク以降落ち込んだ労働力率は元の高さまでは戻らないことから、一度離職してしまうと、再就職が難しくなると考えられます。
参考: 「男女共同参画白書 平成25年版 第2節 女性の労働力率(M字カーブ)の形状の背景」(内閣府男女共同参画局)
M字カーブ底上げは、晩婚化・晩産化とパートタイマーの増加によるもの
出典:「男女共同参画白書(概要版) 平成30年版 女性の就業希望者」(内閣府男女共同参画局)
近年では、M字の底が浅くなってきたため、一見M字カーブを脱したようにも見えます。しかし、実際は結婚・出産年齢の幅が広くなったことや、フルタイムではなくパートタイム勤務を選択する方が増えたことがM字の底上げ要因で、実質的な改善には至っていないと考えられます。(男女共同参画白書(概要版) 平成30年版 女性の就業希望者)
さらに、これまで「専業主婦」を選択していた層が、産後にパートタイマーとして就業する割合が増えたことも影響しています。よって、フルタイムで働く割合が上昇したとは一概には言えません。
ただし、ポジティブにとらえるならば、日本でも結婚・出産後も試行錯誤しながら働き続ける人が増え、事実婚や未婚を選ぶなど多様なライフスタイルが可能になったといえるでしょう。
参考:女性就業3000万人突破、M字カーブは解消 男性との待遇差課題|日本経済新聞
M字カーブの改善に向けて・・・国内にもある、女性が働きやすい環境づくり
数年前から、女性が働きやすい環境のために自治体が中心となって取り組んでいる県もあります。青森県では、コールセンターの開設や青森空港へ国際便を誘致することで外国人宿泊者を増やすなど、女性が就業しやすい環境への求人数を増やしました。また、高知県では、働く女性は「はちきん」と呼ばれ、昔から就労意識が高いという背景があります。2014年6月に「高知家の女性しごと応援室」を県が開設し、その後 3年で約400人の女性が就業。育児によってフルタイム勤務が難しい女性のために、企業と就業時間・日数を調整をするなどのサポートが行われました。
参考:「M字カーブ」落ち込み最少 働くママ、青森が1位|NIKKEI STYLE
このように、行政を主体とした取り組みによって女性の就業率は好転し、M字カーブにも影響を与えていると考えられます。しかし依然として、都市部では「働きたいけれど、職がなければ望ましい預け先に入れない」「子どもを預けなければ、求職活動ができない」といった深刻な状況にいる方もいます。また、「家事・育児=女性が主体となって行う」という認識をもつ男性も数多く、フルタイムへの復職を果たすには女性への負担が大きすぎることも課題の一つです。女性労働力率が理想のドーム型を描いている北欧諸国では、このような働きたいと思う女性の抱える問題をどのように乗り越えていったのでしょうか。
M字カーブ解消のヒント。理想的なドーム型を形成する北欧の政策とは?
1.スウェーデンの場合
前述したようにスウェーデンは、H&M・IKEAなどの有名企業を生んだ国であり、育休先進国かつ女性の社会進出が進んでいる国でもあります。また、「LAGOM(ラーゴム)」という「ちょうどいい」を大切にする文化が根付いています。政府による手厚い施策がありますが、これらは税金によって支えられているため、リーマンショックなどによる国の経済状況の影響を受けることもあります。
政策1:世界最長の育児休暇
・両親で合計480日の育児休暇を取得可能。(うち3カ月は父親専用で、育児休暇は使わなければ0になる。)
・休暇中の390日間は、休暇前の80%の給与が支払われる。
・子どもが病気になった場合、政府の補助によって有給休暇を利用できる。
・有給ではないが、子どもが8歳になるまで育児休暇を取得できる。
・新しく子どもが生まれれば、育児休暇が増える。
・子どもはいるが結婚していない事実婚のカップル「サンボ(同居人)」も、育児休暇を取得できる。
・雇用する側も、盛んに長期の有給育児休暇を奨励している。
・希望すれば、自宅勤務も可能。
政策2:労働時間規制・時間外労働規制
・法定の週労働時間の上限は、40時間。(一部例外あり)
・2013年のフルタイム労働者の週平均労働時間は40.8時間だった。
・年次休暇法で定める法定年次有給休暇は、最低25日!
