親子で海辺の田舎町に長期滞在できる「リモートワーク&デュアルスクール」とは?
「都会を離れてリモートワーク!」を子連れで実践する方法。
目次
ライター
デュアルライフ 流行っています
今、都会と地方の両方に生活の場や仕事を作って二拠点を行き来する人や、いろいろな場所を転々としながらリモートで仕事をする人達が少しずつ増えています。いつか田舎に移住するための下地作りをしたい場合や、都会と地方の両方の良さを享受したい場合、長期の旅を楽しみながら仕事もしたい場合など、色々なケースで魅力的なくらし方・働き方でしょう。
場所を選ばずにできる仕事が増え、特にフリーランサーやテレワーク可の会社で働く方はこういうスタイルが可能になってきたわけですが、それでも子育て中の方は「ムリムリ!」と思われることでしょう。夏休み中くらいなら良いかもしれませんが、その場合もずっと子どもと一緒では仕事にならないし、普段であれば学校を休ませることになってしまいますからね……。
ところが、子どもがいてもいつもと違う場所でのリモートワークができるしくみがあるのです。それは「デュアルスクール」。徳島県が進める二拠点通学のことで、親が徳島県内に長期出張をする時に、子どもは地元の公立小中学校に通うことができます。(徳島県のデュアルスクール制度の詳細はこちら)
この制度を使い、昨年10月と今年7月に2週間ずつ徳島県美波町での子連れリモートワークをされた杉浦那緒子さん(株式会社ヒトカラメディア)のレポートをご紹介します。
デュアルスクール・リターンズ
こんにちは、ヒトカラメディアの杉浦です。私は今年の7月8日から2週間、小学生の息子と徳島県 海部郡美波町の日和佐という場所を訪れ、私はリモートワーク、子どもはデュアルスクールで、働き遊び学び暮らす生活を送ってきました。この記事では、滞在中の私たちの過ごし方と共に、ウミガメが来る町・日和佐の魅力もたっぷりお伝えしますね。
※日和佐でのこのような過ごし方は、昨年10月に続いて2度目です。
そもそも、なぜ私がこんなことを始めたかは、『親子で都市と地方を行き来。デュアルスクールをはじめた理由』を、昨年10月の滞在の様子や、私の東京での日常との比較については『東京と徳島、どう変わる?リモートワークとデュアルスクールの日常』をご覧ください。
滞在した「徳島県 海部郡 美波町 日和佐」ってどんなところ?
この絵地図が最も使いやすい。ダウンロードできます? http://www.minami-kankou.com/pamphlet
ウミガメの産卵地としても有名な美波町の日和佐。NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』の舞台でもあります。私自身、滞在4回目なので、日々の生活にもずいぶん慣れました。方向音痴の私ですが、地図なしで自転車であちこち行き来しました。ちなみに自転車は
「道の駅日和佐」にて、レンタルできます。 電動アシスト付自転車は1日1000円、通常の自転車は1日500円です。昼休みの買い出しの心強い相棒でした。
サテライトオフィス戎邸で暮らす親子の毎日
?息子のTシャツが昨夏と同じ!昨年のデュアルスクール記事
https://www.wantedly.com/companies/hitokara-co/post_articles/39349
今回は、美波町で働く母と小学生男子(小学3年生)のなんでもない1日の中で、「どのように過ごしているのか」「どんな場所で過ごしているのか」について詳しくお話します。オススメの生活利便施設やスポットなど、ぜひご自身も滞在している気持ちでご覧ください。
・オフィス兼住宅:戎邸
戎邸 http://hitokara.co.jp/ebisutei/
今回もお世話になってます、戎邸。古民家をリノベーションしたサテライトオフィスです。シェア型サテライトオフィスなので、利用料を払う形で滞在できます。在宅ワークが快適なのはこの施設のおかげ。
1階は、仕事場と打ち合わせスペースと水回り(キッチン・トイレ・シャワーブース)、2階は、4.5畳と8畳と板の間の寝室です。外に洗濯機と洗濯干し場があります。もちろん東京の住居に比べてあらゆるところが広い!それだけでもイライラしません!(笑)仕事場にコード類(Macの変換アダプタも!)、文房具一式、プリンターがあるので、すぐに業務に取りかかることができます。
お客様もたくさんいらっしゃいました。ちなみに人間以外の訪問客として、猫・カニ・ヘビが訪れました。
美波町立日和佐小学校 http://e-school.e-tokushima.or.jp/minami/es/hiwasa/html/htdocs/
戎邸から徒歩6分。忘れ物を届けにいくこと2回。朝の登校後に気付いてダッシュで届けに行きました。東京だと、自分も出勤してオフィスにいるからこういうこともできません。何と言っても伝えたいのは、東京と比べて1人あたりの自由な面積が広いこと!体感値ですが、 運動場・プール・体育館の一人あたり面積は、10~20倍は違うのではないでしょうか。また、学童はないのですが、15:30まで専科の先生がボランティアで宿題をみてくれます。