・法律上、1カ月に50時間、年間200時間を超える時間外労働をすることはできない。
政策3:パート勤務の奨励
・幼い子どものいる親には、パートタイムで働く権利が与えられる。
・2013年には被雇用者の26.2%がパートタイムで勤務しており、EU28カ国の平均を上回っている。
※パートタイム雇用は、労働時間が週40時間未満の雇用を指す。
政策4:フレックスタイム制「フレキシブル・ワークの推進」
・2013年には企業の約半数が、8割以上の従業員にフレックスタイム制を導入している。(欧州企業調査)
・25~65歳の従業員では、約半数(48%)が公式あるいは非公式のフレックスタイム制を利用している。
・スウェーデンの労働時間法(Arbetstidslagen)は、柔軟性が非常に高い。
・1日6時間で15時退社の「フレキシブル・ワーク」を導入している企業が増加したため、短時間で仕事をしながら育児にも積極的に取り組める。
・長期休暇も遠慮なく取得でき、夏季休暇は6週間の取得が一般的。
・バケーションをきちんと取る人や、残業をしないで定時に帰る人が高く評価される仕組み。
政策5:サービス利用料の補助
・個人が家の掃除や、庭の手入れ、子どもの保育園の送り迎え、ベビーシッターなどのサービスを利用するとその半額を国が助成してくれる。
・年間1人、最高約60万円、夫婦だと120万円の助成金を受け取ることができる。
・2009年に導入された比較的新しいシステムで、若い子育て中の家族に歓迎されている。
政策6:迅速な保育施設の提供
・「両親が申請すると4カ月以内に保育園の場所を提供しなければならない」という法律がある。
番外編:スウェーデン政府が掲げる「ファミリー・フレンドリー」
政府が主体となって「仕事より家族との時間が第一」、「男女平等よりファミリーフレンドリー」を実践しているスウェーデンでは、学費は高校まで無料、医療費は18歳以下まで無料となっており、子どもを育てる人に対するサポートが大変充実しています。
昔は専業主婦に対する評価が低く、「仕事をしていない女性は社会的な地位が低い」という不平等への不満がありました。1970年代から、子育て支援や老後の両親の世話の支援を社会全体のシステムとして構築し、近年では待機児童問題の解消や保育園の質の改善など、男女平等や子育てに関する課題に取り組んでいます。
また、祖父母による子育て支援(定期的な保育園へのお迎えや週末に自宅で預かるなど)も進んでいます。スウェーデンでは3世代で同居することがないため、最近のこの社会現象は新しいトレンドとなっています。
参考:
北欧の働く母親も楽じゃない|Newsweek日本版
「待機児童ゼロ」に「世界最長の育休」!?北欧で働く女性が活躍できる理由|Fledge
北欧でも、育児支援は国に頼れない? 頼みの綱は… |NIKKEI STYLE
スウェーデンの「フレキシブル・ワーク」|リクルートワークス研究所
『LAGOM』(ニキ ブラントマーク 著、稲垣みどり 翻訳)
2.デンマークの場合
デンマークは、昨今スローな時間を生きる「ヒュッゲ」が話題となっている福祉国家です。働く親への支援が手厚く、制度上は働く母親の天国ともいわれています。また、労働組合が非常に強いため、何かあれば相談でき、組合が企業を調査してくれます。パートタイマーとして働く女性が多いものの、「パートの奨励は男女平等を妨げる」という声も。フルタイム勤務では、男女同一賃金に非常に近くなっています。
政策1:長期の育児休暇
・有給の産後育児休暇は、両親合わせて最高52週間(最低1年)。
・52週間の休暇のうち32週間は、父母のどちらでも利用できる。
政策2:フルタイムの労働時間規制
・法律でフルタイムの仕事は「週に37時間」の労働と決められている。
・労働者に与えられる休暇は「年に5週間」
・労働時間を短くするためにランチは「30分」という人が多い。
政策3:公営託児所の利用
・母親が仕事に戻りたい場合、政府が費用の4分の3を助成する公営託児所を利用可能で、6歳未満の子の90%以上が利用している。
参考:北欧デンマーク人の働き方、労働環境について。|北欧にブラック企業てあるの?|おっ北欧
3.フィンランドの場合
国連が発表する2018年の幸福度ランキング1位に輝いたフィンランドは、世界で最も住みやすい国だと言われています。世界で初めて女性に選挙権・被選挙権が与えられた国でもあり、約8割の女性がフルタイムで働いています。「家族の時間」「自分の時間」を特に大切にする人が多く、1日7.5時間勤務・16時退社で子どものお迎えに行くのが一般的です。また、たくさんの子育て支援制度があることも、働く女性の一助となっています。
政策1:新米ママ向けの母親手当
・フィンランド社会保険庁事務所から支給される母親手当は、第一子が生まれた際、「現金140ユーロの支給」または「育児パッケージ」の二つから選べる。
・「育児パッケージ」の中身は、ベビーケアアイテム・ベビー服など子育てに必要なアイテムが約50点も入っている。
政策2:保育園法
・全ての子どもたちに保育施設を用意することが自治体の義務となる法律「保育園法」がある。