子どもたちが集まる児童館。詳細はこちら http://maps.pref.tokushima.jp/ud/search/facility_1147.html
日和佐小学校から徒歩6分。日和佐小学校周辺には学童はありませんが、児童館がその機能に近いそうです。出欠確認はしませんが、おうちの人と約束した時間まで遊んで、それから自宅へ向かったり、おうちの人が直接迎えに来たりしています。余談ですが、このあたりで働くお母さんがいるご家庭のお子さんの居場所のパターンは、主に次の4つだそうです。
15:30まで小学校で先生方に勉強を見てもらう(学習塾や学童の代わり)
児童館を利用して、約束の時間まで過ごしてから家に帰る
おじいちゃん・おばあちゃんの家にいる(同居されてるご家庭も多い)
子どもの帰宅時間に合わせて、母親の勤務時間を短めにする(パートタイマーの方に多い)
・スーパー:フードショップみなみ
戎邸から自転車で5分ほど。大抵の食料品をここで買います。海沿いの道路を駆け下りて、厄除け橋を渡るとすぐ右手に。このあたりのスーパーは袋が有料なので、エコバッグを持っていくことをお忘れなく。太刀魚の刺し身、ヨコ(マグロの若魚)の刺し身、地元の方が作ったオリジナルの豆腐やこんにゃくも買えます。野菜も新鮮でおいしい。戎邸から最寄りのスーパーなので、昼休みに買い出しにくるのはもっぱらこちら。営業時間は19時までです。
・スーパー:フレッシュフーズオオキタ
日和佐駅前のスーパー。品揃え豊富。「大人数でこれから宴会だ!」という時はこちらで購入します。お惣菜も充実。地元の方が生産した野菜も格安で売っています。営業時間は19時30分まで。土日も営業しているので、観光客の方も使いやすいです。実際、我が家の週末の買い出しはこちら済ませていました。
写真は、美波町にある豊田屋さんの「三角パン」(独特の生地にやさしい味のクリーム)と四国エリアなどで販売されている「淡路島牛乳」。手延べ麺(うどん・素麺・冷麦など)を製造する時に出る端っこの部分「ふし麺」が、昼ごはんで活躍。こちらのスーパーでは、すだちときゅうりをたくさん買いました。
・鉄板焼き:てこ屋
滞在する戎邸から再最寄(徒歩2分!)の飲食店です。誰かが作ったお昼ごはんが食べたい時、夕ご飯の準備が間に合わない時には、子どもを連れてこちらへ。昨年のちょうさ(秋祭り)で、ヒトカラメディアの男性陣が担ぎ手として参戦しましたが、その時にお世話になった方々とよくここでお会いできます。笑顔が素敵なお母さんと娘さんが、お店を切り盛りされてます。実家よりも実家感。畳の座敷が落ち着きます。20時すぎに行くと閉まっているのでお早めに。個人的には写真のモダン焼きがオススメ。
・定食屋: ひわさ屋
旬のお魚の刺し身もいただける「おつくりごはん」などの夜定食メニューには特にお世話になりました。もしも、お子さんがお魚が苦手でもご安心を。親子丼やカツ丼などの定番どんぶりメニューもあります。写真はおつくりごはん。この内容と量で1500円以下とはお値打ち!
・カフェ:まめぼんカフェ
移住者の方が経営されているカフェ。パスタメニューもケーキもおいしいのですが、手作りパンがとてもおいしい!お客様の希望により、パンの販売もしているとのこと。一人でほっとしたい時、お友達とおしゃべりを楽しみたい時にはうってつけです。店内は無料Wi-Fiが使えます。
・居酒屋:つくし
「きゅうりのアレ」と「22時以降限定のラーメン」がイチオシ。特に、弊社代表の高井がここのラーメンのファンです。取締役の田久保は「鳥レバ刺し」をリピートしてましたね。トライアスロン大会やちょうさ(秋祭り)の際に、ヒトカラメディアのメンバーと合流するのですが、こちらで集まることが多いです。息子にとっては、大画面(プロジェクターで投影!)を見ながらWiiUができるこちらのお店が天国のようでした。
※これから訪れる方へ※ 飲食店全般の注意点として、このあたりの飲食店は「水曜定休」が多いです。閉店時間が20時のお店もあります。うっかりすると、夕飯を食べ損ねるので、お気をつけください。
学習漫画・少年&少女漫画と、ミステリーが充実。西村京太郎をテーマにした大人の読書会も。1度に最大10冊貸出。平日が18時まで、土日が17時まで。原則月曜がお休み。息子はこちらで『名探偵コナン』を10冊お借りしました。おかげでなかなかお手伝いをしなくて、終業式の朝に叱り飛ばしたのも思い出。
(道の駅日和佐 こちらから画像引用 ? http://mitinoeki-hiwasa.com/ )
地元のちょっと変わったもの・お土産を購入したいときはこちら。太刀魚と鯛のお寿司が380円、と東京ではなかなか見られないです。その他、すだちや地元の名産品とお惣菜やお弁当が売っています。足湯(無料)もどうぞ。足を拭くための小さなタオルも販売されているので、ふらっと気軽に立ち寄れます。ここで売られている高知名物「アイスクリン」(アイスクリームよりちょっとシャーベット感がある)が息子の好物です。夏の夜には地元の阿波踊り連「うしお連」がロータリーで追加練習をしていることも。家族参加も多いです。家族で一緒にできる趣味はうらやましい!
・コンビニ:ファミリーマート 日和佐店
(こちらから画像引用 ? https://goo.gl/vqb6XP )
24時間営業のコンビニ。都会にいると当たり前に感じてしまうのですが、夜中や緊急時の買い出しはこちら。携帯(ガラケー)の充電器や、取材を受けた徳島新聞や朝日新聞の取り置きなどで、こちらのスタッフの方には大変お世話になりました。
・海
戎邸から徒歩1分。夕方釣りもできる。子ども達の遊び場として、仕事の息抜きとして。夕暮れ時も美しい。撮影時は小学校高学年のクラブ活動で、先生と一緒に釣りに来ていたお子さんもいました。近くがアジ釣りのメッカで、子供も大人も誰かしら釣り糸を垂らしています。
・大浜海岸
突然深くなるため、2~3回に1度大きな波が。秋はちょうさ(秋祭り)の会場の一部として、夏はトライアスロン大会のスイム(1.5km)競技場所として。写真中央の小高い岩が、スイムの折り返し地点です。ライフセーバーが両脇に等間隔でコースロープのように並び、その間を大勢の選手が泳ぎます。
日和佐八幡神社Webサイト((株)まめぞうデザインさんが奉納) ?http://hiwasahachiman.com/
7月のトライアスロン大会のゴール&本部。また、10月のちょうさ(秋祭り)のメイン会場として。10月のちょうさでは、神主さんのマイクパフォーマンスも見ものです。8つのちょうさ・8つの町の説明を滑舌のよい美声でお届け。
大浜海岸と八幡神社に接したうみがめについての展示施設。建物の中に入らなくとも、外からうみがめを眺めることができ、中にはうみがめに関する資料の展示があります。世界最高齢のアカウミガメ「浜太郎くん」(1950年(昭和25年)生まれ・67歳)もいます。
屋内に展望スポットからは大浜海岸を一望できます。子どもたちの理科や社会の教材場所としても活用されています。亀が泳ぐスピードを体感できるコーナーがあり、ものすごい俊足(?)で「のろまなカメは地上限定だ」と知りました。ちょっとしたおでかけ場所としてオススメです。
四国八十八箇所霊場の第二十三番札所。温泉もあります。タオル1本と500円を握りしめて、1日の疲れを癒しに。温泉の受付は20時30分まで。「金曜の夜は温泉」と決めて親子で仕事と家事と宿題をがんばりました。毎朝6時になると薬王寺の鐘の音が聞こえてくることもあり、生活の中でお寺の存在がより近い気がします。
・猫(辻猫)
辻猫の「辻」とは十字路や交通の要所のことで、転じて「道端」という意味もあります。野良猫というよりは地元猫という言葉がしっくり来ます。そこここで見かける猫。涼しいところを探すのが上手。戎邸の庭にも猫が訪れたと上述しましたが、訪れた2匹はミケ猫とトラ猫でした。あちらからすると戎邸も縄張りの一つ。温泉とはまた違った癒やしです。
今日も明日も明後日も
旅行というには長すぎて、暮らすというには少し短い2週間。今年は親子で、自転車と徒歩で美波町の街巡りをしながら過ごしました。昨年と同様、息子のお友達も戎邸に遊びに来てくれ、また近隣の方も訪れてくれました。潮の香りと波の音、緑の匂いと夜の静けさが、東京とはまた違った空間にいることを教えてくれます。
親子どちらも仕事・学校と、日中はそれぞれの本分に取り組みますが、平日の夕ご飯と休日にはちょっとご褒美の時間があります。働くと暮らすの間に「観光」がある生活。リモートワーク&デュアルスクールの楽しみは、この「隙間の特別感」なのかもしれません。
※本記事は、こちらの記事を編集の上で引用させていただきました。
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