・誰でも保育園に入れる権利が子どもに与えられている。
・母親の就労有無に限らず、保育園に入ることが可能。
政策3:親休業・父親休業
・親としての有給休暇、父親としての有給休暇が取得可能。
政策4:男女の平等
・公的機関で監視・施行があり、「男女平等」に対する国民一人ひとりの意識が高い。
参考:北欧女性は家庭も仕事も全力投球で 幸福度が高い国の働き方はどこが違うのか|PRESIDENT WOMAN
4.ノルウェーの場合
ノルウェーは、「オープンで寛容な、包摂・受容する社会であること」を目標に掲げており、男女平等や仕事と子育ての両立を実現できる国と言われています。実際に、待機児童0を達成、父親の9割が育児休暇を取得しています。最近では「ダーグママ(保育ママ)」という、他の子育て中の女性の家に自分の子どもを預けるネット上のマッチングサービスも生まれました。(1回 7,000円ほどで利用できるそう。)
政策1:長期の育児休暇
・有給の育児休暇は9カ月〜1年間。
・職場復帰したあとも、赤ちゃんへの授乳のための時間が1日2時間半もらえ、退社時間を早めることも可能。
政策2:父親の育休が義務づけられている「パパ・クオータ制」
・育児休暇を両親合わせて最大54週、うち10週間は父親が取得しなければならない。(およそ25年前から導入されている。)
・一度にまとめて休暇を取得しなくても良く、子どもが生まれてから3歳になるまでは、好きな時に休暇の取得が可能。
政策3:育休明けの復職がしやすい
・法律で、育休を理由とした職務の降格や減給処分が禁じられているため、育休前と同じ職場・ポジションに戻れる。
・出産した女性が職場復帰した場合、元のポジションに戻れないという事態が発生すれば、違法・弁護士沙汰になるため、絶対にないという。
政策4:保育施設へ預ける権利
・ノルウェーには、保育園や幼稚園の違いはない。
・働く親はほぼ全員、「barnehage」という施設に、4〜8時間ほど子どもを預けられる。
政策5:学童保育の利用
・保育施設の預かり時間以上預けたい場合、「SFO」と呼ばれる学童保育を小学生まで利用できる。
・ノルウェーは学校の長期休暇が多いため、そういった時にも利用されている。(夏休みや冬休みに加えて、秋休み・クリスマス休みがある。)
参考:
ママ達が仕事と子育てを両立できる「ノルウェーの常識」を聞いてみた|TABI LABO
『子ども、お年より、女性が輝く国ノルウェー』(上野 勝代 著)
5.アイスランドの場合
2017年 英国誌「エコノミスト」による調査で「働く女性にとってベストな国ランキング」の1位となったアイスランドでも、以前は女性が家事・育児を担うのが当たり前でした。1975年に「男女平等」のために9割もの女性が一丸となってストライキを起こした結果、国民の意識を根底から覆しました。現在では、国会の約半数が女性議員となり、男女問わず優秀な人材であれば活躍できる場があります。
政策1:長期の育児休暇は、父親が多く取ることも可能
・父親専用の育児休暇が最も多い。
・母親3カ月、父親3カ月、更にプラスで3カ月の育児休暇を分担して取得することが可能。
政策2:育児休暇を取得しなければ、支給を受け取る権利がなくなる
・育児休暇を取得する前の給与の80%が、育児休暇中に支給される。
※育児休暇を取得しないとその支給を受け取る権利がなくなってしまう。
参考:
5つのランキングに見る世界と日本の女性活躍(2017年11月時点最新版)
『北欧に学ぶ小さなフェミニストの本』(Sassa Buregren 著、 枇谷 玲子 翻訳)
北欧の国々にもある女性のキャリアと子育て両立の課題|男女平等と個人の変化
柔軟で多様な政策を実施している北欧の国々にも、今後の課題はあります。
例えば、長期の育児休暇によってキャリアが停滞し男女間の収入格差が広がったり、父親の育児休暇取得によって、母親自身が子どもと過ごす時間を減らされたくない、という声もあったりします。
また、自治体による子育て支援だけではキャリアと子育ての両立をサポートしきれないという現状も。数多くの支援制度がある北欧の国々でも、働くことと子育ての両立は大変なことなのです。
M字カーブを形成している日本では、「女性が子育てをする」という意識が根強くあります。北欧のような女性労働力率のドーム型を達成するためには、日本全体で男女平等に取り組まなければ解決できない部分が大きく、キャリアアップや子育てを女性が主体的に決断できるようになる政策の実施が必要です。
ただ、国内だけでも多様な家族の形・女性の働き方があるため、行政の努力だけでは限界があります。また、社会風土は一朝一夕には変化しません。
今すぐできるのは、女性自身が自らの意識を覆すこと。そして、共に過ごすパートナーと話し合うことではないでしょうか。「働く・働かない」の二択だけでなく、家事・子育てなどの分担会議をしたり、有料サービスの利用を検討するなど、あなた自身に合った方法を探してみることがおすすめです。既存の型に限定せず、あなた自身が希望する働き方を叶えられる道があるはずです。
まとめ
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